機嫌が9割? できるリーダーが密かに実践する"自己管理術"の驚きの効果

信頼されるリーダーとそのメンバーのシルエット

リーダーとして成果を出し続けるためには、リーダー自身の自己管理が欠かせません。

とは言え、それはとても大変なことです。なぜならば、リーダーにはチームメンバーの管理や指導、業務の進捗管理、上層部への報告、顧客対応など多重な責任があり、突発的な問題への対応も求められるからです。

また、結果責任を負うため心理的プレッシャーが大きく、多岐にわたる業務を抱えているので、どのタスクを優先すべきか判断するのも難しいでしょう。

これが経営トップとなればなおさらのこと。事業の長期的な成長戦略を描く一方で、日々の運営にも関与しなければならず、会社全体の方向性を決定する役割も担っています。それも、マーケットの動きや法規制の変更、経済情勢など、日々アップデートされるビジネス環境にも、柔軟に対応しながらです。

プライベートと仕事の境界線の曖昧さもあり、経営者としての孤独感もあるでしょう。その状況で、自己管理すべきと言うのは酷かもしれません。

そこで今回は、ある識者の言葉で浮上した機嫌の管理にスポットを当ててみました。それをベースに、日々大変な業務を担うリーダーのみなさまに対し、いますぐ実践できる自己管理術を3つ紹介します。

何よりも大事? リーダーの機嫌の管理

求心力は、信頼、コミュニケーション能力、明確なビジョンの提示力など、多面的な要素が絡み合って生まれるものです。こうした求心力を備えたリーダーのもとでは、結束力の高いチームが形成されるため、持続的な成果につながりやすいと言われています。

そのなかで、元リクルート新規事業開発室マネジャーで、総合情報サイト「All About」を社内起業した経験をもつ石川明氏(大学院大学至善館特任教授、明治大学専門職大学院客員教授)は、チームのマネジメント以前に、自分の機嫌をマネジメントすることが、求心力の発揮には必要だと述べます。*1

その石川氏が、自分の機嫌をマネジメントする際のポイントとして挙げているのは次の3つ。*1

 ・自分を知ること
 ・できるだけ仕事を手放すこと
 ・「トラブルは必然的に起きる」と腹をくくること

今回は、上記3つのポイントに留意しつつ、具体的な自己管理術を紹介していきます。

活き活きとしたリーダーとメンバー

1. 他者からのフィードバックを得る

前出の石川氏が、自分の機嫌をマネジメントするポイントのひとつに「自分を知ること」を挙げたのは、常に自分をモニタリングして、機嫌の良し悪しを意識しておくことで、多少のコントロールが可能となるからです。*1

しかし、忙しく仕事をしながら自分を客観視するのは難しいもの。それならば、他者からのフィードバックを得るようにしてはいかがでしょう。

あなたの身近にいる、信頼できて素直になれる人物に頼み、イライラや冷静さを欠いた状態、機嫌の悪さが見えたとき、そのことを教えてもらうのです。

リチャード・ボヤツィス氏の意図的変化理論では、そのほうが、より自分の状況を正確に把握できるとしています。意図的変化理論は、個人が望ましい変化を達成・維持するために役立つ5段階モデルですが、そのなかには自分の現状を把握するステップ「Stage 2 – Current reality」があります。

2006年にボヤツィス氏が発表した研究をもとに、その5段階モデルを説明している記事では、該当ステップにおいて、自分を正確に把握するのは難しいので、外部からのフィードバックを得る必要があるとしています。*2

自分の職場にそうしたフィードバックを頼める人がいなければ、生成AIに聞いてみるのもいいでしょう。

いまの感覚や身体的な状況、感じていることなどを伝え、「私は今どんな状況か?」「機嫌の観点ではどうか?」などと尋ねてみると、客観的な意見をくれるはずです。

生成AIによるフィードバック

画像は編集部が生成AIに質問して得た回答

2. 決断疲れの管理

仕事を抱えすぎている状況で、機嫌のよさを維持するのは難しいことです。だからそこそ、前出の石川氏は「仕事を手放す」よう伝えています。*1

しかし、ただでさえリーダーには決定事項が多いので、どれを手放し、どれを行なうか考えるのも面倒でしょう。そうしたことをふまえ、決断疲れの管理をおすすめします。

決断疲れとは、決断を繰り返した人の脳が疲弊し、決断の質が低下してしまう状態のこと。それなら決断疲れを回避するべく、重要ではない決断作業をごっそり減らしてみてはいかがでしょう。それはきっと、面倒な仕事を手放すことにもつながるはずです。

たとえば、洋服のスタイルを決めておくのもひとつの手です。Apple 創業者のスティーブ・ジョブズ氏が、決断エネルギーを節約するために同じ服を着ていたのは有名な話。*3

食事のメニューを事前に決めておくことも効果的です。たとえば月曜日は和食、火曜日は中華など、曜日ごとの食事カテゴリーをあらかじめ決めておくのです。あるいは、深く考えずに、料理本の1ページ目から順番につくっていくのもいいでしょう。

仕事に関しては、タスク管理アプリを活用して、日々のスケジュールを自動化することも有効です。Todoist や Microsoft To Do、Trello など、いろいろあるので丁度いいものを探してみてください。

こうした試みで、リーダーは重要な決断にエネルギーを集中させることができるはず。決断疲れのストレスも軽減され、機嫌のよさにも好影響が及ぶはずです。

タスク管理アプリを利用しているビジネスパーソン

3. エネルギーの管理

石川氏は自分の機嫌をマネジメントするポイントとして、3つめに「トラブルは必然的に起きる」として、腹をくくることを挙げました。メンバーの失敗でトラブルが生じたとき、リーダーの不機嫌さはメンバーに恐怖心を与え、トラブルの報告を躊躇することや、挑戦を避けることにもつながるからです。*1

誰でもトラブルがあれば、多少はネガティブな感情を生じさせるもの。それでも心に余裕があれば、対応も変わってくるでしょう。だからこそストレスの発散・軽減を心がけ、同時にエネルギーの管理を行なうことが大切です。

たとえば、午前中に頭が冴えるなら、すかさず重要なタスクに取り組み、午後にエネルギーが低下するなら、適度な休憩や運動を取り入れつつ、簡単な整理や作業を行なうようにするのです。そうすればエネルギーが極度に低下する状況を避けられるはず。

一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会 代表理事、株式会社YeeY 代表取締役、アステリア株式会社 初代CWOの島田由香氏も、

「タイムマネジメントじゃなくてエネルギーマネジメントだ」と常々言っています。スポーツ選手と同じで、トレーニングと休息のタイミングやバランスがきちんとコントロールされているから、最高のパフォーマンスが出せるのです。

と明言しています。*4

自分のエネルギーレベルに合わせて活動を調整すれば、エネルギーを効率よく使うことができ、リーダーとしてのパフォーマンスを最大限に引き出すことができるでしょう。

また、そうしてエネルギーのバランスをうまくとっていれば、トラブルが生じた際にもエネルギー不足で不機嫌になることは少なくなるはず。どんなトラブルでも冷静に受け止め、的確な指示を出すことで、リーダーに不可欠な求心力にもつながるはずです。

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以上、常に忙しいリーダーも取り入れやすい自己管理術を3つ紹しました。ぜひ一度お試しください。

【ライタープロフィール】
Shinya

大学では経済学を専攻。集中力があり、長時間、長期間にわたって勉強し続けることが得意。現在は、資格試験に向けて効率的な勉強法の情報を収集中。心理学にも関心があり、コミュニケーション力の向上を目指してさまざまなメソッドを学び、実践している。

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