IT業界で働く方のなかには、「IT技術者としての価値をもっと上げたい」「キャリアアップにつながるスキルを身につけたい」とお考えの方がいることでしょう。
IT技術については勉強も経験も重ねてきたので自信がある――そんな方は、今後ぜひ英語を学んでみませんか?
経営コンサルタントの大前研一さんは
「英語」「IT」「財務」がビジネスマンの必須スキルだ
(引用元:プレジデントオンライン|英語・IT・財務が必須スキル 大前研一「決定力10倍!儲かるコンセプトのつくり方」【5】)
と述べています。いまはまだ英語が苦手な方も、今後ITスキルに加えて英語力をつければ、国際的競争力をもったIT技術者を目指すことが可能なはず。
この記事では、IT業界にお勤めの方向けに、効果的な英語学習や、英語研修の探し方を解説します。
ITスキルをもつ方が英語を学ぶ3つのメリット
IT業界で働く方が英語を学ぶといいのは、ITプロフェッショナルとして活躍できる場が広がるからです。ITスキルと英語スキルを掛け合わせることで、以下のような相乗効果が生まれやすくなります。
最新情報を英語で収集できる
インターネット上には、膨大な量の最新IT関連情報が無料で公開されています。英語力をつければ、そうした最新情報を英語で入手することが可能になるのです。日本語しかできないIT技術者に比べ優位に立てると言えるでしょう。
2021年の調査によれば、インターネット上でトラフィックの量が多い上位1,000万のWebサイトで使用される言語は、英語が約60%。それに対して、日本語は約2%です。つまり、英語力があればアクセスできる情報量が格段に上がります。(調査データ参考:Visual Capitalist|Visualizing the Most Used Languages on the Internet)
特に、IT技術は革新のスピードが速いもの。海外から発信される最新の情報をいち早く収集するには、英語が欠かせないといっても過言ではありません。
海外の技術者とのコミュニケーションがとりやすい
インターネット上で公開されている最新情報についてわからない点があったとき、英語を使えれば、インターネット上で海外の技術者に質問することができます。技術的なディスカッションをすることもできるでしょう。
また、IT業界には、国籍関係なくさまざまな人が働いています。相手がどの国の人であれ英語でコミュニケーションをとれば、誤解が少なくてすむもの。英語力は、ITビジネスの場でスムーズに意思疎通を行なううえで重宝するスキルです。
IT技術を学びやすい
プログラミング言語の多くは英語です。そのため、英語の語彙や文法を理解していると、プログラミング言語の構成や意図が読みとりやすくなるメリットがあります。
オンラインで講義を受けられる「Coursera」などでも、IT関連を含む多くのコースは英語で開講されています。ITスキルの幅を広げる前提として、英語はとても役立つのです。
それでは次に、具体的にIT業界で必要な英語スキルを見ていきましょう。
IT業界で必要な英語スキルとは?
IT業界にお勤めで、英語力を身につけたいと考えている方が優先して学習すべきスキルは、「読む」「聞く」です。
「読む」スキル
先述のとおり、インターネット上の情報は多くが英語で書かれており、IT技術を学ぶには英語で書かれた文章を読むこととなります。専門の技術書も英語であることが多いもの。そのため、IT業界の方にまず身につけてほしいのは、英語を「読む」スキルです。
たとえば、英語を英語の語順のまま意味のかたまりごとに読む「チャンクリーディング」は、英語を学ぶ人が必ず身につけるべき読み方。
※チャンクリーディングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>「英語を読むのが遅い人」が知らないリーディングのコツ。厄介な “返り読み” のクセ、どうすれば防げる?
