「全然勉強していない社会人」に訪れる “3つのデメリット”。このままじゃ本当にヤバい!

勉強していない社会人が失っていること01

社会人になってから勉強する機会が減った、もしくはほとんどなくなったという人は多いのではないでしょうか。「仕事に必要な知識は勤務中に身につけられるから、わざわざプライベートな時間に勉強する必要はない」と考える方もいるかもしれません。

しかし、長期的に見ると、学びは人生にも仕事にも大きな価値を与えるものです。反対に、勉強をしない人は損をしているとも言えるでしょう。

今回は、勉強をしない社会人が失っているものを3つご紹介します。「最近めっきり勉強していないな……」という心当たりのある人は、ぜひ確認してみてくださいね。

1. 勉強し続けないと「いまの仕事をやめたくてもやめられない」人になる

「いまの仕事が大好きで一生続けたい」と思っている人はどれくらいいるでしょう。もしそう思っていたとしても、急変化する世の中で、ずっと同じ仕事を続けていくのが厳しくなる可能性もあります。

労働者派遣事業を行なう株式会社VSNが全国のビジネスパーソン(20~50代)を対象に実施した調査によると、全体の44%キャリアチェンジしたいと考えているそう。理由としては「給与を上げたいから」「ライフワークバランスがとりづらい職種だから」「ITテクノロジーの進化によって現在の職種に不安を感じているから」などが上位に入っています。

社会人になってからも勉強を続けている人は、キャリアチェンジの幅を広くもてるでしょう。反対に、学びを怠っている人は、自ら選択肢を狭めていることになります。いまの仕事に不満があったり、何かしらの不安を感じたりしたときに、「ほかにできることがないから」という理由でキャリアチェンジを諦めてしまうのはもったいないですよね。

新しい分野や自分が興味のあることを学び続けることで、今後の人生の可能性を広げ、キャリアを豊かにする糧を築いていきましょう。

勉強していない社会人が失っていること02

2. 勉強していない社会人は「頭がよくなる機会」を逃している

スウェーデン人内科医のターケル・クリングバーグ氏は、自身の著書『オーバーフローする脳 ワーキングメモリの限界への挑戦』のなかで、神経活動によってワーキングメモリーが発達すると述べています。

ワーキングメモリーとは短期記憶能力のこと。これが高い人は、集中力や自己コントロール能力が高く、仕事や勉強にコツコツ取り組むことができ、記憶力も高い傾向にあります。まさに「頭のよさ」をつかさどる能力と言えるでしょう。

クリングバーグ氏によると、何かのスキルを上達させるために没頭することで、脳の発達が促されるそう。たとえば、ギターの音色を聴いたときに活性化される脳の部分は、ギターを演奏できる人のほうが演奏できない人よりもより活性化されます。音楽に限らず、プログラミングを学ぶなど新しいスキルを身につけることによっても、これまでより神経活動が活発になり、ワーキングメモリーが向上するのだとか。

さらに近年の研究では、新しいことを学ぶと脳の血流がよくなり、脳細胞が成長することもわかっています。コーネル大学の神経科学者であるネイサン・スプレング博士によると、被験者に新しいことを勉強してもらい、その間fMRI(脳機能を計測する機械)で脳の動きを確認したところ、通常よりも血流が増していたそう。脳への血流が多くなると脳細胞が活性化するのだとか。

何歳になっても勉強を続けることで、私たちは以前の自分よりも賢くなれるのです。

勉強していない社会人が失っていること03

3. 新しいことを学ばない人は「人脈を広げる機会」を逃している

勉強をすることには、知識やスキルが増すだけでなく、人脈が広がるというメリットがあります。スクールに通う、講演会に参加する、オンラインのコミュニティに参加するなどして新しいことを学ぶことは、新しい人たちとの出会いにもつながるでしょう。

ブリガムヤング大学の研究によると、社会性が高く仲間が多い人のほうが、そうでない人に比べて長生きするということがわかっているそう。驚くことに、食生活や運動習慣よりも社会的なつながりのほうが、その人の寿命を測る指標として注目すべきなのだとか。

新しい学びに取り組むことで、仕事の人脈が増え、プライベートの交友関係が広がり、健康状態までよくなる可能性があるのです。勤務時間外の勉強は無駄だという考えをもっている場合は、考え直したほうがよさそうですね。

勉強していない社会人が失っていること04

社会人はいつ勉強すればいいのか?

「勉強したいのは山々だけど、忙しくて時間がとれない」と悩む人も多いでしょう。勉強時間をつくる方法としては、1日のスケジュールに組み込んでしまうことがおすすめです。

多忙なビジネスパーソンは、仕事を終えて帰宅し、ご飯を食べてお風呂に入ったらもう寝る時間になっているかもしれません。しかし、本当にそこに勉強時間を入れる余地はないのでしょうか。

『限られた時間で最大の成果をあげる 図解 最強の勉強法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年)などの著書がある眼科医・猪俣武範氏によると、勉強時間を捻出するための基本は先に勉強時間を確保することなのだとか。

「時間が余ったら勉強しよう」と考えていると、いつまでも始められません。たとえば「夕食後の20分は必ず勉強する」「早めに出勤して職場近くのカフェで8:00から8:45まで勉強する」など、1日のスケジュールに勉強を組み込んでください。短い時間でも積み重ねることで、スキルや知識を習得していきましょう。

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学校を卒業したとき、「やっとこれからは勉強しなくてもいいんだ」とほっとした人は少なくないでしょう。しかし、仕事を充実させ、生活を豊かにしていくためには生涯学習を続けることが重要です。好きなことや興味のあることであれば、たとえ多忙なスケジュールのなかでも、意欲をもって取り組んでいけるのではないでしょうか。

(参考)
リサーチ・リサーチ|キャリアチェンジに関する意識調査(20~50代ビジネスパーソン対象)
Mentalist DaiGo Official Blog|努力や練習が報われない理由と【唯一の科学的に正しい努力の方法】
ターケル・クリングバーグ(2011),『オーバーフローする脳 ワーキングメモリの限界への挑戦』, 新曜社.
Science News for Students|Learning rewires the brain
SmartCompany|Five reasons why you should keep studying, even as a successful business owner
British Council|Why learning as an adult can increase life satisfaction
Plos Medicine|Social Relationships and Mortality Risk: A Meta-analytic Review
STUDY HACKER|社会人は「1日48分」を “◯◯” の勉強にあてよ。超多忙でも時間を確保する工夫とは

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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