「メモ習慣が続かなかった人」におすすめ。今度こそ身につけられる “3つの手書き習慣”

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「スマートフォンでメモをとることに慣れているので、わざわざ手書きでメモするのはおっくうに感じる」
「仕事はパソコンさえあれば事足りる。手書きのメモなんて、たとえとっても活かす機会がない」

このように、手書きメモが大事だとはよく聞くけれど、実際に続けるのは面倒くさい……と感じる人は多いのではないでしょうか。

しかし、手書きでメモをとるからこそ得られるメリットがあるのです。そこで今回は、手書きメモの習慣がなかなか身につかないあなたに、おすすめの手書きメモの方法を3つご紹介します。

そもそも、どうして「手書き」がいいの?

スマートフォンやパソコンでも簡単にメモをとれる時代に、あえて手書きメモをおすすめする理由――それは、考えたり覚えたりするための脳の働きが、活発になりやすいからです。

脳科学研究の第一人者・川島隆太氏は、実験で、手書きとIT機器(パソコン・携帯電話)で文章を書いたときの脳機能を計測しました。すると、手書きのときは思考や記憶をつかさどる前頭前野が活発に働いた一方、IT機器のときはまったく働かなかったそう。つまり、考えをまとめたり情報を覚えたりするには、手書きのほうが向いていると言えるのです。

実際、手書きでメモをとると、仕事力アップにつながります。経営コンサルタントの鈴木進介氏は、思考を整理しやすいうえ発想が豊かになることから、仕事における手書きのメモの大切さを強調しています。

仕事で大切なのは、最適な行動を起こすべく、考えをしっかりと深めること。それには、思考力や記憶力を働かせられる手書きのメモがうってつけなのだとか。

そう語る鈴木氏自身、かつてプレゼン資料を最初からパソコンでつくったところ、肝心の本番で内容をうまく話せなかったことがあるそうです。その経験をふまえ、資料などをつくる前には必ず手書きで要点をメモし、考えをまとめてからパソコンを使うようになったとのこと。その結果、伝えたいことが伝わりやすくなり、商談に成功する回数が増えたと言います。

このエピソードからも、手書きメモの効果は明らかですね。

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【おすすめメモ術1】ポケットにペンとメモ帳を入れておく

「手書きのメモがいい」とはわかっていても、メモしたいと思ったときにペンを持っていない……ということはよくあるもの。かといって、オフィスで忙しくバタバタしているなか、デスクにメモ帳やペンを取りに戻るのはおっくうでよね。手書きメモの習慣をつけたくても、壁を感じる人は多いことでしょう。

そこで提案したいのは、ポケットにメモ帳とペンをセットで入れておくこと。『メモの技術』著者の坂戸健司氏が推奨する方法です。こうすれば、「メモしよう」と考えたとき、「取り出して書く」という行動にすぐ移ることができます。

この方法は、習慣化の観点から見ても理にかなったものです。というのも、ポケットにメモの道具を入れておくだけで、手書きのハードルを下げることができるからです。

習慣化コンサルタントの古川武士氏によると、「新しい習慣を始める前」が、最もおっくうだと感じるタイミング。この抵抗感に打ち勝つには、時間を短くしたり難易度を下げたりして、とことん簡単なレベルのことから始めるといいとのこと。

ポケットからメモ帳とペンを出すだけなら、3秒もあればできますし、動作も究極なまでに簡単です。ノック式のペンや、ひも状のしおりがついたメモ帳を使えば、さらにメモがとりやすくなって、習慣化もしやすくなるでしょう。

いくら手書きの良さを理解しても、面倒に思う気持ちが勝ってしまって習慣化できないようでは、あまりにもったいないもの。スーツなどポケットつきの服を着る機会が多いなら、ぜひお試しください。

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【おすすめメモ術2】予定が決まったら手帳へすぐ手書きする

打ち合わせの予定が決まった。上司から「○日までに資料をつくって」と指示された。そんなときは、スマートフォンやパソコンのカレンダーに入力するのではなく、手帳に予定を手書きしてみましょう

手帳評論家の舘神龍彦氏によると、アナログの手帳ならではのメリットは、自由度と一覧性。予定を書き込んだ周辺に、関連情報(例:仕事の内容、段取り、移動経路)を好きなレイアウトで、一か所にまとめて書いておけるからです。

