勉強が捗る休憩の取り方とは? 効果的な昼寝・仮眠など効率upする方法

皆さんは、勉強中にきちんと休憩をとっていますか。なかには、「一分一秒たりとも時間を無駄にするべきではない」と、休憩する間も惜しんで机に向かい続けている人もいるかもしれません。でも、それが逆に、勉強効率を下げる原因になってしまっていると知ったらどうでしょう?

集中力は無限に続くものではありません。だからこそ、今日も明日も明後日も効率よく勉強するための “戦略” のひとつとして、休憩を上手にとる必要があるのです。

休憩が必要な科学的根拠とは? 休憩はどんなタイミングでとるべきなのか? 休憩時間はどう過ごすべき? 勉強中の休憩」について詳しく解説します

集中力の持続時間には限界がある。だからこそ休憩は必要だ!

「さっきまでの集中力はどこへやら、気づいたら違うことを考えていた……」 「頭がぼーっとして、うまく働かない……」 長時間勉強し続けていると、こういう状況によく陥りますよね。そもそも、人間の集中力はどれくらい続くものなのでしょうか。

イスラエル工科大学の教授 Peretz Lavie氏は、睡眠中にレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが交互にやってくるのと同様に、日中の活動時にも集中と非集中のサイクルが交互に出現することを突き止めました(=ウルトラディアン・リズム)。氏によれば、このサイクルの周期はおよそ90分。90分ごとに、脳の活動レベルは休息を必要とする水準まで下がってしまうのです。

(画像引用元:Stress Management for Patient and Physician

また、東京大学の池谷裕二教授が中学生を対象に行なった研究では、勉強中の脳のガンマ波を測定したところ、適度な間隔で休憩を挟みながら勉強することで、集中力が回復することが示されたのだそう。おまけに、長期的な記憶固定にも、この “休憩ありの短時間学習” が効果を発揮することが判明したのだとか。

(画像引用元:朝日新聞デジタル|集中力の維持と長期的な学習効果につながる方法(東京大学・池谷裕二教授の見解)

池谷氏は次のように述べています。

「脳波を見る限り、集中力やガンマ波のパワー回復に差異が見られました。休憩を挟むことは集中力の維持に寄与し、より少ない学習時間にも関わらず長期的に見て高い学習効果を発揮する可能性が示唆されます」

(引用元:同上)

ずっと走り続けていると身体に疲労が溜まっていくように、ずっと脳を酷使していると脳も疲れてしまいます。高いパフォーマンスを保ったまま勉強を持続させるためにも、適度な休憩は絶対に欠かしてはいけないものなのです。

休憩はどんなタイミングでとるべきか?

それでは、勉強中の休憩はどんなタイミングでとるべきなのでしょうか。いくつかのヒントを、以下でご紹介していきましょう。

“25分&5分” の「ポモドーロ・テクニック」

休憩をとるタイミングを考えるうえで、ひとつのヒントになるのが「ポモドーロ・テクニック」。これは、起業家で作家のフランチェスコ・シリロ氏(イタリア)が1990年代初めに考案したタイムマネジメントの手法です。

具体的には、「25分間の勉強+5分間の休憩」を1ポモドーロとし、4ポモドーロ(=2時間)ごとに30分間の休憩をとります。要は、30分サイクルで小休憩を挟みつつ、2時間に一度は比較的長めの休憩をとるということですね。ちなみに「ポモドーロ」とは、シリロ氏が学生時代に使用していたトマト型のキッチンタイマーに由来します。

大学で課された課題を消化するためにポモドーロ・テクニックを実践してみた人は、以下のような成果をあげることができたのだそう。

内容は、大学で課された1,200字の課題レポート。これぐらいの分量の場合、だらだらとやり続けて3時間もかかってしまうということもざらにありました。そんな筆者がポモドーロ・テクニックを実践してみたところ、いつもの3分の1以下、なんと50分でレポートを完成させられたのです!

