自律神経が整う「3行日記」が最高。夜寝る前の “たった5分” で頭もスッキリ!

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やる気が起きない、頭がスッキリしない、勉強や仕事が捗らない、なんだか体調が芳しくないなどの悩みには、自律神経の乱れが影響しているかもしれません。日々の体調管理が不可欠なアスリートや、ビジネスパーソン、政治家まで、仕事のパフォーマンスに大きく影響する自律神経に注目しているといいます。自律神経を整えるにはどうすればよいのでしょうか?

順天堂大学医学部の小林弘幸教授によれば、手書きの日記をつけると自律神経が整い、心身をコントロールできるようになるそうです。それも、寝る前にたった3行書くだけでよいのだとか。

自律神経のこと、小林教授が推奨する「3行日記」のこと、筆者が実際にやってみて気がついたアイデアなどを紹介します。

ところで自律神経ってなに?

わたしたちの神経系には大きく2つの神経があります。

【中枢神経】:脳と脊髄
【末梢神経】:中枢神経系から出て細かく枝分かれしている神経

後者の【末梢神経】は、自律神経を含む次の2つに分けられます。

  1. 体性神経:寒さや痛みを感じる、あるいは手足の筋肉を動かす神経。自覚することやコントロールが可能
  2. 自律神経:内臓、血管、代謝、体温など、体内を整える神経。意思とは無関係なのでコントロールできない

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(図参考:編集部のページ by 日本看護協会出版会|NT2014年10月号連載【アセスメント力を高めるフットケア】紹介

そして自律神経は、「交感神経」「副交感神経」の2つで成り立っています。それぞれの特徴は次のとおり。

「交感神経」

  • 朝から日中、目覚めているとき、興奮しているとき優位になる神経
  • 血管の収縮
  • 血圧や心拍数の上昇
  • 胃腸の活動量は低下
  • 緊張モード

「副交感神経」

  • 夕方から夜中、眠っているとき、くつろいでいるとき優位になる神経
  • 血管の拡張
  • 血圧や心拍数の下降
  • 胃腸運動の促進(食事モード)
  • リラックスモード

自律神経が乱れるって、どういうこと?

交感神経と副交感神経は、通常であれば日内変動(体内時計にコントロールされた生体リズムが1日の中で変わり動くこと)に沿い、交替で活動します。われわれの意思とは関係なく、心身を一定のコンディションに保ってくれるのです。

しかし、現代人、特にビジネスパーソンには、交感神経にバランスが傾いているケースが多いといわれています。原因となっているのは覚醒や緊張をもたらす次の要素です。

  • 夜でも照明で明るい街や住まい
  • 仕事に追われるストレスの多い日々
  • 情報過多がもたらす持続的な緊張
  • パソコンやスマートフォンのまぶしい画面

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こうして交感神経へとバランスが傾いているのが、「自律神経が乱れている状態」です。交感神経が優位になりつづけると、高血圧や内臓機能の低下、不眠などが引き起こされ、心の状態まで悪くしてしまいます。勉強や仕事に差し障りが出るのも当然ですよね。

したがって、自律神経が乱れること、整うことを、簡単に説明するとこうなります。

  • 「自律神経が乱れる」:交感神経にバランスが傾く
  • 「自律神経を整える」:バランスを真ん中に戻す

では、自律神経のバランスを真ん中に戻して整えてくれる「3行日記」とは、どんなものでしょう?

3行日記とは何か?

小林弘幸教授が推奨する日記が3行なのは、次のとおりテーマが3つあるからです。

  1. よくなかったこと(うまくいかなかったこと、嫌だったこと)
  2. よかったこと(うまくいったこと、感動したこと、嬉しかったこと)
  3. 明日の目標(関心を引いた些細なことでもOK)

日記を書くために1日の出来事をいろいろと思い浮かべるのは大切ですが、思い浮かべたことすべてを書く必要はありません。いくつかルールがあります。

【3行日記のルール】

  • 手書きする
  • 寝る前に書く
  • 必ず日付と曜日を記入
  • できるだけ簡潔に
  • 1~3の順番で書く
  • ゆっくり丁寧に書く

また、ひとりになって書くことも推奨されています。書くものは日記帳でもノートでも、何でもOKです。ただし、手書きが原則なので、ブログで書くのはNGです。

なぜ3行日記が自律神経を整えるのか?

