「自分の仕事が忙しくて余裕がないときに、チームで大きな問題が発生した」
「資格試験と仕事の繁忙期が重なってしまった」
ただでさえ余裕がないのに、追い討ちをかけるように大変なことが重なると、心も体もヘトヘトに疲れてしまいますよね。
そして、同じくらい大変なはずなのに “心に余裕がある人” を目の当たりにすると、自分と比べて落ち込んでしまうことも。
本記事では、“いつも心に余裕がある人” の特徴から、どんなに大変なときも心を疲れさせないための秘訣を学んでいきます。
心の疲れをためずに、毎日を軽やかに過ごすための参考にしてみてくださいね。
【ライタープロフィール】
澤田みのり
大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格を取得。現在は国際中医師合格を目指し毎日勉強している。勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。
ウィメンズヘルス|医師が教える「仕事への上機嫌な取り組み方
ダイヤモンド・オンライン|助けを求める力こそ最高のビジネススキル、1人で抱え込まない技術とは
コスモポリタン|心理学者が解説!「心に余裕がない時」の原因と対処法
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|オフの時間に仕事を上手に忘れる3つの方法
いつも心に余裕がある人の特徴1.「気持ちのリセットが上手」
「忙しくて余裕がないのに急ぎの案件を振られてイライラしてしまう」
「仕事で理不尽な思いをし、怒りが爆発しそう......」
本当は忙しくても気持ちに余裕をもっていたいのに、自分の感情に振り回されてどうにもならない……。そんなとき、同じような状況なのに明るく余裕のある同僚を見ると、ますます気分が下がってしまいませんか?
じつは、心に余裕のある人は “気持ちのリセット” が上手なんです。
自律神経研究の第一人者であり、順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏は、気持ちをリセットする方法として「自律神経を味方につけるやり方」をすすめています。
小林氏によれば、イライラすると「自律神経が乱れ始め」、「鼓動がはやくなり、行動も雑になり、うっかりミスが発生……ということも起こりかねない」のだそう。みなさんのなかにも、仕事中にイライラして気持ちが落ち着かず、普段ならやらないミスをしてしまった……なんて経験がある人もいるでしょう。仕事中のイライラは早めに収めたいものですよね。
そんなときに有効なのが、「『わざとゆっくり』行動」し「自律神経をととのえる」ことなのだそうです。
(カギカッコ内引用元:ウィメンズヘルス|医師が教える「仕事への上機嫌な取り組み方)
筆者が気持ちをリセットしたいと感じるのは、激しい怒りを感じたときや、忙しくてイライラしやすいとき。深呼吸をして気持ちを落ち着かせようとしても、うまくいかないことがあります。
そこで、イライラした場面で実際に “ゆっくりした動き” を取り入れてみることにしました。やってみてよかったと思うものを紹介します。
- ペン習字の練習帳を開いて、数文字だけゆっくり丁寧になぞる
- お気に入りのティーセットでお茶を淹れて、休憩時間をいつもよりも少しだけゆっくり丁寧に過ごす
イライラしていると、どうしても気持ちがはやってしまうもの。ペン習字もティータイムも長い時間行なうわけではありませんが、あえてゆっくりと何かをすると、せかせかしてしまう気持ちの流れを断ち切れるように感じます。イライラした気持ちをリセットするには十分。
ちなみに、出先でゆっくり何かするのが難しい場合、階段の上り下りもおすすめ。
小林氏によれば、「1~2階分のフロアの階段を上り下り」を「ゆっくりとリズミカルに行うと、副交感神経が優位となり、心も落ち着いてくる」のだそう。(カギカッコ内引用元:同上)
いつも乗っているエレベーターを1階分早く降りて、階段を上ってみてもいいですね。
いつも心に余裕がある人の特徴2.「ひとりで抱え込まない」
「今日中に終わらせなければいけないのに、ほかの人のフォローで自分の仕事が進まない」
「自分に余裕がないのに、チームで問題が発生。どうしたらいいかわからない……」
このようなときに、全部自分でなんとかしようとして苦しくなっていませんか? 心に余裕がある人は、決して “ひとりで抱え込まない” のです。
人材育成や組織開発を行なう株式会社NOKIOO取締役の小田木朝子氏は、著書で以下の内容のことを述べているそうです。