(引用元:StudyHacker|時短にも効果あり! 25分間の超集中法『ポモドーロ・テクニック』を実際にやってみた。

「短時間で作業を区切ることで、常に集中状態を作りだすことができた」「余力を残した状態で休憩に入るため、完全に脱力してしまうことがなく、休憩終了後に作業に戻りやすい」といった効果も感じています。「25分間でどれくらい進められるか?」というタイムプレッシャーの意識も、勉強を捗らせてくれそうです。

“キリが悪いタイミング” でも躊躇せずに休憩に入ろう

勉強時間と休憩時間のサイクルをあらかじめ設定しておき、決められたタイミングで休憩に入るようにすることで、勉強効率を上げられることがわかりました。でもここで、次のような疑問を持たれた方もいるはずです。

「問題を解いている最中のような “キリの悪いタイミング” で休憩時間となってしまったらどうすればいいの?」

これに対する答えは……ぜひ、そのまま休憩に入りましょう!

皆さんは、「ツァイガルニク効果」という言葉を聞いたことがありますか。これは、旧ソ連の心理学者であるブルーマ・ツァイガルニクが示した、「人は、達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えている」という心理効果を指します。

身近なところでは、テレビ番組の途中で「続きはCMのあと!」とCMを差し挟んだり、テレビCMの最後で「詳しくはWebで」とインターネットでの検索を促したりする演出が、このツァイガルニク効果を活用している良い例です。あえて物事を完結させず中途半端にすることで「続きが気になる」状態にさせ、記憶や印象に残す効果を狙っています。これを勉強にも応用するのです。

私たちはつい「〇ページまで終わったら」「〇章まで終わったら」と区切りの良いところで休憩に入りたくなるものですが、キリが悪いタイミングでも躊躇せずに中断してしまいましょう。キリの良いタイミングで中断したときに比べて、適度な緊張状態が保たれることで休憩後の勉強を再開しやすくなるのはもちろん、勉強内容の印象が脳により強く残ることが期待できますよ。

昼食後は眠くなるもの。無理して勉強し続けずに休憩を。

昼食後、睡魔に襲われる……。誰しも経験があるはずです。避けたくても避けられないのは、人間の生体メカニズムがそうさせているから。

昼間に起きて活動する「昼行性タイプ」の動物である人間は、基本的に日中に覚醒を高めています。しかし、体内時計のリズムの関係で、朝起きてから夜眠るまでのちょうど中間時点で、覚醒レベルが一時的に下がってしまうのだそう。その時間が、まさに昼食後の午後2時~3時ごろに該当するというわけです。

また、昼食後の血糖値上昇も関係しています。血糖値上昇により、脳の覚醒を担う物質「オレキシン」の分泌が抑制されます。結果、覚醒レベルが下がり、眠気が催されてしまうのです。

昼食後の眠気は仕方がないもの。眠い状態で勉強を続けようとしても、捗るはずはありません。眠気を感じたら、無理をしすぎず、休憩に入ることをおすすめします。

ここまで、休憩をとるべきタイミングについて詳しく解説してきました。ここからは、実際の休憩方法をご紹介していきます。

勉強中のおすすめ休憩方法1:座りすぎを回避。ちょっとだけ歩き回ろう

ほとんどの人は、勉強は “座りながら” 取り組んでいるはずです。しかし、この “座りすぎ” が、記憶形成に悪影響を及ぼしていると知ったら、ちょっと怖くなりませんか?

米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のPrabha Siddarth氏らは、45歳~75歳の男女35人を対象に、1日あたりの平均座位時間を申告してもらったうえで、脳のMRI検査を実施しました。その結果、座位時間が長い人ほど、記憶形成に関わる脳領域の皮質が薄いことが判明したのです。

長時間の座りっぱなしが健康面にもたらす悪影響については、各所でこれまで指摘されていましたが、じつは脳にも良くないのですね。健康のためにも脳のためにも、休憩の際は一度立ち上がるようにしましょう。

では、立ち上がって何をすればいいのでしょう? 答えは、非常にシンプルですが “歩き回る” こと。コロラド大学アンシュルツ医学センターやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)ヒューマン・パフォーマンス研究所などによる共同研究によれば、1時間に5分程度歩き回るだけで、頭がエネルギッシュになるとのこと。副交感神経が優位になるため、リラックス効果も期待できますね

飲み物を取りにキッチンまで行ったり、新鮮な空気を吸いに外に出たり、あるいは近くのコンビニまで軽食を買いに行ったりするのもよいでしょう。座りすぎに注意し、ぜひ歩き回って体を動かすようにしてくださいね。

関連記事『「座りすぎ」で記憶力が低下する!? 仕事中に取り入れたい、脳機能回復のための3つの習慣

勉強中のおすすめ休憩方法2:「瞑想」で集中力を回復する!

