今の自分は1年前に比べてどれぐらい成長したか、いまいちピンとこない。同期は高い評価を得て出世していくのに、自分は進歩できている実感がない。

ビジネスパーソンとしての成長実感をあまり得られていないのは、悪い習慣が身についてしまっているからかもしれませんよ。早速チェックしていきましょう。

成長できない人の習慣1. 思考停止している

良い話を聞いて感心はしても、自分の仕事への活かし方はよく分からない。過去の例を踏襲しておけば、仕事は無難にこなせるはず。もしそんな風に考えることが多いのだとしたら、あなたは「思考停止」がクセになってしまっています。

思考停止とは、情報を受け取るだけ受け取って、自分なりに咀嚼していない状態のこと。特に、いつも忙しく目先の仕事をこなすことに精一杯なビジネスパーソンが、この状態に陥りがちです。『“思考停止人生”から卒業するための個人授業』などの著者で、人材開発コンサルティングを手掛けるトゥ・ビー・コンサルティングの代表取締役・潮田、滋彦氏によれば、「他人の発言のうけうりをする」「古い習慣を踏襲し続ける」「前例や過去に基づいて意思決定する」といった行動がその典型例なのだそう。

また、経営コンサルタントの横山信弘氏は、近頃のビジネスパーソンの中には有益な情報・知識を得ようとする人が増えているものの、情報に振り回されるばかりでは意味がないと警告しています。いくら知識を得たとしても、その情報を自分の仕事にどう活かしていくかを考え、自分なりの「学び」に変換しなければ、自分の成長につなげていくことなどできるはずはありません。

では、思考停止状態を脱するにはどうしたらいいのでしょう。

有効なのが「思考停止ワードを使わない」という方法です。潮田氏によると、例えば以下のようなワードが思考停止ワードにあたるそう。いずれも、思考を止め、他にも可能性や選択肢があることを排除してしまう言い方です。

思考停止ワード:「忙しくて無理」「仕方ないよ」「うちは特殊だから」「今までもそうやってきた」

こうした言い方をする代わりに、例えば以下のような言葉を使い、思考を「止める」のではなく「広げ」ましょう。

思考を広げるワード:「忙しいから効率よくやる方法を探ろう」「どんな工夫をすれば実現できるだろうか」「自分に(自社に)あてはめるとどうかな」「今までのやり方で本当に良いか? 直したほうがいいところはないか?」

ここで大事になるのが、「前例を疑う」という視点です。長く採用に関わり、これまで多くの優秀な人材を見てきた人材採用アドバイザー・米田靖之氏は、次のように言います。

商品にしろサービスにしろ、うまくいっているものを変えるということは、なかなかできるものではありません。問題があれば誰もが改善が必要だと思うでしょう。ですが、問題がなくても変える必要があるケースというのは意外に多いのです。

前年に発売した商品の売れ行きがすごく好調だったとします。しかし、1年も経てば、商品を取り巻く環境は変化します。前年の最適と今年の最適は絶対にちがうのです。そのように柔軟に前例を疑いながら改善を続けているものがロングセラー商品になる。誰もが知っているようなロングセラー商品は、ずっと同じように見えて、じつは微妙に変えているものです。

(引用元:StudyHacker|幸せなビジネスパーソンになるために必要なこと——人材採用アドバイザー・米田靖之さんインタビュー【第2回】

このことは、個人の仕事の仕方にも当てはめられます。プレゼンの方法、資料の作り方、会議の進行の仕方。一見問題ないように見えても、何かの工夫をすることで効率や生産性を上げられるかもしれません。成果が上がれば、あなたに対する評価も上がるはず。それがすなわち成長につながっていくのです。

思考停止することなく、何でも批判的に考える癖をつけたいものですね。

60日のトレーニング後、英語実務でも効果を実感。TOEICも950点に。
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成長できない人の習慣2. 数字を避けている

「今期とても頑張った」「少々ミスをした」「来期は大いに成績を伸ばしたい」。こんな風にぼんやりした表現をつい使ってしまっていませんか? それは、自分の仕事の状況を数字でとらえることができていない証拠。これでは成長は危ういでしょう。