以前、筆者がENGLISH COMPANYでトレーニングを担当させていただいたプログラマーの方は、このチャンクリーディングを学ばれた際、「これ、プログラムの語順と同じだ!」と驚き、前から語順どおりに読む感覚をすぐに習得されました。
それもそのはず、英語で構成されているプログラミング言語は、英語で言うとSVO型(主語・動詞・目的語)の順番になっていることが多いのです。そのため、英語を学ぶとプログラミングの理解がより深まるというメリットも期待できます。
「聞く」スキル
英語を「聞く」スキルも、「読む」スキルと同様に非常に重要。
言語学者たちの一致した意見として、「聞く」「読む」スキルを身につけることは、言語習得における最低条件とされているからです。
また、昨今主流となっている動画での情報収集のためも、「聞く」スキルは不可欠。
最新のカンファレンスの動画のほか、有名技術者による解説動画や音声コンテンツなどを英語で正確に聞きとれれば、日本の他の技術者がまだ知らない情報をいち早く獲得できます。
「書く」「話す」は必要ない?
英語を「書く」「話す」というアウトプットのスキルが業務で求められている方は多いのではないでしょうか。メールやチャットの文章を英語でうまく書けない、オンラインミーティングで英語で発言するのが難しい……などと苦労している方もいるかもしれません。
そういった方は、インプット(読む・聞く)の学習に重きを置いたうえで、少しずつアウトプット(書く・話す)のトレーニングを増やしていくとよいでしょう。
つまり、「英語を書けるようになりたい」「話せるようになりたい」という思いが強い方でも、インプットのトレーニングを疎かにしてはいけないということです。
「読む」「聞く」のトレーニングを主体とし、時折「書く」「話す」トレーニングをおりまぜながら、英語学習を行なうことがおすすめです。
IT業界で必要な英語スキルを整理できましたね。それをふまえて次は、英語研修・英語学習サービスを選定する際の注意点を確認していきましょう。
IT業界の方が英語研修・英語学習サービスを選定する際の注意点
英語学習は「英会話」から始めると非効率
英語研修や英語学習サービスを選定する際に、多くの方がまず思い浮かべるのは「英会話」でしょう。
英会話ももちろんひとつのトレーニングとして有効ではありますが、インプット(読む・聞く)の学習を並行して行なわないと、英会話に取り組んでも非効率になるどころか、まったく英語力が伸びない可能性が高いのです。
英語研修サービスを選定する際は、英語を学ぶ方の現状の英語レベルをしっかりと見極めたうえで、英会話だけでなく「読む」「聞く」のインプット面のトレーニングも同時に行なってくれるサービスを選定することが重要です。
英会話中心の英語研修については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
>>「英会話メイン」の英語研修だと英語力は伸びない! 原因は「◯◯◯◯◯不足」にあった
「自己学習」の進捗管理もポイント
なお、英語力を上げるには、研修をただ受講するだけでなく自己学習にも取り組むことが必要。研修を受ける時間だけでは、英語力は伸びません。
英語研修を導入する際は、「研修の時間以外にどれくらいの自己学習が必要なのか」を研修会社に確認し、現実的に取り組める学習時間を設定している研修サービスを選ぶとよいでしょう。
自己学習の進捗管理をしてくれる研修会社を選ぶのもおすすめです。
「数値化できる目標」を置く
「ミーティングで流暢に自分の意見を言えるようにしたい」といった数値化できない目標より、数値化できることを指標としましょう。
たとえば、TOEICの目標スコアを設定し、それをベンチマークとして英語力の伸びを測るのはひとつの方法です。
TOEICは「読む」「聞く」スキルを測るテスト。TOEICのテストのなかのリスニングのパートでは「正確に聞く力」を測ることができ、リーディングのパートでは「大量の英文をスピーディに読む力」を測れます。
IT関連の方は、「読む」「聞く」のスキルを向上させるだけで、仕事に大きな恩恵を受けられる方が多いもの。TOEICのスコアで英語力の伸びを実感できれば、仕事上のメリットも感じやすいので、いっそう勉強を続けやすくなるでしょう。
「IT業界に特化したコース」がベスト
IT業界にお勤めの方が英語力を総合的に上げたい場合、IT業界に特化した英語コースを選ぶことをおすすめします。
IT業界に特化したコースの多くは、IT業界で日常的に使われる語彙・表現を取り入れた英語スクリプトを使用して学習を進めていきます。
IT業界に特化したコースで学べば、英語力そのものを総合的に上げながら、IT英語にも精通することができます。そのため時間効率が非常にいいと言えます。
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