テクニックに走るのはNG。「いい質問」をするための、きわめてシンプルなルール

赤羽雄二さんインタビュー「いい質問をする方法」01

ビジネスパーソンにとって重要な能力のひとつが、コミュニケーション能力です。「コミュニケーション能力を高めるテクニック」とうたうビジネス書が世の中にはあふれています。

ただ、かつて世界的コンサルティング企業、マッキンゼーで活躍し、ベストセラー『ゼロ秒思考』(ダイヤモンド社)の著者としても知られる赤羽雄二(あかば・ゆうじ)さんは、「そういったテクニックに走ることはNG」だと言います。そうではなく、「ただただ真剣に、本気で、徹底的に相手の話を聞く」ことが何より大切なのだそう。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人(インタビューカット)

そもそも「いい質問」とはどんな質問なのか

多くの人と関わりながら仕事を進めるビジネスパーソンにとって、最重要課題のひとつがコミュニケーション能力を高めることとも言われます。そして、そのためには、「いい質問」をできるようになる必要があります。なぜなら、コミュニケーションの多くは、質問とそれに対する回答で成り立っているからです。いい質問ができなければ、いいコミュニケーションをとれるはずもありません

では、「いい質問」とはどんな質問のことでしょうか? ビジネス書などでは、よく「質問力を高めなければならない」なんてことが言われますよね。私は、個人的にはこの「質問力」という言葉はいっさい使いません。なぜなら、「いい質問」をするためには、質問力といった言葉に引っ張られて妙にテクニカルな方向に走ることはよくないからです。

大切なのは、そういった小手先のテクニックを身につけることなどではありません。ただただ真剣に、本気で、徹底的に相手の話を聞くこと。そして、そうするなかで自分のなかに湧いてくる疑問点について、相手にあまり遠慮せず質問するのです。その質問こそ、「いい質問」だと私は考えています。これは、私が提唱する「アクティブリスニング」というメソッドです(『「真剣に話を聞き、遠慮せず○○する」問題解決の最強メソッド、ここにあり!』参照)。

赤羽雄二さんインタビュー「いい質問をする方法」02

不勉強のままコミュニケーションの場に臨むのはNG

ただ、「いい質問」をするためには、前提となる条件があります。話を聞く、質問をする相手が、たとえば著書を出していたりYouTubeなどで動画を公開したりしているような場合には、理想としてはそれらの著書や動画のすべてに目を通しておくべきです。不勉強のまま話を聞いて質問をすることは、失礼にあたるからです。

このことは、個人ではなく取引先との商談やミーティングの場でも言えること。そういった相手とのコミュニケーションの場に臨むにあたって、事前の下調べをまったくしないという人はそうはいないでしょうけれど、もし下調べをしないまま臨んだとしたら? それこそ相手の会社のホームページを見ればわかるような基本的なことについて質問をしてしまったりすれば、相手からすれば「そんなことも調べていないのか」と、あなたに対する相手の評価は即座に失墜するでしょう。これでは、いいコミュニケーションをとるどころではありません。

もちろん、コミュニケーションをとる相手が、著書を出したり動画を配信したりホームページを開設したりしていない場合もあります。そのときは、真剣に、本気で、徹底的に相手の話を聞き、そうするなかで浮かんだ疑問点についての質問をあまり遠慮せずにすることに尽きます。

赤羽雄二さんインタビュー「いい質問をする方法」03

「A4メモ書き」で質問のクオリティーを上げる

また、「いい質問」をするにあたって、多くの人が勘違いしがちなことについても解説しておきましょう。「いい質問」をするには、「もともとの頭の回転の速さが必要ではないか」と思う人も多いものです。

しかし、これは完全な間違い。なぜなら、すべての人間の頭はもともと高い能力をもっているからです。もちろん、一部の天才と呼ばれるような飛び抜けて頭がいい人もいます。でも、そんな頭のよさは、「いい質問」をするためには必要ありません。ごく一般的な人がもっている一般的な頭のよさがあれば十分です。

ただ、できれば頭をよりシャープな状態にしておくほうがいいでしょう。そうすると、相手の話を聞くときの理解度も高まりますし、そこでふと出てくる質問もより適切なものになるからです。そのために、前回のインタビューでもお伝えした「A4メモ書き」というメソッドを実践することをおすすめします(『「1ページ1分のメモ」で、苦手で腹が立つ“あの人”との関係がよくなるワケ』参照)。

【思考のスピードを上げる「A4メモ書き」実践法】

  • A4用紙を用意し、横書きで書く
  • 気になることや疑問点、思いついたことなど、頭に浮かんだことをすべて書き出す
  • 1ページあたり1分ですばやく書く

この作業を毎日10ページから20ページ繰り返しましょう。そして、一度にまとめて書くのではなく、思いついたその瞬間に書いてください。そうするうちに、あなたの頭はどんどんシャープに研ぎ澄まされ、より「いい質問」をできるようになるはずです。

赤羽雄二さんインタビュー「いい質問をする方法」04

【赤羽雄二さん ほかのインタビュー記事はこちら】
「真剣に話を聞き、遠慮せず○○する」問題解決の最強メソッド、ここにあり!
「1ページ1分のメモ」で、苦手で腹が立つ “あの人” との関係がよくなるワケ

自己満足ではない「徹底的に聞く」技術

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  • 作者:赤羽雄二
  • 発売日: 2020/08/29
  • メディア: Kindle版
 

【プロフィール】
赤羽雄二(あかば・ゆうじ)
ブレークスルーパートナーズ株式会社 マネージングディレクター。東大工学部卒業後、コマツにてダンプトラックの開発に携わる。スタンフォード大学大学院に留学後、マッキンゼー入社。ソウルオフィスをゼロから立ち上げるなど、14年間活躍。その後、ブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業し、ベンチャー経営支援、大企業の経営改革、幹部育成、新事業創出に取り組む。韓国、シンガポール、インド、ベトナムなどの企業を支援。著書に『ゼロ秒思考』『速さは全てを解決する』『変化できる人』など国内21冊、海外21冊。合計95万部超。内外での講演多数。東京大学、早稲田大学、電気通信大学、北陸先端科学技術大学院大学講師。
著書一覧講演一覧オンラインサロン

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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