朝からストレスの溜まる満員電車。運よく座れたとしても、通勤時間はただ漫然と時が過ぎていくもの。通勤電車の中で「どこでもドアがあったら……」と考えたことが一度はあるのではないでしょうか。
都内に勤務するサラリーマンが理想とする通勤時間はおよそ35分、という調査結果があるのだそう。一方で、実際に通勤にかかる時間はおよそ1時間となっており、理想と現実の大きなギャップが見られます。さらに、通勤時間が有意義だと感じている人の割合はわずか27%。多くの人が、長い通勤時間を無駄に過ごしてしまっているのです。
今回は、その通勤時間をより有意義な時間にできる手軽な方法をご紹介します。他人にぶつかられることはあっても、声をかけられることはあまりないのが通勤電車。自分のためだけに使える通勤時間を、フル活用していきましょう!
脳を休める
通勤時間が長いことの最大のデメリットは、睡眠時間が削られてしまうことではないでしょうか。本当はベッドに横になりぐっすりと眠りたいところですが、電車の中で立っていても、睡眠と同様の効果を得る方法はあるようです。アクティブにスキマ時間を活用することもたいせつですが、脳をしっかり休めて吸収力を高めていくことも「学び」の一部です。
私たちが活動しているとき、脳は様々な情報を処理しながら徐々に疲労を蓄積させています。睡眠不足の状態だと、脳はその疲労から完全に回復することができず、注意力が散漫になるなどの悪影響が生じます。
ですから、満員電車で何もする気が起きないのなら、いっそのこと脳を完全に休ませてしまいましょう。
ここで重要なのが、脳内への入力情報の8割は視覚由来の情報だということです。従って、目を閉じるだけで脳への入力情報の8割を遮断することができ、脳に休息を与えられるのです。実際に、目を閉じていると、リラックスしたときに出るα波が増加し、脳が安静状態になることが明らかになっています。この方法で脳の疲労回復を行うのに最適な時間は、10分から15分だそう。通勤中の10~15分、目を閉じてリラックスしてみてはいかがでしょうか。
動画で学ぶ
次におすすめするのが、Netflix、hulu、Amazonプライム・ビデオなどの定額動画配信サービスです。
動画配信サービスと聞くと、海外ドラマや映画など、娯楽としての印象が強いかもしれません。しかし、英語で番組を視聴すれば語学学習にもなりますし、ナショナルジオグラフィックなどのドキュメンタリー番組も豊富なので教養をつけるのにも最適なのです。
なかには、Amazonプライム・ビデオのように、事前に自宅のWi-Fi環境を使ってスマートフォンやタブレットにダウンロードしておけば、通勤中にオフライン再生することができるサービスもあります。こうしたサービスを使えば、通勤中でも通信量を気にせず視聴することができますね。
より実務的なものとしては、「テレビ東京ビジネスオンデマンド」がおすすめです。こちらはテレビ東京の経済番組が見放題となる月額動画配信サービス。番組例としては「ワールドビジネスサテライト」や「ガイアの夜明け」「カンブリア宮殿」など、ビジネスパーソンなら押さえておきたい番組が揃っています。最新の経済情報、ビジネス知識を得る場として、通勤時間をフル活用しましょう。
Podcastで考える
3つ目の方法がPodcastです。Podcastとは、Appleが配信しているダウンロード方式のインターネットラジオ番組。Podcastでは数多の番組を無料で視聴することができるのです。しかし、無料と侮ることなかれ。中には非常に質の高い番組もあります。今回はその中から、おすすめの番組を3つご紹介しましょう。
1.「ザ・ボイス そこまで言うか!」 この番組は、コメンテーターが日替わりで登場し、それぞれの視点から激しく議論するというもの。トピックは政治、経済、国際関係など多岐にわたります。各コメンテーターの過激な意見に対して疑問を感じたり賛同したりする中で、自分の意見を持てるようになるのではないでしょうか。
2.「伊藤洋一のRound Up World Now!」 世界中の1週間分のニュースを経済評論家の伊藤洋一氏が30分で解説する番組です。1週間に一度の放送のためスピード感には多少欠けてしまいますが、伊藤氏の解説を聞くことで、その週に起きた出来事を、効率よくまとめておさらいすることができます。さらに、次の週の展開を自ら考えれば、聞き流してしまいがちなニュースについて考えをめぐらす機会となります。他のビジネスパーソンを一歩リードできるような意見を持つことができるかもしれません。
3.「バイリンガルニュース」 これは英会話番組です。最大の特徴は、MichaelとMamiの二人による、台本のない一発本番の収録だということ。そのため、まさしく生の英語に触れることができます。世界中で話題になっているトピックについて、バイリンガルの二人がカジュアルに繰り広げる会話を聞くことで、使える英語を身につけましょう!
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ぼーっと過ごしてしまえば、平均して1日2時間も無駄になっている通勤時間。毎日の始まりと終わりを有意義に過ごせば、1日の満足度が格段に上がるのではないでしょうか。今回ご紹介した方法は簡単に始められるものばかりなので、より良い1日を過ごすことができるよう、ぜひ明日から取り入れてみてください。
(参考) at home|トレンド調査 ―「通勤」の実態調査 2014― 視覚認知情報学研究室|視覚科学 夜勤の健康.com|知らずに溜まってしまう睡眠負債