時間がない、やり方がわからない、どうせできやしない……。そんなふうに嘆き、勉強を諦めてはいませんか?
勉強は、学生だけのものではありません。社会人の方でも、英語や資格、MBAなどの勉強をする方は増えてきています。しかし、日々の仕事の忙しさに追われ、なかなか時間を取れないという方も多いのではないでしょうか。そんな人におすすめしたいのが、今回ご紹介するこの書籍です。
(以下引用は本書より)
著者は医学博士として米国大学に留学し、激務をこなしながらも「経営学修士=MBA」を取得した強者です。お医者さんといえば、忙しい職業の代名詞。それなのに、MBAに挑戦するとは、尋常ではありません。スポーツの世界で例えるならば、テニスプレーヤーとしてグランドスラムに挑戦しながら、陸上競技でオリンピックを目指すようなもの。
そんな著者が、自分の勉強法を凝縮させたのが、この一冊。忙しくても、結果を出し切る方法論が、ここには詰まっています。時間はないけど勉強したい! そんな人はぜひ読んでみてください。
1. SMARTゴールを立てる
目標を立てる、というのは勉強法を紹介する本でよく言われることですが、この本では非常に細かく、段階に分けて目標を立てることを提案しています。
目標設定のテクニックのひとつとして著者が挙げているのが、「SMARTゴール」です。この “SMART” とは、かっこいい目標を立てる、スマートに目標を達成する、といった意味ではありません。
SMART とは、Specific(より具体的な)、Measurable(評価可能な)、Achievable(実現可能な)、Realistic(現実的な)、Time-bound(期限内に達成可能な)、という5つの言葉の頭文字をとったもので、これらを満たす目標を設定するわけです。このフレームワークを用いることで、目標をより明確に設定できます。
スマートでないゴールの例は、このようなものです。 「経営スキルを身につけるために、MBA留学する」
一方で、これをスマートにすると、このようになります。 「2020年までにTOEFLで110点を取得し、ハーバード大のMBAに合格する」
目標を決めずに行動すると、モチベーションが湧かないものです。受験勉強を思い出していただければ、わかりやすいでしょう。志望校を決める前の受験勉強は、なかなか捗りません。しかし、一度「この学校に入りたい!」と思えば、俄然やる気が湧いてきますよね。社会人だってこれは同じ。勉強するからには、明確な目標を設定しましょう。
2. 無駄なく「LEAN」に勉強しよう。
時間のない社会人だからこそ、ムダなく勉強する必要があります。しかし、ムダの省き方がわかっていないと、実行は難しいもの。著者は、そんな読者の悩みを解決するために、「LEAN勉強法」を提案します。
①「目標を視える化」し、「やるべきこと」と「やらないこと」を明らかにする ②「ムダを省き」時間を捻出し、やるべきことにフォーカスする ③「カイゼン」を繰り返し、プロセスを磨き上げる ④そのプロセスを「習慣化」する ⑤長期的な展望を見据えながらも「小さな勝利」を意識し、モチベーションを高く保ち、LEANの良循環を継続していく
世界一ムダのない企業と評されるトヨタ。彼らの生産過程における考え方が、LEANです。米国起業家のエリック・リース氏が書いた書籍『リーン・スタートアップ』も、かつて話題になりましたね。leanというのは、簡単に言ってしまえば、「筋肉質な、スリムな」という意味。
この本を読めば驚かれるかと思いますが、著者は、驚異的なまでに、とことんスキマ時間を利用しています。例えば、会議を待つ10分間。バスや電車を待つ5分間。さらに、コンビニでレジに並ぶ3分間。この間すらも、自分への投資に使うんだとか。
オフィスでの仕事のときも、スキマ時間が5分あれば、1日のTO DOリストの確認をしたり、スパムメールを削除したりできます。10分あれば、机の上の整理や書類のサイン、メールの返信ができるでしょう。20分以上あれば、レポート、発表に使うパワーポイントの骨組みの作成などをやってしまいましょう。
著者はいつも、ポケットにwi-fiルーターとKindleを忍ばせているといいます。少しでも暇になったらサッと取り出し、インプットを欠かさないそうです。勉強量を少しでも増やすために、参考にしたい方法の一つですね。
*** この本を読むと、自分の努力がいかに甘いか、いかに時間をムダにしているか、痛感させられます。忙しくても、時間がなくても、勉強の時間は作れますし、成果をあげることだってできます。何かと言い訳をして、すぐ「勉強できない」と考えてしまう自分を変えたい、と思っている人に、今すぐ手にとってもらいたい本です。