「85%の努力」で「確実に成果を出す」3つのコツ。全力を出し続けるより “10分の○○” が大事

バーンアウトしてしまった女性

「仕事で成果を出すには、最大限努力しなければいけない」と思って頑張ってきたけど、疲れ果ててしまった……。
「成果が出ないのは、きっと自分の努力が足りないからだ」と、どうしても自分を責めてしまう……。

このようなことで悩んでいる人は、“最大限の努力” をやめたほうがいいかもしれません。

公認心理師・産業カウンセラーの大美賀直子氏によれば、「使命感が強く、仕事熱心であるほど、『バーンアウト』(燃えつき)しやすくな」るのだそう。(カギカッコ内引用元:All About|「感情労働」でバーンアウトしないための3つのストレス対策法

本記事では、燃え尽きずに仕事の成果を出し続けるために、“控えめな努力” で成果を出していく方法を紹介します。

気づかないうちに頑張りすぎていないか、ぜひチェックしながら読んでみてくださいね。

【ライタープロフィール】
澤田みのり
大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格を取得。現在は国際中医師合格を目指し毎日勉強している。勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

“最大限の努力” は危険

「全力で取り組めば、最高の成果を出せる」と信じて、頑張りすぎていませんか?

『エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする』の著者グレッグ・マキューン氏は、「最大限の努力」について、「高いパフォーマンスにつながらないだけでなく、有害性が燃え尽き症候群を生み、それがさらなる害を生むという負のスパイラルにつながってしまう」と説明します。(カギカッコ内引用元:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|全力で取り組まない「85%ルール」が最高のパフォーマンスを引き出す

たとえば、以下のような場面が考えられます。

  • 仕事に全力を注いで休まず働いた結果、心身ともに疲れ果て仕事に行けなくなる
  • 常に手を抜かず100%以上を目指して走り続けたが、適切な評価を得られず不満がたまり、パフォーマンスが下がる
  • 精一杯頑張ってきた大きな仕事がひと区切りつき、虚無感に襲われて仕事に身が入らない

たとえ全力で取り組んでも、“燃え尽き症候群” という負のスパイラルに陥ってしまえば、最高の成果は出せないのです。

最大限の努力で燃え尽き症候群になってしまった女性

「85%の努力」で成果につなげるコツ3選

燃え尽き症候群になってしまうと、せっかくのそれまでの努力を成果につなげられません。仕事で成果を出したいのなら、努力は “控えめ” くらいがちょうどいいでしょう。

前出のマキューン氏も、「最大限のアウトプットを得るためには、最大限の努力を控える必要がある」と述べ、それを「85%ルール」と呼びます。(カギカッコ内引用元:同上)

この「85%ルール」をもとに、努力を成果につなげるためのコツを3つ紹介していきましょう。

コツ1. 自分にとっての「85%」を定める

まず、自分の最大限の努力がどのような状態か把握できていなければ、どのくらいの努力が85%にあたるのかわからず、「85%ルール」を実行するのも難しいですよね。

そこでマキューン氏は、燃え尽きない範囲で努力できる「絶妙なバランス」を見つけるため、自分自身に以下の2点を問いかけるようすすめています。

  1. 「100%の力で取り組むのは、どのような状態ですか」
  2. 「どうしたら、それを85%のレベルに近づけられますか」

(カギカッコ内引用元:同上)

たとえば、上司に資料作成を頼まれた場合なら、以下のような具合です。

  1. 100%の状態:付随するあらゆるデータを集めて、グラフや表なども完璧な状態で提出する
  2. 85%の状態:どのようなデータを使ってどのようなグラフや表を使うかだけわかるようにし、まずは全体の構成をつくる

100%の力をかけ、すべて完成させた資料を提出しても、もし上司のイメージと違ったら、最初からつくり直さなければいけません。でも、かける力を85%に抑えておき、途中でいったん上司の確認をとれば、資料のイメージを擦り合わせることができます。最終的に、上司により満足してもらえる成果物を提出できるはず。

