MBA取得を目指すなら、英語は “○○” のタイミングで学ぶのがベスト。最適な英語学習法もご紹介

アカデミックガウンを着た人

「将来の幹部候補の社員にMBAプログラムを受講してもらいたい」「キャリアアップのためにMBAを取得したい」そうお考えの企業関係者やビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。

MBA(Master of Business Administration 経営学修士)と切っても切れないものと言えば「英語」です。

  • そもそもの英語力がないので、MBAは早すぎるのでは?
  • MBAと英語、どちらを優先的に勉強するべき?
  • 国内MBAであればハイレベルな英語力を求められない?
  • MBAを取得するなら海外で取得したいけど、どれぐらいの英語力が必要なのだろう?

などなど、MBAと英語に関して疑問をおもちの方も多いでしょう。

そこで本記事では、MBAプログラムの受講に必要な英語力について迫ってみたいと思います。

MBA取得を目指す人は、いつ英語を勉強すべき?

結論から申し上げると、MBA取得を考えているなら、英語力をつけることを最優先にすることをおすすめします。

海外であれば「英語で」MBAプログラムを受講するわけですから、そもそも英語力がなければならないのは当然のこと。具体的には、TOEFLで100〜110点、IELTSで6.5〜7.5、TOEICで970〜990点レベルの英語力が、海外のMBAプログラムに通うには必要です。

国内MBAプログラムでも、TOEIC700〜900点レベルの英語力を求めるところが多くあります。

つまり、地域や大学院によって違いはあれど、MBAプログラムを受講するには高い英語力が必要だということ。上記のスコアに満たない人は、英語学習を優先的に行なわなければならないのです。

さらに、MBAプログラムを受講する前に英語を勉強しておくと、下記のようなメリットがあります。

本とパソコンを見る人

MBA受講前に英語を勉強すべき理由

時間に余裕をもって英語学習に取り組める

MBAプログラムを受けているあいだは、授業の予習などで大変忙しいため、英語を並行して勉強する時間的な余裕がありません。その反面、MBAプログラムを受講する前であれば、時間に余裕をもって英語学習に取り組めるでしょう。

海外・国内問わず、MBAプログラムでは、毎回の授業のためにケースを大量に読むなどの事前準備に相当な時間をとられます。

MBAプログラムを受講しながら英語も同時並行で勉強するというやり方は、よほど時間的に余裕がある方以外は避けたほうが賢明です。

英語を大量に読むためのトレーニングができる

先述のように、MBAプログラムでは大量の資料や文献を読む必要があります。内容は、マーケティング、会計、財務、組織、戦略、企業ガバナンスなどさまざま。じつは国内のMBAプログラムでも、英語で書かれた資料を読む機会は少なくありません。

MBAプログラム受講前に英語を勉強すれば、大量の英文を読む力を鍛えることができるので、プログラム開始後に焦る必要がなくなりますよ。

大量の英文を読みながら自分なりの仮説を立てて授業に臨むためには、英語を前から語順通りにすばやく読む「チャンクリーディング」のスキルを身につけなければなりません。

このスキルは、MBAプログラムでは必須のリーディングスキルと言ってもいいでしょう。それほど大事なスキルなので、のちほどあらためて詳しく説明します。

英語の論理構造を習得でき、読むスピードが上がる

TOEFL、IELTS、TOEICなどの試験対策をしながら英語学習をすれば、英語の論理構造を理解することができるため、英語を読むスピードが自然と上がるメリットがあります。

上記のような試験で出題される英文は、ビジネスレベルのものであり、かつ論理構造が明快なのが特徴。たとえば、複数の文章から成るパラグラフがあるとき、第1文が主題文で、続くセンテンスが主題文の主張をサポートしている、といった構造です。

つまり、試験対策を交えつつ英語学習に取り組めば、ビジネスシーンで使われる英語の論理構造を自然と習得できるのです。おのずと、読むスピードも上がるでしょう。もちろんその論理構造は、MBAプログラムで扱われる英文ビジネスケースにも当てはまります。

