「勉強の習慣化に毎回失敗するのはなぜ?」徹底的に探ってみたら、意外な真因にたどり着けた話

勉強の習慣化に失敗する原因を徹底分析してみた01

勉強を続けたいのに、いつも三日坊主で終わってしまう。そんな問題は、「習慣化に失敗する原因」を徹底的に分析することで解決できるかもしれません。

今回は、失敗の原因分析に有効な「失敗まんだら」を使い、勉強を習慣化する方法を考えてみました。なぜかわからないけれど勉強が続かない……という方、必見ですよ。

うまくいかない理由を探るには「失敗まんだら」が役立つ

仕事などでミスをすると、「次は失敗しないぞ!」と誰もが思うもの。しかし実際は、なぜか同じ失敗を繰り返してしまいますよね。その理由は、失敗した本当の原因を特定し、適切な予防策をとれていないせい。

NPO法人失敗学会は、工業界における数々の事故や失敗事例を分析し、その原因を体系化して「失敗まんだら」にまとめました。事故が起きた場合、この図に沿って考えれば、どこに問題があるのか客観的に見極めることができます。

勉強の習慣化に失敗する原因を徹底分析してみた02
(画像引用元:STUDY HACKER|もう同じ過ちを繰り返さない! 原因分析が捗る「失敗まんだら」ってどんなもの?

たとえば工場での事故は、「誰々が~~を間違えたせいだ」と、原因が個人のミスに帰結しがち。それでは組織がはらむ問題に気づけません。しかし、失敗まんだらなら、個人と組織の両面から失敗原因を分析できるのです。

失敗まんだらは、一般的なオフィスワーカーでも活用できます。たとえば、商談のダブルブッキングが起きたとしましょう。担当者によるスケジューリングの甘さだけがミスの原因にされがちですが、失敗まんだらに沿って考えれば、マネジメントする側の確認不足や人員不足といった失敗原因を見いだせます。

このように、「それまで気づけなかった失敗の原因を発見できる」ことが、失敗まんだらの強みなのです。

勉強の習慣化に失敗する原因を徹底分析してみた03

個人の失敗の原因分析にも「失敗まんだら」が役立つ

上述したNPO法人失敗学会の副会長・飯野謙次氏は、組織だけでなく個人でも失敗まんだらを利用するようすすめています。飯野氏は、先に紹介した失敗まんだらをもとに、個人版の失敗まんだらを作成しました。それがこちら。

勉強の習慣化に失敗する原因を徹底分析してみた04
(画像引用元:同上)

たとえば、企画書の作成中に入力を間違えたとします。やりがちなのが、原因を自分の「注意不足」だと考え、反省するだけで終わりにしてしまうこと。これでは、失敗した本当の原因を突き止められていません。

そこで、失敗まんだら内の線を中心から1本ずつたどり、どこに問題があったか検討するのです。すると、「スケジュールや上長からの指示が原因だったかも」などと気づけるほか、「注意不足」の中身を「予定管理ができていなかった」「何かを失念した」のように具体化できます。

飯野氏によると、個人で失敗まんだらを利用するメリットは、失敗した真因を特定できること以外にも2点あるそう。

  • 前向きなマインドセットができる
    失敗した原因を個人のミスに帰結させず、客観的かつ冷静に探るため、失敗してもくよくよせず、落ち着いて予防策を考えられる。
  • 自分の弱点がわかる
    内容は違っても、同様の原因で失敗を繰り返していれば、それが自分の弱点。弱点がわかれば改善策をとれる。複数の失敗事例の原因が「伝達ミス」であれば、こまめな連絡や確認の徹底といった行動につなげられる。

仕事だけでなく、勉強や日常生活での失敗原因を分析するにも、失敗まんだらは役立ちます。たとえば、「なぜかいつも勉強の習慣化に失敗する」場合、「意志の弱さ」に原因を求め、自分を責めてしまうもの。しかし、失敗まんだらで冷静に分析すれば、さまざまな可能性を探ったうえで効果的な改善策を考えられるのです。

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勉強の習慣化がうまくいかない理由を「失敗まんだら」で考えてみた

筆者自身、失敗まんだらを使い、「勉強を習慣化できない原因」を分析してみました。

飯野氏によると、失敗まんだら内の項目は、内容や目的に合わせ自由に追加・削除してよいとのこと。今回は、飯野氏による個人用の失敗まんだらをベースに、「勉強の習慣化」に特化したものを下記の工程で作成しました。

