図書館では集中して勉強できるけど、自分の勉強部屋だと気が散ってダメ。会社ではじっくり仕事に取り組めるのに、自宅に帰るとなぜだか作業がはかどらない。こんな風にお悩みの方はいませんか? テスト勉強やプレゼンの準備などで、できるだけ時間を確保したい時、家に帰ってからも寝る前や起きた後の時間を活用して集中して作業できれば、効率的ですよね。
では、どうして家では集中できないのでしょうか。それは勉強する環境に問題があったからなんです。このコラムでは、家でも作業が進むようにするためにやるべき3つのことを紹介します(勉強部屋という想定で紹介しますが、仕事部屋としても考え方は一緒です)。誰でも簡単にできるものばかりですので、今すぐにでも実践できると思います。自分の今の学習環境がどうか、一つずつチェックしてみてください。
目移りしそうなものを排除する
まずは邪魔者を排除することから始めましょう。作業するスペースから目に見える範囲内は、すべての誘惑を取り除くことをおすすめします。
家というプライベートな空間では、ただでさえ気が抜けてしまいがちです。そこに読みかけの漫画や、お気に入りのDVDなどが置いてあったら……。つい手に取ってしまいますよね。気が付いたら真夜中だったなんてことにもなりかねません。
いつも勉強している場所に座り、そこから見える景色を想像してみてください。不必要な物は存在していませんか? 勉強に必要のない、そこにあるべきでないものは、作業スペースからは取り除きましょう。
勉強に必要なものをそろえる
次に、勉強する環境を整えましょう。参考書や筆記具など必要なものをすべて準備します。勉強している最中になにか足りないものがでてきてしまうと、一気にモチベーションが下がってしまいますよね。例えば、蛍光ペンを使いたいのに学校に置き忘れたとか、紙をファイルに綴じる穴あけパンチを使いたいのにどこかに行ってしまったとか。ここで下がってしまったやる気をもう一度引き上げるのはなかなか大変です。だからこそ、最初に全部準備しておくことが重要なのです。
ではここでもう一度、いつも勉強している場所を思い出してみましょう。必要なプリント類や参考書などはすべて近くにありますか? わからないことがでてきたときのために、辞書やパソコンなども近くに置いておくといいですね。
また、勉強するにあたっては姿勢も非常に重要です。椅子は自分に合っているか、机の高さは適切か……。疲れる姿勢でやっていると当然長続きしません。自宅にも図書館や自習室と同じような環境を整えることで、身も心も勉強モードに移行しやすくなります。
リビングで勉強してみる
最後におすすめしたいのがリビングでの作業です。家族の目があることでサボってしまうことを回避できます。万が一寝てしまっても起こしてもらえるというメリットも。
また、勉強に行き詰まってしまったり、思うように問題が解けず落ち込んでしまったりするときでも、家族がいればきっと励ましてくれるはず。その存在は大きな支えになります。
実は、東大生や京大生の多くが、自分の勉強部屋があるにも関わらずリビングで勉強していたというデータもあるのです。雑誌「プレジデントFamily」が行ったアンケートによると、東大生の半数以上が小学生時代リビングで勉強していたそうですし、テレビなどでリビング学習のメリットが言われることも多いせいか、最近では小中学生の間でリビング学習が浸透してきているようです。私は京大で学んでいますが、受験生時代はリビングで勉強することが多くありました。リビングの机は広いので、いくつか参考書を広げても十分にスペースがあるのもポイントです。
目移りしそうなものを排除する、という一つ目と大きく矛盾するようですが、人の目があれば多少の邪魔者があっても誘惑に負けることはありません。
*** 家でも勉強がはかどるようにするための3つのポイントを紹介しました。どれも当たり前のことじゃないかと思うかもしれません。でも、家を勉強する環境に整えられていない人にとっては、どれも今すぐ改善すべき点なのです。簡単に取り組めるものばかりですので、ぜひ今日から実践してみてください。
(参考) パピマミ|勉強のできる子に育つ家庭環境の作り方3つ All About|勉強部屋はリビング? 子供部屋? 粂原圭太郎(2016),『京大首席合格者が教える 「やる気」と「集中力」が出る勉強法』,二見書房. Study Hacker|東大生の子供時代の勉強場所:第1位は? 大人も役立つ勉強場所の技術