心理学を勉強したい! おすすめの勉強法&本&サイトをまるっと解説。

心理学を勉強する方法1

心理学を勉強できるのは、大学や大学院だけではありません。独学で知識を得る方法はいくらでもあるのです。

それに、心理学を勉強する意義は、臨床心理士の資格を取得する、公認心理師になる、といったことにとどまりません。自分や他人の「心のしくみ」を知れば、仕事や日常生活をより快適に変えていくことができます。

今回は、心理学における各分野の特徴を説明したうえで、心理学のおすすめ勉強方法をご紹介しましょう。

心理学とは

そもそも心理学とは、どんな学問なのでしょうか? 早稲田大学教授の小塩真司氏は、心理学を「人間がすることであればほぼ何でも研究対象になる学問」と定義しています。視覚・聴覚などの五感、話す言葉、思考、記憶、行動、他者との関係などなど、心理学はありとあらゆる現象を射程に収めているのです。

これほど守備範囲が広い心理学を学ぼうというのですから、自分は心理学のなかでも何に興味があるのか、ある程度明確にしておきましょう。まだわからないという場合、公益社団法人・日本心理学会のWebページ「心理学ミュージアム」を閲覧してみてください。心理学にまつわるおもしろい話がたくさん掲載されているので、興味・関心が刺激されるはずです。

参考までに、以下では「○○心理学」と名のつく6つの分野を紹介します。解説にあたり、社会心理学者・渋谷昌三氏が監修した『心理学がイッキにわかる本』(西東社、2011年)を参照しました。

発達心理学

発達心理学とは、人間の心理はどのように発達するか、幼児期や青年期など各発達段階における心理はどのように異なるかなど、「発達」という観点で人間心理を研究する分野です。赤ん坊と大人では知覚にどのような違いがあるのか、思春期の子どもの心理には何が起こっているのか、などがテーマとなります。

子育てをしている方や教育に携わる仕事に就いている方は、発達心理学を学ぶことで、子どもの気持ちを理解するヒントが得られるでしょう。

教育心理学

教育心理学は、学校や家庭での教育効果を高める方法を研究する分野です。

教えられる側(子ども)の心理を理解し、上手な教え方やコミュニケーション方法を知るためには、教育心理学の知見が不可欠。発達心理学と同様、親や教育関連の職に就く人は、ぜひ押さえておきましょう。

社会心理学

社会心理学とは、個人は社会からどのような影響を受けるのかを研究するジャンル。社会というと、企業や国といった大きな枠組みを想像するかもしれませんが、家庭や学校、友人関係なども含まれます。

経済格差や少子高齢化、高度情報社会化など、社会の変化が私たちの生き方・考え方をどう変えるのか、あるいは親子・友だちなどの身近な人間関係が、私たちにどう影響しているのか。そんなテーマを学びたい方にこそ、社会心理学はおすすめです。

認知心理学

人間の心を構成しているといわれる「知識」「感情」「意志」のうち、「知識」のアプローチで人間心理を研究するのが、認知心理学。テーマの例としては、「文字の認識」などが挙げられます。

ひらがなの「あ」という字は、書く人のクセや字体によって形が異なるのに、なぜ私たちは、それぞれの文字を同じ「あ」として認識できるのでしょうか? そういった、脳による「認知(認識)」の問題に取り組むのが、認知心理学です。文字だけでなく、音や言語の識別なども対象としています。

犯罪心理学

犯罪心理学は、犯罪者の心理や動機について研究する分野。凶悪事件について、心理学者が容疑者の心理を分析しているのを、テレビで見たことはないでしょうか。

犯罪心理学の研究から得られた知見は、犯罪を予防したり、犯罪を犯した人を更生させたりする目的に役立てられています。

臨床心理学

臨床心理士や心理カウンセラーに求められるのが、臨床心理学の知識。クライアントが抱える精神的な問題を解決する方法を研究する分野です。臨床心理学はクライアントの「治療」を目的としているぶん、ほかの心理学分野と比べると、実践的な面が強いといえるでしょう。

クライアントが抱える問題や悩みの種類はさまざまですから、これまでに紹介した発達心理学や社会心理学など、各分野の基礎知識はもちろんのこと、大脳生理学などの医学的な知識までもが、臨床心理学の範囲に含まれています。

以上、紹介した6つのジャンルのほか、人間の行動に焦点を置いた「行動心理学」や、特定の年齢層の心理に特化した「児童心理学」・「青年心理学」、「今このとき」を前向きに生きることにより心の回復を目指す「アドラー心理学」など、研究対象やアプローチごとに無数の分野が存在します。自分はどんなジャンルの心理学を勉強したいのか、ざっくりとでもいいので絞り込んでみましょう。

