アメリカの名門大学発! コーネル式ノート術をやってみたら驚くほど勉強が捗った話。

自分の取った授業のノートや会議のメモを見返しているのに、内容がいまいちピンとこない。ノートやメモを取るのに適切なやり方が分からない。

そんなことに悩んでいませんか? 必要なことをきちんと書き留めておこうと思っても刻一刻と話は流れていきますから、しっかりとノートを作るのはなかなか大変なことだと思います。しかし、だからと言ってとにかく殴り書いてしまっては、いざ必要になったときに内容が分かりにくくなってしまいますよね。

そのような悩みを解決するには、情報の整理に特化した「コーネル式ノート術」を活用することをオススメします。

コーネル式ノート術とは

コーネル式ノート術とは、1989年にアメリカの名門、コーネル大学の学生のためにWalter Pauk氏が開発したノート術です。

ノートを独特の形で“仕切って”使うこのノート術は、その利便性の高さから“the best note-taking system”と呼ばれ、現在アメリカの有名大学、研究機関でもっとも多く導入されるメソッドになっています。

最大の特徴は、ノートの1ページをそれぞれ3つの領域に分け、情報を整理しながらノートを取っていくということ。この3つに分けるという作業によって情報の整理が簡単になり、ノートの中身が驚くほど分かりやすいものになるのです。

コーネル式ノート術とは

一般的に、キーワード、サマリーの幅は2~2.5インチ(5~6cm程度)とされていますが、自分のノートの使い方に合わせて最適な幅を見つけるのが良いでしょう。私の場合は、キーワード部分を少し広めにとっておくのが一番使いやすく感じました。

その他、コーネル式ノート術のために作られたノートなども市販されていますから、気になる人は調べてみてください。お手軽に始められますよ。

具体的なやり方

実際にコーネル式ノート術のやり方を簡単に説明します。ちなみに、このノートの使い方は人によっていろいろとアレンジすることが可能なので、あくまで「ベースとなる使い方」として参考にしてくださいね。

1. ノートにメモをする

講義中や会議中に主に使う領域が、一番広い「ノート」の領域です。 ここで重要なのは徹底的な簡略化です。内容を一言一句書きとるというのではなく、なるべく箇条書きや単語の走り書きなどで必要そうな情報を書き留めていくことを心がけましょう。

「書きとる」行為を最低限に留めることで、話の内容に集中し、深く考える余裕が生まれるということが重要になってきます。カリカリとたくさんの文字をノートに書きこんでいる姿は真面目で優秀そうに見えるかもしれませんが、その固定観念から離れることを意識する必要があるでしょう。

2. キーワードに追記する

講義が終わった直後やその日のうち、記憶がまだ新しい間にやるべきことが、キーワードの部分に情報を記入していく作業。ここで記入するのは、それぞれの話の中で特に重要になっていたキーワードや話題が次に移る際に橋渡しをした要素、疑問などです。

例えば、「AはBである」という話の中で「では、Bとはそもそもどういうことか?」という問いかけが「BとはCである」という話題を導いたとします。その場合キーワード部分に「Bとは?」と書いておくことで、簡略化したノートの部分の流れが明確になってきます。

キーワードを記入していくということは、成果物としてのノートの分かりやすさを高めると同時に、全体の流れを把握し直し、問題点や疑問点を整理するということに繋がります。この工程を通してようやく、3のサマリーでまとめるべきポイントが洗い出されてくるのです。

3. サマリー

この部分も復習の時間に記入します。サマリーで重要なのはなるべく短く、過不足なく情報を盛り込むこと。情報を短くまとめるためには、頭の中で情報の整理が完了していることが絶対条件です。

ここではその情報の整理が完了していることを確認すると共に、アウトプットを通して記憶の定着を図ること、そして後から見返したときに「何が書いてあるのか」を一目瞭然にすることなどを同時に行います。1ページの締めとして、非常に重要な部分です。

コーネル式ノート術の具体的なやり方

実際にやってみよう

コーネル式ノート術の性質は分かって頂けたかと思いますが、やってみて上手くいかないという悩みも出てくるかもしれません。そこで、筆者自身が実際にやってみた際に感じたことやそのコツを、3つにわけてご紹介します。

1. ノートにメモをする

一番つまずきやすい点であり、筆者自身、情報の取捨選択に最初の頃は戸惑いました。十分と思っていた情報でも見返してみると何のことか分からなかったり、逆にほとんど全部を書き留めていることもあるのです。

それでも自分なりに考えながら繰り返していると、情報の選別がスムーズになってくるのを感じました。そうなってくると話を聞きつつ「ここは書いておこう」「これは別に良いだろう」と無意識に判断し、過不足ないノートを作ることができるようになり、ノート作成が格段に楽になっていきました。

ペースの早い教授の講義ではクタクタになるほどノートを取り、後から見直しをするとき大量の文字を読むのに苦労していた筆者でしたので、その労力が大きく削減されたのは非常にありがたいことです。

2. キーワードに記入する

1. ノートにメモをする」でのノート作成が上達するにつれて「これはキーワードに」と感じることや「これはどうなっているんだろう?」という疑問が浮かぶことが増え、そのぶんキーワードに書き込む内容が充実していきました。ノート部分とキーワード部分の上達は連動するのです。

それと同時に、講義への理解がグッと深まったように感じました。話の内容を漫然と聞くのではなく、その場で情報を整理して脳内に収めることができるようになったからだと思います。ノートとキーワードの区分をはっきりさせるということが、コーネル式ノート術の最大の効能でしょう。

3. サマリー

もともと要約や文章を書くことが得意な私はあまり苦戦することはなかったのですが、後から見直したときにその効果を実感することが多かったように感じます。

例えば、講義を受けた際にはしっかり覚えているつもりでも、後になって「あれはどこで言ってたっけ?」と疑問に思うことが時折あるのですが、そんな場合の「ノート探索作業」の効率が何倍にも向上しました。

なぜなら、情報をコンパクトにまとめることができるようになっただけでなく、自分の言葉でまとめ直したことによる「アウトプットでの記憶定着」の効果を得られたから。

コーネル式ノート術には綺麗なノートを取ることにとどまらない、非常に大きなメリットがあると言えます。

応用編

筆者は現在卒業論文を執筆中で非常に多くの文献を扱うため、その整理に四苦八苦していました。そこで講義に用いたコーネル式ノート術を応用してみたところ、驚くほどの効果をあげました。

コーネル式ノート術:応用編

やり方は簡単で、講義を聞きながら取っていたノートをそのまま文献の読み込みの際に作るようにしたのです。今までは文献への書き込みと書き抜きをしたノートでメモを作っていたのですが、コーネル式ノート術を利用することで圧倒的にその効率が向上しました。

特に、後から「ここであの説を引用したい……」というときに、目的の論文がすぐに見つかるのは大きな利点です。論文執筆の最大の悩みが解決されたと言っても過言ではありません。

このように、コーネル式ノート術は非常に汎用性が高く、色々な形で活用することが可能です。大量の情報を扱うのに骨を折っているという人は、試してみると世界が変わってくるでしょう。

***
ノートを取る、という行為は単純なメモではなく、それ自体で非常に大きな学習効果につなげることができるもの。せっかくノートを作るのですから、コーネル式ノート術で可能な限り効率化してみませんか?

なお、「勉強ノート術7選! 東大生・京大生おすすめ」では、ほかのノート術も紹介しています。ぜひご参照ください。

(参考)

ITメディア エンタープライズ|講義ノートの取り方と復習のコツ
下井研究室|第2章 コーネル大学式ノートについて

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