“手書きのノート” の中身がパッと検索できる、物理的・視覚的・脳科学的アプローチ

紙のノートに何かを書こうとしている女性、ビジネスパーソン

ノートは手書きがいいけれど、書いた場所がわからなくなるので、パソコンみたいに検索できたらいいのに……。そう思っているあなたに、「どこに書いたっけ?」がなくなる3つのノート術を紹介します。

6割の人が書いたものを見失っている

電子機器開発事業を行なうワコムが「メモに関するアンケート(※)」を実施したところ、自分が書いたメモがどこかにいってしまったり、ノートのどこに書いたのかわからなくなったりした経験がある人は6割以上いたそうです。

また、書くものは「メモ帳」や「手近にある紙」が多く、「パソコンやスマートフォン」を使ってメモをとる人は少なかったとのこと。

そして、6割近くが手書きのメモもパソコンなどのように、検索をかけてパッと探せたらいいのにと考えているのだそう。

(※20~50代の男女360人が回答。実施はアンケートコミュニティの「アンとケイト」)

男性がノートあるいは辞書を検索しているデフォルメされたイラスト

どこに書いたっけ? がなくなるノート術

手書きのメモを簡単にデジタル化して、あとでパソコンのように検索できるスマートな方法も存在します(たとえば、前項のアンケート調査を行なったワコムの「Bambooスマートパッド」が便利)。

とはいえ「いや、やはりノートは手書きのままがいい」という方には、以下3つのノート術を紹介しましょう。それぞれ物理的、視覚的、脳科学的なアプローチの検索方法です。

1.「物理的」アプローチで検索

創業1926年の老舗文具店・和気文具のウェブマガジンでは、何をどこに書いたかわかるように、次の方法をすすめています。

  1. ノートの始めか終わりに目次ページをつくる
  2. ノートを書き進めるたびにページ番号も書いていく
  3. そのページ番号とテーマを目次ページに書き写す

下の画像は筆者のネタ帳。A6サイズの小さなノートを使用しています。

「どこに書いたかわかるノート」を実際にやってみた画像

ボリュームがわからなかったので、目次ページはノートの終わりから始め、逆行して書き進めることにしました。こうすれば「目次スペースが足りない!」といったことが起こらないはず。

「どこに書いたかわかるノート」の目次

特にネタ帳はあらゆる内容が雑多に書き込まれていくので、フレキシブルに足していける目次があると便利ですね。

(※ノート内参考:丸山華子・田中奈緒子(2018),「セルフ・モニタリングと自己理解が否定的意識に及ぼす掲揚-対人関係における違和感を抱いた状況に着目してー」, 昭和女子大学生活心理研究所紀要, Vol. 20, pp.45-52./MONOist|低温で体内時計が止まる仕組みを解明、低温下で概日リズムを保つ方法も

2.「視覚的」アプローチで検索

パッと見てすぐ的を絞れる、視覚的に検索しやすいノートもあります。

デザイン文具の総合メーカーMIDORIの検索ノートには、ノートを見開いた両サイドにアルファベットが印刷されています。その横には小さな余白(マス目)があり、塗りつぶせるようになっています。つまり、その色でテーマを見分けるということ。具体的なステップは次のとおりです。

  1. 目次ページで「見出し(アルファベット)」を選び「テーマ」を記入
  2. 書き進めたページの端を「塗りつぶし」てテーマごとに「色分け」する
  3. 「塗りつぶした色」で目的のテーマが書かれている場所を探す

パッと見て感覚的に検索できるので、脳への負担が少ないのも大きなメリットですね。

すでに完成されたMIDORIの「検索ノート」を使うことが最も効率的ですが、手づくりも可能です。 ただし、アルファベットを書いていくのは大変なので、カテゴリーが明確な内容を選び、テーマと色分けだけで検索できるようにするのがおすすめです。

実際につくって書いた色分け検索ノート

筆者の映画レビュー用メモノート。左部分が目次ページ。セミB5サイズの8mm方眼罫使用。

3.「脳科学的」アプローチで検索

「あっ」と思い出しながら検索する脳科学的な方法もあります。

研修や講演のほか執筆活動も行なう看護師・一次救命処置(BLS)および二次救命処置(ACLS)インストラクターの後閑愛実氏は、看護師転職の「キャリズム」で勉強の際に取り入れているノート術を紹介しています。大まかな要素は次のとおり。

  1. タイトル
  2. メモ
  3. まとめ

3番目の「まとめ」について後閑氏は、「単にメモをとるだけでなく、必ず最後に何を学んだか自分なりにまとめ、頭を使うことが本来の学びになる」と説明しています。

じつはこれ、東大生のノート術にも通じているのです。

現役東大生の西岡壱誠氏によれば、東大生は覚えたいことを見て聞いたままにせず、作文を書くように自分の言葉でまとめ直しているのだとか。同氏は作文が究極のアウトプットであること、アウトプットの割合が高いと記憶の定着がいいと示したコロンビア大学の研究についても言及しています。

“まとめ直し” が記憶を定着させる要因なら、その要因は想起のトリガーにもなるはず。ならば、それをインデックスにしてしまえばいいのです。

後閑氏のノート術にならい、ノートの見開き右端に自分の言葉で考えた「まとめ」を書きます。

のちに検索することも意識しながら、後閑氏のノート術にならい書いたノート

(※ノート内・参考:木戸彩恵・サトウタツヤ 編(2019),『文化心理学: 理論・各論・方法論』, ちとせプレス./公益社団法人 日本心理学会|文化心理学理論のこれまでとこれから

そうして目的の内容を探すときは、右端部分だけをパラパラと、パラパラ漫画を見るかのようにめくって検索するわけです。

実際にやってみると、想像以上に「あっ!」と思い出すことができ、効率よく目的のページにたどり着けました。ぜひお試しください!

***
「どこに書いたっけ? がなくなるノート術」を3つ紹介しました。探したいものが見つかりやすい、自分に合った手書きのノート術を選んでみてください。

(参考)
キャリズム看護師転職|覚えることの多い医療知識を効率よく覚えるには?【参考になった本も紹介】
ミドリオンラインストア スタッフブログ|どこに書いたかを簡単に探せる!『検索ノート』
東洋経済オンライン|東大生が断言!「作文」こそ一番本質的な勉強だ
Wacom|どこに書いたか6割の人は忘れている?メモの実態
和気文具ウェブマガジン|どこに書いたか分かるノート

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。

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