一流たちは “たった数分” のスキマ時間をどう使っているのか?

一流のスキマ時間01

突然時間を持て余して手持ち無沙汰になったとき、ついスマートフォンに手が伸びてSNSをチェックしたりネットサーフィンをしたりしていませんか? それがたとえ5分、10分程度だとしても、この時間の積み重ねがいずれ大きな影響を及ぼすことになるのです。

今回は、事前に把握することが難しい“スキマ時間”を有効に活用するヒントをお教えします。

東大首席卒業・山口真由さんは4分あれば本を読んでいる

スキマ時間の活用に徹底的にこだわっているのは、東京大学を首席で卒業し、ニューヨーク州の弁護士資格を持つ山口真由さんです。山口さんは、たった4分でもスキマ時間が生まれれば、どんな場所であろうともためらいなく本を開くといいます。

たとえば、誰かが約束に遅れたときはもちろんのこと、ランチの行列でも読むし、友人がトイレに立ってもすぐに本を開きます。図書館で本を借りたらエレベーターのなかで読みはじめて、1階につくころには、「このあたりを重点的に読めばいいかな」と判断しているほどです。

(引用元:Study Hacker|東大首席・山口真由さんが「4分」あればどこでも本を読む深い理由。

たった4分、されど4分。短いように感じますが、スマートフォンでSNSをチェックしたりゲームに費やしたりするのと、本を1ページだけでも読むのとでは、その積み重ねの差は歴然でしょう。さらに山口さんは、「6分あればパソコンを開いて論文などを書いたりもします」とも。

過ごし方によってはすぐに過ぎ去ってしまう5分程度のスキマ時間。しかし、「◯分あったらこれをやろう」とあらかじめ決めておくと、すぐに取りかかれて無駄なく過ごすことができるはずです。

山口さんがなぜそこまでするのかというと、「“スキマ時間” の積み重ねがばかにならないことを経験的に知っているから」です。たしかに、「あのとき、あの数分でこれをしておけば、今こんなに苦労せずにすんだのに」と後悔したことがある人は多いと思います。その後悔を経験しているからこそ、積み重ねたスキマ時間の大切さを実感しているのですね。

一流のスキマ時間02

経営戦略コンサルティング会社会長・遠藤功氏は5分あればノートを読み返す

メモをとることの重要性は広く知れわたっているため、みなさんの中にも、気づいたときにすぐメモをとる習慣が身についている人も多いはず。しかし、メモをとったことに満足して、その後メモを見返すことはあまりないのではないでしょうか。ほとんどの人は、せっかく書いたメモの内容を活用する機会を逃しているようです。

メモをとることと同じくらい重要なのはメモを見返すことです。経営戦略コンサルティング会社の会長経営学者である遠藤功氏は、たった5分あれば自分が書いたメモを読み返しているそう。遠藤氏は、情報収集や思考整理のためにノートを愛用しており、自分の頭の中を『見える化』するために役立てているといいます。

思考を整理して深めることが、良いアウトプットを生むには欠かせないわけですが、ただインプットをするだけでは直接アウトプットにはつながりません。そこで移動時間やスキマ時間にノートを開いて読み返して、重要な部分や気づきをマーカーで書き入れることで、思考の上書きをしているといいます。

インプットからアウトプットに至るまでのプロセスにおいて、「考える」ことは必要不可欠です。遠藤氏はノートに書かれたメモを見返すことで、「思いつくまま書きなぐった生の一次情報が編集され、自分にとって本当に必要な情報を見極めることができる」と述べています。

スキマ時間にスマートフォンを開くのではなく、自分が書いた過去のメモを読み返してみませんか? すると思わぬアイデアがひらめいたり、抱えている問題の解決策が見つかったりするかもしれませんよ。

一流のスキマ時間03

元トヨタNo.1メカニックの原マサヒコ氏はスキマ時間の長さに応じて作業を分類している

スキマ時間の活用は、生産性向上のキーポイントにもなります。しかし、事前に「スキマ時間に何をするか」が決まっておらず、スキマ時間を使うための態勢が整っていないと、結局は無駄に過ごしてしまうことになりかねません。