このように、最初から100%を目指すよりも、85%くらいの努力を積み重ねてブラッシュアップしていくほうが成果も上がっていくでしょう。

決めるべき85%の努力

コツ2. 時間にメリハリをつける

熱心に仕事に取り組むあまり、残業が日常化したり、仕事を家に持ち帰ったりしていませんか? 自分の時間を削ってしまうと、燃え尽き症候群になるリスクが高まります。

心理療法士のイェシャ・メータ氏によれば、「自分の時間がなくなると、常に何かに追われるような感覚にな」り、「疲労感は増し、バーンアウトしてしまう」のだそう。(カギカッコ内引用元:GQ JAPAN|バーンアウトかな?と思ったら。専門家に訊く、燃え尽き症候群との付き合い方

仕事で成果を出し続けるには、燃え尽き症候群は避けたいもの。ですから、仕事とプライベートのメリハリをつけ、心を休めてストレスを抱えにくくすることが大切です。

たとえば、以下のようにしてみてはいかがでしょうか。

  • いつも残業して最大限頑張っているなら……
    ⇒「思いきって定時で上がる日をつくる」「いつもより2時間早く帰る」というように、緊急事態でないかぎり85%の努力に抑える
  • 家でも仕事を最大限頑張っているなら……
    仕事は会社でだけ行なうと決め、家で仕事はしない

前出の公認心理師・産業カウンセラーの大美賀直子氏も、「職業とプライベートとの一線を意識することも大切」と述べています。同氏いわく、プライベートで「自分の時間」をもつことは、成果を出し続けるための「必要経費」。(カギカッコ内引用元:前出の「All About」記事)

とはいえもしかすると、いつも最大限に頑張っている人は、休むことに罪悪感を抱いてしまうかもしれません。ですが、メータ氏は「休みの日にしっかりと休むことは、サボるのとは違う」と言います。(カギカッコ内引用元:前出の「GQ JAPAN」記事)

100%の努力で燃え尽きてしまっては、せっかくの努力が水の泡。少し余力を残した85%くらいの努力で細く長く続けられたほうが、成果を出す機会にも恵まれるはずです。

大美賀氏が言うように、仕事を成功させるための必要経費だと思って、休むときはしっかり休みましょう。

時間にメリハリをつけるよう意識して時計を確認する女性

コツ3. 10分間の休憩をはさむ

「気づいたら、お昼休憩が終わっていた!」というように、ノンストップで仕事を頑張っていませんか? その集中力はすばらしいものですが、あなたは知らないうちにストレスをため込んでしまっているかもしれません。

ストレスは、燃え尽き症候群の原因のひとつ。ぜひストレスをため込まない工夫をしましょう。

マイクロソフトのヒューマン・ファクターズ・ラボの研究によると、「会議の合い間に10分間の休憩を取ると、脳の働きに違いが生じることが明らかになった」そうです。

研究チームは、被験者に脳波計を装着したまま4つのビデオ会議に参加させ、次の場合の脳の働きの違いを調べました。

  • 休憩を挟まずに会議に出席したとき
  • 10分間の休憩を挟んで会議に出席したとき

その結果、休みを挟まずに会議に出席したときは集中力と参加意欲が低下したのに対し、10分間の休憩を挟んだときは、休憩のおかげでストレスレベルが低下したそうです。

(カギカッコ内引用元および参考:前出の「DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー」記事)

10分間の休憩をとるビジネスパーソン

このように、小休憩をはさむことはストレス予防に役立つのです。

知らず知らずのうちにストレスをため込んで、燃え尽き症候群のリスクを高めないように、ぜひ仕事の合間の10分休憩を意識してみてくださいね。

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仕事で成果を出すためには、85%の控えめな努力がちょうどいいということを紹介してきました。

仕事で成果を出し続けるためのヒントとして、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。

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