コロナ禍以降、オンラインでのミーティングが当たり前になったビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。英語学習の業界でも、オンラインのサービスに対応する会社が急増しました。もはや「オンラインに対応していない英語学習サービスはない」と言っても過言ではないかもしれません。
今回は、英語研修の導入を検討している方に向けて「オンライン型英語研修のメリット・デメリット」について解説します。
【この記事はこんな方におすすめ】
- オンライン型英語研修の導入を検討している企業の担当者さま
- 英語を学びたいが、受講スタイルを迷っている方
【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。
オンライン型英語学習サービスの現状
オンラインでの英語研修の需要は、コロナ禍を機に劇的に変化しました。
オンライン英会話に代表されるオンライン型の英語学習サービスは、以前は「手頃な価格で手軽に始められる選択肢」として主流でした。しかしここ数年で、積極的にオンライン型のサービスを選ぶ人が増えたのです。
もともとオンライン英会話のサービスを展開していた業者だけでなく、いまでは多くの英語学習関連業者が、独自の特色をもったオンライン型のサービスを提供しています。
私たちスタディーハッカーが提供している英語コーチングサービス「StudyHacker ENGLISH COMPANY」でも、オンラインサービスへの対応を本格化。実際にコロナ禍では、受講者の95%以上がオンラインレッスンを選択していました。
2024年1月現在、対面レッスンを選ぶ受講者は徐々に増えてきましたが、オンラインレッスンの人気は依然として高く、多くの受講者に選ばれ続けています。
さまざまなオンライン英語学習サービスが登場したことで、受講を検討する人にとっては選択肢が広がりました。こうしたなか、より重要となったのが「それぞれのサービスの特徴を理解し、いかに目的に合致したサービスを選ぶか」。
このことは、個人で受講するときだけでなく、企業に英語研修を導入する場合にも当てはまります。
企業が英語研修プログラムを選ぶ際には、単に価格の安さだけでなく、教育の質、カリキュラムの柔軟性、講師の専門性などを総合的に考慮する必要があります。
加えて、受講する社員が研修に参加しやすいことも重要。特に昨今では、社員の多くがリモートワークをしているという企業もあるはずです。自宅からでも英語研修に参加できる、スケジュール調整がしやすいという点で、オンライン英語研修の効率性、柔軟性、アクセシビリティは大きな強みとなります。オンラインでの英語研修は、今後も重要性を増していくでしょう。
オンライン型英語研修のメリット
オンライン型英語研修の大きな特徴は「柔軟性」です。この点を中心に、企業がオンライン型英語研修を導入するメリットを詳しく掘り下げていきましょう。
1:場所や時間に縛られずに受講できる
スクールや教室で実施する対面型の英語研修では、移動にかかる時間と労力がともないます。しかし、オンライン型の英語研修ではこれがいっさい不要です。社員は、自宅やオフィス、移動中の電車内など、どこからでも学習に参加できます。
また、好きな時間に受講してよい研修の場合、社員は業務の合間の空き時間を利用して受講することが可能。そのため、「業務の都合で研修に参加できない」といった問題が解消されやすくなります。研修の参加率向上にもつながり、社員の学習意欲アップも期待できるでしょう。
2:対面型の英語研修と品質に遜色がない
英語研修はオンラインと非常に相性がよく、対面研修と同等、あるいはそれ以上の効果を生むことができます。
たとえば、オンラインでのレッスンでは、画面を通じて講師と受講者が互いの口元をクリアに見ることができるため、発音の正確さを高めるための細かな指導が可能です。また、画面共有機能を活用すれば、教材についての細かな解説を対面での指導と同様レベルにスムーズに行なえます。
オンライン型英語研修のデメリット
オンライン型英語研修研修の利便性や柔軟性には目を見張るものがありますが、いくつかのデメリットも存在します。効果的な研修プログラムを実践するには、これらの課題を認識しておくことも重要です。
1:講師とカリキュラムの質が低い場合がある
オンライン型英語研修サービスのうち、価格が特に低いサービスを選ぶ際には、以下の点に注意する必要があります。
- 講師の質:低価格のサービスでは、講師の給与が低く設定されていることが多いため、結果として講師の質が悪くなる場合があります。その場合、期待通りの学習成果は得られないでしょう。
- カリキュラムの質:低価格のサービスでは、カリキュラムの充実度やカスタマイズ性に制約がある場合が多いものです。柔軟性の低いサービスを選んでしまうと、各学習者のニーズに合わせた学習計画を立てることが難しくなります。
2:グループレッスンでのコミュニケーションがとりにくい
グループレッスン形式でのオンライン型英語研修には、以下のような課題があります。
