【実践】ダラダラとスマホを見てしまう? 私の時間をスマホから取り返す「超シンプルな方法」を試してみた

真っ白な画面のスマートフォンを持つ人の手元

  • 調べ物をするためにスマートフォンを手に取ったが、気づけばSNSに夢中になっていた
  • 退屈しのぎでスマートフォンを触っていたら、何時間も経っていた

本当はもっと時間を有意義に使いたいのに、スマートフォンを手にダラダラと過ごしてしまうことはないでしょうか。

こうした習慣をなんとか改善しようと「スマートフォンは見ない!」と決意しても、気合いだけでは難しいものです。

本記事では、ダラダラとスマートフォンを見てしまう時間を有意義な時間に変えるにはどうすればいいのか、筆者の実践を交えて紹介していきます。

アウタートリガー×インナートリガー=悪習慣

メッセージの見落としが不安でこまめにスマートフォンをチェックしたり、通知がきっかけでダラダラとSNSを眺めてしまったり……無駄な時間を過ごしてしまう「引き金」が日常にはあふれています。

行動心理学研究者の池田貴将氏はこのような引き金を「トリガー」と言い、「アウタートリガー」「インナートリガー」のふたつに分けられると話します。それぞれの定義は以下のとおり。*1

  • アウタートリガー:「行動の引き金となるものが自分を取り巻く環境
  • インナートリガー:「行動のきっかけが人の感情や生理的欲求

先の例で言えば、メッセージの見落としが不安でスマートフォンを見るのはインナートリガー、通知がきっかけなのはアウタートリガーです。

日常を振り返ってみても、アウタートリガーとインナートリガーは互いに影響し合い、悪習慣につながっているとわかります。

筆者で言えば、疲れたり気分転換したくなったりするとSNSを眺めがちで、しかも動画の自動再生が次々と流れてくるのでやめどきを見失う傾向にあります。

集中力が切れたというインナートリガーに加えて、SNSで動画が自動再生されるというアウタートリガーが重なり、スマートフォンをダラダラと見続けてしまう悪習慣が生じているのです。

このように、「インナートリガーとアウタートリガーの連鎖が、『習慣』をつくり」ます。*1

これがわかれば、悪習慣の改善方法も見えてくるはず。「スマートフォンをダラダラといじるのをやめるぞ!」と、いきなり行動そのものにフォーカスするのではなく、その行動を引き起こしているトリガーに対処していくのが重要なのです。

ベッドでスマートフォンを眺める女性

トリガーを別のものに置き換えてしまえばいい

あなたにも以下のようなトリガーに誘発されてダラダラとスマートフォンをいじっていませんか?

スマホをいじるトリガー
  • アラームを設定した/アラームを止めた
  • 連絡が来た
  • 連絡が来ているか確認をしたい
  • 検索をした
  • ネットニュースを見た
  • 気分転換のためにSNSを開いた
  • 動画を見たい
  • ゲームをしたい
  • 退屈しのぎになんとなく
  • リラックスしたい

これらのトリガーを別の行動に置き換えられないか考えてみましょう。

ダラダラスマホの代替案
  • アラームを設定した/アラームを止めた → 目覚まし時計を使う
  • 連絡が来た → 電話やビデオ通話を特定のタイミングで行うと決める
  • 連絡が来ているか確認したい → 固定時間にまとめて確認/返信
  • 検索をしたい → リスト化して、時間を決めてまとめて調べる
  • ネットニュースを見たい → 新聞を読む
  • SNSを開きたい → 紙の雑誌や本を手元に置く
  • 動画を見たい → 特定の時間帯にPCやテレビで視聴
  • ゲームをしたい → パズルやカードゲームに置き換える
  • 退屈しのぎになんとなく → 手元に紙とペンを置く
  • リラックスしたい → 音楽を聴く

「これならできそう」と思うものはありましたか?

