すぐ挫折する人に朗報。「習慣化シート×三日坊主シート」の組み合わせが最強だった

習慣化シートと三日坊主シート01

何かを新しく始めようと思った。前から興味はあったけれど手を出せていなかったことに、今度こそ挑戦するぞと発起した。でも、やっぱり続かない。

もしかして、「継続しなければならない」という意識にとらわれていませんか?

自分の気持ちだけでは、自発的に始めたことでも実際なかなか続けられないものですよね。今回は、「習慣化シート」と「三日坊主シート」を使ってやりたいことを習慣化できる方法を、筆者の実践例も踏まえながら紹介していきます。

「習慣化シート」と「三日坊主シート」とは?

「習慣化シート」と「三日坊主シート」とは、目標実現の専門家である「メンタルコーチ」の大平信孝氏が考案した、新たに始めた物事を継続させるための確認メソッドです。それぞれのシートについて、詳しく説明しましょう。

【習慣化シート】

「習慣化シート」の目的は、「大きな目標を達成した未来の自分」をイメージさせることです。

習慣化シートと三日坊主シート02

習慣化シートの左側には、自分が継続したい物事について、「習慣化できたら味わいたいゴール」と「味わいたくないゴール」を書き出します。右側には、味わいたいゴールのイメージ図を絵で示します。また、ゴールをいつまでに味わいたいかという日付も一緒に書いておきます。

そして最後に、「10秒アクション」をいくつか挙げて書き出します。10秒アクションとは、継続したい物事へ気軽に取りかかれるようにするための簡単な行動のこと。行動のハードルを下げることで、継続の確率を高めるのが狙いです。数は3つ程度でかまいません。

【三日坊主シート】

習慣化シートとセットで使うのが、10秒アクションをそれぞれ取り出し、達成できたかどうかを日々チェックする「三日坊主シート」です。

習慣化シートと三日坊主シート03

タイトルに10秒アクションの内容を書き出し、日付とチェックマークも入れます。右側にある一言コメントの欄には、やってみた感想や気づいたことを書きます。

三日坊主シートの目的は、「三日坊主は失敗ではない」と認識できるようになること。できたことだけを実感できるチェックマークを確認することで、継続したい物事に対するモチベーションの維持が可能になるのです。

「習慣化シート」と「三日坊主シート」の効果

何か物事を新しく始めようと思ったとき、「絶対に成功させたい」という気負いや「万全なスケジュールを立てよう」という完璧主義的な考えをしてしまいがちです。しかし、その思考はたった1回の失敗で挑戦を挫折させる引き金となりかねません。

大平氏によれば、ヒトの行動スイッチは「快を味わいたい」「不快を味わいたくない」の2種類で働くそう。「習慣化シート」を確認して味わいたくないものをイメージすれば、それを回避するために習慣化しようという心理が自動的に働きます

また、味わいたいゴールを絵で示す理由は、「未来の自分」を視覚化することで、もうすでに現実に起こったことと脳に錯覚させるため。私たちは、「失敗した過去」にどうしても気を取られがちですよね。しかし、未来の自己イメージを鮮明に描き、それを毎日見続けることで、「成功した過去」として脳が認識できるようになるのです。

そして、「三日坊主シート」で挙げた10秒アクションは、継続したい物事をスモールステップに分解して達成させやすくする役割を担ってくれます。脳科学者の茂木健一郎氏が自身の著書『幸福になる「脳の使い方」』において指摘したところによれば、長時間作業が脳へのストレスとなる一方、短時間作業は心地良いプレッシャーをもたらすのだそう。

このように、そのときの感情にとらわれず物事の習慣化を助けてくれるのが、「習慣化シート」と「三日坊主シート」なのです。

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「習慣化シート」と「三日坊主シート」を使って、新しいことに挑戦してみた

今回、筆者が新たに始めたのは「フランス語の勉強」です。これまでも勉強しようとはしてきたものの、発音がわからなかったり文法が理解できなかったりといった理由で、幾度となく挫折してきました。

この外出自粛期間で大学へ行くことができないため、せっかくなら時間を有効に使おうと、「習慣化シート」と「三日坊主シート」を用いてフランス語学習の習慣化に挑戦してみることにしたのです。

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「習慣化シート」には、フランス語の勉強を習慣化できるようになったら味わいたいものを3点、反対に、味わいたくないものとして2点を挙げてみました。

また、筆者の場合、味わいたいゴールのイメージについては写真で代用しています。エッフェル塔やルーブル美術館のそばで、友人とフランス語で話す。憧れのパリジャンライフといったところでしょうか。

そして、これらの実現のために挙げた10秒アクションは3つ。朝起きたときや、ふとしたとき机に向かえばすぐ実践可能なものにしました。

最初の10秒アクション「仏語辞書を開く」は、「まずフランス語を目に入れるところから」という意識を脳へ働かせるための作業です。次は、「辞書を開いて目にパッと入ってきた1単語を、発音記号通りに音読する」。筆者は英語を専攻しており発音記号自体には慣れているものの、フランス語の発音は少し異質に聞こえます。わかりづらい発音のものは携帯の読み上げ機能を使って何度か一緒に発音し、「フランス語に音で慣れること」を目指しました。そして最後、前の2ステップで扱ったフランス語を、実際に自分の手を動かして、「メモに書く」ようにもしました。

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「習慣化シート」と「三日坊主シート」を使ってみたら、ちゃんと習慣化できた!

筆者が9日間実践した結果、「三日坊主シート」はこのようになりました。

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朝起きてすぐ「習慣化シート」を見ることで、フランス語を流暢に話している未来の自分を想像し、また昼食のあとには「三日坊主シート」を確認することで、短い時間で気軽にできる作業を続けるのが楽しく感じられました。

さらに、習慣化しやすくなったおかげで、単語だけでなく、1日に少なくともひとつは短い文章を自ら音読するようになり、文法や言い回しについても少しずつ理解できるようになりました。これまでフランス語の勉強を始めてもすぐに諦めてしまっていましたが、今回は無理なく、継続して学習を行なうことができたと思います。

実際にやってみて難しいと感じたのは、10秒アクションを、すぐにできるからこそ「あとでいいや」と後回しにしてしまいそうだった点です。しかし、思い立ったときに行動を起こすことが習慣化の一歩と考えると、10秒アクションも継続することができるでしょう。

1日一度は、「習慣化シート」と「三日坊主シート」それぞれを必ず確認するようにしてみてください。ほんの少し目を通すだけでも、自分が味わいたいゴールのイメージをいつでも新鮮に保ち続け、習慣化につなげることができますよ。

***
「習慣化シート」と「三日坊主シート」を用いて、新しく挑戦したいことに、気軽に楽しく取り組んでみましょう。想像以上にプレッシャーを感じず、やりたいことを継続させられるに違いありません。

(参考)
STUDY HACKER|習慣化がどんどん加速する!「習慣化シート」と「三日坊主シート」のすさまじい効果
茂木健一郎(2013), 『幸福になる「脳の使い方」』, PHP研究所.
竹内一郎(2005), 『人は見た目が9割』, 新潮社.

【ライタープロフィール】
YG
大学では日韓比較文学を専攻し、自身の研究分野に関する論文収集に没頭している。言語学にも関心があり、文法を中心に日々勉強中。これまでに実践報告型の記事を多数執筆。効果的で再現性の高い勉強法や読書術を伝えるべく、自らノート術や多読の実践を深めている。

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