最近は、“瞑想” “マインドフルネス” といった言葉もよく耳にするようになりました。皆さんのなかには、「非科学的なイメージが……」「宗教的な印象が強くて……」とお感じになっている方もいるかもしれませんね。

しかし、1970年代にアメリカで研究が本格的に開始されたのをきっかけに、今では、その効果を脳科学的に解き明かそうという研究が世界中で盛んに行なわれています。実際に、思考や意思決定などを担う前頭前皮質が活性化したり、ストレスホルモンが抑制されたりといった効果も実証されています。Googleやyahooといった大企業でも、社員研修の一環として取り入れられているそうですよ。

必死で暗記したり難しい問題に取り組んだりした脳は、きっと疲れているはず。休憩時間には、ぜひ瞑想をして脳を癒やしてあげましょう。ここでは「集中瞑想」という方法をご紹介します。

座禅の形式であぐらをかき、体をリラックスさせます。そのうえで、自分の呼吸に意識を集中させ、ゆっくりと息を吸ったり吐いたりしましょう。意識が散漫になってしまいそうになっても、慌てずにその状況を受け入れたうえで、意識をゆっくりと呼吸へと戻します。これを繰り返すのです。

臨済宗妙心寺派本山塔頭 春光院 副住職の川上全龍さんによれば、リラックス効果を得るためには20分間の瞑想がおすすめだが、限られた時間のなかで毎日継続したいのであれば数分程度でも充分に価値があるとのこと。

瞑想の効果は、自分で一度やってみないことにはなかなか実感できません。勉強中の休憩方法のひとつとして、覚えておくといいかもしれませんね。

関連記事『現代人は脳を使いすぎ。疲れ脳を癒やす『集中瞑想』の技術

勉強中のおすすめ休憩方法3:記憶定着にも効果大。一石二鳥の「昼寝」

先の説明したとおり、昼食後の時間帯は、体内時計のリズムの関係や食事後の血糖値上昇といった理由から、眠くなりやすいもの。もし、睡魔にどうしても打ち勝てそうになかったら、思いきって昼寝(仮眠)をとってしまうことをおすすめします。

「勉強中に眠るなんて……」と罪悪感を抱く方もいるかもしれませんが、以下の事例を知れば、昼寝の効果に納得いただけるのではないでしょうか。

睡眠研究を専門とする内村直尚氏(久留米大学神経精神医学講座教授)によると、福岡県内で有数の進学校として知られている県立明善高等学校が、2005年から午後の授業前の15分間に昼寝タイムを導入したところ、難関校への合格率が飛躍的に増加したといいます。

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|午後の仕事や学習の効率が上がる、昼食後の過ごし方がある!

ただし、昼寝をする際の注意点は、眠りすぎないようにすること。長時間眠ってしまうと、夜の睡眠にまで影響が及んで体内時計が狂ってしまうばかりか、昼寝終了後に勉強を再開させた際に、頭がうまく働かなくなってしまいます。長くても20分程度に留めておきましょう

カフェインが大丈夫な方であれば、コーヒーと昼寝を組み合わせる「コーヒーナップ」もおすすめですよ。覚醒作用があるカフェインが小腸で吸収されて脳に到達するまでの所要時間は、およそ20分と言われています。昼寝前にコーヒーを飲み、カフェインが効き始めるまでの20分間を昼寝にあててしまいましょう。起きたあとは、カフェインが効いて頭がすっきりと覚醒した状態で勉強に集中できるはずですよ。

関連記事『昼寝は生産性向上の大本命。「パワーナップ」をマスターせよ!