筆者はトリガーをこうして置き換えた

筆者は、仕事の前後に勉強をしようと思っていてもスマートフォンをダラダラといじってしまい、自責の念にさいなまれることがしばしばあります。そこで、この悪習慣の改善に取り組むことにしました。

前出の池田氏がすすめる下記の流れでやってみることにしました。同氏はダラダラと過ごす時間を「受動的な時間」、有意義な時間を「能動的な時間」と定義しています。

  1. 受動的な時間を可視化する
  2. 受動的な時間のトリガーを見つける
  3. 受動的な時間のトリガーを、能動的な時間を過ごせる別のトリガーに置き換える 

*1から筆者がまとめた

まずは1週間のうち仕事がある5日間を振り返り、Googleカレンダーを使って受動的な時間を可視化してみました。

色分けは下記のとおり。

黄色:受動的な時間/緑色:能動的な時間/オレンジ:必要な時間

筆者が作成した「受動的な時間」を可視化できる画像

画像は筆者が作成した

スマートフォンをいじる時間をゼロにするのではなく、長時間ダラダラといじってしまうのを改善するのが目的なので、30分以上いじってしまった場合に黄色で記録しています。

このように可視化してみると、起床時・仕事終わり・就寝前にスマホをいじりがちだとわかりました。

「目標実現のスペシャリスト」であるメンタルコーチの大平信孝氏は、新しい習慣を身につけるには「やめたいと思っている習慣によって自分が何を求めているのか、何を満たしているのかというところにフォーカスして代替物を考えて」みるといいと述べています。大平氏のアドバイスに従い、自分の欲求、つまりインナートリガーにフォーカスして代替案を考えてみました。*2

筆者が作成した「受動的な時間」を可視化できる画像

画像は筆者が作成した

筆者の場合は、「もう少し休みたい」「気分転換をしたい」「リラックスしたい」というインナートリガーにフォーカスする必要があると考えました。その結果、黄色で表した「スマホ」の時間が減り、緑色で表した「勉強」や「読書」、「趣味」の時間が増えていることをおわかりいただけるでしょう。

起床時にはアラームをスマートフォンから目覚まし時計に変えてみたら、ダラダラ過ごすことを防げました。アウタートリガーを取り除くだけでもこんなに違うのかと、驚いています。

また、朝目が覚めたあと、スマートフォンではなく本をすぐ手に取れるよう枕元に置いたり、仕事終わりに目につきやすい場所に趣味のセットを置いたりして、環境を工夫し行動に移しやすくしました。

南カリフォルニア大学で心理学の教授を務めるウェンディ・ウッド氏が「希望の習慣が起こりやすくなる状況を作ることで、目標が達成しやすくなります」と話していたからです。*3

仕事終わりにはスマートフォンをダラダラといじってしまう日もありましたが、時間は短縮。これまで後回しにしていた趣味を日常に取り入れたところ、「早く趣味の続きをしたい!」という気持ちになり、スマートフォンをいじるよりも優先度が上がったからです。

就寝前には音楽を流すことで、スマートフォンをいじらなくてもリラックスできるようになりました。

悪習慣を断ち切るぞという決意も必要ですが、決意だけではうまくいきません。具体的な行動から改善にアプローチできるのは、前向きに実践していくのに有効だと感じました。

筆者がやってよかった代替案

ダラダラとスマートフォンを見ないために

  • 目覚まし時計を使う
  • 好きな作家のエッセイや小説を読む
  • 趣味の刺しゅうや編み物をする
  • 音楽を流す

リラックスして読書する女性

***
悪習慣を引き起こすトリガーについてと、それを減らすための実践方法を紹介しました。

悪習慣を改善するためには、トリガーを置き換えることが効果的です。

その際はやみくもに置き換えるのではなく、自分の欲求を満たせる代替案に置き換えることが重要です。

小さな変化を積み重ねていくことで、確実に習慣は変わっていきます。習慣を変えるのはそう簡単ではありませんが、ひとつひとつ改善を試みていきましょう。

※引用部分の太字は筆者が施した

【ライタープロフィール】
澤田みのり

大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

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