「ケアレスミスが劇的に減る」ノート術。小さな凡ミスでのもったいない失敗が本当になくなった!

「ミスらんノート」で勉強してみた01

「毎回気をつけているつもりなのに、小さなミスがなくならない……」
「注意していたはずなのに、試験でまたうっかりミスをしてしまった......」
このように、勉強でのケアレスミスをなかなか克服できずに悩んでいませんか? 試験本番でこれをやってしまうと、命とりになりかねませんよね。

ケアレスミスを絶対に減らしたい人へおすすめなのが、日々の勉強や試験本番で活用できる「ミスらんノート」。付箋を使ってつくるこのノートの効果を、筆者の実践談もふまえてご紹介します。

小さなミスを徹底的に洗い出す「ミスらんノート」

「ミスらんノート」は、東京大学大学院教育学研究科修了、株式会社プラスティー教育研究所代表取締役の清水章弘氏によって提唱されたメソッドです。「自分のミスを書く欄」と「ミスらないためのリスト」を意図して名づけられました。

ミスらんノートでは、ノートの見開き左右のページを使います。まずは左ページについて。問題演習でしてしまった小さなミスを付箋に書き出し、ノートの見開き左側のページ(あるいは表紙の裏ページ)に貼ります

たとえば、英語を勉強している場面について想像してみてください。

  • 「umbrella」のスペルの “m” と “n” を間違えない
  • 和文英訳の問題では、一文の終わりにピリオドを忘れない
  • 動詞「enjoy」のうしろは動名詞で、to不定詞ではない

こうした、自分がついしてしまいがちなもったいないミスを、付箋へ具体的にメモしていきます。清水氏によれば、見直すべき優先度が高いミスは目立つ色の付箋に書いたり、メモした横に☆マークをつけてみたりといった工夫をするとよいとのこと。そしてミスをしないようになればその付箋を剥がし、新たに見つけたミスを書いた付箋へ貼り替えていくのです。

そして、付箋を貼っていない右側のページは、メモとして活用します。たとえば「このミスは問題集の〇〇ページにあったもの」「単語帳をもう一回確認する」といったように、自由に書き込んでいきましょう。

ミスらんノートが完成したら、勉強するたび、ノートを開くたびに付箋を貼ったページをチェックするようにしてください。ここまでが、ミスらんノートの使い方です。

「ミスらんノート」で勉強してみた02

「ミスらんノート」が役に立つ理由

株式会社プラスティー教育研究所の調査によると、勉強でミスらんノートを実践した学生のうち、なんと96.5%がその効果を実感しているそう。では、具体的にどういう効果なのでしょうか。

清水氏は、ノートに書き出して見直すという過程で自分のミスを客観的に把握できるため、試験本番でのケアレスミスを減らせると言います。勉強するたび、ノートを開くたびに、自分がしてしまいがちな小さなミスを毎回半強制的に確認することになるからです。

さらに同氏によると、試験本番の日にミスらんノートを見返すことが、試験前の最終チェックに役立つとのこと。当日試験会場に持って行けば、ケアレスミスだけでなく、「ミスをするかも……」という不安まで減らせると言います。

「ミスらんノート」で勉強してみた03

実際に「ミスらんノート」を使って勉強してみた

次に、実際に筆者が作成したミスらんノートをご紹介します。今回は英語の勉強時に、自分がついしてしまいがちなミスを付箋に書いて表紙の裏に貼っていきました。

「ミスらんノート」で勉強してみた04

具体的な方法としては、英語の長文読解や英作文の演習などを行なったあと、答え合わせをしてミスした箇所を確認し、「このミスはたいしたことがないはずなのに繰り返しすぎているかもしれない」と判断したものを付箋に書いていきました。たとえば、

  • 時制の一致に気をつける
  • 冠詞のミスに気をつける( “a hour” ではなく “an hour” )
  • 「every」がつく単語は三人称単数扱い

といったように、自分がつい忘れがちなミスをどんどん付箋にメモしています。

メモするときの工夫としては、ケアレスミスの重要度を分類するため、大きい付箋ほど重要度が高くなるようにし、特に重要だと感じたものには☆マークをつけました。さらに、ミスの種類ごとに分類もできるよう、「単語レベルのミスは黄色」「文法などのミスはピンク」など色分けもしてみました

そして、勉強するにつれ「このミスはもうしない」と断言できるほど確認できた付箋は取り去って、また新たに気づいたケアレスミスを付箋へ書いて貼っていきました。このように、色とりどりの付箋を使って、自分がやりがちな小さなミスを勉強するたびに振り返れるようにしました。

「ミスらんノート」で体感した効果

実際に「ミスらんノート」を作成してみると、「自分がどのようなケアレスミスをしがちなのか」を勉強しながら常に意識するようになり、そのポイントがよく見つかるようになりました。ある事柄を意識すると、それに関連することが次々と目に入ってくるという「カラーバス効果」が働いたおかげだと思います。ケアレスミスに意識を向けたことで、いままで素通りしていた小さなミスを見逃さないようになりました。

また、あらかじめ「自分がどのようなケアレスミスをしがちなのか」を知っておくことで、試験本番で問題を解いているときに「いつもならここで間違えているな」と認識できるようにもなります。これは、ミスの事前回避に確実につながったと思います。

さらに、問題を解き終わって時間が余ったとき、これまでは見直しを適当にしていましたが、ミスらんノートを作成するようになってからは「またあのミスをしていないよな」と思い返して再度重点的に確認できるようになりました。

また自己採点時には、これまでは「時制の一致を忘れていた」のような小さなミスは、「たいしたことがないミスだから」とスルーしがちでした。ですが、小さなミスこそなくすことが重要だという意識から、ケアレスミスもしっかり復習するようになりました。これも、ミスの数を減らしていくことにつながったと感じています。

以上のことから、ミスらんノートを見返すだけでなく、それを作成するプロセス自体に、ケアレスミスを減らすための意識づくりの効果があると実感しました。今回は英語の勉強においてミスらんノートを作成しましたが、たとえばプログラミングや経営学の勉強など、どんな勉強にも応用できると思います。

筆者が実践から学んだ、ミスらんノート作成の重要なコツとして、特定のミスを個別的に対策するより、それがどんな種類のミスなのかを広く考えてメモすることが挙げられます。たとえば「 “hour” の冠詞は “an” である」とだけメモするのではなく、「発音されない “h” から始まり次に母音が続く単語の前の冠詞は “an” になる」というように、ミスの抽象度を上げてメモするという具合です。こうすれば、ほかの場面でのケアレスミスも防ぐことができるはずですよ。

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小さなミスによるもったいない失敗を避けるには、日頃から同じケアレスミスを繰り返さない工夫をすることが重要です。小さなミスに惑わされず勉強の成果を十分に発揮するために、自分なりのミスらんノートを作成してみてはいかがでしょうか?

(参考)
朝日学生新聞社|ミスをしない人の習慣
YouTube|「ポスト・イット® 製品でまなびに+プラス_ミスらんノート編」
PR TIMES|“学び方改革は家で実践!“をテーマに清水章弘先生の「ポスト・イット® 製品でまなびに +プラス」ブロガーイベント開催
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【ライタープロフィール】
YOTA
大学では法律学を専攻。塾講師として、中学~大学受験の6科目以上の指導経験をもつ。成功者の勉強法、効率的な学び方、モチベーション維持への関心が強い。広い執筆・リサーチ経験で得た豊富な知識を生かし、効率を追求しながら法律家を目指して日々勉強中。

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