アトキンソンの "やる気の方程式" を知っていますか? やる気を引き出す心理学。

勉強や仕事をしなければいけないのに、なかなかやる気が起こらないことはありませんか? いったん始めてしまえばすぐに終わるのに、手をつけるまでに時間がかかり、ようやく終わったのが締め切り直前、ということもあるでしょう。

そこで今回は、行動心理学を応用し、いつでもやる気が出せるようになる方法をご紹介します。やる気の方程式と高め方を理解し、習得すれば、今までダラダラしてしまっていた時間を取り戻すことができますよ。

やる気の強さの方程式

心理学者のアトキンソンによると、やる気の強さは次の方程式によって導くことができます。

やる気の強さ=達成動機の強さ×主観的な成功確率による課題の魅力×成功報酬

つまり、やる気を高めるためには、達成動機、課題の魅力、成功報酬を大きくすればいい、ということになります。では、「達成動機」「課題の魅力」「成功報酬」という3つの要素を高めるためにはどうしたらよいのでしょうか?

達成動機を高める

達成動機とは、行動を駆り立て発動させる働きのことです。簡単にいうと“物事に取り組む理由”ということですね。

達成動機は、成功動機と失敗回避動機という2つの要素に左右されます。成功動機とは成功したいからやりたいと思う気持ち(成功願望)、失敗回避動機とは失敗を恐れてやりたくないと思う気持ち(失敗恐怖)です。

理想に近づくためだと思えば、大変なことでも頑張れますよね。しかし、努力しても理想に近づけないかもしれないと思うと、挑戦することをためらってしまいそうです。

達成動機=成功動機-失敗回避動機

つまり、達成動機を高めるには、成功動機を高めるか失敗回避動機を低くする必要があります。

成功動機を高める方法は、成功をイメージすること。イメージしても成功動機が低いと感じる場合は、目標があまりに高すぎるのかもしれません。成功動機が高まるよう、目標を現実的な範囲で修正しましょう。

失敗回避動機を少なくするには、失敗を恐れないことです。失敗を恐れないためには、失敗を失敗と思わないようにしていくとよいでしょう。成功者が失敗をどう捉えているのか、紹介します。

成功に繋がる過程の一部として失敗があるのだと思います。

(引用元:名言DB|ジャック・マーの名言|成功に繋がる過程の一部として失敗がある

失敗したわけではない。それを誤りだと言ってはいけない。勉強したのだと言いたまえ。

(引用元:癒しツアー 自然・音楽・名言で心も元気!|トーマス・エジソンの名言・格言

私にとって成功は、99%の失敗に支えられた1%だ

(引用元:中央日報|ホンダ創業者「成功は、99%の失敗に支えられた1%だ」(2)

理想的な成功確率

成功率50%の目標を掲げると、人はやる気を出すということがわかっています。

アトキンソンは小学生たちを集めて、輪投げを使った実験を行いました。まず小学生たちに、確実に成功すると思う距離と、確実に失敗すると思う距離を聞いておきます。その後好きな位置から、実際に輪投げを行うように指示しました。すると彼らが一番多く選んだのはちょうど中間。半分の確率で成功すると思われる場所でした。

(引用元:植田理恵(2012), 植木理恵のすぐに使える行動心理学, 宝島社.)

確実に失敗するとわかっている目標だけでなく、確実に成功するとわかっている目標にも取り組みにくいということになります。簡単すぎてもダメ、難しすぎてもダメなのです。適切な難しさを感じる方がやる気が高まるのです。

失敗を恐れて簡単に達成できる目標にしたり、身の丈に合わない目標を掲げたりしてやる気が出なくなっている人は、成功確率50%を目指して目標を修正してみましょう。

やる気の方程式

報酬の設定をしよう

成功報酬とは、成功の魅力のことです。成功の魅力にはいろいろな要素があります。ご褒美や他者からの賞賛、名誉ある地位など、成功動機にプラスアルファがあるとモチベーションが維持しやすくなるのです。

成功すると、どんなによいことがあるかを想像しましょう。あるいは、どんなによいことをご褒美として設けるかを考えてみてください。例えば、この目標を達成したら欲しかった洋服を買おう、○○が終わったらおいしいケーキを食べよう、といったものでも構いません。やる気が下がったときに成功報酬を思い出すことでやる気を取り戻すことができます。

どんなに自分にとってよいことだとわかっていても、無償だとやる気も起こりにくいもの。例えば、健康に悪いからタバコを止めようと思っていても、「健康に悪いから」……という消極的な理由だけではなかなか止められませんよね。そこで、止めることができた時のご褒美を決めてしまうのです。

ご褒美を決めればやる気が出てくるはず。達成動機が低いものもご褒美で乗り切りましょう。

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やる気が出ないなと思ったら、本記事で紹介したアトキンソンの方程式を思い出し、どう改善したらよいか考えてみてください。うまく活用できるようになれば、もうやる気が出ないと悩むこともなくなりますよ。

(参考)
植木理恵 (2012), 『植木理恵のすぐに使える行動心理学』, 宝島社.
行動観察研究所ブログ|第5回 人間のやる気はどのように行動に表れるだろうか-動機づけに関する社会心理学研究の視点から-
Study Hacker|どうすれば成し遂げられる? 達成の可能性を測る科学的な考え方『アトキンソンモデル』
京都大学心理学連合編 (2011), 『心理学概論』, ナカニシヤ出版.

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