このような事態を避けるためにも、スキマ時間の長さに応じてするべき仕事を決めておくことが大切です。『トヨタで学んだ自分を変えるすごい時短術』の著者であり、元トヨタNo.1メカニックの原マサヒコ氏が提案するのは、スキマ時間にできる作業を前もって大まかに分類すること。

たとえば、原氏は次のように分類をしているそうです。

▼5分以内
・電話連絡 ・ニュースアプリでニュースをチェックする
▼10分程度
・Twitterでリサーチをする ・メーリングリストやLINEグループをチェックしてプロジェクトの進捗を確認する
▼20分程度
・資料のレビューなどを行う

(引用元:東洋経済ONLINE|デキる人は5分の「スキマ時間」をこう使う

原氏によると、スキマ時間にできる作業を大きく分けると残務処理」(日報を作成、関係各所に連絡など)次の仕事を生み出す仕事」(ネットで調べ物、企画案を考えるなど)未来につながる仕事」(読書、オンラインで英会話レッスンを受けるなど)といったものになるそう。

仕事の生産性を上げるためにも、スキマ時間は有効に、かつ計画的に過ごしたいですよね。ただし常に気を張っていると心身ともに疲れてしまいます。すべてのスキマ時間を業務の処理に充てるのではなく、ストレッチや瞑想、仮眠などの適度な休憩を挟むことも忘れずに。

一流のスキマ時間04

精神科医の樺沢紫苑氏はほんの数分のスキマ時間に「耳学」を取り入れている

『学びを結果に変えるアウトプット大全』の著者で精神科医の樺沢紫苑氏によると、通勤時間や飲食店で注文した品を待つ時間など、ちょっとしたスキマ時間をトータルすると、1日に2時間ほどになるそうです。そしてそんな貴重な時間を、ただ浪費しているだけではもったいないと力説しています。

そこで樺沢氏がすすめているのが、耳学(みみがく)」です。耳学とはオーディオブックなどを利用して、本の朗読を聞いたり勉強したりすることを意味します。

本を読む、という行為は意外とエネルギーを使います。しかも、満員電車や歩きながらの移動中では、本を開いて読むことができません。その点、耳学では、両手がふさがっていても目を閉じた状態でも勉強することができます。

また、耳学のメリットはほかにもあります。それは目を休ませながら情報収集ができるという点です。

ものを読むとき、目は毛様体という筋肉を使ってピントを合わせています。目を使うということは、筋肉を使い続けることで、目が疲れるというのは筋肉疲労の一種なんですね。ところが耳は鼓膜の振動によって情報を脳に伝えるので、筋肉が介在しません。たくさん聴いても筋肉疲労状態にはならない。

(引用元:@DIME|耳のスキマ時間を有効活用! 「耳活」時代到来の予感

日本初のオーディオブック・オトバンクを創業した上田渉会長は、目ばかりを使う方法よりも、耳を使った「耳活」を取り入れると脳の活性化にもつながる、とも述べています。

日頃目を酷使しているからこそ、スキマ時間くらいは目を休ませたいですよね。耳から情報を入れたり勉強に活用したりすることは、現代の忙しいビジネスパーソンにぴったりの方法なのではないでしょうか。

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たった5分でも、突然時間が空いたら何をしますか? 普段ならスマートフォンを眺めてしまいがちですが、ここで紹介した「スキマ時間活用法」を試してみると、これまでいかに無駄な時間を過ごしていたかを実感するはず。時間を有効に使うことができれば、充実した毎日を送ることにもつながりますよ。

(参考)
Study Hacker|東大首席・山口真由さんが「4分」あればどこでも本を読む深い理由。
THE 21 ONLINE|スキマ時間での「ノートの上書き」が最高のアウトプットを生み出す
日経XTECH|スキマ時間を効果的に活用するコツ
東洋経済ONLINE|デキる人は5分の「スキマ時間」をこう使う
Study Hacker|アウトプットのプロはなぜ午前中に文章を書くのか? 脳科学に基づく「仕事力アップ習慣」
@DIME|耳のスキマ時間を有効活用! 「耳活」時代到来の予感

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