小林弘幸教授によれば、「3行日記」で1日を振り返っていると気づきが生まれ、悪い流れを止めることができるそうです。自らいい方向へと、流れをコントロールするようになるとのこと。

なぜならば、「どうして起こったのか?」「どんなときに起こったのか?」と、その日の出来事の原因や、パターンを探るようになるから。自分の経験に対し客観的になれるからこそ、それらを踏まえた3行目に書く「明日の目標」が生かされるわけです。

いい方向へと流れをコントロールする、いわゆる自分をコントロールすることは、心身を良好に保つ第一条件ともいえます。

それに、手書き文字の乱れは自律神経の乱れを示すので、自分の状態に気づくこともできるはずです。そんなときにゆっくりと丁寧に書けば、気持ちが落ち着き、自律神経のバランスを正常に戻すことができるとのこと。

また、テーマが決まっており、たった3行を簡潔に書くだけなので、時間もかかりません習慣化にはもってこいです。

同氏によれば、「3行日記」は“心のデトックス”。

今日うまくいかなかったことを書いて見て「反省」でき、今日うまくいったことを書いて心を快適にでき、「自律神経を良好に」保つことができるとのこと。そして、明日の目標は「自分の糧(力)」になるとのことです。

ルールも形式も、すべて理にかなっているのですね。では、筆者もさっそくやってみます!

3行日記を1週間やってみた

筆者は家にあった、普通のセミB5サイズのノートをつかいます。

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小林教授は海外に留学しているときに「3行日記」をすすめられたとのこと。その後ご自身で改正を加えていったそう。

そこで筆者も試行錯誤を繰り返し、自分自身が書きやすく、続けやすいかたちを見つけました。ぜひ皆さまもルールを守りつつ、好きなようにアレンジしてみてください。

筆者の場合はこんな感じです。

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セミB5サイズのノートの場合、罫線を頼りに4行ずつ区切っていくと、1頁が「1週間ぶんの日記+フリースペース」になり、2週間単位で比較できます。

フリースペースは、名前のとおり何につかってもOKです。「来週こそは〇〇〇をやろう!」と翌週の目標を書いてもいいし、単なるメモでもいいし、「今週は結局〇〇〇ができなかった」と反省してもいいでしょう。

小林教授のアドバイスを踏まえると、「来週はあの店に行ってみたい!」といった興味関心を書き込むのもいいかもしれません。

細かいところでは、3つのテーマは1週間の最初のみ書き、以後6日間は番号だけで示します。

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日付と曜日、番号、内容を書くだけといった、シンプルな作業にするための工夫は、習慣化を促進してくれるはずです。

3行日記を1週間やってみた感想

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1週間続けてみてまず感じたのは、「3行日記」が自然な入眠儀式になることです。「さあ、そろそろ寝るから日記を書こう」と行動に移すと、デジタル機器のない静かで穏やかな時間が生まれるからでしょう。副交感神経が優位になり、気持ちが落ち着きます。

また、就寝前の3行目に書く「明日の目標」は、書くタイミングと順番のおかげで、翌日もずっと頭の中に居座り、自動的にリマインドしてきます。

そして、日記が1ページぶん埋まった様子を目にしたときは、「また来週も書こう」と意欲がわきました。1週間ぶん書き続けた達成感を容易に味わえる分量・レイアウトなので、意欲をわかせやすいのです。もちろん、1回書くのに5分もかからないという手軽さも、続けたくなるポイントでしょう。

そのほかにも、簡潔に書かれた「よくなかったこと」があまりにも些細なことに思え、気にならなくなったり、「今度は忘れないようにしよう」と教訓にしたりする気持ちが生まれました。

「明日の目標」が達成されたかどうか、達成されなかったのは「うーん、なんでだったかなぁ?」と心の中で原因を探る気持ちも生まれます。原因らしきものが思い当たれば、行動を変えようと、まずは意識を変えるようになります。

小林教授が述べていた、目標を手書きすることにより意欲が高まり、それが日々の行動にもつながる、といった言葉を、たった1週間で実感できたのは驚きです。

「3行日記」は夢を実現するためのバイブルになるかもしれませんね。

***
自律神経と3行日記について紹介しました。勉強や仕事のパフォーマンスを高めるためにも、ぜひ習慣にして自律神経を整えてくださいね。

(参考)
マイナビウーマン|日記をつけるだけで美しくなる? 医学部教授が説く自律神経のチカラ
THE21オンライン|現代人の不調の多くは「自律神経」が原因だった!
J-WAVE NEWS|本田選手、ガガ様もやっている「3行日記」の効果とは
編集部のページ by 日本看護協会出版会|NT2014年10月号連載【アセスメント力を高めるフットケア】紹介
ウーマンウェルネス研究会|自律神経とは?詳しく知りたい!
コトバンク|日内変動(にちないへんどう)とは
小林弘幸監修, かたしな, サイドランチ(2018),『マンガでわかる 自律神経を整える習慣・運動・メンタル』, 池田書店.
小林弘幸(2014),『「3行日記」を書くと、なぜ健康になれるのか? 』, アスコム.

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
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