“ビジネス数学の専門家” である深沢真太郎氏は、「仕事がデキる人は数字に強い」と言います。数学や数字と言っても、学生時代に勉強したような数学とは違います。ビジネスにおいては、「今期の業務実績はいかほどだったか」「来期の業務目標は何か」「自分はこの1年間でどれほどの成果を挙げ、どれぐらい業績を伸ばしたか」といったことを数字で考え、数字で表現することが大事なのです。

深沢氏は次のように言います。

たとえば「部署の生産性を上げよう!」と思い立ったとします。これ自体は非常にいい話ですが……そもそも「生産性」を数的に表現することができなければ、生産性を上げることなんてできないのです。
(中略)
作業時間をどうするのか、成果物の量をどうするのか、売り上げをどうするのかなど、数字を使った思考ができなければ、具体的なアクションが明確になるはずもありませんし、成果を観測することだってできません。数的思考、とても大事です。

(引用元:StudyHacker|文系理系なんて関係ない! すべての社会人に求められる「ビジネス数学」というリテラシー——“ビジネス数学の専門家” 深沢真太郎さんインタビュー【第1回】

また、こうして仕事の中身や達成度合いを数字で考え数字で表現することができれば、自分がどのぐらい頑張ったのかを正確に示すことができます。

「すごく頑張りました」と言っただけでは、その頑張りは伝わるはずもありません。一方で、「前期は〇〇だったのに対し、今期は△△まで数字を伸ばすことができました」「残業を〇時間も削減した一方で、売り上げを△円増加させました」なんて伝え方ができたらどうでしょう。どちらのほうが、頑張りが正当に伝わるかは、一目瞭然ですよね。

(引用元:同上)

成果や目標を、ぼんやりした言葉でしか表現できない人と、数字を使って表現できる人。より望ましく行動でき、より評価を得やすいのはどちらでしょう。答えは明らかですよね。

ビジネスパーソンとして確実に成長したいなら、自分の仕事の状況をいつでも数字で考える癖を身につけるべきなのです。

成長できない人の習慣3. 反省のしかたがざっくりしている

仕事でうまくいったときやミスしてしまった際、「やった!」あるいは「ショック……」などと簡単な感想をつぶやくだけでおしまいにしていませんか? それでは、あなた自身にとって何の身にもなりません。なぜなら、成功や失敗から学ぶことなしには、ただの一発屋になったり、同じ失敗を繰り返してしまう可能性があるから。では、成功や失敗を次につなげていくためには、具体的に何をすればいいのでしょう。

幅広い層のビジネスパーソンへの研修を手掛ける人材活性ビジネスコーチの櫻田毅氏は、生産性の高い仕事術やチームの成果を最大化する方法を説く著書『管理職1年目の教科書』の中で、成功/失敗体験からの学び方4ステップで解説しています。それをまとめたのが以下の内容です。

1. 経緯を書き出す(主要な出来事を時系列に書き出す)
2. 成功/失敗要因を洗い出す(これがあったから成功/失敗した、と思われることを書き出す)
3. 行動と紐付ける(成功/失敗要因を、実際に自分が起こした行動と関連づける)
4. 言葉でまとめる(次も成功するにはどうすればいいか、もう一度やるとしたら、どうすれば失敗せずうまくいくと思うか。自分がすべき行動を言葉でまとめる)

この4ステップを行なう目的は、振り返りを通して、成功体験の再現性を高め、失敗行動の改善をはかること。

例えば、あなたが大事な取引先A社に新企画の提案をする場面でミスをしたとしましょう。A社の担当者B氏は、迅速さを重視する人。その認識が薄かったあなたは、じっくり提案を練ってしまい、提案書を出すまでに2週間もかけてしまいました。あなたの提案書を見たB氏は、苦い顔をしています。「欲しいのはこういうのじゃなかった」とまで言われる始末。そんな失敗をした場合、この4ステップにのっとれば以下のように振り返ることができます。

