平日は残業も厭わず、とにかく仕事に明け暮れる。休日も資格勉強にスキルアップに異業種交流会にと、とにかく自分を追い込みまくる。そんな人は、日々の過ごし方をちょっと見直してみるべきかもしれません。

世界30カ国を対象にした国際比較調査(※2017年版)では、日本の有給休暇消化率は2年連続最下位。「休暇や休憩を取らない人のほうが偉い」「長時間働くことこそ正義だ」と考えがちな日本人が多いのも事実です。

でもそれでは、あなたの脳に限界が来てしまうかも。“頑張りすぎ” な人へ、『Lazy Day(怠ける日)』のススメです

“頑張りまくる” に良いこと無し

ひたすら走り続けていると身体が疲れてくるように、ずっと仕事や作業をしていると脳は疲弊してしまいます。精神科医の西多昌規氏は、休まないことの弊害を以下のように指摘しています。

仕事にとって重要な認知機能に、「ワーキングメモリ」がある。なにかを覚えながら、作業をしながら、別のことに取り組んでいく機能である。(中略)ワーキングメモリは、疲労や睡眠不足によって容易に機能が低下するとは、いくつかの脳機能画像の研究でも示されている事実である。

(引用元:東洋経済オンライン|「休めない」日本人の生産性が著しく低い理由

ワーキングメモリは「段取り脳」とも呼ばれています。これがうまく機能しなくなると、手順を要する作業やマルチタスクをうまくこなせなくなってしまうのです。

また、シリコンバレーでコンサルタントとして活躍するアレックス・スジョン‐キム・パン氏も、長時間働くことで創造性や生産性が欠如してしまうと警鐘を鳴らしています。

長時間労働至上主義が問題です。(中略)これは生産性を伸ばしません。短期間であれば、長時間労働を維持することも可能ですが、数週間それを続けると、ミスが出たり、創造性がなくなったりします。生産性が下がってしまうのです

(引用元:クーリエジャポン|労働より休息を! 世界の天才は「最高の休息法」を実践していた|身体と脳を回復させる6つの重要テクニック

では、どうすればいいのでしょうか?

平日1日1時間でも、英語力大幅アップでTOEIC830に。無駄をそぎ落とした科学的トレーニング。
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「Lazy Day」で脳疲労解消を

ここでヒントとなるのが、マインドフルネス指導者として世界的に有名なティク・ナット・ハン氏が提唱する『Lazy Day(怠ける日)』です。これは、丸一日を休息のために使うという考え方。何もスケジュールを入れず、自由気まま、思い思いに1日を過ごします

「休み明けの仕事のことが気になって仕方がない……」「資格取得のため、参考書を〇ページまで進めないと……」と、不安になったり焦ったりする気持ちもわかります。でもそれでは、肝心の脳が休まっているとは言えません。頑張ることからはいったん距離を置き、例えば以下のような過ごし方をしてみませんか? 脳疲労解消にも役立ちますよ。

1. 知らない場所へウォーキング

身体を動かしたり運動したりすることで、私たちの脳には血液が行き渡り、新鮮な酸素が供給されることに。発想力や論理的思考能力が取り戻され、翌日以降のパフォーマンスを上げてくれます。ここでは運動のなかでも、最も簡単にできるウォーキングに注目してみましょう。アップル共同設立者のひとりである故スティーブ・ジョブズ氏もウォーキングを日課としていました。ウォーキングしながらミーティングをする、なんてこともあったのだそう。

ウォーキングの行き先としておすすめなのが、「近場だけれども行ったことのない場所」。または、行ったことがある場所でも今までとは違ったルートで行ってみるのはいかがでしょう?

