「なにもしない時間」が創造力を生む。忙しい人のための "創造タイム" のつくり方

集中しなきゃいい仕事はできない、集中し続けなければ成功できないという思考にとらわれてはいませんか? とにかく、何かひとつの物事に全力を注ぎ込むことこそが大事だと考える人は多いでしょう。もちろん集中力を保つことは大切です。しかし、それだけが成功の秘訣ではありません。創造的な考え方を持つことの方がとても重要です。そして、その創造力を高めるために必要なのは、意外なことに「何もしない時間」なのです。

そこで今回は、多くのエリートや企業が実践している、創造力を高めるための「何もしない時間」についてご紹介します。

創造力を高めるには、集中しすぎてはいけない?

ビジネスシーンで勝ち抜くために大切なのは、いかに独創的なアイディアを思いつけるかです。そして、独創的なアイディアを生み出せるようになるには、創造力を鍛える必要があります。そこで実践すべきことは、意図的に「集中しない時間」や「何もしない時間」をつくること。これまで散々「集中しなさい」と言われてきた方は、にわかには信じられないかもしれませんね。そこで、それを確信できるような例をいくつかご紹介します。

例えば、googleでは、通常業務に支障がないかぎり、仕事時間の20%を本来の業務以外に使ってよいのだとか。その時間に得たアイデアが必ず未来に生きてくるという考えがあるからです。確かに、通常の業務ばかりに集中していたら、同じようなアイデアしか生まれない可能性は高くなりそうですよね。もちろん、その時間の使い方は人それぞれ。仕事に関係ない雑学の知識を増やしたり、何もせずボンヤリしたりする人もいるでしょう。それは彼らにとってクリエイティブな時間であり、かつリフレッシュの時間でもあるのです。

また、数々の功績を残したアップル社の故スティーブ・ジョブズ氏も、創造力を高めるため毎朝数分間の「何もしない『瞑想』の時間」を大切にしていたといわれています。そのほか、『自分を大事にする人がうまくいく スタンフォードの最新「成功学」講義』の著者エマ・セッパラ博士も、著書のなかで「何もしない時間を増やすこと」をすすめています。

このようなことからもわかるように、ひとつの物事だけに集中しているばかりでは、飛躍的に創造力を高めていくことは難しいのです。「集中しない時間」や「何もしない時間」を大切にし、活動の幅を広げることで、結果として創意に富んだアイディアを思いつくことができるはず。では、そのような時間を確実に取り入れていくには、どのような方法が良いのでしょう。

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方法1.予定に組み込んでしまう

とても単純なことですが、「集中しない時間」「何もしない時間」を予定に組み込んでしまいましょう。実は、意外にこうすることで創造力を高める時間を確保しやすくなります。多くの人は、とにかく今は本来の業務に集中して、時間が余ったらボーッとしてみようなどと考えがちです。しかし、やってみるとなかなか“時間が余る”という状況は生まれません。仕事を早く終えたとしても、もう一度見直したり、次の業務を確認したりと、何かしらやることがあるからです。そんななかで確実に時間を設けるには、そのことに対して明確な意識を持つことが必要です。スケジュールのなかの業務と業務の合間に「散歩」と書こうとして、つい躊躇してしまったら、必ず未来にかたちとなって返ってくるはずだと考えましょう。

方法2.単調な仕事を利用する

仕事のなかには、常に頭をフル回転させながら集中しなければならない仕事と、集中力を弱めてできる単調な仕事があります。そこで、後者の「単調な仕事」をうまく活用するのです。例えば、プレゼンの資料を作成する、あるいは企画書を書くといったような集中力が必要な仕事と、エクセルシートにデータを入力するだけなどの簡単な仕事を、時間で区切り交互に行うわけです。もしも、企画書の作成に行き詰ったら、そのまま煮詰めていくよりも、いったん頭を切り替えて単調な作業を行ったあと、改めてその業務を再開した方が良い突破口を見つけられるはず。集中を少し弱める時間も、何もしない時間同様にクリエイティブかつリフレッシュの時間になってくれるでしょう。

方法3.入浴時間を最大限利用する

忙しいからといってシャワーで済ませている人は多いのではありませんか? でもそれは、とても“もったいない”こと。なぜならば、湯船に浸かることで必然的に「瞑想」の時間が生まれるからです。しかし、時間の有効活用をと思い浴室に本やスマートフォンなどを持ち込むと、せっかくの瞑想タイムを台無しにしてしまいます。そこは我慢して、リラックス効果が非常に高い入浴を満喫してください。

なお、40度以上のお湯は活動の自律神経(交感神経)を刺激してしまうので、38度くらいのぬるいお湯に20~30分浸かるのが肝心です。なぜならば、体温よりも2度ほど高い温度でじっくり浸かると、休息の自律神経(副交感神経)が活性化され心身ともにリラックスできるからです。そして、副交感神経が優位になると、簡単に瞑想状態に入ることができます。何も持ち込まずに20分ほどボーッとしたら、肉体的な疲労や精神的な疲れをとり、おまけに創造力も高めてくれるという一石三鳥になるはずです。

*** そもそも1日じゅうずっと集中し続けることは不可能です。それを無理に行えば、必ず精神や肉体に過度な負荷がかかってしまうでしょう。そんな無理をしないで、しっかりと「集中しない」「何もしない」時間をつくることが大切です。多くの人が「忙しい=良いこと」だと思っている現代において、あえて何もしない時間をつくり創造性を高めることは、きっと大きなアドバンテージになるはずです。ぜひそのような時間を取り入れて、独創的なアイディアを出せる人になってください。

(参考) エマ・セッパラ著(2017)高橋佳奈子訳,『自分を大事にする人がうまくいく スタンフォードの最新「成功学」講義』,大和書房. ITmediaビジネスONLiNE|何もしない時間を作ることが、未来への「投資」 WOMAN nikkei Online|夜活の仕上げ!差がつくお風呂の入り方 ヨガ・ピラティスをライフスタイルに:スタジオ・ヨギー瞑想の効果|世界のエリートはなぜ瞑想するのか

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