「やりたくないこと」を言語化しまくるメリット。“嫌なこと” を特定すれば望む方向に進める!

やりたくないこと・できないことを言語化したもの

ドミニカン大学カリフォルニア校の心理学教授、ゲイル・マシューズ氏が行なった実験によると、目標は頭のなかだけで考えているより、書き出したほうが達成率を高めるそうです。しかし、書き出したものが自分の気持ちを無視した目標だと、あまりいい結果は望めません。

自分が本当に望む将来にしたいなら、まずは「やりたくないこと・できないこと」を言語化してみるのがおすすめです。その理由と、筆者が実際にやってみて感じたことを紹介しましょう。

自分に合わない道を選んでしまうナゾ

マーケティング戦略のコンサルタント、ドリー・クラーク氏によると、私たちは将来の方向性を決めるにあたり、十分な検討を許さないほど自分自身にプレッシャーをかけてしまうそうです。そのせいで、自分に合わない道を選んでしまう可能性があるのだとか。

そうした背景には、次に説明する「不確実性を強く嫌う人間の性質」と、「自分の立場を失ってしまう恐れ」があるそうです。

不確実性を強く嫌う人間の性質

2016年3月29日に公開された、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究によると、人間は「50%の確率で電気ショックを与えられる」と告げられたときより、「必ず電気ショックを与えられる」と告げられたときのほうが、冷静沈着に振る舞えるそうです。

つまり、危険なのか・危険じゃないのかハッキリしない状況より、たとえ「絶対に痛くなる」とわかっていても、明白なほうを好むということ。代償を払ってでも、不確実性を減らそうとするわけです。

自分の将来がハッキリしていない状況を嫌い、よく考えずに大きな目標を掲げてはいませんか? 不確実性を嫌う性質が影響しているかもしれません。

自分の立場を失ってしまう恐れ

カリフォルニア大学バークレー校 ハース・スクール・オブ・ビジネス教授のキャメロン・アンダーソン氏らは、何百もの研究の広範なレビューを行ない、意識しているかどうかにかかわらず、誰もがステータスを気にしていると発見したそうです。

また、私たちが想像する以上に、「地位の欠如」と「他人から評価されない状況」は、人の心を傷つけてしまうのだとか。

だから、特にそうしたいわけではないのに、周囲が納得し、尊敬してくれるような目標を選んでしまうのですね。

自分が望む方向へと進むには

クラーク氏はそうした人間の性質をふまえ、自身のクライアントには逆のアプローチをとること、つまり、自分が嫌なことを特定するようすすめるのだとか。

「自分がやりたくないこと」がハッキリすれば、それを避けるようなステップをとることで、自分が望む方向へと進めるからです。「自分」ー「自分がやりたくないこと」=「自分が望む方向」というわけです。

自分ができることは特定しにくい

株式会社経営共創基盤(IGPI)共同経営者の菱田哲也氏も、自分の個性を正確に認識したいなら、まずは自分ができないこと・嫌なこと・やりたくないことを、言語化したほうがいいと提案しています(牧野宗永氏との共著『働く人のためのマインドフルネス』より)。

菱田氏によると、大半の人は日々の仕事や生活のため、さほど突出していない、さまざまな自分のなかにある能力を使い分けているそうです。つまり、一応やればできることはたくさんあるので、「自分ができること」を絞り込むのは意外と大変なのだとか。

また、私たちは肯定するときより、否定するときのほうが、細かく注意深い語彙を用いる傾向があるといいます。それならやはり、「自分がやりたいこと・できること」を絞り込む前に、「自分ができないこと・嫌なこと・やりたくないこと」の言語化から始めるほうがスムーズですね。

「自分ができないこと・嫌なこと・やりたくないこと」の言語化から始めてみたビジネスパーソン

自分の望みを聞かないと大きなストレスに

それに、自分の気持ちを無視し続けていると、体調不良を引き起こしてしまうかもしれません。RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック副院長で、林香寺の住職でもある川野泰周氏は、ストレスについてこう述べています(2019年7月5日の「PRESIDENT Online」記事より)。

  • ストレスとは、理性と感情がぶつかって、心に負荷がかかったときに生まれる精神的・心理的軋轢(不和)のこと。
  • たとえば「自分は望んでいないけれど、周囲が期待するから頑張らなきゃ」といった具合に、理性と感情が一致しないと葛藤が生まれる。
  • 葛藤が続くと、体調不良につながる。

こうした流れを防ぐためにも、「やりたくないこと・できないこと」を言語化して、自分が本当に望む道を歩む準備をしましょう。

「やりたくないこと・できないこと」を言語化しているビジネスパーソン

「やりたくないこと・できないこと」を書いてみた

これまでの内容を参考に、筆者も「自分ができないこと・嫌なこと・やりたくないこと」を書いてみました。この手法は、自分の望みを明らかにするための逆アプローチなので、独自に「その逆はなんだ?」という問いかけスペースもつくっています。

あれこれ思考してバイアスがかからないよう、いずれもポンポンと直感で書くように心がけました。同じ理由から、問いかけにパッと答えられないものはパスしています。

やりたくないこと・できないことを言語化したもの

直感で書くことに徹したせいか、上記の作業にかかったのは10分か15分。まったく負担になりませんでした。しかも想像以上に楽しくて、気持ちがスッキリします。

「やりたくないこと・できないこと」を言語化したもののアップ1

言葉は抽象的ですが、頭のなかではイメージがたくさん浮かんできましたよ。これらすべての言葉は、過去のさまざまな経験の記憶を呼び起こすトリガーといったところです。

「やりたくないこと・できないこと」を言語化したもののアップ2

そして今回、自分ができないこと・嫌なこと・やりたくないことを書いてみて、「文字や絵などの表現者として、科学的な発展に関わりたい」といった目標のディテールが浮かんできました。

もともと営業トークやプレゼンテーション、指導が苦手なので、文字や絵などで表現し伝えること、プレイヤーとしてクライアントに貢献することが得意(好き)なのは知っていましたが、その先の展開には迷いがあったのです。

しかし、この実践で、自由な発想ができないこと、既成概念を飛び越えられないこと、ユーモアや、科学的なおもしろさがないことを、自分は嫌うのだとハッキリ認識できました。だから自分は、膨大かつ多様な科学的根拠に、自分の想像力を加味して仮説を立てるのが好きだとわかったのです。

たとえそれが現存する職業ではなくとも、方向性がわからないより、ずっと力強く歩んで行けそうです。

これからさらにもっと、具体的に落とし込んでみようと思います!

***
自分が望む将来にしたいなら、まずは「やりたくないこと・できないこと」を言語化するといいワケと、実践報告をいたしました。よろしければ参考にしてみてくださいね。

(参考)
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|新たな情報を得て不確実性がますます高まったら、どう対処すべきか 3つのタイプのどれに当てはまるかを見極めよう
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|キャリアの長期目標を定めて、達成するために何をすべきか 最終目的地に向けて前進する4つの戦略
Dominican University of California|The Impact of Commitment, Accountability, and Written Goals on Goal Achievement(PDF)
STUDY HACKER|【科学が証明】行動力が自然と右肩上がりになる3つの方法。やっぱり “書く” のが最強だった
Nature Communications|Computations of uncertainty mediate acute stress responses in humans
PRESIDENT Online|やりたくない事をやり続けると病気になる ストレスとは理性と感情のぶつかり
菱田哲也著,牧野宗永著(2017),『働く人のためのマインドフルネス』, PHPビジネス.
ScienceDaily|We all want high social status

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
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