学校の試験に資格試験、仕事のための読書……。どのような目的であれ、勉強するからには結果を出したいものですよね。しかし実際には、勉強して結果が出る人とそうでない人がいます。両者の勉強法の間には、大きな差があるのです。

勉学で結果を出し続けてきた「最強のエリート」たちに、勉強法の極意を学びましょう。

エリートたちの勉強法には共通項がある

今回StudyHackerが注目したエリートは以下の4人の方々。その華々しい経歴を紹介します。

山中伸弥氏
京都大学教授、京都大学iPS細胞研究所 所長。言わずと知れた、2012年のノーベル医学・生理学賞受賞者です。長きにわたって研究の道を熱心に歩み続けています。

山口真由氏
弁護士。東大在学中に司法試験・国家公務員Ⅰ種に合格。東大を首席で卒業後、財務省を経て、ハーバード大学ロースクールに留学。ニューヨーク州弁護士資格も保持。テレビのコメンテーターや執筆業でも活躍中。

岩瀬大輔氏
ライフネット生命保険 取締役会長。東大在学中に司法試験に合格。東大卒業後はボストン・コンサルティング・グループ等を経てハーバードビジネススクールにMBA留学し、帰国後、ライフネット生命創業に参画。注目を浴び続ける若き経営者。

猪俣武範氏
眼科医。順天堂大学大学院にて医学博士号を取得後、ハーバード大学医学部に留学。並行してボストン大学にも留学しMBAを取得。眼科専門医としてだけでなく、医療関係者の海外留学を支援するNPOを設立するなど、多方面でご活躍中。

彼ら一流の知的エリートたちが実践する勉強法を見てみると、いくつかの共通項を見出すことができます。そしてそのポイントは、勉強でなかなか成果を出せない人がやってしまいがちな勉強法と相反するもの。最強のエリートたちが実践する勉強法を紹介していきます。

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エリートたちの勉強法1:明確な目標設定

知的エリートたちは、勉強にあたって明確な目標を設定し、その目標を見据え続けています。何のために勉強するのかを、常に念頭に置いているのです。目標なくとりあえず勉強に着手してしまうのは、非エリートのやり方。

猪俣氏は、明確な目標を立てるためSMARTゴールというフレームワークを使うことを勧めています。

SMART とは、Specific(より具体的な)、Measurable(評価可能な)、Achievable(実現可能な)、Realistic(現実的な)、Time-bound(期限内に達成可能な)、という5つの言葉の頭文字をとったもので、これらを満たす目標を設定するわけです。このフレームワークを用いることで、目標をより明確に設定できます。

(引用元:StudyHacker|【書評】目標を次々に達成する人の最強の勉強法

また、山中教授は、勉強・研究の心得としてVWが大切だと言います。VWは「Vision」と「Work Hard」の頭文字。勤勉なだけではだめで、長期的な目標を見据える必要があるということです。山中教授は高校生に向けた講演で次のように述べています。

みんな勉強で忙しいと思うんだけど、よく考えてみると、テストでいい点を取るのが勉強の目的ではないはずですよね。何かやっぱり目的があって勉強をしているはずで、ビジョンというのは長期目標ということであると思いますけど、僕にとってのビジョンは何なのかと、忙しいと思いますけど、勉強の合間にちょっと考えたらどうかなと思っています。

(引用元:ログミー|「日本人は一生懸命働く。ただ、そこにビジョンがない」 ノーベル賞・山中伸弥教授が指摘

エリートたちが勧めるように、勉強の目標は明確に設定し、長期目標も合わせて見据えましょう

「いつか海外支社を統括するチームで働きたいから、とにかく英語を勉強しよう」という目標は、SMARTではありませんしV(ビジョン)も持てていません。モチベーションは湧かず、勉強も進まないでしょう。

3年後までに海外支社を統括するチームで働きたい。そのためにはまず、1年後までに海外勤務できるように、〇月のTOEICで850点取ろうこのレベルにまで、目標を具体化し、勉強したその先のイメージも持つことができれば、勉強に身が入るはずです。

エリートたちの勉強法2:全体像の把握から入る

知的エリートたちは、学ぶ対象の全体像を把握するところから勉強をスタートします。何も考えず1ページ目から順を追って勉強するのは、非エリートのやり方です。

山口氏が勧める勉強法として有名な7回読み。同じ本を7回読むことで内容をしっかり記憶するという方法ですが、7回のうちの前半は全体像を把握するために読むのだそう。

まず1~3回目は見出しなどを拾いながら読み流します。これを「サーチライト読み」と呼び、本の全体像をつかんでいく作業。次の4、5回目は「平読み」と呼び、重要キーワードを意識しながら普通のスピードで読んで要旨をつかむ。1~3回目で全体像を捉えているので、内容はより頭に入りやすくなっているでしょうね。そして、6、7回目は「要約読み」と呼び、内容を頭で要約しながら読んでいきます。この方法で1冊の本を7回読めば、その内容を頭のなかに写し取ることができるというロジックです。

