仕事では○○できる人がやっぱり強い。「3つの行動」あなたはできてますか?

仕事では“○○”できる人が強いと言える3つの行動01

社会人として経験を重ねてきたけど、成果が最近伸び悩んでいる……。
仕事で結果を出せる人になりたいけれど、いまの自分には何かが足りない……。

上記のように行き詰まりや焦りを感じているあなた。仕事において「これができると強い!」と言われる習慣を取り入れ、現状打破を試みてみませんか? 3つご紹介しますので、ご自分に合ったものを探してみてください。

1.「こまめにメモをとれる人」が強い

インプットした知識がいまひとつ仕事に活かせていない。アイデアの発想力が足りない。こう感じている方におすすめなのが、「こまめにメモをする」ことです。

なぜ、メモをとれる人は強いのか――SHOWROOM株式会社・代表取締役社長の前田裕二氏が、ベストセラー著書『メモの魔力』で挙げている理由のなかから、一部ご紹介します。

  • 「アイデアを生み出せる」
    単なる事実にすぎない情報を、自分の脳ではなく「第2の脳」であるメモに書くことで、「空いた自分の脳の容量を、創造力を要することにめいっぱい使」える

  • 「情報をキャッチ」しやすくなる
    メモをとる意識をもつことで、「有用な情報をキャッチするための『アンテナの本数』が増え」る

(『メモの魔力』よりまとめた。カギカッコ内は同書より引用)

たとえば、取引先の担当者からヒアリングをするとしましょう。相手が話した情報を、自分の頭だけで全部覚えることはできないもの。ですが、メモをとることを前提にしていれば、「この話もメモだ。この話もメモしなくちゃ」という具合に、自然と情報を漏れなくキャッチすることができます。わざわざ覚える必要がなくなるので、脳に余裕が生まれ、その余裕を取引先への提案を考えることに回せるのです。

では、具体的にどうメモをとればよいのでしょう。前田氏は、情報を忘れないためにメモを書くだけではなく、アイデアを発想したり現実の行動を変えたりするために書く「知的生産のためのメモ」を提唱しています。

その体裁はこちら。ノート見開きの左ページの上部に日付とタイトルを書き、あとは、見開き1面を4分割して下図の要領で情報を書き込みます。

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(画像は筆者にて作成。色分けの仕方は前田氏が実践しているもの)

要するに、左半分に「見聞きしたこと」、右半分に「気づいたこと・考えたこと」を書くわけです。

なお、前田氏いわく、重要なのは「身の周りのあらゆる情報にアンテナを張り、そこから何らかの知的生産を行う意識を持てているかどうか」(『メモの魔力』より)。だからこそ、フォーマットにのっとりつつ、色分けや記号の使用など、適宜カスタマイズしていいそうです。

ということで、筆者も最近読んでいる『武器になる哲学』(山口周著)の読書記録として、知的生産のためのメモを書いてみることにしました。一見仕事とかけ離れた “哲学” の話を、どう仕事に活かせるか。知的生産のためのメモの効果を検証してみます。

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実践してみると、自分の仕事と直接関係がない情報も、仕事のアイデアに昇華させられることを実感しました。「概要」欄に書いた本の内容(哲学知識)が、最終的に「転用」欄で記事のアイデアに結びつき、筆者のライターの仕事に役立ったのです。

知的生産のためのメモを活かせば、今回のような読書に限らず、映画や漫画、ニュースやネット動画、あらゆる媒体から得られる情報を自分の仕事のアイデアにつなげられそうです。インプットした知識をもっと仕事に活かしたい、いいアイデアを思いつきたいという方は、ぜひ実践してみてください!

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2.「複雑な問題をシンプルにできる人」が強い

仕事上のトラブルや困難な仕事への対応力が足りないと感じる方は、「複雑な問題をシンプルにする」という思考を心がけてみてはいかがでしょうか。

ここでご紹介するのは、経営コンサルタントの鈴木進介氏が提唱する「セパレート思考」。「頭の中にある選択肢を『価値があるもの』と『価値がないもの』にセパレート(仕分け)し、適切な決断を可能にする思考法」です。(カギカッコ内引用元:鈴木進介(2015),『問題解決のためのセパレート思考』, フォレスト出版.)

たとえば、「新入社員の育成がはかどらない。思うように仕事を覚えてくれないし、話も聞いてくれないし……」のように、パッと解決策が思い浮かばず困る場面が、仕事ではよくありますよね。

こういうとき、「指示の仕方が悪いのかな。いまの新人はみなこういう性格なんだろうか。それとも業務内容が難しすぎる? いやマニュアルがダメなのかな」などと悩めば悩むほど、頭のなかがたくさんの選択肢で混乱してしまうもの。

そこで重要だと鈴木氏が言うのが、選択肢の仕分けです。

複数の選択肢が絡まり合って大きなままだと、何から手をつければいいのか見えてきません。
2つに仕分けをすることで、「今どこに集中すべきなのか」「本質は何なのか」が瞬時に見えてきます。これは、決断スピードを高め、問題の処理速度をも速めてくれます。