  1. 飯野氏の失敗まんだらから「テーマに合わないもの」を外す
    →「伝達不良」「学習不足」は、勉強の習慣化というテーマに合わないので除外。

  2. 飯野氏の失敗まんだらから「これが原因に違いない」と感じたものをいったん外す
    →「心配事があると集中できない」「気圧の影響で頭痛がひどくなる」のあたりは、勉強の習慣化に影響していると推測。ここで深掘りする必要はないと判断し、「注意不足」「自然」を除外。
    ⇒1.  2. により「計画不良」が残る(で記載)

  3. 自分で「これが原因だと思う!」という要素を1つだけ書く
    →飯野氏の失敗まんだらにはないものの、思い当たる失敗原因として「時間不足」を追加(で記載)

  4. 「一般的には、こういうのも考えられそう」という原因を3つ書く
    →勉強の習慣化に影響すると一般的に考えられる要素として、「道具が合わない」「環境が合わない」「体調」を追加(青で記載)

  5. これまで挙げた失敗原因を細分化し、思いつく限り書く(黒で記載)

それでは、筆者が作成した失敗まんだらをご覧ください!

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勉強の習慣化に失敗する理由を分析してわかったこと

実感した効果を報告するとともに、作成のポイントを提案します。

1. 失敗分析のキモは「客観性」にあると気づけた

先述のように、失敗した原因を見極めるうえで大切なのは「客観的に探る」こと。「たぶんこれが原因だろうな」と主観的な要素ばかり挙げては、冷静に分析できません。

そのため、「これが失敗の原因だと思う!」と感じる要素は1つ程度に絞り、「自分の場合これが原因とは思わないけど、一般的にはありそうだ」と感じるものを複数挙げることが肝心ではないでしょうか。

今回は飯野氏の失敗まんだらをアレンジしましたが、状況に合っている(テーマが合致し、予想外の失敗原因が探れそう)ならば、そのまま活用するのが一番よいでしょう。

2. 勉強の習慣化を妨げる「真因」に気づけた

当初、勉強の習慣化に失敗する一番の原因は「時間不足」だと考えていました。しかし失敗まんだらを作成してみると、「計画不良」こそ重大な原因だと発見。「余裕のある計画を立てなかったせいで、時間にも余裕がなくなった結果、勉強するのが深夜になってしまうことが多かった」とわかりました。これでは習慣化もうまくいきません……。

また、過去の失敗を振り返ると、いつも「スケジュール通りの時間に勉強できていなかった」ことにも気づき、スケジュール遂行という弱点が判明。なぜスケジュール通りに勉強できないのか考察すると、「○○の勉強をする」というきわめて曖昧な目標しか立てていなかったことがわかりました。

習慣化コンサルタントの古川武士氏によれば、目標が曖昧だと行動を習慣化しづらいそう。「勉強をする」だけでは、いつ、どこで、何をする、といった具体性に欠けるため、脳に指令が行き届かず、行動につながらないのです。

そこで、古川氏のすすめる「超行動化」を取り入れてみました。「何をする/いつ/どの場面で/どれくらい/どのように」の5項目に沿って行動目標を立てます。完成したのがこちら。

  • 何をする:本を読む
  • いつ:朝
  • どの場面で:家を出る前に
  • どれくらい:30分
  • どのように:佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』を読む

こうして、スケジュールを確実に遂行する改善策が立てられました! 「時間が足りないから」だけで片づけていた問題を、ここまで深堀りできたのは、大きな収穫です。

***
筆者は現在、作成した改善策をもとにあらためて勉強の習慣化に取り組んでおり、いままでにない手応えを感じています。ぜひみなさんも試してみてください!

(参考)
飯野謙次(2019),『ミスしても評価が高い人は、何をしているのか?』, 日経BP.
特定非営利活動法人失敗学会|失敗まんだらとは?
STUDY HACKER|もう同じ過ちを繰り返さない! 原因分析が捗る「失敗まんだら」ってどんなもの?
東洋経済オンライン|仕事で評価されない人はミスの対処を知らない
古川武士(2018),『こころが片づく「書く」習慣』, 日本実業出版社.

【ライタープロフィール】
月島修平
大学では芸術分野での表現研究を専攻。演劇・映画・身体表現関連の読書経験が豊富。幅広い分野における数多くのリサーチ・執筆実績をもち、なかでも勉強・仕事に役立つノート術や、紙1枚を利用した記録術、アイデア発想法などを自ら実践して報告する記事を得意としている。

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