「視野が狭い人」の特徴とは? 視野を広げる3つの方法

視野が狭い人の特徴1

「視野が狭い」とは、物事に対する考え方の幅が小さい状態。自分の個人的な経験のみに基づく思考・判断しかできないと、周囲の人の意見を受け入れられなかったり、自分の欠点を改善できなかったりします。仕事でもデメリットばかりです。

視野が狭い人の特徴と、視野が狭くなってしまう原因とはなんなのでしょうか? 狭い視野を広げる方法もご紹介します。

視野の狭い人とは

「視野が狭い/広い」という言葉は、「思考や見識の広さ」という意味で使われることが多いでしょう。自分の意見に固執し、他人の意見をいっさい聞かないような人は、典型的な「視野が狭い人」です。昔ながらの慣習や常識をいつまでも捨てられない人も、「視野が狭い人」の例として挙げられるでしょう。

視野の狭さ/広さの違いは、「どれだけ多くの角度から物事を見られるか」にかかっています。視野が広い人は、さまざまな意見・情報に耳を傾け、あらゆる角度から物事を考えられる一方、視野の狭い人は、自分の立場や固定観念からでしか考えられず、物事の見方が偏りがちです。その結果、視野の狭い人は、自分の間違いをなかなか認められなかったり、非合理的な慣習・思考に固執してしまったりします。

【視野が狭い人の具体例】

  • 間違いを指摘されても直そうとしない同僚
  • 昔のワークスタイルに固執する上司
  • 国民の声を聞き入れない政治家 等

視野が狭い人の特徴6

視野が狭いデメリット

視野が狭いと、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。

人の話を聞けない

視野が狭い人は、他人の意見を聞き入れられず、自分の意見に固執してしまう傾向があります。もちろん、自分の主張をもつこと自体は悪くありません。しかし、主張が客観的に誤っている場合や、ほかに優れた意見が出た場合にも、自分の提案を素直に取り下げられないのが、「視野が狭い人」の欠点です。そのため、視野の狭い人がひとりでもいると、組織全体の生産性や会議の効率が下がりかねません

くわえて、人の話を聞けないということは、自分の欠点を指摘されても受け入れられないということ。仕事や勉強における成長スピードが遅くなってしまう恐れもあります。

長期的な視点をもてない

経営コンサルタントの国司義彦氏によると、視野が狭い人は目先のことばかりに気をとられ、長期的に見ると誤った判断をしてしまうことがあるのだそう。たとえば、「当月の売上げ」や「競合企業との競争」といった現在の問題にしか目を向けていないと、将来的にビジネスの潮流が激変したり、新たなテクノロジーが生まれたりしたとき、対処できなくなってしまいますね。

仕事上での成功だけでなく、個人としての成長についても同じことが言えます。「自分は10年後にどうなっているだろうか?」「社会は今後、どう変化していくだろう?」といった大きな視点で考えることで、「今成すべきこと」や「これから目指すべき方向」を判断しやすくなるのです。

他者に気を遣えない

「他者に気を遣えない」というのも、視野が狭いことのデメリットです。

視野が狭いと、「みんなはどう感じているだろうか?」「自分があの人の立場なら、どう思うだろうか?」など、他者への想像力を働かせることができません。その結果、周囲の人々と協調できなかったり、人間関係のトラブルを起こしてしまったりする可能性が高くなります。

トラブルに弱い

精神科医・西多昌規氏によれば、視野が狭いと予想外のトラブルに対応できず、“テンパって” しまいやすいのだそう。

視野が広いと、さまざまな可能性を事前に検討しておける一方、視野が狭い人は、ごく限られた範囲の予測しか立てていません。そのため、ちょっとでもトラブルが起こる(予測が外れる)と、どうしてよいのかわからなくなってしまうのです。

“テンパって” しまうと、焦ってさらに視野が狭い状態になり、負の連鎖に陥ることも考えられます。

視野が狭い人の特徴2

狭い視野を広げる方法1:多角的に情報収集する

視野が狭い人にならないため、何をすればいいのでしょうか? 『一流の育て方』(ダイヤモンド社、2016年)などの著書がある経営コンサルタントのムーギー・キム氏は、視野を広げる方法のひとつとして「多様な情報を、多様なメディアからインプットする」ことを推奨しています。

すでに述べたように、視野の広さは「どれだけ多くの角度から物事を見られるか」によって決まります。そして、物事を考える角度を増やすのに欠かせないのが、多様な情報や知識です。たとえば、ビジネス関係の情報しか収集していない人よりも、それに加えて政治やIT、カルチャーなど多くの分野にアンテナを張っている人のほうが、多くの視点で物事を考えられるはずですよね。