(引用元:StudyHacker|最速で確実に結果がついてくる「7回読み」勉強法——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第1回】

資格試験の参考書を初めて読む段階で、内容を理解しようと意気込むあまり、1ページ目から順に精読するものの、理解できずに挫折する――。よくあることではないでしょうか。

勉強をする際はいきなり内容を理解しようとしたり、細部にとらわれたりしてはいけません。山口氏の7回読みで言えば、内容に目を向けるのは6回目からです。勉強における全容把握の大切さは、猪俣氏や岩瀬氏も主張していること。全体像を理解することは、次のポイントにも活きてきます。

エリートたちの勉強法3:無駄を省く

エリートたちの勉強法には、無駄がありません。成果に結びつきそうにないことには労力を使わず、やるべきことにフォーカスして勉強します。非エリートは、すべての項目をおしなべて頭に入れようとするから挫折するのです。

猪俣氏は、効率的に最大限の成果をあげる勉強法としてLEAN勉強法を提唱しています。(leanとは「無駄がない、効率的な」の意味)

①「目標を視える化」し、「やるべきこと」と「やらないこと」を明らかにする
②「ムダを省き」時間を捻出し、やるべきことにフォーカスする
③「カイゼン」を繰り返し、プロセスを磨き上げる
④そのプロセスを「習慣化」する
⑤長期的な展望を見据えながらも「小さな勝利」を意識し、モチベーションを高く保ち、LEANの良循環を継続していく

(引用元:StudyHacker|【書評】目標を次々に達成する人の最強の勉強法

岩瀬氏も、著書『ライフネット生命岩瀬大輔の勉強法を学べ!「東大×ハーバードの岩瀬式!加速勉強法」』の中で、勉強では全体像を把握したうえで、力を入れて勉強すべき箇所を見極めることが大切だと言っています。

試験範囲の中で、よく出題されるポイントとそうでないポイントはどこか。よく出題されるポイントのうち、自分が得意なものと不得意なものは何か。確実に成果を得るには、どの分野を重点的に勉強すればいいか。これを理解したうえで勉強に取り組めば、勉強の効率がアップし、おのずと結果もついてきます

また問題集を解く場合にも、簡単な問題を律儀に繰り返したり、難しすぎる問題に時間をかけ続けたりするより、「自分にとって解けるか解けないか」程度のレベルの問題に重点を置いたほうが、実力アップにつながるはずです。

全体像を把握してから細部にアプローチしていく勉強法は、ビジネス上の課題解決に役立つ思考法でもあります。知的エリートであるだけでなく有能なビジネスパーソンでもある岩瀬氏や猪俣氏の思考法には、ここで紹介した勉強法と通じるものがあるとみてよさそうです。

エリートたちの勉強法4:徹底的なタイムマネジメント

エリートは、勉強時間を確保するためのタイムマネジメントに手間を惜しみません。具体的に言うと、スキマ時間をこれでもかとあぶりだして、勉強に費やしています。「時間がないから勉強できない」などという口癖があるなら、それは非エリートである証かもしれませんよ。

山口氏は、

つねに本を必ず持ち歩き、誰かが約束に数分遅れたらどんな場所でもためらいなく本を開いています。ランチの行列のなかでも本を読むし、友人がトイレに立ってもすぐに読みます。図書館で本を借りたら、降りるエレベーターのなかで読みはじめ、1階に着くころには「このあたりを重点的に読めばいいかな」と判断を下しているほど。わたしは6分あれば1単元が読めるという考え方をしているので、とにかく少しでも時間があれば本を開いています。

(引用元:StudyHacker|学力向上は生活習慣の確立と時間の使い方で勝負が決まる——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第2回】

と言っていますし、山中教授も、

自宅のある大阪から京都への通勤は電車を使い、移動時間をメールの読み書きや英語の勉強にあてる。メディアの取材対応は日程をあらかじめ宣言し、その期間以外は受け付けないことでも知られる。(中略)多忙な日々のなかでわずかでも研究時間を捻出するための工夫だ。

(引用元:PRESIDENT Online|ノーベル賞・山中教授のモットーは「VWとジョギング」

そうです。お二人とも忙しい日々の中、寸暇を惜しんで勉強しているのです。

勉強は、まとまった時間がなければできないものではありません。細かすぎるかなと思うぐらい、自分のスキマ時間にこだわってみてはいかがですか。StudyHackerでは、スキマ時間を活用した勉強法を多数紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

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最強のエリートたちが実践する勉強法は、意外にもシンプルなものばかりです。小手先のテクニックに走ったり、トレンドに流されたりするよりも、本質を捉えること。これが、勉強法の極意なのかもしれません。

(参考)
PRESIDENT Online|ノーベル賞・山中教授のモットーは「VWとジョギング」
ログミー|「日本人は一生懸命働く。ただ、そこにビジョンがない」 ノーベル賞・山中伸弥教授が指摘
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