心理学を勉強する方法2

心理学を勉強するメリット

1. 仕事に活かせる

心理学の勉強には、どのようなメリットがあるのでしょう? 1つ目は、心理学の知見を仕事で役立てられること。

有名な「ドア・イン・ザ・フェイス」という交渉テクニックは、心理学を応用したものです。「ドア・イン・ザ・フェイス」とは、「10万円貸してください! 無理? それなら、1万円でもいいですよ」という具合に、無理難題を突きつけたあと、より簡単な要求を提示することで、要求を受け入れてもらう可能性を高める交渉術。

産業カウンセラーの渡部卓氏によると、「ドア・イン・ザ・フェイス」は「譲歩の返報性」という心理が下敷きになっているのだそう。「譲歩の返報性」とは、相手が譲歩してくれたとき、「お返しに、こちらも譲歩しないと申し訳ないな」と感じる心理。上の例では、「10万円貸すことを断ってしまった」という申し訳なさ(借り)を相手に感じさせることで、「1万円貸して」という小さめの要求を断りづらくさせる、という仕組みです。

「ドア・イン・ザ・フェイス」のほかにも、心理学は、ビジネスに活かせるさまざまなテクニックに応用されています。心理学を学ぶと、仕事を有利に進めたり、相手の心を動かしたりできるヒントを得られるのです。

2. 印象をよくできる

心理学は、周囲に与える自分の印象を改善することにも役立ちます。あなたの周りには、「なぜかみんなに好かれている人」がいないでしょうか。とりわけ仕事ができたり目立ったりするわけではないけれど、一緒にいるとつい笑顔になってしまうような、感じのいい人。友だちや同僚に、1人くらいは思い当たる人がいると思います。

なぜこの人は好かれるのか? 反対に、なぜあの人は嫌われてしまうのか? 自分はどうすれば「好かれる人」になれるのだろうか? そんな問いの答えが、心理学の勉強を通じて得られるかもしれません。

「好かれる人」になるテクニックの一例として、「連合の原理」があります。ビジネス心理学講師の酒井とし夫氏によると、「連合の原理」とは、別々のものを無意識のうちに結びつけてしまう現象。

たとえば、栄養ドリンク「ユンケル」のCMには、イメージキャラクターとして、元プロ野球選手のイチロー氏が起用されています。「ユンケル」という商品の品質とイチロー氏の存在は無関係のはずなのに、CMにイチロー選手が出演しているのを見ると、「ユンケルを飲めば、イチロー選手のようにタフになれるかな」と、ついイメージしてしまいますよね。「連合の原理」により、イチロー選手がもつ “タフさ” や “ストイックさ” というイメージが、商品のイメージに影響を与えている(連合している)のです。

人の印象も同じです。いつもニコニコ上機嫌でポジティブな振舞いをしている人には、ポジティブなイメージが連合し、自然と人が集まってくるもの。反対に、いつも暗い表情を見せていたり、「嫌だ」「疲れた」などネガティブなことばかりを口にしたりしていると、そうしたネガティブなイメージが、いつしかあなたのイメージそのものとくっついて記憶されてしまうのです。

人の印象は、ほんのささいな要素で左右されてしまうもの。どう振舞えば人に好かれやすく、どうすれば嫌われやすいのかを知るのに、心理学を学んでおいて損はないはずです。

3. 自分のメンタルをケアできる

心理学を勉強する3つ目のメリットは、自分のメンタルをケアできるようになること。

日々の生活で、私たちはさまざまなストレスにさらされています。大きな失敗をして自信を失くした、上司に怒鳴られて気が滅入った、長時間の残業でヘトヘトになった――そんなときに心理学の知識があれば、自分の心を客観視したり、ストレスへの対処法を考えたりできます。家族や友だちが悩んでいるときも、アドバイスができるかもしれません(※ただし、ストレスが深刻な場合、心療内科などできちんと診察を受けましょう)。

一例として、ストレスを緩和するシンプルな方法に「笑い」があります。医学博士の大平哲也氏が2003年に発表した研究によると、落語を1時間聴いて笑う前と後では、ストレスの指標となるホルモン「コルチゾール」の値が有意に低下したのだそう。

ストレスの緩和や幸福感の向上を目的とした心理学は、「ポジティブ心理学」と呼ばれています。当サイト「STUDY HACKER」では、ポジティブ心理学の知見を応用した記事を発信しているので、ぜひ参考にしてみてください。