皆さんにも、リゾート地にバカンスに行くことで、身体は多少疲れても精神的にリフレッシュされ、「よし、明日から頑張ろう」と思えた経験はありませんか? “非日常” の体験が、日常で蓄積した脳疲労を軽減させたためです。ウォーキングにも、ぜひ非日常を取り入れてみてください。

2. 人とのつながりを確認する

『世界のエリートがやっている 最高の休息法』の著者である久賀谷亮氏は、脳疲労解消のための休日の過ごし方として「人とのつながりを確認する」ことをすすめています。

人とのつながりを確認する機会をつくりましょう。友人や家族と顔を合わせて、笑いながら食事をするのが理想的です。また、他人に対して愛情や感謝を示す行動を意識しましょう。たとえば、「感謝のメッセージカードを渡す」「花を贈る」「ボランティア活動をする」など。もちろん、それに対して他人がどういうリアクションをするかはわかりませんが、そうした行動自体に意味があります。故郷の人や古い知人に連絡を取ってみるのもおすすめです。

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|夏疲れリセット!「脳疲労」に効く休日の過ごし方は…

笑う、感謝する、人を癒やす。このような活動をすることで、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの放出が活性化され、ストレス軽減にも役立ちますよ

3. 自分の小さな願望を叶えてあげる

欲しいと思っているけれども我慢している物、やってみたいけれどもなかなかできないアクティビティなど、ありませんか? 『Lazy Day』がチャンスです。

「ずっと欲しかった洋服を買ってみる」「いつも前を通るけれども入ったことのないお店に入ってみる」「テレビで紹介されていてずっと気になっていたカフェに行ってみる」といった願望を、自分のためにぜひ叶えてあげましょう。

それでも仕事のことが気になってしまったら……

とはいえ、日頃から頑張る習慣をお持ちの方であれば、ふとした瞬間に仕事のことなどが頭に思い浮かんでしまうかもしれません。「先日の仕事のあのミスを引きずってしまっている……」「次回の企画会議、うまく発言できるだろうか……」「今期の目標を達成できる自信がない……」「資格試験に合格できなかったらどうしよう……」など。こういった雑念、じつは脳疲労の解消を妨げる一因になってしまうのです

毎回、同じような不安や心配事に悩まされる。そんな場合は、それに名前をつけて「感情のラベリング」をするのが効果的です。2011年のカリフォルニア大学ロサンゼルス校による研究でも、感情のラベリングによりストレスレベルが低下することが示されています。

たとえば、不安レベルに応じて「大きいふあんちゃん」「小さいふあんちゃん」「普通のふあんちゃん」といった具合に名づけておき、不安な気持ちが生じたら「どの子かな~?」と名前を選んで呼んであげるのです。ちなみに、感情が生じる都度名づけるよりも、あらかじめ名づけておいて選ぶほうが、認知的負荷を抑えられ効果も高まります。

(引用元:StudyHacker|“たった10分” で失敗から立ち直れる。フロイト提唱「すっぱいブドウの法則」で今すぐポジティブに。

「ああ、またこのふあんちゃんね……」と冷静に客観的に対処できるようになることで、雑念を断ち切りやすくなりますよ。

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休日はぜひ『Lazy Day』的な過ごし方をし、脳疲労の解消に努めましょう!

(参考)
We love Expedia|有休消化率2年連続最下位に!有給休暇国際比較調査2017
東洋経済オンライン|「休めない」日本人の生産性が著しく低い理由
クーリエジャポン|労働より休息を! 世界の天才は「最高の休息法」を実践していた|身体と脳を回復させる6つの重要テクニック
ダイヤモンド・オンライン|「同じこと」でイライラしがちな人は、頭の中に「サル」を飼っている
久賀谷亮 (2016),『世界のエリートがやっている 最高の休息法』, ダイヤモンド社.
ダイヤモンド・オンライン|夏疲れリセット!「脳疲労」に効く休日の過ごし方は…
フォーブス・ジャパン|「笑い」は健康と人間関係に有効 科学が示す6つの根拠
StudyHacker|ボランティアで脳が育つ。「ありがとう」が得られなくてもボランティアするべき脳科学的理由。
StudyHacker|“たった10分” で失敗から立ち直れる。フロイト提唱「すっぱいブドウの法則」で今すぐポジティブに。