あなたは文字派? 聴覚派? 6つの「認知特性」ごとに最適な勉強法教えます!

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みなさんは、「これは絶対に効果がある!」と信じてやってみた勉強法が、実際には自分にあまり合わなかったという経験がありませんか。ノートに単語をひたすら書き続けても全く暗記できなかったり、色を分けて図式化してみても内容がいまいちピンと来なかったり……。「結局、自分に合う勉強法なんてないのではないか」と自信をなくしかけている人もいることでしょう。

それはもしかすると、自分の得意な学習タイプを知らないがゆえに、効果の上がらない勉強法を選んでしまっているからかもしれません。そこで今回は、ひとりひとりの「認知特性」を踏まえた、「自分に最適な勉強法」の見つけ方についてお伝えします。

「認知特性」とはなにか

認知特性とは、目・耳・鼻などの主に五感を中心とした感覚器から入ってきたさまざまな情報を記憶したり、脳内で理解して表現したりする能力のことです。わかりやすく言うと、認知特性とはどういうやり方だと、自分は物事を記憶・理解・表現しやすいか?ということ。これには人それぞれ違うという特徴があります。

たとえば、「文字ばかりの説明だと理解できない」という人がいる一方で、「グラフだけでなく、文章でも説明してほしい」という人がいますよね。このように認知特性は、個人個人の思考や認知の「好み」と言えるものです。

自分に合った勉強法02

みなさんもこれまでに「視覚優位」「聴覚優位」「言語優位」といった言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。医学博士・医師の本田真美氏によれば、こういった特性をもう少し細かく見ていくと、さらに以下の6タイプに分けることができるのだそう。

視覚優位者
(1)写真(カメラアイ)タイプ:写真や絵など二次元で考える
(2)三次元映像タイプ:空間や時間軸を使い三次元で考える

言語優位者
(3)言語映像タイプ:文字や文章を映像化して考える
(4)言語抽象タイプ:文字や文章を図式化して考える

聴覚優位者
(5)聴覚言語タイプ:文字や文章を音として情報処理する
(6)聴覚&音タイプ:音色や音階など音楽的イメージを脳に入力する

(参考:ダ・ヴィンチニュース|あなたに最適な記憶法も分かる!?自分の「認知特性」を調べてみよう

人間は、これらのタイプのうちどれか、あるいは状況により複合的に当てはまると言われています。自分がどのタイプの人間で、どのような情報処理の仕方をすれば理解しやすいのか、逆にどういう方法が向いていないのかを知れば、勉強に取り組む際も効率良く進めていけるようになるのです。

自分はどのタイプなのかわからない場合、認知特性を測るとても簡単なテストがありますから一度診断をしてみてください。

このテストでは、たとえば「初対面の人を覚えるポイントは【顔や雰囲気】【名刺などに書かれた文字】【名前の響き】のどれか」といったことが質問されます。このような40問の質問に対する回答を総合し、回答者がどのタイプの認知特性にあたるかを診断してくれるのです。

ちなみに筆者は、この質問で「顔や雰囲気」と回答しましたが、最終的には「言語抽象タイプ」だと診断されました。みなさんもぜひやってみてくださいね。

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「認知特性」を勉強に活かす方法

では、認知特性のタイプ別に効果的な勉強法をご紹介します。

1. 「写真(カメラアイ)タイプ」に最適:落書き単語暗記術

このタイプは、文字面を追うよりも平面画像としてのほうが、認識し理解できるタイプです。写真のように二次元で思考するこのタイプの人には、「落書き単語暗記術」が役立つでしょう。

単語や専門用語など何か覚えたい言葉がある際には、その言葉の文字を何度も書きなぐるより、その言葉を連想させる絵を描いて勉強するといいでしょう。視覚的なイメージを伴うことでより覚えやすくなりますよ。

また、教育学博士のGirija Kaimal氏によれば、落書きは集中力を高めるほか、思考や創造性を担う脳の部位である前頭前皮質への血流を活発化させるのだそう。ここは勉強するうえで大いに活性化させたい部位ですよね。

歴史の教科書に載っている偉人の写真にヒゲを書いて遊んでいたら、そのページの記憶が意外にも強く残った。そんな経験をしたことがある人には特にぴったりの方法だと言えると思います。ぜひお試しください。

■勉強法の詳しい紹介はこちら→「英単語は「落書き」で覚えるべし! 東大生がすすめる『落書き単語暗記術』

2. 「三次元映像タイプ」に最適:想起トレーニング術

このタイプは、時間の流れがあるエピソードを理解するのが上手なタイプだと言えるでしょう。1のタイプと比較すると、こちらの方は立体的なイメージが出てくるのが特徴。空間や時間軸を使って三次元で考えるこのタイプにとって役立つ勉強法は、「想起トレーニング術」です。

何かの単語を思い出したいが思い出せない……そんなとき、単語帳をすぐに確認するのではなく、目を閉じて、単語帳を開いた瞬間や思い出したい単語の周辺にあったものの記憶をたどってみましょう

心理学者の榎本博明氏によれば、なんとなく見ていて潜在的にしか記憶していなかったものであっても、あるきっかけでその記憶が顕在化することがあるそう。想起トレーニング術では、覚えたときの状況を手がかりに記憶の糸をたぐっていくことで、思い出したい記憶を引き出すことを狙います。と同時に集中力も高まるため、勉強にはうってつけの方法ですよ。

■勉強法の詳しい紹介はこちら→「“記憶の糸”を上手に手繰る! 犯罪捜査ドラマ風に楽しむ「想起トレーニング」

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3. 「言語映像タイプ」に最適:イメージ記憶術

このタイプは、言葉をベースに想像力を働かせることで理解するタイプだと言えるでしょう。言葉がメインながら視覚に頼る部分も少し含まれるのが特徴です。文字や文章を映像化してから思考するタイプにとって役立つ勉強法として紹介したいのが「イメージ記憶術」です。

