いい関係をつくるために重要な「7つの能力」。鍛えるにはこれをして!

いい関係をつくるために重要な「7つの能力」。鍛えるにはこれをして!

社会生活を送るなかで、決して無視できないのが、周囲の人との関係ですよね。良好な関係は、私たちの人生をより豊かにして幸福度も高めてくれます。しかし、人との関係に悩んでいたり、うまく人付き合いができなくて困っていたりする人も少なくないはず。

そこで今回は、いい関係を築いていくうえで重要な「7つの能力」を鍛える方法をご紹介します。

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【1】「理解力」を鍛えるには「集中してラジオを聴く」

関係構築のベースとなるのは、やはり「相手の話をきちんと理解する」という能力でしょう。自分が話をし、そこから楽しいコミュニケーションが生まれれば、人は相手に対して信頼感や安心感を抱くからです。理解力を鍛えるために、ぜひラジオを聴いてみてください

脳科学者で医師の加藤俊徳氏が行なった実験では、被験者にラジオを1日2時間×1ヶ月聴き続けてもらうと、脳の聴覚系脳番地(※耳から入った情報を言葉として認識する機能を担う)が成長することが判明。そして、この聴覚系脳番地は、言葉の意味をとらえる理解系脳番地と深く関係しています。つまり、ラジオを聴いて聴覚系脳番地を鍛えることは、相手の話の理解を深める出発点になるのです。

【2】「共感力」を鍛えるには「文学作品を読む」

相手の話に親身になって耳を傾け、時には寄り添うような言葉をかけてあげる――こういった「共感」の気持ちが相手との関係を良好にしてくれるのは、言うまでもありませんよね。共感力を鍛えるには、文学作品を読むのがおすすめです

学術雑誌『SCIENCE』に2013年に掲載された論文によると、文学作品は、ノンフィクションや大衆小説と比較して「心の理論」の形成をより促すのだそう。心の理論とは、他者の気持ちや考えを推察する心のメカニズムであり、共感力を支えています。人間心理の精緻な描写に富む文学作品を読むことは、現実世界で相手の心の機微に触れる立派な訓練になるのですね。

文学作品を読んで共感力を鍛える

【3】「伝える力」を鍛えるならば「メモにまとめる」

関係を築いていくうえでは、こちらの心をオープンにして自分の気持ちを伝えるのも大切。とはいえ、話すことに自信がなく「うまく伝えられない……」と悩む人もいるのではないでしょうか。そこで、自分が伝えたいことを端的に伝えられるようになるために、「メモにまとめる」習慣をつくってみましょう

明治大学文学部教授の齋藤孝氏は、新聞や雑誌の記事などをメモにまとめることで「要約する力」がつくと述べます。記載内容のポイントをつかみ、枝葉末節を削って要点だけを整理する訓練になるということです。齋藤氏いわく、「3分で読む→1分で要約→1分で声に出す」というトレーニングをまずは2週間続けてみてほしいとのこと。要約する力があれば、いざ伝えたい話があるときに会話もスムーズに進みそうですね。

【4】「セルフコントロール能力」を鍛えるならば「運動」

怒りなどのマイナスな感情を抱くことは、人間にとって自然なこと。しかし、いつも不機嫌な態度でいると、周囲との関係もギスギスしかねませんよね。そこで重要になってくるのが、感情をうまく制御する「セルフコントロール能力」。気分の上下が激しい人は、「運動」でこの能力を鍛えましょう

マッコリ―大学の研究によると、2ヶ月間にわたる運動で被験者のセルフコントロール能力が全般的に改善したとのこと。これは、自制心に関わる脳部位の活動が運動によって高まったためだと考えられます。筑波大と中央大学の共同研究によれば、10分程度の軽い運動でも活性化するそうなので、短時間のジョギングやサイクリングなどを習慣に取り入れるといいかもしれませんね。

運動でセルフコントロール能力を鍛える

【5】「楽観力」を鍛えるならば「瞑想」

いつもポジティブで前向きな人に、多くの人は惹かれるのではないでしょうか。 物事を悲観しすぎない「楽観力」があれば、一緒にいる仲間を安心させて、より楽しい関係を築くことができます。これを鍛えるのに効果的なのが「瞑想」です

脳神経科学者であるリチャード・デビッドソン氏の研究によると、瞑想で脳の左側前頭前野が活発化することがわかったのだそう。ここは、幸福感や気力の向上など人間の肯定的な感情をつかさどる部位。つまり、瞑想にはポジティブな気分を増やす効果が期待できるのです。

【6】「寛容力」を鍛えるならば「イリイスト日記法」

周囲の人がみな自分と同じ価値観をもっているとは限りません。いい関係を築くには、相手の考えを受け入れたり尊重したりすることも大切。こういった「寛容力」をつけるうえでおすすめしたいのが「イリイスト日記法」です。これは、主語を「僕」や「私」ではなく「彼」や「彼女」などの三人称に置き換え、自分のことを第三者の視点で書く日記法のこと。

海外大学の研究でその効果が実証されており、この方式で4週間にわたって日記を書かせたところ、一人称で日記を書いたグループと比べて「知的謙虚さ(「自分の知識は限られている」と受け入れること)」が増し、妥協点を見いだす能力も向上したそうです。相手を受け入れる「寛容力」を鍛えたいのならば、やってみるのがよさそうですね。

イリイスト日記法で寛容力を鍛える

【7】「感謝力」を鍛えるならば「ありがとうノート」

「感謝」が相手の気分をよくするのは知られているところですが、人の絆を強める働きもあるようです。ノースカロライナ大学の研究によれば、感謝により、愛情や関係を深めるうえで重要なオキシトシンの分泌が促されるとのこと。特筆すべきは、感謝される側だけでなく「感謝する側」でも分泌が活性化されるという点です。

そこで、ぜひ「ありがとうノート」を書いてみてください。これは経営コンサルタントの渡邊康弘氏がすすめる方法で、日常で出会った感謝する出来事をノートに書き留めていくというもの。心の底に埋もれていた「ありがとう」の気持ちに気づかせてくれる効果があるそうです。感謝したくなる出来事に敏感になれば、何かあったとき素直に「ありがとう」と言える人になれそうですね。

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以上をまとめると、こうなります。

ありがとうノートで感謝力を鍛える

いい関係を築いていくうえで重要な「7つの能力」の鍛え方を紹介しました。今回の記事を参考に、あなたが必要とする能力を磨いていってくださいね。

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(参考)
radiko|ラジオを聴き続けると、脳が成長することを世界で初めて実証
Science|Reading Literary Fiction Improves Theory of Mind
NIKKEI STYLE|以心伝心は幻想 人間関係力はトレーニングで向上する
PubMed|Longitudinal gains in self-regulation from regular physical exercise
プレジデントオンライン|米科学者が認定「世界で一番ハッピーな人」の思考パターン
Aeon|Why speaking to yourself in the third person makes you wiser
Oxford Academic|Evidence for a role of the oxytocin system, indexed by genetic variation in CD38, in the social bonding effects of expressed gratitude
STUDY HACKER|夢の実現には「感謝」が不可欠! 「ありがとうロード」「ありがとうノート」とはなに?

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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