総括

まとめると、心理学は「自分や他人の心理に対する “分析眼” を育む学問」だといえるでしょう。「顧客の反応がイマイチなのは、○○の心理が生まれたせいじゃないか」「自分のモチベーションが弱くなっているのは、○○の法則が原因じゃないか」、あるいは「世間でタピオカが流行しているのは、若者に○○の心理を抱かせるからじゃないか」という具合に、事象を分析したり、問題の解決策を導いたりするのに心理学を活用できるのです。

シンプルに「知的好奇心を満たせる」というのも、心理学を学ぶメリット。心理学の研究結果には、「へえ、そうなんだ!」と好奇心をくすぐられるものが数多くあります。目的を特に掲げずとも、単純に趣味として心理学を楽しむのも有意義なことです。

心理学を勉強する方法3

心理学の勉強法1:Webサイトを閲覧する

これから心理学を勉強したい人向けに、おすすめの勉強法をご紹介していきましょう。1つ目は、Webサイトを利用すること。

インターネット上に公開されている情報の多くは無料で読め、欲しい情報に手早くアクセスできます。ただし、信ぴょう性が疑わしいWebサイトもあるので、正確な情報が欲しい場合、心理学の専門機関や専門家が監修しているWebサイトを選びましょう。

【メリット】
お金がかからない。知りたいことだけ手軽に調べられる。

【デメリット】
ウソの情報が載っている場合も。専門的な深い知識は得にくい。

おすすめWebサイト1:公益社団法人・日本心理学会

心理学を学べるWebサイトをご紹介します。まずは、公益社団法人・日本心理学会の公式サイト

日本心理学会は、心理学の進歩・普及を目的として1927年に創立された、100年近い歴史のある団体です。全国規模の心理学系学会のなかでは最も歴史が古く、各種研究・調査のみならず、認定心理士の資格認定や研修会、シンポジウムの主催などもしているので、情報の信頼性は十分

日本心理学会のWebサイトには、入門者・初心者向けのコンテンツが豊富に掲載されています。上でも挙げた「心理学ミュージアム」というコンテンツでは、「人はどうしてウソをつくのか?」「スポーツファンはなぜ熱狂するのか?」「なぜ加害者に厳しくなるのか?」といった、心理学にまつわる興味深い話を図解つきで読むことができます。

心理学の歴史を易しい文章で学べるページや、心理学にまつわるQ&Aなども用意されているので、心理学の勉強を始めるには、まさにうってつけのWebサイトといえるでしょう。

おすすめWebサイト2:「心理学総合案内こころの散歩道」

次に紹介するのは、「心理学総合案内 こころの散歩道」。新潟青陵大学の心理学教授・碓井真史氏が運営するWebサイトです。

入門者向けの記事はもちろん、「社会心理学」「マインドコントロール・洗脳の心理学」「インターネット心理学」などの専門的な記事、流行や時事問題に関する記事も豊富なので、心理学のおもしろさを手軽に体験できます。

おすすめのWebサイト3:各大学の心理学科のページ

3つ目は、各大学の心理学科が開設しているWebページ。研究者のコメントや最新の研究報告などが掲載されているため、心理学研究の雰囲気を知ることができます。

本格的な勉強に入る前、「心理学の雰囲気を感じてみたい」という人なら、まずはWebサイトを閲覧してみましょう。

心理学を勉強する方法4

心理学の勉強法2:本を読む

心理学の勉強の仕方として2つ目に紹介するのは、心理学の入門書や解説書などを読むこと。本には情報が体系的にまとまっているので、Webページの閲覧よりも本格的に学べます。ただし、内容やレベルが自分に合わない本を選んでしまうと、理解できずくじけてしまう恐れがあるため、注意してください。

心理学を本で独学する際のコツは、ひとつのテーマにつき、なるべく複数の本を読むこと。人材育成コンサルタント・清水久三子氏によると、複数の本を読み比べることで、どの情報が筆者個人の見解で、どの情報が専門家たちの共通見解なのかがわかるため、「情報の遠近感」がつかめるのだそう。清水氏は、関連テーマの本は少なくとも5冊、時間が許すなら10冊は読んでおくのが理想であると言います。

