【AI用プロンプトつき】生成AIを徹底的に活用して『習慣化』を目指す方法

マラソンを習慣にしている男性

「新しい習慣を始めようとしても長続きしない」
「やる気はあるのに、忙しさにかまけて三日坊主に……」

こんな経験、ありませんか?

じつは、続けられない人の約7割が、継続するための「仕組みづくり」につまずいていると言われています。特に、以下のようなお悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。

  • 行き詰まったときに相談できる相手がいない
  • 何度も習慣化に挫折している
  • モチベーションの波に左右されてしまう

本記事では、習慣化の悩みを解決する新たなアプローチとして、生成AIの活用法をご紹介します。

生成AIは、習慣化の進捗データを分析し、モチベーションに左右されない効果的なアドバイスを提供。適切なタイミングで振り返りや改善点を通知し、挫折しやすい時期には的確なサポートを行います。

研究によると、新しい習慣の定着には平均66日かかるとされています。本記事では、その期間をAIと二人三脚で乗り切る実践的な方法をお伝えします。本気で習慣化に挑戦したい方は、ぜひ参考にしてください。

習慣化のパートナーとしての生成AI

ロンドン大学のフィリッパ・ラリー博士らの習慣化に関する研究により、習慣化について次のことが明らかになりました。

  • 「習慣が身につくまでの平均時間は66日で、参加者の間で18日から254日まで個人差」がある
  • 毎朝水を飲むといったシンプルな行動に比べ、運動習慣が身につくまでは約1.5倍もの期間が必要 *1

以上からわかるように、習慣化に必要な期間は一律ではありません

特に長期の習慣化には、着実に続けられる仕組みが重要です。そこで効果的なのが生成AIの活用。

生成AIを活用することで次のようなメリットを得られます。

  • 時間や場所にしばられずにサポートを受けられる
  • 習慣の進捗記録などをもとに分析し、フィードバックしてくれる
  • 個別化されたアドバイスを受けられる

たとえば、「早寝の習慣化」を目標にするとしましょう。習慣化の過程を記録したものをChatGPTに送り、フィードバックを求めてみました。

筆者が作成した習慣のメモ

画像は筆者が作成した

得られたフィードバックはこちら。

筆者がAIからもらったフィードバック

画像は筆者が作成した

記録を客観的に評価しつつ、アドバイスや励ましの言葉が添えられています。

また、目標達成までの進捗を可視化して習慣化の原動力にしたいなら、先に挙げた記録をもとにして、下図のように “経過日数” と “完了率” をグラフ化することもできます。

筆者が作成したグラフ

画像は筆者が作成した

生成AIは、データ分析に基づく個別化されたフィードバックを提供し、いつでもすぐに相談できる心強いパートナーとなります。以下では、66日間の習慣化プログラムを「導入期」「定着期」「安定期」の3つの段階に分けて説明していきます。

AIで日々の習慣をチェックする女性

66日の習慣化プログラム

限られた時間や体力を有効に使うと同時に、モチベーションに左右されずに目標達成するには、具体的な計画が必要です。

導入期(1〜22日目)

まずは目標設定です。今回は目標設定のフレームワーク「SMART」を使ってみます。SMARTとは、以下の頭文字をそれぞれとったものです。

  • Specific:具体的、わかりやすい
  • Measurable:計測可能
  • Achievable:達成可能な
  • Relevant:関連する
  • Time-bound:期限つき  *2 

たとえば、「英字ニュースを読めるようになりたい」という目標をSMARTを使って設定してみましょう。

  • S:まずは簡単な英字ニュースを読めるようになる
  • M:「やさしく読める英語ニュース」で出てくる単語の意味を覚える
  • A:1週間に記事を1本マスターする
  • R:日本では報道されていない世界のニュースを読めるようになる
  • T:66日間

次に、より的確に設定できないか、生成AIに質問してみました。プロンプトに「『SMART』を使い、習慣化したい目標を設定してみました。改善点やアドバイスをください。」と入力した結果がこちら。

筆者がAIから

画像は筆者が作成した

上記フィードバックをふまえ、再度設定してみました。

  • S:「やさしく読める英語ニュース」の経済と政治がテーマの記事を理解できるようになる
  • M:1記事ごとに、新しい10単語を覚えて週末にテストをする
  • A:読んだ記事を自分の言葉で説明する
  • R:日本では報道されていない世界のニュースを読めるようになり、世界の動向をつかむ
  • T:1週間後には1記事終え、1か月後には4記事を終え、3か月後には英語ニュースを読むのが習慣化されている

上記を再度生成AIに送り、返ってきたフィードバックはこちら。

筆者が修正した計画へのAIからのフィードバック

画像は筆者が作成した

これをもとに、以下をSMARTの最終版としました。

  • S:「やさしく読める英語ニュース」の経済と政治がテーマの記事を理解できるようになる
  • M:1記事ごとに、新しい10単語を覚えて週末にテストをする。
      テストの方法:覚えた英単語が出てくる記事内の文を、和訳する。
  • A:読んだ記事を自分の言葉で説明する(要約する)
  • R:日本では報道されていない世界のニュースを読めるようになり、世界経済や政治の動向をつかむ
  • T:1週間後には1記事終え、1か月後には4記事を終え、3か月後には英語ニュースを読むの習慣化されている。
    【振り返り方法】テスト結果や要約したものを記録しておき、週末に進捗を振り返る

