「交流会には行ってみたものの、その後の関係が続かない...」
「SNSでつながりはじめたけど、どう発展させていいのかわからない」
「自分から話しかけるのが苦手で、人脈づくりに踏み出せない」
こんな悩みを抱えているビジネスパーソンは少なくないはずです。
じつは、年収1000万円プレイヤーと平均年収層では、人脈構築への取り組み方に明確な差があることが分かっています。ある調査によると、社内で積極的に人脈を築いている1000万円プレイヤーの割合は平均年収層の約2倍。さらに社外での人脈構築においては、その差が2.5倍に達すると報告されています。*1
この差は偶然ではありません。高収入層は、明確な戦略とテクニックをもって人脈構築に取り組んでいるのです。今回は、そんな彼らの実践的な手法を、科学的な知見も交えながら紹介していきます。
- 1. ハイブリッド戦略で2倍の出会いを創出!デジタル×リアルの最強人脈術
- 2. 初対面を信頼関係に変える!1000万円プレイヤーの名刺後フォロー術
- 3. 【元公安捜査官の心理テク】口下手でも成功する!科学的人脈構築メソッド
- 4. 信頼される社内人脈の作り方 〜3つの基本行動〜
1. ハイブリッド戦略で2倍の出会いを創出!デジタル×リアルの最強人脈術
人と人がビジネスでつながる場は、オンラインとオフライン双方にあります。
たとえばオンラインだと、ビジネスに特化した WEB セミナーやオンライン勉強会など。最近では、Zoom や Teams を使った異業種オンラインイベントも盛んです。全国のビジネスパーソンと、手軽に接点をもつことができるのではないでしょうか。
筆者自身も、オンラインで開催された副業に関するセミナーに参加し、そのあとグループチャットに招待された経験があります。そこで、まったく異なる分野の人々と意見交換を行なった結果、次の仕事にもつながりました。
一方、オフラインではリアルに人と出会える交流会やセミナー、各種業界の定例会などがあります。普段なら出会えないような人々と直接会い、その空気を感じることで、異なる視点を得やすくなるのではないでしょうか。
また、リアルに会うほうが相手との会話が記憶に残りやすく、相手にも自分の印象を残しやすくなるはずです。
アイエックス株式会社が運営するDoomo(異業種交流会・テーマ型ビジネス交流会を展開するウェブサイト)を見てみると、「SES交流会」「不動産交流会」「女性限定ビジネス交流会」「経営者交流会」など、さまざまなビジネス交流会が数多く開催されています。*2
手軽なオンラインをうまく利用しながら、リアルな場も大切にすることで、高収入を実現する人脈がつくりやすくなるでしょう。
2. 初対面を信頼関係に変える!1000万円プレイヤーの名刺後フォロー術
人脈構築は、名刺交換で終わりではありません。年収1000万円プレイヤーたちは、初対面の機会を確実な信頼関係へと発展させています。彼らの行動パターンを分析すると、初対面から関係性を深めるまでに4つのステップがあることが分かりました。
【Step1:Purpose(目的明確化)】
名刺交換の段階から、次のステップを意識することが重要です。「とりあえず名刺交換」では、その後の展開は生まれません。
- この出会いでどんな価値交換を目指すのか
- どのような頻度でコミュニケーションを取りたいか
- 半年後にどんな関係性を築きたいのか
たとえば「IT業界の最新トレンドをキャッチアップするため、四半期に一度は情報交換の機会を作る」といった具合です。
【Step2:Research(相手理解)】
名刺交換後、すぐに次のアクションを起こします。SNSやニュースを活用し、相手についての理解を深めましょう。
- SNSでのプロフィール・投稿内容の確認
- 所属企業や業界の最新ニュースのチェック
- 次回の会話で触れられそうな共通の話題探し
「先日お話しした○○に関連するニュースを見つけました」など、具体的な話題を準備することで、フォローアップがスムーズになります。
【Step3:Engage(初期接点の強化)】
名刺交換から1週間以内の最初のフォローアップが重要です。以下のポイントを意識しましょう。
- 前回の会話の核心に触れた情報提供
- 次回の具体的な提案
- メールやSNSなど、相手に適した連絡手段の選択
【Step4:Progress(関係性の発展)】
単発の連絡で終わらせず、継続的な関係性へと発展させることが核心です。
- 定期的な情報共有:
相手の興味・関心に関連する記事や情報を共有する - 具体的な提案:
「今度の勉強会、ご一緒させていただけませんか」など、次の接点を提案する - 価値の提供:
「この件について、○○さんをご紹介できます」といった具合に、相手にとって有益な提案を行う
プルデンシャル生命保険のライフプランナー時代に圧倒的な業績を残したAthReebo株式会社代表取締役の金沢景敏氏は「信頼という資産を積み上げていく」ことの重要性を説いています。*3