『「1分スピード記憶」勉強法』の著者である宇都出雅巳氏によれば、人間は普段「イメージ」を使って体験を覚えているのだそう。たとえば、昨晩何を食べたかを思い出すとき、食事の状況や食べたもののイメージを思い浮かべますよね。

それを勉強にも活用するのです。例えば「1582年に起こった本能寺の変で織田信長は殺された」という歴史の事柄を覚えたいなら、頭の中で「いちごパンツ(1582)を履いた織田信長」をイメージしてみてください。さらに、それを実際に絵に描けばよりイメージが湧きやすくなるはず。きっと忘れない記憶になるでしょう。

■勉強法の詳しい紹介はこちら→「「いちごパンツの織田信長」で忘れない。イラストと一緒に覚える楽しい暗記術

4. 「言語抽象タイプ」に最適:コーネル式ノート術

このタイプは、授業ノートをわかりやすくまとめるのがとても上手なタイプだと言えると思います。文字や文章を図式化してから理解、記憶するタイプの方は、ぜひ「コーネル式ノート術」をやってみてはいかがでしょうか。

コーネル式ノート術とは、1989年にアメリカ・コーネル大学のWalter Pauk氏が、同大学の学生のために開発したノート術。ノート上を「メモを取る場所」「キーワードを記す場所」「全体の要約を書く場所」の3つのエリアにあらかじめ分けておき、情報を整理しながらノートを書くという方法です。

言語抽象タイプの人なら、情報の整理はお手の物のはず。このノート術なら紙面がとてもわかりやすくなるため、復習の効率もぐっと上がるそうですよ。詳しいノートの取り方は、ぜひ下記のリンクよりご覧ください。

■勉強法の詳しい紹介はこちら→「アメリカの名門大学発! コーネル式ノート術をやってみたら驚くほど勉強が捗った話。

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5. 「聴覚言語タイプ」に最適:録音勉強法

このタイプの人は、言葉を読むよりも発音されたものを聞いたほうが理解が進むはずです。文字や文章を、耳から入れる音として情報処理するタイプにとって役立つ勉強法としておすすめなのが「録音勉強法」。音声教材や自分で音読した声を録音したものを、何度も繰り返し聞くという方法です。

医学博士の福井一成氏によると、音声を聞いていると、左脳は「言語」として暗記しようとするのに対し、右脳は聞こえたままの「音」として暗記しようとするのだそう。すると、たとえば試験のとき、左脳のほうは語句を思い出すことができなくても、右脳のほうが、覚えている音をきっかけに言葉を思い出せるのです。

スマートフォンに録音しておけば通勤・通学の最中にも勉強できるというのも、嬉しいメリットですね。聞いて覚える勉強法、一度実践してみてはいかがでしょうか。

■勉強法の詳しい紹介はこちら→「「録音勉強法」をやってみたら、1週間で500分の“スキマ時間”を暗記に使えた話。

6. 「聴覚&音タイプ」に最適:替え歌暗記法

このタイプは、言葉を適当なメロディーに合わせて自分が発音することで、記憶を強固にできるタイプだと言えるでしょう。音色や音階といった、音楽的イメージを脳に入力するタイプの人に役立つのは、「替え歌暗記法」です。

高校生の頃、歴史で中国の王朝名を覚える際などに替え歌で覚えた人は少なくないでしょう。そうして覚えた歌は、大人になった今でも思い出せるものですよね。これを、ほかの勉強でもぜひ取り入れてみてください。

名古屋大学大学院と青山学院大学の研究によれば、言葉に付随するメロディが記憶に対して有効に働くのだそう。キャッチーに感じるメロディを探してみると良いかもしれませんね。

■勉強法の詳しい紹介はこちら→「覚えやすくて忘れない! 替え歌暗記法について調べてみた。

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みなさんも、貴重な学習時間を無駄にせずに済むよう、自分の認知特性についてぜひ一度分析し、最適な勉強法を試してみてください。自分にぴったりな勉強法なら、きっと勉強するのがとても楽しくなりますよ。

(参考)
本田真美(2012),『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』, 光文社.
清河幸子, 三澤美翔, 鈴木宏昭(2014),「替え歌による記憶の促進」, 日本心理学会第78回大会発表論文集, 813.
みくりキッズくりにっく|本田40式認知特性テスト 診断ツール
認知機能の見える化プロジェクト|認知特性
ダ・ヴィンチニュース|あなたに最適な記憶法も分かる!?自分の「認知特性」を調べてみよう
AERA dot.|“耳栓して音読”が暗記に効果的 脳科学で苦手を克服!
ScienceDirect|The Arts in Psychotherapy|Functional near-infrared spectroscopy assessment of reward perception based on visual self-expression: Coloring, doodling, and free drawing
STUDY HACKER|英単語は「落書き」で覚えるべし! 東大生がすすめる『落書き単語暗記術』
STUDY HACKER|“記憶の糸”を上手に手繰る! 犯罪捜査ドラマ風に楽しむ「想起トレーニング」
STUDY HACKER|「いちごパンツの織田信長」で忘れない。イラストと一緒に覚える楽しい暗記術
STUDY HACKER|アメリカの名門大学発! コーネル式ノート術をやってみたら驚くほど勉強が捗った話。
STUDY HACKER|「録音勉強法」をやってみたら、1週間で500分の“スキマ時間”を暗記に使えた話。
STUDY HACKER|覚えやすくて忘れない! 替え歌暗記法について調べてみた。

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