生成AIで、行動や成果の指標が具体化できました

より継続可能なものとするためのつまずき防止策についてもアドバイスをもらいました。その結果はこちら。生成AIから得られた回答がとても長かったので、筆者が要約しました。

入力内容:「上記をふまえて、初期のつまずき防止策を提案してください。」

得られたアドバイス

  1. 記事を分割して読むなど、目標をさらに小さなステップに分割する
  2. 覚えた単語や要約した日などをチェックリストで管理し、達成感を高める仕組みをつくる
  3. 英語ニュースを扱う動画配信サイトを見たりPodcastを聴くなど、モチベーションが下がったときの代替策を用意しておく
  4. 毎朝の通勤電車で10分間、スマートフォンでニュースを読む習慣を取り入れるなど、決まったタイミングで実践できる環境をつくる
  5. 習慣化のために、「4記事を読み終えたら、自分にちょっとしたご褒美を設定する」といったシンプルなインセンティブを用意する

さまざまなつまずき防止策が提案されたので、状況に合わせて習慣化を継続できそうです。

このように設定した目標を添削してもらったり、いい案が思いつかないときにアドバイスをもらったりするなどして生成AIを活用できます。

定着期(23〜44日目)

習慣を定着させるため、無意識に行動できるように次の3つを意識するといいでしょう。

  1. 既存の習慣と組み合わせて、トリガーを強化する
  2. 進捗を可視化する
  3. ご褒美を用意する

習慣化を成功させるには、まずすでにある習慣と組み合わせる(例:お風呂中に英語ポッドキャストを聴く)ことで、無理なく継続できます。また、進捗の可視化により、達成感が得られ、記録を途切れさせたくないという気持ちが継続の原動力となります。さらに、ご褒美を設定することで、「やらねば」から「やると楽しい」という前向きな気持ちに変わります。

これらをふまえて、次のように生成AIを活用してみるのはどうでしょうか。

  • 生活パターンをもとに、既存の習慣とどのように組み合わせるのがいいかをアドバイスしてもらう
  • 記録した進捗をデータ化してもらい、それをもとにフィードバックをもらう
  • 心理変化も記録しておき、それをもとにどんなご褒美が有効か提案してもらう

時間や場所を問わずに活用できるという生成AIの強みを活かして、悩んだらすぐに相談してみるといいでしょう。

安定期(45〜66日目)

習慣をより強固にするため、次の3つのポイントを意識して取り組みを見直しましょう。

  1. 適切な難易度設定による継続性の向上
  2. 報酬の定期的な見直しと調整
  3. if-thenプランニングによる行動連鎖の形成

脳科学者の片岡氏によれば、「難しいけどできそう」という適切な難易度設定が継続には効果的です。また、近藤氏が指摘するように、同じ報酬への慣れを防ぐため、定期的なご褒美の見直しが重要です。さらに、「お風呂に入ったら英語ポッドキャストを聴く」といったif-thenプランニングの活用で、目標達成率が3倍に高まるとされています。

これらの実践に向けて、生成AIを次のように活用してみましょう。

  • 現在の習慣の達成度をもとに、適切な難易度の次のステップを提案してもらう
  • これまでのモチベーション変化を分析し、効果的な新しい報酬を設計してもらう
  • 日常生活のパターンから、効果的なif-thenの組み合わせを提案してもらう

生成AIの分析力を活かして、より強固で持続可能な習慣づくりを目指しましょう。

AIプロンプト実践集

生成AIを活用し、66日間で習慣化を実現させるためのプロンプトを、各フェーズごとに考えてみました。

【導入期用】

目標:具体的な行動計画の作成

プロンプト例1:「[目標行動]を習慣化するための、最小実行単位と具体的な実施時間を提案してください。私の生活パターンは[...]です。」

プロンプト例2:「[目標行動]を習慣化するための行動計画を考えてみました。より具体的な計画にするためのアドバイスをください。」

【定着期用】

目標:進捗管理と動機づけ

プロンプト例1:「これまでの[X]日間の記録から、習慣化の進捗を分析し、改善点を提案してください。特に[課題]について具体的なアドバイスが欲しいです。」

目標:習慣の定着

プロンプト例2:「[習慣A]と組み合わせることで[目標行動]を習慣化に取り組んでいますが、ほかの組み合わせも提案してください。」

【安定期用】

目標:習慣の強化と発展

プロンプト例1:「現在の習慣をベースに、さらなる改善や新しい習慣との組み合わせについてアドバイスをください。これまでの成功パターンは[...]です。」

プロンプト例2:「if-thenプランニングを活用して習慣を強固なものにするためのアドバイスをください。現在の習慣は[…]です。」

これらはあくまで一例です。習慣化に取り組むうえで悩むことがあれば、それをそのままプロンプトに入力してみるといいでしょう。

このように、生成AIを活用することで、66日間の習慣化プログラムを計画的かつ効率的に進められます。生成AIは習慣化の各フェーズであなたをサポートし、継続を後押ししてくれる強力なパートナーとなるでしょう。

***
生成AIと習慣化のプロセスに活用すれば、66日後には新しい自分に出会えるかもしれません。

※引用部分の太字は編集部が施した

【ライタープロフィール】
澤田みのり

大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

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