1. 経緯:○月×日にB氏と面会し、新企画の提案を約束。→2週間後に再度面会し提案書を提出。イメージと違うと言われてしまった。
2. 失敗要因:提案書を出すまでに2週間もかけてしまった。B氏の意向を十分に確認できていなかった。
3. 行動との紐付け:B氏のニーズ(いつまでに提案書が欲しいか、企画に求めること)を聞き出すという行動が足りなかった。
4. もう一度やるとしたらどうするか:企画の提案を約束する時点で、先方のニーズを直接聞き、確認する。

こういう風にして、失敗体験や成功体験を「言葉」にして、次の行動につなげることはとても大切なことです。元東レ経営研究所社長の佐々木常夫氏も、ミスばかりしていた若手の頃、自分の成功・失敗の背景を主体的に考えて取り組みに反映するようにしたところ、仕事がうまくいき周囲からの評価につながった経験があると言います。経験から学ぶ姿勢を大切にし続けた結果、佐々木氏は、東レ同期トップで取締役となり、そして東レ経営研究所社長までをも歴任するまでになりました。

成功も失敗も、きちんと糧にしなければ、水の泡になってしまいます。一喜一憂だけで終わらせず、自分の言葉を使ってとことん振り返りましょう。

成長できない人の習慣4. 自分の価値を分かっていない

自分の得意な仕事、他の人には負けないと胸を張れる仕事は何か、説明できますか? もしできないのだとしたら、成長が望めるビジネスパーソンになるにはまだまだです。

働き方改革や業務プロセス改善などに関するコンサルティングを行なうあまねキャリア工房代表・沢渡あまね氏によれば、「この分野なら任せてください」と言える仕事を持ち、それをきちんとアピールできるビジネスパーソンは、周囲から頼られやすくなるのだそう。得意な仕事が回ってくれば、その仕事で確実に実績が出せます。実績が出せれば評価に繋がりますよね。その結果、強みを発揮できる仕事にさらに恵まれやすくなるのです。

自分の強みをアピールするだけでなく、自分が価値を発揮できる場面がないかを日々模索することも必要です。東大合格・司法試験合格など数々の難関試験にクリアしてきたほか財務省という厳しい職場での官僚経験もある、弁護士の山口真由氏は、仕事では「俯瞰力」が重要だと言います。

山口氏の言う俯瞰力とは、まわりを把握し先を見る力のこと。仕事をしていると自分が抱える業務や狭いチーム内のことだけに集中しがちですが、より広い部門や会社が全体として何をしているのかや、上司が行なっている仕事の状況などを、適宜把握するように努めましょう。そうすれば、「自分はデータの統計が得意だから、上司が目下抱えている大プレゼンの資料作成の中で役に立てそうだ」「文章を書くのには自信があるから、チーム内で滞っている調査報告書の執筆を引き受けよう」といったように、自分の強みが生かせそうなシーンが見えてきます

自らが価値を発揮できる仕事を自ら取りに行くことで実績を挙げ、評価アップにつなげたいものです。

***
ビジネスパーソンとして成長するために必要なことは次の4つ。
・前例を疑いながら、自分の頭で考える。
・物事を数字で表し、実績や目標を明確化する。
・成功や失敗からの学びを、次の行動につなげる。
・自分の強みを発揮できる仕事を常に探す。
これらのことを実践し続ければ、誰からも「あの人、成長しているね」と認められるような存在になれるはずです。

(参考)
新刊JP|思考停止になってない? 成長できない人に見られる10の行動
新刊JP|使っていない? 出てくるとヤバイ“思考停止”ワード
Yahoo!ニュース|「気付き」と「学び」は、何が違うのか? ~ビジネスにおけるケース~
StudyHacker|幸せなビジネスパーソンになるために必要なこと——人材採用アドバイザー・米田靖之さんインタビュー【第2回】
StudyHacker|文系理系なんて関係ない! すべての社会人に求められる「ビジネス数学」というリテラシー——“ビジネス数学の専門家” 深沢真太郎さんインタビュー【第1回】
東洋経済ONLINE|成長できない人は失敗と成功を振り返らない
StudyHacker|「良い習慣」は才能を超える! 謙虚に学びハードに働く【元東レ経営研究所社長 佐々木常夫さん「リーダーになるために必要なこと」part1】
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StudyHacker|仕事で大きな成果を導く「俯瞰力」——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第3回】