“小さな気づき” をわざわざ書きとめる人が強いこれだけの理由。

小さな気づきを書きとめる人が強いワケ。中司祉岐さんインタビュー第3回01

「その日その日をのんびり暮らせればそれでいい」という考えの人ならいざ知らず、「社会に出た以上、社会人として成長したい」と多くの人が考えて奮闘していることでしょう。でも、その奮闘が空回りだったとしたら……?

そんな事態に陥らないためのアドバイスをしてくれたのは、企業ごとの独自の日報を作成し、その書き方を添削することでクライアントの業績を激増させているコンサルタント企業・株式会社日報ステーションの代表取締役・中司祉岐(なかづか・よしき)さん。自らの成長を叶えるためには、「ビジネス書を読むより日報を書いたほうがいい」と語ります。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)

自分なりの日報のスタイルをつくる

弊社の業務は、それぞれのクライアントに合わせたオンリーワンの日報を作成し、クライアントが記入した日報の添削、面談を通じてクライアントの業績を上げていくことです。重要となるのは、「オンリーワンの日報」を作成するということ。というのも、本来、日報とは使う人間の業務内容、課題、性格などによってフォーマットが細かく変わるべきものだからです。

たとえば、同じ会社であっても経理部と営業部では業務内容がまったくちがうのですから、同じ日報を使うわけにはいきません。営業部ならどの案件でいくらの利益を出したのかという売上を意識する必要があります。一方、経理部というのは営業努力としての売上を意識する必要はありません。仕事をいかに早く効率的に終わらせるかという生産性が問われます。重視すべきポイントがちがうのですから、使う日報もちがって当然なのです。

そういう意味では、みなさんが日報をつける場合も自分なりのスタイルを見つけていく必要がありますので、そのためのコツをお教えしましょう。

まずは、その前提として、PDCAサイクルのPDCAを「アイデア」「実践」「チェック」の3つにわけて考えましょう。Pは計画、つまり「アイデア」です。Dはそのまま「実践」。そしてCの「チェック」。最後のAは改善ですから、これも「アイデア」となります。

そして、「アイデア」「実践」「チェック」のうち、自分はどれが苦手な人間なのかを考えてみてください。それに基づいて、日報のスタイルを考えるのです。たとえば、アイデアはどんどん浮かぶのに成果が出ないという人は、実践とチェックを強化するような日報の内容にするというわけです。

小さな気づきを書きとめる人が強いワケ。中司祉岐さんインタビュー第3回02

「あたりまえのこと」がビジネスチャンスを生む

こうして自分なりにつくり上げた日報には、それこそどんなささいなことも書き込みましょう。その習慣こそが重要です。

では、具体例で示します。これは、あるユニホーム店の例で、そこの店主は、飛び込み営業ではほとんどうまくいったことがありませんでした。でも、あるとき、たまたま飛び込み営業が成功した。そのときに売れたのは、特別な意図もなく仕入れた「特価商品」でした。そこで、店主は日報に「特価商品は売れる」と書き込みました

そうして日報に書き込んだことで、その営業から帰社したときにもその日の終わりにも、彼は「特価商品は売れる」という言葉を見ることになります。そして、「他の問屋にも特価商品があるんじゃないか」と考えた店主は、片っ端から問屋に電話をしました。すると、20アイテムくらいの特価商品が集まった。そこで、特価商品だけのチラシをつくってみたところ、その後の営業はことごとく成功しました

「特価商品は売れる」と聞くと、「あたりまえじゃないか」と思いますよね? でも、得てしてそういうあたりまえに思えることがビジネスチャンスにつながるものなのです。

わたしたちがひらめくようなことは、たいてい他人もひらめくこと。ちがいが出るのは、それをわざわざ書きとめるかどうかです。日報に書きとめておく。その行為によって、ささいな事実を広げ、アイデアを2段も3段も掘り下げることができるのです。

小さな気づきを書きとめる人が強いワケ。中司祉岐さんインタビュー第3回03

日報で個人的な「ボトルネック」を発見する

では、そういった事細かな日報をきちんと書かない場合、どうなると考えられるでしょうか。それは、ビジネスパーソンとしての成長があまり見込めないということです。なぜなら、日報を書かなければ、仕事がうまくいっていないというときに、その原因を把握することができないからです

仕事がうまくいっていない場合、あるひとつのことがいわゆるボトルネックになっている可能性が高いものです。工場のライン作業で考えれば、5人の従業員のうち4人が1日30個の製品をつくる作業をこなせるのに、Aさんというひとりの従業員が1日20個の製品をつくる作業しかこなせないとしたら、そのラインでは1日最大20個の製品しかつくれません。この工場ではAさんがボトルネックになっていることが大きな問題といえます。

それと同じような構造が、個人の成長という面にも見られることも多いものです。たとえば、営業力は抜きん出て高いのに、部下を育成することはものすごく苦手という営業マンの場合、どうしても現場の人間止まりというところでしょう。育成力がボトルネックとなって、営業部長に昇進することなどできません。

逆にいえば、その営業マンが育成力さえつけることができれば、営業力という大きな武器をすでに持っているために、大きく成長することができるというわけです。自身のボトルネックを発見して重点的に改善を図るために、日報は大いに役立ちます

小さな気づきを書きとめる人が強いワケ。中司祉岐さんインタビュー第3回04

ビジネスパーソンとしての成長というと、ビジネス書を読むなどして新しい知識を得ることだと考えがちです。でも、そもそもそのビジネス書の内容が自分の業務内容に合っているのか、あるいは書いているとおりに行動に移せるのかというと、そうではないことも多いものですよね。

でも、日報は自分の行動記録であり、自分の間違いや自分に足りない部分といった問題点がはっきりとわかるものです。であるのならば、下手に新しいものに手を出すのではなく、日報を使って現時点の問題点を改善していくほうが、確実な成長につながるのではないでしょうか

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【プロフィール】
中司祉岐(なかづか・よしき)
1980年12月25日生まれ、山口県出身。株式会社日報ステーション代表取締役。山口商工会議所エキスパート。山口県商工連合会エキスパート。財団法人やまぐち産業振興財団専門家。高校卒業後、零細飲食店に入社。集客を担当し、来店者数10倍、客単価2倍を実現。その後、大手アパレルチェーンで販売員として全国トップテンに入る業績を上げる。個人経営の工務店に勤務中、中小零細企業こそ少しの工夫で成果が出せると気づき、零細企業専門コンサルタントとして独立。代表取締役を務める株式会社日報ステーションでは、日報の赤ペンコンサル指導により数多くの企業の売上を大きく引き上げている。著書に『書くだけで自分が9割変わる』(プレジデント社)、『小さなひらめきが成果に変わる A4マイ日報で「勝ちパターン」仕事術』(幻冬舎ルネッサンス)、『A4 1枚で「いま、やるべきこと」に気づくなかづか日報』(経済界)がある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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