【メリット】
専門家が書いた良質な情報が得られる。情報量が豊富。

【デメリット】
書籍の購入費がかかる。自分に合わない本に当たると挫折する恐れがある。

以下では、岐阜大学の心理学教授・緒賀聡氏が初学者向けに推薦している4冊の本を紹介します。

おすすめの本1:『マンガ 心理学入門 現代心理学の全体像が見える』

心理学者のナイジェル・C・ベンソン氏によるマンガ。20世紀初頭の精神分析学から「マズローの欲求5段階説」に至るまで、心理学が発展していく流れをイラストで紹介しています。楽しく、手っ取り早く心理学の全体像をつかみたい方におすすめの本です。

おすすめの本2:『不思議現象 なぜ信じるのか こころの科学入門』

入門書ですが、情報量が比較的充実しています。入門書でありながら、「なぜ人はオカルトや超常現象を信じるのか」というテーマを追及しており、読み物としても楽しめますよ。緒賀教授は「読み応えがあり、現代的であり、しかも楽しくもある本」と絶賛しているので、ぜひ一度手に取ってみたいところです。

不思議現象 なぜ信じるのか: こころの科学入門

不思議現象 なぜ信じるのか: こころの科学入門

  • 作者:菊池 聡,宮元 博章,谷口 高士
  • 北大路書房
Amazon

おすすめの本3:『いやな気分よ さようなら 自分で学ぶ「抑うつ」克服法』

抑うつ的な暗い気分を克服するための方法を、一般向けに解説した本です。自分の心を癒やす目的で心理学を学びはじめる方には、きっと役に立つはず。緒賀教授も「抑鬱を乗り越えようという人のための最良の本」と、高く評価しています。

おすすめの本4:『心を知る技術』

映画やドラマではおなじみの、心理カウンセリング。しかし、カウンセリングの実態について、ほとんどの方は知らないはず。カウンセリングの基本を知りたい方にとって、格好の入門書です。

心を知る技術

心を知る技術

  • 作者:高橋 和巳
  • 筑摩書房
Amazon

以上、本を読んで心理学を勉強するやり方を紹介しました。やはり、読書は独学の基本。インターネットだけでは物足りなくなったら、ぜひ心理学関連の入門書を読んで勉強しましょう。

心理学を勉強する方法5

心理学の勉強3:通信講座に申し込む

心理学の勉強方法としては、通信講座もあります。心理学を本格的に学びたいけれど、忙しくて時間が取れない……という社会人には、特におすすめです。

通信講座では、インターネットやテレビを通じ、専門家による講義映像を見て勉強します。決まった時間に登校する必要がないので、仕事と並行して専門知識を得られるのが大きなメリットです。

【メリット】
専門家による講義を自宅で受けられる。時間・場所を自由に選べる。

【デメリット】
受講料がかかることがある。何を学べるか、提供される講義に左右される。

おすすめの通信講座1:放送大学

では、心理学を勉強できるおすすめの通信講座を紹介しましょう。

まずは、放送大学学園法に基づいて設置された「放送大学」。テレビやインターネットを通じて講義を受講できる、私立の大学です。「心理学概論」「社会心理学」「心理カウンセリング序説」など、専門家による本格的な講義がそろっており、取得した単位は、一般の大学と同じく、臨床心理士などの受験資格に必要な単位として用いることができます。

放送大学の魅力のひとつは、授業料が安いこと。1科目(2単位)あたりの授業料は一律11,000円、入学料は7,000~24,000円です(※2020年1月現在)。一般的な大学に比べて破格といえるでしょう。

臨床心理士の受験資格を得るために必要な36単位は、単純計算で約20万円。一般の4年制大学を卒業するのと同程度の124単位を取るとしても、約70万円の費用で済ませることができます。

講義を受ける時間は自由に決められるので、働きながら心理学系の資格を取得したい方にはぴったりといえるでしょう。

おすすめの通信講座2:JMOOC

JMOOC」は、無料で利用できるオンラインの大学講座。受けたい講義を登録しておくと、配信期間中に講義動画を視聴可能。レポート提出などの要件を満たせば修了証をもらえるというシステムです。放送大学と似ていますが、臨床心理士などの資格に必要な単位としては認定されないので、注意してください。

2020年1月現在、心理学系の講座としては「心理学スパイラルアップー多角的な視点からの接近」などが開講されています。心理学だけでなく、経済学や法学、情報工学など、講座のジャンルは多岐に渡っているので、心理学以外も幅広く勉強したい方におすすめです。

心理学を勉強する方法6

心理学の勉強法4:大学の「科目等履修生」「聴講生」になる

心理学の勉強に限った話ではありませんが、大学の「科目等履修生」「聴講生」という制度を利用すれば、一般の学生に混じって講義を受けられます。正規の学生になるのに比べて費用は安いものの、書類の提出や審査といった手続きが必要ですし、平日の日中に通う必要がある、という点には注意してください。