チームで仕事をする上で重要なことは、仕事が期限通りに正しく終わることだ。「誰が終わらせるか」ではなく「チームとして終わっているか」、「誰の成果か」ではなく「チームとして成果を最大化できたか」のほうが重要なのだ。
(引用元:ダイヤモンド・オンライン|助けを求める力こそ最高のビジネススキル、1人で抱え込まない技術とは ※小田木氏の著書内容の要約文。太字は編集部が施した)
自分が忙しいからという理由で誰かに頼るのは、勇気がいるもの。「相手に迷惑をかけてしまうのではないか」「自分の能力が劣っていると思われるのではないか」と考えてしまうこともあるでしょう。
ですが、チームとして何が最善かという観点で考えれば、誰かに頼ることは迷惑でもなんでもなく、自分にとってもまわりにとっても大切なことなのです。
先ほどの例で言えば、以下のように考えられるでしょう。
- 今日中に終わらせるべき仕事があるのに、ほかの人のフォローで自分の仕事が進まない……。
⇒ 正直に「余裕がない」と伝えてみよう。そうすれば、代わりに別の人がフォローに入ってくれるはず。 - 自分に余裕がないのに、チームで問題が発生。どうしたらいいかわからない......。
⇒ いま抱えている仕事をメンバーどうしで共有し合おう。そうすれば、役割分担ができ、ひとりにタスクが集中するのを避けられるはず。
仕事はみなでするもの。余裕がないときは素直に自分の現状を伝え、まわりに頼るのも仕事のうちでしょう。
いつも心に余裕がある人の特徴3.「オンオフの切り替えが上手」
「本来は休息がとれるはずのスキマ時間もタスクに追われ、息つく暇もない」
「リモートワークが中心になり、仕事と家事の境界線が曖昧でストレス」
「いつも頭のなかが仕事モードで疲労困憊……」と、お悩みではありませんか?
オンとオフの線引きを明確にし、上手に切り替えができるようになれば、忙しくても心に余裕をもてる人になれますよ。
心理学者のドリス・ガッター氏は、「仕事や日常生活において、上手に “境界線” を引けない人は心に余裕がなくなりがち」と述べています。(カギカッコ内引用元:コスモポリタン|心理学者が解説!「心に余裕がない時」の原因と対処法)
これには筆者も身に覚えがあります。ここ数年、自宅で仕事をする機会が増え、安心できる空間で働ける喜びを感じていた反面、いつも仕事のことが頭から離れず、心に余裕がない状態に陥っていたのです。
筆者の場合、「よりよいサービスを提供したい」という思いから、休日も仕事の対応を積極的に行なっていました。しかし、「好きで始めた仕事なのに、このままでは楽しみながら働けなくなってしまう」と感じ、思いきって休日の仕事をやめました。
いまでは、休日に届く問い合わせメールには「今月の定休日は〇日と〇日。定休日の問い合わせには、休み明けに返信する」という内容を自動で返信できる機能を活用しています。
このようにオン・オフの境界線を引いた結果、気持ちにゆとりが生まれました。アイディアが浮かびやすくなり、より情熱をもって仕事に取り組めるようになったと感じます。
前出のガッター氏も、次のように述べています。
仕事や生活上のあれこれを「ここまでやる」「これ以上は無理」と線引きしないと、やるべきことはどんどん増えていき、最後にはストレスがどうにもならないレベルになってしまう
(引用元:同上 ※太字は編集部が施した)
日々の暮らしは心身の健康があってこそ。どうにもならないストレスに押しつぶされないためには、工夫が必要です。
しかし、大変なときは、休むことに後ろめたさを感じてしまうかもしれません。また、休みたくても休めない状況もあるはずです。
その場合は、たとえば下記のようなルールを設け、少しでも仕事を忘れる時間を確保するようにしてみましょう。
- 休日は午前中の3時間だけ仕事をし、それ以降はいっさい仕事をしないと決める
- 寝る前の30分間はスマートフォンの通知を切って、好きな音楽を聴く
「仕事を忘れる時間を持つことは、仕事の創造性と生産性を上げるうえで有効である」と話すのは、テキサス大学の教授で認知心理学者のアート・マークマン氏。(カギカッコ内引用元:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|オフの時間に仕事を上手に忘れる3つの方法)
前向きに仕事をしたいと思っていても、ついつい頑張りすぎて心が疲れきってしまっては、生産性が下がるどころか働くこと自体困難になりかねません。長く仕事を楽しむためには、仕事から離れてリフレッシュする時間が必要ですね。
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心に疲れをためすぎないように、ぜひあなたも “心に余裕のある人” がしていることを取り入れてみてくださいね。