自分を変えるためには、毎日の習慣を変えるしかありません。 一体どんな習慣を変えればいいのか、それは様々なメディアで言われている通りです。朝型に切り替える、英語の勉強を初めて見る、ランニングをしてみる……。
でも一体、どうやって習慣を変えればうまくいくのでしょうか。
なかなかきっかけがつかめない、うまく続けられない。 今日は「どんな習慣に変えるか」、ではなく「どうやって習慣を変えるか」 それをご紹介しようと思います。
習慣を変えるには「みんなで」変えるしかない
英語の勉強やランニングをして、自分を高めようとしてきた人は多いと思います。 でも、それが今でも続いているよ、という人はどれほどいるでしょうか。
今日は雨が降っているから……。 今日はちょっと風邪気味だから……。
なんて理由をつけては三日で断念、なんて人相当いるんじゃないでしょうか。 かく言う筆者も英語の勉強を決起しては断念し、決起しては断念し、というのを続けております。
こんな三日坊主から脱出するには一体どうしたらいいのでしょうか。
答えは、脳にありました。
そもそも人類は、集団生活を確立させることで自然界の頂点に立ちました。鋭い牙も硬いウロコも持たない人間が生存するためには、みんなで協力することが重要だったんですね。
そのため、人間の脳には集団生活を成立させるための様々な仕組みが備わっているんです。
その一つが、「ミラーニューロン」。 これは、人の行動を見ると自分もそれをしているかのように働く神経細胞のことです。
もらい泣きなんてのがいい例ですね。 相手の行動に共感することによって、社会生活はスムーズになっているのかも。 (参考:中野信子|脳はどこまでコントロールできるか?)
そんな「ミラーニューロン」を、習慣を変えるときにも利用してやりましょう。 具体的には、こうです。 例えば英語の勉強を始めたいなと思ったとき。まず友人や同僚を誘ってしまうのです。「こんどのTOEIC、一緒に受けようぜ」と。
もし勉強が面倒になったときでも、友人の頑張る姿を見れば、あなたのミラーニューロンも活性化。あいつも頑張っているんだし、俺もやらなきゃ…となるはずです。
脳の働きをうまく使って、習慣づけを成功させてやりましょう。
習慣を変えるには「アウトプット」してみるしかない
筆者も含め、なかなか続けられない人にはいくつかの特徴があることに気づきました。
それは、「キチンと」やろうとしてしまうこと。 つまり、あらたに始める習慣を、しっかり綺麗な型から入ろうとしてしまうのです。
例えば英語。TOEICの勉強をするなら、TOEIC公式問題集を買い、公式単語帳を買い、勉強計画を立ててから、スタートする。
例えばランニング。今流行りの皇居ランをするために、ランニングウェアを買い、ランニングシューズを揃え、それからスタートする。
これでは、新しい習慣を始めるのにとにかく時間がかかってしまいます。 思い立ったときのやる気もいつの間にか半減。結局三日坊主で買ったものも無駄に……。
耳が痛い人も多そうですね。 これを解決する鍵も、脳にありました。
東京大学薬学系研究科の教授である池谷氏は、著書の中で「脳は出力依存型だ」と語ります。(参考:池谷裕二|受験脳の作り方)
日常生活の中で脳には多種多様で雑多な情報が、大量に入ってきます。その情報を取捨選択し、脳に定着させるとき、基準となるのが「どのくらいアウトプットを行ったか」ということなんだとか。
記憶や習慣というのは、脳の中の神経回路が新しく組まれることでおこります。例えばあなたが「平安京は794年にできた」と暗記するとき。最初はそんな回路、脳にはありません。だから思い出すことができない。
でも、何回もアウトプットを繰り返し、書いたり喋ったりすることで、神経回路ができてきます。さらに繰り返すことで、その神経の接続は強いものになるんだとか。
そう、まずは「アウトプット=やってみる」ことが大事なのです。
英語の勉強、なにも高い問題集を買ってからじゃなくてもいいじゃないですか。You Tubeに上がっている英語動画を電車の中でぼーっと見ることから始めたって。
ランニング、かっこよく「皇居ラン」から始めなくてもいいじゃないですか。ヨレヨレの半袖短パンに、持っているスニーカーで近所を軽く走ることから始めたって。
まずはやってみましょう。そうすれば、脳の中に専用の回路が出来上がり、いつしかするのが当たり前になってきます。
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自分を変えるには、まず習慣から。 こんなに単純で、それでいて難しいことって他にはありません。
脳の働きを利用して、うまく習慣を変えてやりましょう。
参考 中野信子|脳はどこまでコントロールできるか? 池谷裕二|受験脳の作り方