(引用元:同上)

これが、問題が起きたときや行き詰まりを感じたときに、シンプルに思考できる人は強い! と言える理由なのです。

鈴木氏は著書のなかで、たとえば以下のような基準で2分類することを提案しています。

  • メリット/デメリット
    →選択肢が多すぎて選べないときに有効
  • 自分で変えられること/変えられないこと
    →トラブルや困難にぶつかったときに有効
  • 自分がやること/他人に任せること
    →仕事量が多いと感じたときに有効

(『問題解決のためのセパレート思考』よりまとめた)

なお、仕分けの作業は「紙に書き出しながら」行なうことがポイントだとのこと。紙の使い方については、以下の点も押さえるといいそうです。

  • 横置きにする
    →発想の枠が広がりやすくなる
  • 1テーマにつき1枚
    →意識がほかのテーマへと分散することを防げる
  • 熟慮したいときは、方眼タイプを使用
    →規律を保ちながら自由に書き込める

(同上)

上記をふまえ「新入社員の育成がうまくはかどらない」という状況を想定し、セパレート思考で整理した例をご覧ください。

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これはあくまで例ですが、こうして思考を仕分けてみると、たとえば「仕事内容は変えられないが、マニュアルはある程度自由に変更できる→いまの新人に本当にあったものになっているか検討しよう」というように、着手すべきことを明確にできるのです。

「複雑な問題はシンプルに考えよ」と言われても、そう簡単にはできない……と思うでしょう。ですが、「ふたつに分けてみる」だけなら、できそうな気がしませんか? シンプルに考えるための足がかりとして、ぜひ取り入れてみてください。

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3.「よい質問ができる人」が強い

営業成績に伸び悩んでいる方や、取引先とのコミュニケーションがうまくいかないと感じる方は、「よい質問ができているか」を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

博報堂のクリエイティブプロデューサーとして数々の広告を手がけた経験をもつ、ひきたよしあき氏は、「質問力」「仕事を有利に進める最強のスキル」と表現します。

ビジネス上もっとも大切な「対話」をしながら、自分の仕事を有利に進める力が「質問」にはあるのです。
(中略)
問うことで、常に有利な立場を確保し、相手に答えさせることで、自分に有益な情報を得ることもできる。

(引用元:ひきたよしあき(2019),『博報堂クリエイティブプロデューサーが明かす 「質問力」って、じつは仕事を有利に進める最強のスキルなんです。』, 大和出版. 太字による強調は編集部にて施した)

これは、客と “話しやすい関係” を構築することで成果に結びつけている、営業成績の高い人をイメージするとわかりやすいでしょう。客に腹を割った話をさせることがうまいので、相手に合ったサービスを提案しやすく、契約につなげられる――質問力を高めることにはこんなメリットがあるのです。

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では、どうすればよい質問ができるのでしょう。そのテクニックとしてひきた氏が紹介するのは、「タテ型ドリル・質問法」。質問を重ねて「同じテーマをタテに、タテに、深掘り」していくという方法です。

『5W1H』を活用」しながら、1つのテーマにつき「3回程度」深掘りすると、「あなたにすごく興味がある」ことをさりげなく伝えることができ、相手の本音を聞き出しやすくなるのだそう。(カギカッコ内、同上ひきた氏著書より引用)

たとえば、商談でのアイスブレイクで「最近運動を始めた」という話題を先方が出してきたとしましょう。話題をぶらさず、「なんの運動を始めたのか(what)」「なぜ運動を始めたのか(why)」「いつ運動しているのか(when)」といった具合に質問するのが、タテ型ドリルのやり方。

こうして、“相手が本音を話してくれる雰囲気” をつくり、本題の商談に入ってからも同様にして話を引き出していけば、商談がうまくいく可能性は間違いなく高まるでしょう。「この人には心の内は明かさないぞ」と警戒されてしまう人よりも、「この人にはつい本音が出ちゃう」と相手が心を許す人のほうが、仕事においては断然強い! と言っていいはずです。

***
メモの取り方、思考法、質問法の3つをご紹介しました。あなたの状況や課題に合わせて、ひとつでも役立てていただければ幸いです!

(参考)
前田裕二(2018),『メモの魔力』, 幻冬舎.
全日本情報学習振興協会編, 坂東利国著(2019),『認定ハラスメント相談員試験公式テキスト』, 全日本情報学習振興協会.
山口周(2018),『武器になる哲学』, KADOKAWA.
鈴木進介(2015),『問題解決のためのセパレート思考』, フォレスト出版.
ひきたよしあき(2019),『博報堂クリエイティブプロデューサーが明かす 「質問力」って、じつは仕事を有利に進める最強のスキルなんです。』, 大和出版.

【ライタープロフィール】
月島修平
大学では芸術分野での表現研究を専攻。演劇・映画・身体表現関連の読書経験が豊富。幅広い分野における数多くのリサーチ・執筆実績をもち、なかでも勉強・仕事に役立つノート術や、紙1枚を利用した記録術、アイデア発想法などを自ら実践して報告する記事を得意としている。

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