「思考は現実化する」は "当たり前" 。1年で英語を身につけ、米国留学をつかんだ私が気づいたこと。

人は変われない。

そういった考え方をしていませんか? もしそうなら、今回の記事の読者はあなたです。

頑張って就職活動して入社したいまの会社。仕事はそれなりに忙しいし、まあまあ楽しい。だけど、実は第一志望の会社ではなかったし、本当は会社勤めではなくほかにやってみたいことがある。そんな風に思っているけど、環境を変えたり、思い切って一歩踏み出すのは正直苦手な性格だし……。

これはほんの一例ですが、もしこういう悩みを持っている人がいるとすれば、その人にこう伝えたいと思います。

人は変われます。

人は変われるとはどういうことなのか、変われないことで悩んでいる人は、どうすれば変わることができるのか。この記事では、私の経験も交え、なりたい自分に変わるための極意をご紹介しようと思います。

人が変わるための前提:「思考は現実化する」

二年前、私は一冊の本に出合いました。『思考は現実化する』という本です。著者はナポレオン・ヒルという人でした。「思考は現実化する」という言葉の意味は後から説明しますが、この時点を境に、私の思考は大きく変わり、人生が本当の意味で回り始めました。私にはある夢があり、その実現のために、当時通っていた大学を中退しました。さしあたって英語が必要でしたので、すぐさまフィリピンに留学をし、10カ月半の勉強の末TOEICで980点を取得しました。そして、2017年の1月からはアメリカの大学に編入を予定しています。

経験上、「思考は現実化する」ことは間違いありません。しかし、客観的に考えてみると、これはいささか信憑性に欠ける言葉です。そこで、ナポレオン・ヒルの言う「思考は現実化する」とは「ちょっと胡散臭い、けれど当たり前のことである」ということを確認してみましょう。「思考は現実化する」ということを理解することが、「人は変われる」と理解することの第一歩となります。

「思考は現実化する」とはどういうことか

ナポレオン・ヒルの書籍から、「思考は現実化する」ことについて説明している文章を抜き出してみます。

思考というものは、一つの実体、しかものその思考内容そのものを現実化しようとする衝動を秘めている実体、といってもよい。それゆえ、思考が明確な目標、忍耐力、あるいは強い願望と相まって成功に向かって作用し始めるとき、思考は強烈な実体になる。こうして、人間は自分が考えるような人間になるのである

(太字は筆者にて施した) (引用元:ナポレオン・ヒル著,田中孝顕訳(1999),『思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき』,きこ書房.)

この一節は抽象度が高く、にわかには理解しがたいため、実際のプロセスの中で見てみましょう。

私たちは通常、行動を起こす時、まず最終的な目標を設定し、そして計画を立てます。この計画をひとつひとつこなしていくことによって、望んでいたゴールにたどり着くことができるのです。当然のことですが、最終的な目標を設定する、つまり思考の段階では、思考は現実になる可能性を秘めているだけのものです。しかし、これが忍耐力や強い願望と結びつくことによって、その思考は現実化し、実際に計画をこなしていくことができるようになります。その結果、私たちは、自分が思い描いた理想に近づくことができるのです。

これが、「思考は現実化する」の意味するところです。

こうして見てみると、「思考は現実化する」とは、誰の経験からしても当たり前のことを言っている、ということに気が付くと思います。要は、目標を設定し、計画を根気よく実行すれば、どんなことでも実現可能であるということです。

思考を現実化させるための3つの条件

では、実際に私たちが思考を現実化させるにはどうすればよいのか、ということを見てゆきたいと思います。

上の一節の中で、思考を現実にするための条件は、以下の3つであると書かれています。

1.明確な目標 2.忍耐力 3.強い願望

「1.明確な目標」とは、一言でいえば夢です。「いつまでに、何がしたいのか?」ということを、自分の中ではっきりさせましょう。そうすることによって、具体的な計画が立ちます。計画を実行する段階で大切なことは、「夢を実現したい!」と燃えるように願う「3.強い願望」をもつことと、「2.忍耐力」すなわち、努力し続ける力をもつことです。

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大切なのは、本質を見極め、仕事を愛すること

燃えるような願望と忍耐力を持ち続けるには、ちょっとしたコツがあります。そのコツとは、「エッセンシャル思考」と「仕事を愛すること」の2つです。

1つ目のエッセンシャル思考とは、「自分にとって本質的なこと」以外はすべてを切り捨てることです。例えば私の場合、英語を強化し始める時点で「英語をネイティブレベルでしゃべる」という目標を決めたので、私にとって本質的なことは「英語を勉強すること」でした。しかし、当時の私は大学の理系学部に通っていたので、これが英語の勉強を妨げる要因となっていました。そこで私は、重要ではあるけれど、本質的ではない「学位」を切り捨て、英語だけに努力を集中させることにしました。その結果、英語の勉強を1日8時間、それを1年間続けることができ、次のステップであるアメリカ大学編入に進むことができました。

エッセンシャル思考のためには、何が自分にとって本質的なことなのかをしっかりと見極めることが重要です。本当に大切なことだけを切り出したら、あとは愚直に、ひとつずつ物事をこなしていくだけです。

2つ目の仕事を愛することも、とても重要です。かのスティーブ・ジョブズも、その人生の幕を閉じるまで一生涯仕事を続けてこられた理由に、そのことを挙げています。

私がこれまでくじけずにやってこれたのは、ただひとつ。自分がやっている仕事が好きだという、ただそれだけなのです。

(引用元:地球の名言|スティーブ・ジョブズの名言

好きでないことを何年もやり続けるには限度があります。しかし、何か大きなことを成し遂げるには、数十年という月日が必要でしょう。だから、私たちは自分たちが本当に心から愛せることを生業としなくてはいけません。

人は変われる

エッセンシャル思考と、仕事を愛するという2つの行動原則を持ち、明確な目標と強い情熱、そして忍耐力があれば、人は変わることができます。

冒頭に挙げた例のように、今の会社を飛び出して、自分が本当にやりたいことにチャレンジしたい気持ちがあるのなら、まずは目標を明確にし、熱い思いを大切にしながら、この行動原則に従って、突き進んでみてください。きっと今とは違った自分になれることでしょう。

二年前の私は、なんとなく生きていたような状態で、毎日根拠のない不安と戦っていました。でも「思考は現実化する」という言葉に出合ったことで、明白な方向性をもって生きていくことができるようになりました。自分は思い描いた通りに変われるし、人生は楽しいと思えるようになったのです。

自らの可能性を信じ、逆境に臆することなくチャレンジをしていけるようになれば、私たちの明日は間違いなく変わります。

(参考) ナポレオン・ヒル著,田中孝顕訳(1999),『思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき』,きこ書房. アール・ナイチンゲール著,田中孝顕訳(2014),『人間は自分が考えているような人間になる』,きこ書房. 地球の名言|スティーブ・ジョブズの名言

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