「多角的な情報収集をしている人」のモデルとして筆者が思い浮かべるのは、「感性情報学」を研究する落合陽一・准教授(筑波大学)です。落合氏は工学・情報学の研究者というだけでなく、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社の代表取締役でもあり、『news zero』のコメンテーターを務めるなど各種メディアでも活躍しています。アートやカルチャーなどの分野にも造詣が深く、いわゆる「理系」的な思考にとらわれない独自の思想を展開している人物です。「多角的な情報収集をすれば落合氏のようになれる」とは言いませんが、落合氏の活躍は多角的な視点あってのものだということは間違いないはずです。

情報収集の際に大事なのは、情報の「ジャンル」を増やすことだけではありません。情報の伝え方や切り取り方はメディアによって異なるため、ひとつのメディアに頼っていると、物事の見方が偏ってしまう危険があります。たとえば、ある新聞が「感染症の封じ込めに成功」と報じても、ほかの新聞や海外のメディアでは異なる事実が伝えられているかもしれません。

情報収集の際は、複数の新聞やニュースサイトを読み比べる、外国からの情報も探してみるなど、多様なソースを参照するのが理想的だと言えるでしょう。

【視野を広げる情報収集のポイント】

  • 分野を限定せず、多様な情報を収集する
  • ひとつの情報に対し、多様なソースからあたる
  • 国内だけでなく、海外のメディアでも調べてみる

上記のようなポイントを意識しつつ、能動的に情報収集を行なうことで、狭い視野に縛られず、自分の見識を広げていくことができます。

視野が狭い人の特徴3

狭い視野を広げる方法2:読書する

視野が狭い人にならないためには、本をよく読むことも大切です。キム氏は、読書を習慣にするメリットとして、

  • 最前線で活躍しているビジネスリーダーや偉人の思想に触れられる
  • 話題や知識の引き出しが増える
  • 教養・品性が磨かれる

などを挙げており、「一流と二流とを隔てる差は読書量にある」とまで示唆しています。 読書で視野を広げるポイントとしてキム氏が挙げているのは、以下の3点です。

ジャンルは幅広く

読書においては、自分の専門分野や趣味にとらわれず、さまざまなジャンルに食指を伸ばしましょう。普段は興味のわかない分野での名著や話題作、ときには週刊誌やマンガまで読んでみることで、「自分の土俵」に限らない広い見識を得られるのです。

同じジャンルの本ばかり読んでいると、視野が広がるどころか偏見が助長されかねない、とキム氏は指摘しています。たとえば、「日本経済は危うい」という内容の本ばかりを何冊も読んでいると、「やっぱりそうなんだな」と既存知識を確認するだけになってしまい、視野が広がりません。あえて反対の内容の本も手に取ってみることで、「別の角度」から問題を考えることも可能になるでしょう。

曲解しない

基本的なことですが、本の内容を自分の都合に合わせて曲解したり、一部だけを読んですべてを理解した気になったりせず、著者の意図を「正しく」読み取りましょう。曲解するとは、自分がもつ既存の視野に落とし込むということなので、視野が広がるわけではありません

もちろん、本を読んで自分なりの解釈や意見をもつのはよいことです。しかし、「内容を理解したうえで自分なりに解釈する」のと、「理解できていない状態で著者の意見を “創作” する」のとでは、まったく異なります。

重要なのは、「本を読んだ」という事実ではなく、「内容を自分のものにできたか」「読書を通じて成長できたか」です。「読んだ本」の冊数をただ増やすのではなく、一冊一冊を確実に消化していくことを意識しましょう。

忙しさを言い訳にしない

読書を習慣化するうえで大切なのは、「忙しくて読む時間がない」という言い訳をしないことです。「仕事がデキる人はスケジュールの合間をぬってでも本を読むが、仕事ができない人はたとえヒマでも本を読まない」と、キム氏は断言しています。

もちろん、たくさん読んでいるほうが偉いというわけではありません。しかし、「新しいことを学び続けよう」という意識は重要です。目的意識や成長志向をもち、常に知識を求めている人ならば、自然と読書量が増えていくはず。こうした意識の差や読書量の差は、近い将来、「一流と二流を分ける違い」として歴然と表れるのです。

本を読むためのまとまった時間をどうしても確保できない日には、新聞や雑誌、講義動画など、ほかの媒体で読書不足を補ってもかまわないのだそう。とにかく、良質な情報や「一流の思考」に触れ、刺激を受けようとし続ける姿勢が大切なのです。「視野が狭い人間」になってしまわないよう、毎日少しずつでも、新しい知識を取り入れていきましょう。

