日本のGDPは世界第3位(2017年時点)でありながら、1人あたりのGDPで見ると、2014年が24位、2015年が27位、2016年には30位と、年々低下しているのだそう。生産性の向上は、企業の利益拡大につながり、従業員の賃金を上昇させる原資にもなるといいます。

生産性を高めるために必要なこととは、いったい何なのでしょう。経営学博士のジャック・ゼンガー氏と、ベストセラー『「週4時間」だけ働く』の著者、ティモシー・フェリス氏が提供した、「生産性が高い人」についての考察からヒントをもらい、その謎を紐解きます。

ジャック・ゼンガー氏の疑問と分析

ゼンガー・フォークマン社CEO兼創業者で経営学博士のジャック・ゼンガー氏は、「飛びぬけたリーダー」プログラムを開発し、全世界から注目を集めている人物です。そのジャック・ゼンガー氏と、同社共同創設者で社長のジョセフ・フォークマン氏は、生産性を上げる行動が存在するかどうか調査したそう。

7000人以上を対象に、上司からの生産性評価と行動特性に関するデータを集め、分析を行いました。その結果、生産性の高い人が日常的に実践する「6つの行動」を特定できたのだとか。それからさらに、能力評価と比較を行い、その「6つの行動」が、生産性に顕著な影響を及ぼすと分かったそうです。

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生産性の高い人が行う行動6つ/ジャック・ゼンガー氏

ジャック・ゼンガー氏らが特定した、生産性の高い人が日常的に実践する「6つの行動」は次のとおりです。

1.ストレッチ目標を立てている

ストレッチ目標とは、簡単には達成できない目標のこと。大きな仕事を進めれば、自分のペースをつかみ、集中することができます。

2. 結果を出すため努力している

やることリストに書かれた仕事を、こなしていくことに喜びを見出すと、生産性が上がるのだとか。したがって生産性の高い人は、どんなに困難でも諦めるという選択肢はないそう。

3.一貫性を持っている

常に一貫性を持って言い訳をせず、「終わらせます」と言ったら、必ずそれを遂行します。

4.知識と技術的専門性がある

生産的なプロフェッショナルは、ためらわず他者に支援や指導を求めるそう。なぜならば、知識と専門性がなければ、生産性はたちまち損なわれてしまうから。常に最新の情報を持っていることが、生産性の鍵です。

5.活力と自発性がある

生産的な人は、「活力は使えば使うほど多く生まれる」と考え、エネルギーを節約しようとは考えないそう。そのため、期待値を大きく超えた働きをするのだとか。

6.問題解決能力に長けている

生産的な人は問題解決能力に長けているため、より効率的に仕事をこなすことができるとのこと。また、問題を予測する能力が高く、その克服法を探すことにも喜びを感じるそう。

生産性を高くする6つのヒント/ティモシー・フェリス氏

では次に、作家のティモシー・フェリス氏が提供する、「生産性を高くする6つのヒント」をご紹介します。

1.気分を管理する

ある研究では、医師が患者を診断する際、気分が良いと通常よりも19%早く正確な診断結果を出せると確認したそう。生産性を上げたいなら、仕事だけではなく、自分の「気分」についても考えてみるべきとのこと。

2.仕事始めにメールチェックをしない

メールチェックは他者の目標に最善の時間を与えることであり、積極的に自分の行動を、他者にハイジャックさせているようなものなのだとか。仕事を始めてから1~2時間はメールチェックをせず、自分が決めたことを優先させるべきとのこと。

3.そのタスクを完了すべきか確認する

誰もがあまりにも多くの仕事を抱えているので、タスクを全て終えることができないのは当然なのだとか。生産的になりたいなら効率性を考える前に、 「 これをやる必要はあるか?」と問うべきとのこと。

4.気を逸らすものを排除すれば集中できる

電話や会議、ミーティングなどで仕事を中断させられるため、多くのトップCEOは朝90分間ほど、誰にも邪魔されないよう家で仕事をするそう。つまり、集中力を高めるということは、気を逸らすものを取り除くということです。

5.パーソナルシステムを持っている

生産性を高めるためには、パーソナルシステムを持つことが効果的なのだそう。パーソナルシステムは、「自分の成功に関連するものは何か→その中で生産性を最大限に引き上げる活動は何か?→その第1位を確保し、第2位をできるだけスケジュールから排除する」というステップでつくります。

6.前日に翌日の目標を決めておく

前日の夕食前に、翌日に行う重要な予定を1つ2つ決めておくことが重要とのこと。より具体的に目標を書き留めておくことで、 達成率も高まるそう。

では生産性を高めることとは何か?

ジャック・ゼンガー氏、ティモシー・フェリス氏の「生産性が高い人」についての考察を、どのように受け止められたでしょうか。ジャック・ゼンガー氏は前へ前へといくパワフルな印象で、ティモシー・フェリス氏はムダなものを排除するという印象があり、一見相反するようにも見えますが、明確に共通していることがあります。それは、

・自律性があること
・自分のペースを守ること

もしも生産性を上げなければ、効率よくしなければと気持ちが焦るのであれば、それは他者からの影響にストレスをためている、あるいは他者が気になり、つい比較してしまうからかもしれません。まずは、そこから解放され、自律性を保ち、自分のペースを守って、ときには自分の気分に沿って、仕事をこなしてみてはいかがでしょう。

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自律性があること、自分のペースを守ることを念頭に、両者が与えてくれたヒントを1つずつ試してみるか、自分が実行しやすいものをピックアップしてみてもいいかもしれません。ぜひお試しを。

(参考)
東洋経済オンライン|「日本の生産性」は、どうして低すぎるのか
Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)|生産性の高い人が持つ6つの特徴
Business Insider|6 Subtle Things Highly Productive People Do Every Day
『日本の人事部』|「飛びぬけたリーダー」プログラム開発者、ジャック・ゼンガー博士が語る 「強み」を伸ばすリーダーシップ開発法とは?