明治大学文学部の例(2020年度)を見てみましょう。科目等履修生になる場合、納める入学金は20,000円、履修料は1単位につき24,500円。聴講生の場合は、入学金50,000円、聴講料は1単位につき18,000円です。出願期間は限られているため、興味のある大学の要項をよく調べたうえで、早めに準備しておきましょう。

それなりの費用はかかりますし、時間の制約もありますが、心理学専攻の学生に交じって勉強することは刺激になりそうです。

【メリット】
大学教授や講師による講義が受けられる。大学の図書館・自習室などが利用できる。

【デメリット】
平日に仕事があると通えない。お金がかかる。書類や面接での審査がある(科目等履修生)。

心理学を勉強する方法7

心理学の勉強法5:公開講座に参加する

ときどき大学で開かれる公開講座でも、心理学を勉強することができます。2019年11月には、立正大学で「愛と正義と暴力と 〜過激主義の社会心理学〜」という公開講座が開催。各大学から集まった専門家が、抽選で選ばれた100人の聴衆の前で講義しました。立正大学では毎年、同様の公開講座が催されています。

数回に渡る公開講座もあります。首都大学東京の公開講座「色彩に込められたメッセージを解釈する色彩心理入門 ~色彩をコミュニケーションツールの1つとして活用しよう~」は、2020年1月17日~2月28日の期間、全4回開講される予定でした。

大学の公開講座については、「セカンドアカデミー」というWebサイトで情報を得られます。心理学をはじめ、さまざまなアプローチでの勉強に興味のある方は、チェックしてみてください。

【メリット】
専門家による本格的な講義を生で聴ける。

【デメリット】
聴講料がかかる場合がある。抽選に外れる場合がある。

心理学を勉強する方法8

心理学の勉強法6:勉強会に参加する

心理学の勉強会に参加する、という方法もあります。勉強会は、カフェや貸会議室などで開催されることが多く、心理学に興味がある人たちが集まって本の内容について話し合ったり、心理学の情報を交換し合ったりしています。

心理学の知識に自信がないという方や、より深く学びたいという方には、講師や有識者から指導を受ける、ワークショップ型の勉強会も。単に知識を得るだけでなく、参加者同士で「性格診断」の練習をしたり、相手との信頼関係を築く技術「傾聴」のトレーニングをしたりと、独学では身につけにくいスキルを磨けるのも、勉強会ならではのメリットです。

勉強会の情報は、各Webサイトやアプリケーションで検索できます。全国各地でたくさんの勉強会が開かれていますから、心理学の勉強をひとりで続ける自信がないという方や、人と交流しながら学びを進めたいという方は、ぜひ探してみてください。

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心理学の勉強方法・ツールをご紹介しました。関心・需要ともに高まりを見せている心理学。趣味として気軽に学びたい方も、本格的に勉強したい方も、今回の記事をキッカケに、心理学の世界へ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

(参考)
公益社団法人 日本心理学会|心理学とはどんな学問だろう?
公益社団法人 日本心理学会|心理学に興味のある方へ
心理学ミュージアム
渋谷昌三監修(2011),『心理学がイッキにわかる本』, 西東社.
COURRiER Japon|「アドラー心理学」超入門 10分でわかる、心が軽くなる!
NIKKEI STYLE|交渉が下手で心が折れそう 「YES」を引き出すコツは
All About|【連載】説得と交渉の営業心理学 第8回 連合による心理操作
J-STAGE|笑いのストレス解消効果についての研究
新潟青陵大学・新潟青陵大学短期大学部|心理学総合案内こころの散歩道
東洋経済オンライン|仕事のスピードが速い人の「情報収集」のコツ
ナイジェル・C・ベンソン著, 清水佳苗ら訳(2001),『マンガ 心理学入門 現代心理学の全体像が見える』, 講談社.
菊池聡・宮元博章・谷口高士編著(1995),『不思議現象 なぜ信じるのか こころの科学入門』, 北大路書房.
デビッド・D・バーンズ著, 野村総一郎ら訳(2004),『いやな気分よ さようなら 自分で学ぶ「抑うつ」克服法』, 星和書店.
放送大学|キャリアアップしたい方[心理学を学びたい方]
JMOOC
首都大学東京オープンユニバーシティー|色彩に込められたメッセージを解釈する色彩心理入門

【ライタープロフィール】
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。

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