勉強中のおすすめ休憩方法4:水を飲もう

アメリカのコネチカット大学のLawrence E. Armstrong博士らは、体の水分不足が原因で集中力や意欲が減退する可能性があることを指摘しています。

博士らは、健康な26人の男性と25人の女性を対象に、体の水分量を減少させた際の気分状態や認知能力を測定しました。結果、以下のような結果が得られたのだそう。

実験データを分析した結果、体水分量の低下によるマイナスの影響のインパクトは、女性のほうが男性よりも大きく、女性ではわずかな体水分量の低下が、頭痛、疲労感、集中力の低下に繋がることが明らかになりました。また認知能力テストの結果には変化がありませんでしたがテストを行うことに、より困難さを感じたこともわかりました。男性の場合も、わずかに体水分量が低下した場合、覚醒状態と記憶力が低下し、より疲労と緊張、不安を感じることが明らかになりました。

(引用元:現代ビジネス|ちょっとした水分不足でも気力と集中力が失われる!

同様に、イースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学の研究では、知的作業に集中する前の「0.5リットルの水分補給」がパフォーマンスを高めてくれることを示しています。

たとえ、喉の渇きとしての実感はなくとも、私たちの体からは常に水分が失われ続けています。休憩時はこまめな水分補給を忘れないようにしましょうね。

関連記事『頭が働かないのは “隠れ脱水” が原因かも!? 「集中脳」をつくる水分補給テクニック

休憩中にスマホはいじらないように注意!

勉強中にちょっと気がゆるむと、ついスマートフォンに手を伸ばしてしまう方もいるかもしれませんね。でも、これはあまりおすすめできません。

スマートフォンの小さい画面を見つめることは、目や脳を酷使する行為です。休憩時間の過ごし方として、これでは本末転倒ですよね。また、メールやSNSなど他者とのコミュニケーションを始めてしまうと、休憩が終わり勉強を再開させた際も、返信が気になって勉強が手につかなくなってしまう可能性があります。

休憩は、体・心・脳を休めたりリフレッシュさせたりするためのものです。せっかくの休憩時間が “スマホ依存” 的な過ごし方になってしまわぬよう、気をつけてくださいね。

***
勉強に集中するための “戦略” のひとつとして、休憩時間はとても大切です。上手に休憩をとって、日ごろの勉強を捗らせてくださいね。

(参考)
Stress Management for Patient and Physician
朝日新聞デジタル|集中力の維持と長期的な学習効果につながる方法(東京大学・池谷裕二教授の見解)
リクナビNEXTジャーナル|生産性がグングン上がる!「ポモドーロ・テクニック」って知ってる?
StudyHacker|時短にも効果あり! 25分間の超集中法『ポモドーロ・テクニック』を実際にやってみた。
Wikipedia|ツァイガルニク効果
JB PRESS|これが「昼食たべて眠くなる」本当の理由 昼食後の眠気、その原因と対策(前篇)
HEALTH PRESS|座り続けると脳の記憶機能に悪影響! 認知症の原因は運動不足よりも座ること?
東洋経済オンライン|仕事中の「5分間ほっつき歩き」の意外な効用 集中力が途切れる心配はなし
StudyHacker|休憩時間は歩きまわれ!? “仕事脳” が休まる効果的な休憩のしかた
NIKKEI STYLE|職場で「瞑想ストレッチ」 集中力を高めるワザ
nippon.com|脳科学の最前線を行く—飛躍的に進む瞑想研究
プレジデント・オンライン|疲れた脳をデフォルトに戻す「集中瞑想」のやり方
NIKKEI STYLE|「睡眠負債」をためない方法 10分昼寝も効果的だが
ダイヤモンド・オンライン|午後の仕事や学習の効率が上がる、昼食後の過ごし方がある!
StudyHacker|勉強する時間帯のゴールデンルール。効率よく勉強できる時間帯をまとめて紹介!
StudyHacker|仕事の精度が劇的に上がる。最強の休憩術「コーヒーナップ」のすごい効果
現代ビジネス|ちょっとした水分不足でも気力と集中力が失われる!
StudyHacker|頭が働かないのは “隠れ脱水” が原因かも!? 「集中脳」をつくる水分補給テクニック
Frontiers in Human Neuroscience|Subjective thirst moderates changes in speed of responding associated with water consumption

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