イチロー、トランプ、スティーブ・ジョブズ——「ルーティン」の力で成功した5人の習慣

カメラに笑顔を向けるビジネスパーソン

多くの人が、新しい習慣を身につけようとして挫折した経験があるのではないでしょうか。

「今度こそは続けて、成功を手にして見せる!」と意気込んでスタートしても、なかなか長続きせず、結局はもとの生活に戻ってしまう……。

そんな経験をお持ちの方のために、本記事ではルーティンの力で大きな成功を収めた5人の偉人・著名人の例を紹介します。

彼らの共通点は、単なる「意志力」や「根性」ではなく、「習慣化」というアプローチで継続を実現したことです。その具体的な方法を見ていきましょう。

イチロー

MLBでの現役引退後もシアトルマリナーズで選手の指導にあたっている元プロ野球選手のイチロー。彼の成功は、徹底的な反復練習によって支えられています。彼が専属打撃投手を務めた奥村幸治氏に語った、「誰よりもやった」練習をご紹介しましょう。

「僕は高校生活の3年間、1日にたった10分ですが、寝る前に必ず素振りをしました。その10分の素振りを1年365日、3年間続けました。これが誰よりもやった練習です」*1

このエピソードから、イチローを成功に導いたのは特別な練習ではなく、基本的な練習を継続したことだとわかります。

奥村氏は、イチローの基盤となる要素は「継続する力、つまりルーティンをいかに大切にしているかということである。」と述べているのです。*1

こうしたイチローの継続の姿勢は、ビジネスパーソンにも見習うべきところがあるでしょう。つまらないと感じてしまう日々のルーティン業務や勉強も、未来へつながっているのだと信じさせてくれます。

野球をする人々

村上春樹

小説家として世界的に知られる村上春樹氏ですが、彼の成功の裏には驚くべき継続力があります。習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役の古川武士氏は、「統合性のある生活といえば、小説家の村上春樹さんのスケジュールを思い出」すと述べています。

「彼の生活は、毎朝早く起き、午前中5~6時間ひたすら執筆。一気に集中したら執筆をやめて、昼食をとったら、午後は趣味で日課のジョギングを」するという、「こんな生活をほぼ365日ずっと繰り返すことで、長編小説を書いている」そうです。*2

日々多くの人と関わりながら仕事をしているビジネスパーソンは、村上氏の習慣をそっくりそのまままねすることは叶わないかもしれません。しかし、自分が取り入れると決めた習慣を継続する勇気を与えてくれる実践例です。

開かれた本

スティーブ・ジョブズ

Appleの共同創業者であるスティーブ・ジョブズは、黒のタートルネックとジーンズという特徴的な服装で知られています。これは単なる趣味ではなく、意思決定の効率化という目的がありました。

彼自身の言葉を借りるならば、「『今日は何を身に付けるのか?』という選択に頭を使いたくなかったから」です。(中略)毎朝「どんな服を着て行こうかな?」と悩むのは時間の無駄で、そんな「些細な決断」であっても脳に負担がかかっています。脳に負担がかかるということは、判断力が鈍ることを意味します。*3

身につける服を決めてしまうことで、判断力が鈍ることを防ぐのです。これは忙しいビジネスパーソンもすぐにまねできる効率習慣です。ぜひ取り入れてみてください。

ハンガーに掛けられた服

ドナルド・トランプ

実業家や、次期アメリカ合衆国大統領として知られるドナルド・トランプ氏。

彼の成功は派手な戦略や特異なキャラクターだけでなく、日々の「情報収集」に対するこだわりが支えています。トランプ氏はニュースを古典的な方法で手に入れていて、「紙」つまり新聞や部下がプリントアウトした記事を読んでいるそうです。部下はニューヨーク・ポストやニューヨーク・タイムズといったさまざまな新聞から記事を集めています。

さらに、トランプ氏は「自分が読んだものに下線を引いたり、星印や丸印を付けるのが好き」とのこと。*4

部下が用意した多くの情報から日々の判断材料を収集し、効率的に判断していくという継続的な情報収集の習慣が彼の成功を支える一要素だったのです。

ビジネスパーソンにも、日々の情報収集を習慣化し、積み重ねる大切さを教えてくれるエピソードです。

新聞を読む人の手元

稲盛和夫

京セラ創業者の稲盛和夫氏が、誰もが普段の心がけ次第で取り組める毎日の習慣を語ったことがあります。その習慣とは「反省」であり、「どんな立派な人間でも繰り返しの反省がなければ、それを持続できない」ということ。*5

一日が終わったそのときに、一日を振り返って、自分自身を見つめなおして、「今日は一日、人様に不愉快な思いをさせなかったか」「不親切なことをしなかったか」、または「卑怯な振る舞いはなかったか」とか、いろいろなことを自分自身で思い返して反省をしてみることが必要で、これを習慣にするということが大切です。*5

稲盛氏は毎日自分自身を見つめなおして反省を繰り返すことで、人間として向上し続けてきたのです。偉大な経営者として有名な稲盛氏ですが、こうした謙虚な姿勢はぜひとも私たちビジネスパーソンも引き継いでいきたいものです。

ソファに静かに座る男性

誰にでもあったDay1、そこからの継続が未来を作る

これら5人ともに、当然ながらDay1がありました。Day1とは直訳すると初日。新たな取り組みをスタートさせた日のことです。

偉大な彼らも最初から大きな成功を収めていたわけではありません。それぞれにDay1があり、そこから行動を積み重ねてきました。そのことが、大きな成功へとつながったのです。

あなたの「Day1」は、今日かもしれません。成果に向かって行動を継続すること。それがあなたの将来を切り開きます。

成功への習慣まとめ
  • イチローのように同じ練習を繰り返す
  • 村上春樹のように毎日同じルーティンで生活をする
  • スティーブ・ジョブズのように身につける服を決める
  • ドナルド・トランプのように継続的な情報収集の習慣を身につける
  • 稲盛和夫のように反省を繰り返す

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※引用部分の太字は編集部が施した

【ライタープロフィール】
髙橋瞳

大学では機械工学を専攻。現在は特許関係の難関資格取得のために勉強中。タスク管理術を追求して勉強にあてられる時間を生み出し、毎日3時間以上勉強に取り組む。資格取得に必要な長い学習時間を確保するべく、積極的に仕事・勉強の効率化に努めている。

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