また、手帳ならパッと開いて即時に予定を確認・記入することが可能。スマートフォンのカレンダーやメモアプリを使うと、何回か画面をタップする必要があるため、手帳のほうが圧倒的に簡単に見返せると舘神氏は言います。

予定を手帳に手書きする習慣をつけるには、まず、予定が決まったら「すぐに」手帳へ書くようにするとよいとのこと。予定および移動時間などの関連情報を早めに書いておけば、残った時間(予定が入っていない時間)をより有効に使えるようになるからです。

予定をひとつメモするだけなら「どこに書こう」「スペースの使い方は……」などと考えることも、長い時間も、必要ありません。手書きでメモするハードルはかなり低いはずですよ。

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【おすすめメモ術3】打ち合わせ内容を「5W1H」で手書きする

打ち合わせのメモを手書きでとっても、なぜかごちゃごちゃしてしまい、あとで見返しても何が重要なのかまったくわからない。そんなメモでは役に立たないし、結局とる意味がない……。

そんな人は、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の5W1Hに沿って、メモをとりましょう。

これは、研修トレーナーの伊庭正康氏が実際に行なっている方法です。数多くのビジネスパーソンのメモ術を研究してきたという伊庭氏によると、仕事のできる人は、あとで見返したときにどんな話だったかがすぐわかるようなメモをとっているそう。

それを実現する手法のひとつが、この5W1Hメモです。話の内容を整理しやすいうえ、必要な情報を漏れなく抽出できると言います。

たとえば、以下のようなメモがとれるでしょう(イメージしやすくするための、ごく簡単な例です)。

例:5月30日(月)10~11時 夏に開催するセミナーについての打ち合わせメモ

  • When(セミナー日程)
    7月中。具体的な日程は来週確定
  • Where(開催場所)
    オンライン
  • Who(登壇者)
    著名実業家X氏をゲストに呼ぶ
  • What(テーマ)
    上半期のトレンド総括、下半期の展望について
  • Why(セミナーの目的)
    自社サービスへの申し込み獲得
  • How(段取り)
    X氏への打診を今週中に行なう

もし、5W1Hのうちどこかが空いていれば、重要な内容を聞き漏らしているとわかるので、質問がしやすくなります。あらかじめ枠を用意しておくとメモしやすいかもしれませんね。

重要な情報だけがまとまったメモが完成するので、振り返りや共有も簡単です。「手書きでメモをとってもごちゃごちゃするだけ。仕事の役になんか立たない」というイメージを、きっと払拭できるのではないでしょうか。

***
ご紹介した方法を取り入れると、手書きでメモをする機会が自然と増えるはずです。じつはこれも、習慣化には大事なポイント。

ビクトリア大学教授のRyan E. Rhodes氏らが、ジム通いの習慣化について行なった研究によると、習慣をつくるには「頻度」が重要で、週4回以上ジムに通った人は、週3回以下の人よりも、長期にわたりジム通いを続けることができたのだそうです。

1回にメモする内容はちょっとしたことでもいいので、少なくとも週4回は手書きでメモをとってみてください。手書きをおっくうに感じていたあなたも、今度こそ手書きメモの習慣を身につけられますよ。

(参考)
東洋経済オンライン|スマホが脳の発達に与える無視できない影響
プレジデントオンライン|仕事のできる人が「メモを取るならスマホよりノートに手書き」と断言する当然の理由
ダイヤモンド・オンライン|「なぜ、続かないのか?」5万人を変えた習慣化のプロが教える 初期抵抗を乗り越える3つのコツ
坂戸健司 (2013), 『メモの技術』, すばる舎.
文具のとびら|【舘神龍彦の手帳講座・2019春】手帳の根本と活用の基本 Vol.1
文具のとびら|【舘神龍彦の手帳講座・2019春】手帳の根本と活用の基本 Vol.2
LIFE|メモを取るなら手書き?デジタル?今どき便利なメモの取り方とは
THE21オンライン|メモを取る時は「5W1H」を意識せよ
Springer Link|Exercise habit formation in new gym members: a longitudinal study
プレジデントオンライン|「週4回のトレーニングでも楽に感じる」ジム通いが続く人と続かない人の決定的な違い

【ライタープロフィール】
藤真 唯
大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいてわかりやすく伝えることを得意とする。

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