- 一体感の欠如:オンライン型の研修では、対面型の研修のような「クラスの一体感」を生み出すことが困難です。参加者どうしの交流はクラス全体の学習意欲を高める効果がありますが、オンラインだとそれが難しくなるのです。特にグループレッスンでは、参加者間の交流が限られてしまう可能性があります。
- 発話する機会の少なさ:オンラインでのグループレッスンでは、参加者が同時に発話してしまったときなどに、音声が重なって聞き取りにくさが生じる場合があります。リアルタイムでのコミュニケーションが妨げられ、発話の機会が少なくなってしまう可能性も。
3:通信状態の影響を受けやすい
オンライン特有の「技術面」での課題についても押さえておく必要があります。
- 通信技術の制約:オンライン型の研修がスムーズに行なえるかどうかは、インターネットの接続状況に大きく依存します。接続が不安定だと、レッスンの中断や、声が聞き取りにくい・画面が映らないといった品質の低下が起こりえます。
- 操作の難しさ:オンライン型の研修に不慣れな受講者にとっては、レッスンで使用するソフトウェアやツールの操作が困難です。「ツールの使い方がわからない」「ツールを操作できない」といったことが、学習の障害となってしまう可能性があるでしょう。
企業がオンライン英語研修を導入する際には、上記のデメリットを把握したうえで、それらをどのように克服するか考えておく必要があります。
オンライン型英語研修の選定ポイント
オンライン型の英語研修を選ぶ際、特に重視すべきポイントをご紹介します。
1:レッスン時間と頻度
- 業務との両立が可能か:企業における英語研修では、業務への影響を最小限に抑えることが重要です。レッスンは業務時間内に組み込むことが多いため、たとえば「1回60分以内のレッスンを週2回」など、社員の通常業務を圧迫しない程度の頻度と時間が望ましいでしょう。
- 柔軟なスケジューリングが可能か:オンライン研修の大きな利点は、時間の柔軟性です。社員が自分のスケジュールに合わせてレッスンに参加できるように、時間帯を柔軟に設定できるプログラムがいいでしょう。
2:対面型受講との違い
- 効果に差がないか:対面型受講とオンライン型受講の効果を比較し、双方で同じ学習成果が得られるかどうか検証しましょう。
- 実際の効果はどうか:可能であれば、担当者が両方の形式を体験し、内容と効果の差異を直接確認しましょう。
3:コストパフォーマンス
- 品質と価格のバランスはとれているか:低コストのサービスを選ぶ際には、講師の質やカリキュラムの充実度を慎重に検討する必要があります。価格だけでなく、提供される教育の質も重要です。
- 投資対効果はどうか:安価な研修は経済的ですが、“実際に社員の英語力向上につながるかどうか” を見極めることが必要です。研修費用が企業の目的に沿った効果をもたらしてくれそうか、長期的な視点で評価しましょう。
4:受講形態
- 個別レッスンかグループレッスンか:オンライン環境では一対一のレッスンがより効果的な場合が多いものですが、グループレッスンにもメリットがあります。どちらの形式が企業のニーズに適しているかを検討しましょう。
- グループレッスンのメンバー調整が可能か:グループレッスンの場合、メンバーは同じ企業の社員であることが望ましいでしょう。レッスンの一体感が高まり、コミュニケーションが促進されます。また、グループの人数を少なく保つことで、各参加者に十分な発言機会がある、効率的な学習環境となるでしょう。
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では最後にポイントを振り返ってみましょう。
【オンライン型の英語研修の主なポイント】
■ オンライン研修のメリット
- 時間と場所の柔軟性が高い
- 対面型と同等の教育品質が保たれている
■ 検討すべきデメリット
- 低コストサービスの品質に問題があるケースも
- 一体感の欠如やコミュニケーションの課題がある
- 通信環境の悪さや操作の難しさが学習の妨げとなる可能性も
■ 選定の重要ポイント
- スケジュールに合わせてレッスンの時間と頻度を柔軟に設定できるか
- 対面型とオンライン型の成果に差がないか
- 費用と効果が見合っているか
- 企業に合った形態で受講できるか
オンライン型の英語研修は、特に社員の時間を有効活用することを重視する企業にとって有効な選択肢です。ただし、その効果を最大限に引き出すためには、「研修の品質、形式、社員の学習スタイルやニーズに適しているか、デメリットにはどう対処するか」を慎重に検討することが必要。
事前にこれらの要素を考慮し、適切な研修プログラムを導入すれば、社員の英語力は大きく向上し、企業の国際的な競争力を高めることにつながるでしょう。
英語研修導入のポイントについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
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