とことん頭を使える人がもつ「7つの考える力」。特に社会人が高めるべきは “この2つ”

西成活裕先生「7つの考える力」01

「アイデア自体は悪くないけど、ちょっとまだ考えが浅いな……」。若いビジネスパーソンであれば、上司からこんな言葉で叱咤されたこともあるでしょう。では、浅くなく、「しっかり考える」とはどういうことなのでしょうか。

考えるという行為や言葉はあまりに身近なため、深く掘り下げたことがある人は多くないかもしれません。そこで、著書『東大教授の考え続ける力がつく 思考習慣』(あさ出版)を上梓した、東京大学先端科学技術研究センター教授・西成活裕(にしなり・かつひろ)先生に、「しっかり考える」とはどういうことかを教えてもらいました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人

しっかり考えられない人にありがちな14の特徴

みなさんはしっかり考えられていますか?

そう問われると、多くの人が「当たり前じゃないか」「もちろん考えているよ」と思ったかもしれません。でも、本当にそうでしょうか? では、みなさんがしっかり考えられているかどうかをチェックしてみます。以下の項目にあてはまる人はいませんか? これらはいずれもしっかり考えられないがゆえに起こるものです。

西成活裕先生「7つの考える力」02

内容を読めばすぐにわかるように、どれもよくないことばかりです。できれば、こういうことに陥らないようにしたいですよね? ただ先にお伝えしたように、これらはしっかり考えられないことに起因するものですから、逆に言えば、しっかり考えることさえできれば避けられるものです。

西成活裕先生「7つの考える力」03

しっかり考えるために必要な「7つの考える力」

では、「しっかり考える」にはどうすればいいのか。考えるということがあまりに身近な言葉であり行為であるために、深く考える人はほとんどいません。だからこそ、しっかり考えることは簡単ではないのでしょう。

そこで私は、しっかり考えるにはどうすればいいかを追求しました。その結果、しっかり考えるためには、「7つの考える力」が必要だと見ています。

西成活裕先生「7つの考える力」04

自ら能動的に考えることができなければ、何も始まりません。そこで、しっかり考えるための原動力となるのが「自己駆動力」。いわばこれは、車のエンジンです。しかし、ただやみくもに突っ走っても意味がありませんから、ゴールに至るまで常に1段先を見る「多段思考力」も必要となります。

もちろん、そうして進み出したあともきちんと正しい方向に進んでいるかと確かめる「疑い力」も必要ですし、正しい方向を知るためには全体を俯瞰する「大局力」も必要です。また、全体を見る一方で、細かく物事を見てやるべきことを細分化して考える「微分思考力」も欠かせない力です。

そうして正しい方向に進んでいたとしても、ゴールまでの道のりは一本道ではありませんから、きちんと分岐点を見つけて正しいルートを選び取る「場合分け力」も重要ですね。それでも行き詰まってしまったようなときには、思考を何段も飛ばしてまったく違う角度から問題解決の方法を見いだすような「ジャンプ力」が必要になるでしょう。

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仕事において特に重要な「多段思考力」「大局力」

これら「7つの考える力」のうち、ビジネスパーソンにとって特に重要なものとなると、「多段思考力」と「大局力になるでしょうか。

誰もがぱっと考えつくようなアイデアしか出せないようであれば、社内外問わず多くのライバルがいるなかで成果を挙げることは難しくなりますし、そんなアイデアには大きな価値があるとは言えないでしょう。2、3段くらいの階段を上るような簡単なステップでできる仕事というのは、魅力があるものではありませんからね。

だからこそ、そのずっと先の先を見て考える力である多段思考力が大切になるのです。この力をもつ人は、「この人の仕事はすごい!」と顧客など周囲を魅了しますから、ただ成果を挙げるに留まらず、信頼を勝ちえることにもつながると思います。

でも、多段思考力によって先を見ているつもりでも、まったく見当違いの方向を見て考えてしまっていては、その努力はすべて無駄に終わってしまいます。そうした事態を避けるには、正しい方向を知らなければなりません。そうするため、物事の全体を俯瞰する大局力も欠かせないのです。

では、どうすれば多段思考力と大局力を身につけられるのでしょうか。その答えについては、次回以降の記事で解説していきます(『仕事で成果を出すのに不可欠な「先の先まで見通す力」。磨くには “あのゲーム” が最強だ』『東大教授が説く。思考力が乏しくて失敗しがちな人には「これ」が見えていない』参照)。

西成活裕先生「7つの考える力」06

【西成活裕先生 ほかのインタビュー記事はこちら】
仕事で成果を出すのに不可欠な「先の先まで見通す力」。磨くには “あのゲーム” が最強だ
東大教授が説く。思考力が乏しくて失敗しがちな人には「これ」が見えていない

【プロフィール】
西成活裕(にしなり・かつひろ)
1967年1月8日、東京都生まれ。東京大学先端科学技術研究センター教授。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、博士(工学)の学位を取得。その後、山形大学、龍谷大学、ドイツ・ケルン大学理論物理学研究所を経て現職。ムダどり学会会長、MUJI COLOGY!研究所所長などを併任。専門は数理物理学。さまざまな渋滞を分野横断的に研究する「渋滞学」を提唱し、著書『渋滞学』(新潮社)は講談社科学出版賞などを受賞。2007年JSTさきがけ研究員、2010年内閣府イノベーション国際共同研究座長、文部科学省「科学技術への顕著な貢献2013」に選出、東京オリンピック組織委員会アドバイザーにも就任している。日本経済新聞「あすへの話題」連載、日本テレビ「世界一受けたい授業」に多数回出演するなど、多くのメディアでも活躍している。近著に、『東大の先生! 文系の私に超わかりやすく高校の数学を教えてください!』『東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!』(ともにかんき出版)などがある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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