目先の成果を追うのではなく、このような戦略的な4ステップを意識してフォローアップを行うことで、単なる名刺交換を価値ある人脈へと発展させることができるでしょう。
3. 【元公安捜査官の心理テク】口下手でも成功する!科学的人脈構築メソッド
口下手な人が人脈づくりを成功させるコツは、事前リサーチの徹底です。
ビジネスでつながりたい相手が SNS を利用していれば、それを使って相手のリサーチを行ない、事前に適切な質問を準備しておくのです。そうしておけば、会話のきっかけをつくりやすくなるはず。
また、相手の SNS 利用がビジネス寄りかつオープンなものであれば、「〇〇のセミナーに参加されていたんですね。どうでしたか?」などと話題を振ると、自然に会話をスタートできるのではないでしょうか。
あらゆるニュースに目を通し、相手が属する業界のニュースから話題を膨らませることも効果的です。たとえば「最近、〇〇について大きなニュースがありましたよね。やはり、〇〇業界にも影響が大きいのでしょうか?」といった具合です。
こうしたリサーチを通じて、相手に的確な話題を提供できれば、口数が少なくても会話の流れをコントロールしやすくなるはずです。
加えて、話術を必要としない心理学的なアプローチも大いに役立つでしょう。たとえばアメリカの心理学者スティンザー氏が提唱した「スティンザー効果」を考慮し、相手の真正面には座らないようにするのです。
これは、座る位置によって相手の緊張感を和らげ、「友好的な関係を演出」するための方法です。スティンザー氏は「対面に座る人物はあなたに敵対的であり、斜め前に座る人物は友好的である」としています。
【スティンザー効果:座席位置による心理的影響】
※心理学者スティンザー氏の研究によると、対面での着席は緊張関係に、
斜め向かいでの着席は友好関係につながりやすいとされています。
ちなみに元公安部捜査官で日本カウンターインテリジェンス協会代表理事の稲村悠氏は、雑談の場や会食時に「その場の空間を操作する」ための方法として、この効果を紹介しています。*4
「口下手だから積極的な人脈づくりなんて無理」などと思い込まず、自分に合う方法を取り入れ、実践してみてください。
4. 信頼される社内人脈の作り方 〜3つの基本行動〜
働きやすい環境に身を置くことは、仕事をするうえでとても大切です。これまで社外での人脈づくりを中心に述べてきましたが、最後に社内での人脈づくりについてお伝えします。結論から言うと、社内での人脈づくりは、自ら無欲で公平でオープンな人になることが得策です。
株式会社キャリエーラ代表取締役で、キャリアアドバイザーの藤井佐和子氏による説明を参考にすると、社内での人脈づくりのポイントは以下の3つ。*5
- 社内イベントに積極的に参加して自己開示を心がける
- 職場で困っている人がいたら積極的に助け、それでいて見返りを求めない
- 仕事の人間関係を好き嫌いで判断しないようにする
このような好人物になるのは、誰にとっても簡単ではありませんが、少しでもそうなろうと心がけるのと、まったく心がけないのとでは、大きく違ってくるはずです。些細なことからでも、始めてみてはいかがでしょう。
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人脈構築術はビジネスパーソンの強力な武器です。 ぜひ、実践を重ねて次のステージへの扉を開き続けてください。
明日から始める!3つのアクションプラン
ここまでご紹介した内容を、すぐに実践に移していきましょう。まずは以下の3つから始めることをおすすめします。
▼ 今すぐできる3つのアクション
✓ アクション1:デジタルの準備を整える
LinkedInのプロフィールを更新し、興味のある業界の人を3名フォローする
✓ アクション2:リアルの機会を作る
興味のある分野のセミナーや交流会を1つ選んで参加申し込みをする
✓ アクション3:既存の接点を活かす
過去1年以内に交換した名刺から、フォローすべき3名をリストアップする
これら3つのアクションは、それぞれ15分程度で完了できます。記事を読み終えた今の 勢いを活かして、まずはどれか1つから始めてみましょう。
*1: ITmedia ビジネスオンライン|年収1000万円プレイヤーは「社外の人脈づくり」に積極的? 仕事につなげる工夫も
*2: Doomo|異業種交流会・テーマ型ビジネス交流会の日程一覧
*3: ダイヤモンド・オンライン|プルデンシャル生命で“前人未到”の業績を上げた「伝説の営業マン」が考えていたたった一つのこと
*4: ダイヤモンド・オンライン|元公安捜査官が教える「人脈構築術」、諜報心理を使った“5ステップ”とは
*5: 日本経済新聞|社内の人脈づくり 秘訣は上手な自己開示
Shinya
大学では経済学を専攻。集中力があり、長時間、長期間にわたって勉強し続けることが得意。現在は、資格試験に向けて効率的な勉強法の情報を収集中。心理学にも関心があり、コミュニケーション力の向上を目指してさまざまなメソッドを学び、実践している。