ビジネスで頻出の基本語彙を事前に身につけられる

英語学習を先に行なうことで、ビジネスでよく使われる語彙を、MBAプログラムを受講する前に身につけられます

ビジネス英語での基本語彙をあらかじめ身につけておけば、MBA受講時には専門的な語彙や表現のインプットに集中できます。

勉強する人

TOEICスコア別:MBA受講に向けた英語学習法

続いては、現在のTOEICスコア別に、MBAプログラム受講に必要な英語力の身につけ方をご紹介しましょう。「英語を大量に読む」というMBAプログラムの特徴をふまえ、今回はリーディングスキルの鍛え方にフォーカスしてお送りいたします。

多くの方が当てはまるであろう「TOEIC500~700点」と、より上級の「TOEIC700点以上」の2レベルに分けて解説します。

「TOEIC500~700点の人」向けの英語学習法

このレベルの方が優先的に身につけるといいのは、「チャンクリーディング」というスキルです。

チャンクリーディングとは、英文を意味のかたまりごとに、前からすばやく読むことをいいます。日本人の多くは、英文を後ろから訳して読む「返り読み」によってリーディングスピードを落としがち。これを矯正するには、前から語順通りに読む練習をしてリーディングスピードを上げることが不可欠です。

なお、このレベルの方は、語彙・文法の知識が不足している場合が多いので、語彙・文法も並行して学習していきましょう。

チャンクリーディングについて、詳しくはこちらの記事もぜひ読んでみてください。
>>「英語を読むのが遅い人」が知らないリーディングのコツ。厄介な “返り読み” のクセ、どうすれば防げる?

「TOEIC700点以上の人」向けの英語学習法

このレベルの方には英語の基礎力がありますが、もしも前述のチャンクリーディングが身についていない場合は、それに優先的に取り組み、TOEICのリーディング問題を時間内に余裕をもって解き終われるようになることを目指しましょう。

TOEICで問われる語彙レベルであれば問題ないという方は、MBAで使用される語彙の学習に入りましょう。MBAプログラムの勉強をスムーズにスタートすることができますよ。おすすめのテキストはこちらです。
>>『MBA ENGLISH 経営学の基礎知識と英語を身につける』(石井竜馬著、2023年、ベレ出版)

すでに900点以上の高い英語力をおもちであれば、英語でMBAの基本事項を学ぶ市販テキストに取り組んでみましょう。
>>『音声DL BOOK 新版 英語で学ぶMBAベーシックス』(藤井正嗣著、リチャード・シーハン著、2022年、NHK出版)

もう一段レベルが高いものに取り組みたい方には、Harvard Business Review Pressが出版しているこちらのテキストが役に立つでしょう。
>>『The Case Study Handbook, Revised Edition: A Student's Guide』(William Ellet著、2018年、Harvard Business Review Press)

MBA受講に必要な英語力をつけるには「英語コーチング」がおすすめ

英語力に不安があるけれど、MBAプログラムの受講が迫っているので、英語の勉強に時間をかけられない。短期間で効率的に英語力を上げたい! そんな方には、「英語コーチング」がおすすめです。

英語コーチングとは、マンツーマンでレッスン、学習アドバイス、学習メニューの提供、進捗管理を行なうものです。

あなたの現在の英語力がどれぐらいかを細かく診断したうえで、適切な学習プログラムを提案するのが、英語コーチングの特徴です。詳しくはこちらの記事でも解説していますので、よろしければお読みください。

>>【費用別・目的別】ベストな英語研修はどれ? 英語研修プログラムの上手な選択術

面談する人

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この記事では、MBAプログラムの受講に必要な英語力について詳しくお伝えしました。MBA取得を検討している方は、この記事を参考に、効率のよい英語学習に取り組んでいただければと思います。

ENGLISH COMPANY」では、グローバルビジネスの最前線で戦える英語力を身につけるためのフラグシップコースである「ENGLISH COMPANY premium」を2024年1月にリリースしました。

このコースは、MBAプログラムの受講を控えている方や、より高い英語力の習得を目指す社員向けの研修にぴったりのコースです。ぜひお問い合わせください。

(参考)

石井竜馬(2023),『MBA ENGLISH 経営学の基礎知識と英語を身につける』, ベレ出版.
藤井正嗣、リチャード・シーハン(2022),『音声DL BOOK 新版 英語で学ぶMBAベーシックス』, NHK出版.
William Ellet(2018),The Case Study Handbook, Revised Edition: A Student's Guide, Brighton, Harvard Business Review Press.

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部

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