視野が狭い人の特徴4

狭い視野を広げる方法3:複眼思考を心がける

狭い視野を改善する方法として、経営コンサルタントの西村克己氏が紹介しているのは、「複眼思考」という方法です。複眼思考とは、複数の視点から物事を考えようとする態度のこと。左右の目の視差によって物体が立体的に見えるように、ひとつの事象を複数の視点から眺めることで、本質をより詳しく把握できるのです。

たとえば、最近ではAmazonや楽天などのオンラインショッピングサービスが充実し、自宅にいたままあらゆる商品を購入できる便利な時代になりました。しかし、別の見方をすれば、オンラインショッピングでは主に検索窓やおすすめリストから商品を探すわけですから、たまたま見かけた商品にひとめぼれするような「偶然の出会い」が起こりにくい、というデメリットもありますよね。「オンラインショッピング」というひとつの事象に対しても、見方や評価軸を変えれば、複数の解釈が成立しうるのです。

複眼思考の方法として、西村氏は以下の3つを紹介しています。

過去・現在・未来

1つめは「時間軸をずらす」という方法です。「いまはいいけれど、未来ではどうなっているだろうか?」「過去にはこんなことがあったけれど、現代にも同じことが言えないだろうか?」など、ある対象を別の時間軸から眺めてみると、思わぬ発見を得られることがあります。

【「時間」の複眼思考の例】

  • 現在もっているスキルは、10年後にも通用するか?(現在→未来)
  • 10年後に備えて、いまからできることはないか?(未来→現在)
  • 古代中国の教えを、仕事に活かすことはできないか?(過去→現在)

内・外

2つめは、自分が属するコミュニティの外へ目を向ける方法です。いつも付き合っている友人や、勤めている会社、日本という国など、自分が所属している共同体での常識が別の共同体でも通用するとは限りません。あまり交流のない同僚やほかの企業、諸外国といった「外の世界」に目を向けることで、新たな視点を得られる可能性があります。

【「内・外」の複眼思考の例】

  • 友だちはみんな○○と言っているけれど、一般的な考え方だろうか?(仲間内→仲間外)
  • 社内のローカルルールには、客観的に見てヘンなところがないだろうか?(社内→社外)
  • 日本では××が常識だけれど、海外ではどうだろうか?(国内→国外)

プラス・マイナス

3つめは、物事のよい面(プラス)と悪い面(マイナス)を両方見る方法です。世の中には、「100%よいもの」や「100%悪いもの」はほとんどなく、プラスとマイナスの両面をもっているもの。一見ポジティブに感じられる物事の問題点を探したり、一見悪く思える物事のよい点に目を向けようと努力することで、見かけの印象に惑わされず、より客観的に判断できるのです。

【「プラス・マイナス」の複眼思考の例】

  • オンラインショッピングは便利だけれど、何か問題点はないか?(プラス→マイナス)
  • 新型コロナウイルス騒動によって得られた教訓は何か?(マイナス→プラス)
  • 政府は憲法改正の必要性を訴えているが、危険性や問題点は考えられないか?(プラス→マイナス)

自分の視野が狭いと感じている方、狭くなるのを防ぎたい方は、最初に抱いた認識や印象の「あえて逆」を考えてみることで、より多角的な視点をもてるはずです。

***
視野が狭い人にならないためには、日頃からさまざまな情報や知識をインプットする習慣をもち、ひとつの物事をあらゆる角度から眺めるクセをつけることが大切です。もっと自分の視野を広げたいと望んでいる方は、本記事の内容をぜひ参考にしてみてくださいね。

(参考)
コトバンク|視野
ダイヤモンド・オンライン|一流が実践する「視野を広げる習慣」の中身
落合陽一公式ページ|Profile
東洋経済オンライン|読む本でバレる「一生、成長しない人」の3欠点
西村克己(2008),『成功する人はみんな知っているスピード思考術』, 東洋経済新報社.
国司義彦(1996),『正直者は馬鹿を見ない』, PHP研究所.
西多昌規(2012),『「テンパらない」技術』, PHP研究所.

【ライタープロフィール】
佐藤舜
中央大学文学部出身。専攻は哲学で、心や精神文化に関わる分野を研究。趣味は映画、読書、ラジオ。人生ナンバーワンの映画は『セッション』、本は『暇と退屈の倫理学』。好きな芸人はハライチ、有吉弘行、伊集院光、ダウンタウン。

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