「資格試験を受けるなら、キャリアアップのため」。
多くの人がそう考えているように、それは資格取得の重要な目的のひとつです。
しかし、資格選びにはもうひとつ大切な基準があります。それは「自分に合うかどうか」。資格試験は、必ずしもキャリアに直結しなくても、自分の興味に沿ったスキルを身につけたり、新しい知識を得たりするきっかけになるのです。
本記事では、資格の専門家の知見をもとに、「自分に合う資格」の選び方と、その活用方法をご紹介します。
資格の種類と選び方
「何か資格をとってみよう」
そう考えるとき、多くの人はキャリアアップを思い浮かべるでしょう。しかし、980個以上の資格を取得し、資格の専門家として知られる鈴木秀明氏は、「資格の選び方は、仕事や収入だけでなく、もっと広い視点で考えるべき」と語ります。*1
資格には様々な種類があり、鈴木氏がおすすめする資格取得のメリットは以下の3つです。
- 人的ネットワークの拡大
- 自己成長(学び)
- 人生の質の向上 *1
資格の勉強を通して、未知の分野への興味が広がったり、関心のあることを深く掘り下げたりできます。また、おすすめの資格を見つけるコツは、同じ興味を持つ仲間との出会いも考慮すること。勉強会での交流や、資格取得後のイベントを通じて、新しい世界が広がっていきます。
資格の選び方として、キャリアアップを目的とするのは、もちろん価値のある選択です。ただし、「時代に取り残されたくない」「周りと差をつけたい」という焦りから、目先の収入だけで資格の種類を選ぶのは避けたほうがよいでしょう。
現代は、トレンドの移り変わりが激しい時代です。そんな中で長期的に価値があるのは、自分の興味や関心に基づいた学びです。その実現手段として、おすすめの資格を探してみてはいかがでしょうか。
資格の選び方として、キャリアアップを目的とするのは、もちろん価値のある選択です。ただし、「時代に取り残されたくない」「周りと差をつけたい」という焦りから、目先の収入だけで資格の種類を選ぶのは避けたほうがよいでしょう。
現代は、トレンドの移り変わりが激しい時代です。そんな中で長期的に価値があるのは、自分の興味や関心に基づいた学びです。その実現手段として、おすすめの資格を探してみてはいかがでしょうか。
自分に合う資格の見つけ方
「どんな種類の資格が自分に合うだろう」
そう考えたとき、具体的にどのように資格を選べばよいのでしょうか。資格の選び方には、まず自己分析がおすすめです。CTI JAPANでプロフェッショナル・コーアクティブ・コーチを務める橋本博季氏が、効果的な方法を紹介しています。*2
- 自分に「人生でひとつ、やり直したいことは?」と問いかける
たとえば、海外で暮らしてみたかった、毎日動物と触れ合いたいと思っていた、大学受験のとき、本当は宇宙物理学を専攻したかった、など人によってさまざまな答えが浮かぶはずです。
- かつて好きだったことを思い出す
橋本氏は「社会人になると、お金やキャリアにならない、つまり生産的ではないことを理由に、好きだったことをやらなくなっていく傾向があ」ると述べています。*2
社会人になる前や、子どもの頃に好きでしていたことを考えてみましょう。
壮大な歴史もののマンガにはまっていた、科学雑誌のふろく組み立てが好きだった、かわいいインテリアをつくるゲームが好きだったなど、忘れかけていた記憶を思い出せるかもしれません。
自己分析で見つけたキーワードをもとに、おすすめの資格を探してみましょう。
様々な種類の資格から選ぶ際のポイントをご紹介します。
たとえば、「海外で暮らしたい」という夢があるなら、住みたい国の語学検定資格から始めるのがおすすめです。
動物への興味があれば「アニマルセラピスト認定資格」、宇宙が好きなら「天文宇宙検定」など、自分の興味に合わせた資格の選び方ができます。
また、資格の選び方には、もうひとつ面白い方法があります。
「日本の資格・検定」というサイトでは、多様な種類の資格が50音順で紹介されています。このリストを眺めながら、直感的に興味を感じた資格を選んでみるのもおすすめです。*2
資格の専門家である鈴木氏も「未知の分野の資格にチャレンジすることで、自分の意外な一面に気づける」と語っています。*3 普段の興味から少し離れた種類の資格にも、ぜひ目を向けてみてください。
勉強を先送りにせず、いますぐ始めるコツ
資格の種類を選び、いよいよ学習をスタートしようという時期。しかし、いざ勉強を始めようとしても、なかなかスタートできないという経験はありませんか?仕事に必要な資格と違い、自分で選んだ資格は自分でモチベーションを保つ必要があるため、始めるのに躊躇してしまうことも。
そこで、メンタルコーチの大平信孝氏が提案する、資格勉強を先延ばしにしないための3つのポイントをご紹介します。*4
1. 「まずこれ」とひとつに絞る
自主的にやってみたいと感じた資格勉強だからこそ、「あれも読みたい、これも学びたい」と、つい欲張ってしまうかもしれません。まずは公式サイトに載っているミニテストを解くだけにするなど、やることをひとつに絞ると進みやすくなります。
2. とりあえずやってみる
完璧主義の人ほど、なかなか勉強を始められないことがあるのではないでしょうか。先延ばしにしないためには「とりあえずやってみる」ことが大切です。
「語学アプリを入れて、帰りの電車で開いてみる」など、いますぐ手軽にできることを仮決めして手をつけていくと、スムーズに進みます。
3. 「やる気」待ちをしない
行動をすることでやる気が出てくる、という話を耳にしたことがあるのではないでしょうか。大平氏も「まずは行動が先でやる気が後」と述べています。*4
「夕食を食べたあと、お腹がこなれるまでテキストを眺める」というように、具体的な行動とタイミングを決め、やる気がなくても手をつけられるようにしておくと、取り組みやすくなります。
自分らしい資格の選び方で見つけた学習だからこそ、必須の勉強よりも楽しく続けられるはずです。様々な種類の資格の中から、自分の興味で選んだのですから。それでも、新しいことを始めるときは誰でも躊躇するもの。
メンタルコーチがおすすめする、この3つの方法を実践すれば、きっとスムーズにスタートが切れるはずです。まずは一歩を踏み出してみましょう。
***
資格の選び方に、新しい視点を取り入れてみましょう。資格には様々な種類があり、キャリアだけでなく、自分の世界を広げるためのおすすめの選択肢にもなります。ぜひ、自分らしい資格との出会いを楽しんでください。
※引用の太字は編集部が施した
*1 WORK MILL|資格取得は自分の可能性を探る旅。980個以上の資格保持者に聞く学びの醍醐味(鈴木秀明さん)
*2 日本の資格・検定|50音順資格・検定
*3 東洋経済オンライン|日本に多い「好きな事が見つけられない人」の盲点
*4 ログミーBusiness|真面目な人ほど当てはまる“つい先延ばしする人”の3つの特徴 「やる気待ち」に頼らず、行動するためのコツとは
柴田香織
大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。