自己アピールが苦手でも大丈夫! 誰でもできる自己ブランディングのコツ

キャリアアップしている人のイメージ画像

「キャリアアップには、自己ブランディングが重要と聞いたことがあるけれど、どうしたらいいのだろう?」

このような疑問をおもちの読者の方もいらっしゃるかもしれません。

昇進・転職どちらを目指すにしても、自己ブランディングは必須といえます。確実にキャリアアップにつなげるには、自己ブランディングの本質を再確認し、自分に合うアピール方法を選ぶことが大切。

本記事では、自己ブランディングをするための方法を、基本に立ち返ってご紹介します。

自己ブランディングとは?

ビジネスパーソンなら、一度は「自己ブランディング(セルフブランデング)」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。自己ブランディングとは、ビジネスにおける自分の価値——つまり自分にできることを、スキルや経験を根拠にして周りにアピールすることを指します。

自分の価値を伝えることで、アピールしたい相手に選んでもらうという点は、まさにマーケティング活動といえるでしょう。とはいえ、「自分をアピールするのが苦手……」という方も多いのではないでしょうか。

背伸びして「あれもこれもできます!」とアピールしなくてはいけない気がして、難しく感じられますよね。しかし、本来の自己ブランディングは、盛るのではなく、削ぎ落すことが本質なのです。

株式会社人材研究所・代表取締役社長の曽和利光氏は、自己ブランディングを以下のように定義しています。

セルフブランディングとは本来、自分が持っている特徴を際立たせるために、それ以外の余計な部分をそぎ落としていくことを指します。(*1)

たしかに、ありとあらゆる機能を搭載した商品より、ひとつの機能に特化した商品のほうが目に留まりやすく、結果として求めている消費者に届きやすいもの。

自己ブランディングも同じで、余分な部分をそぎ落とし、自分がもっている特徴をより伝わりやすくすることが大切なのです。

たとえば「どんな顧客にも対応できる不動産営業」よりも、「ファミリー層の顧客への対応力に定評がある不動産営業」としたほうが、自分の価値が伝わりやすいのです。

パソコンで作業する人

自己ブランディングをキャリアアップに役立てる方法

キャリアアップのため、昇進や転職を考えている方も多いと思います。そんなときこそ、ぜひ自己ブランディングを有効活用してみましょう。目指したいキャリアにつながるようにブランディングを工夫することで、理想のキャリアアップが可能になりますよ。

キャリアアップを目的とした自己ブランディングをするには、なにを意識したらいいのでしょうか?

キャリアコンサルタントの粟野友樹氏によると、「実現したい働き方、挑戦したい業務内容に向けて、一貫性のある軸・方向性を持って、それをどう周囲に伝えていくかを考える」ことがポイントなのだそう。(*2)

目的をはっきりさせ、そこにつながる発信をすることが大切なのですね。このことから、キャリアアップのための自己ブランディングでは目的——つまり、「自分が誰にアピールしたいのか」を明確にすることから始めましょう。

社内でキャリアアップにつなげるのと、転職活動をするのとでは、自己ブランディングの方法が異なります。

社内で昇進を狙うなら、いまの会社の上司にアピールする必要があります。転職するなら、希望する企業の採用担当者にアピールすることになるでしょう。

自分のキャリアを振り返りながら、「いまの会社で頑張れば、昇進の可能性はあるか」「転職すれば、本当にいま以上に理想的な働き方ができるようになるか」を熟考し、方向性を決めましょう。

自分ひとりで考えることも大切ですが、この段階で転職エージェントに登録し、客観的に自分のキャリアやスキルを評価してもらうと、現在地がつかみやすくなります。たとえばエンジニアであれば、スキルチェックができるサービスを利用するのもいいかもしれません。

「誰にアピールするか」が定まったら、自己分析を行ない、自分のアピールポイントを探しましょう。粟野氏は、「自分のキャリアを棚卸しして、強み弱みを整理」しながら、具体的に「なりたい姿を想定する」という流れを提案しています。(*2)

キャリアの棚卸しとは、これまでの経験を振り返り、成果やスキルを洗い出すことを指します。具体的には、自分が関わってきた業務と、具体的な成果や身につけたスキル、心がけていたことなどを紙に書き出して整理しましょう。こうすることで、自分がアピールできるポイントがわかりやすくなります。

たとえば、エンジニアとして転職したい場合。

これまで自分が携わった案件を振り返りながら、どんなシステム・サービスを開発したのかや、自分が担当した工程、身につけたスキルを紙に書き出してみましょう。もし個人的に勉強したことや、評価されたことがあるなら、それも書き出します。

書き出した内容から、いまの自分の強みが見えてきます。「この強みを活かして、自分はこれからどんな仕事・働き方をしたいのか?」を考えてみましょう。これがなりたい姿を考えることにあたります。

いまの業務内容は気に入っていて、労働条件だけを変えたい場合は、「会社を変えて、同じ業務をすること」がなりたい姿になります。棚卸しで見つけた「できること」を、よりよい条件で評価してくれる企業を探し、そこへアピールすればいいことがわかります。

もし、やりたい仕事に必要なスキルをもっていないのであれば、いまの仕事でそのスキルを身につけられる案件に関われるように交渉したり、自分で勉強してスキルを習得したりできますね。

面接を受けている女性

相手のニーズに合うかたちでできることを伝える

ここまでできたら、アピールしたい相手に、自分の強み・なりたい姿を伝えていきましょう。自己ブランディングを周りに伝える手段といえば、SNSやブログ、YouTubeなどを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

たしかにそれらを有効活用して自己ブランディングに活かしている人がいるのも事実。しかし、SNSをつかうことは手段であり、自己ブランディングにおける発信の本質ではありません。

重要なのは、相手のニーズに合うかたちで、自分にできることを伝えるということ。たとえば、社内での昇進を目指す場合は、上司・会社に評価してもらえればいいので、社内での適切なアピールが自分にできることを伝えることにあたります。

株式会社morich代表取締役で転職エージェントの森本千賀子氏は、株式会社リクルートに勤めていたころ、「自社の『評価軸』を把握」し、それに基づく行動をとることで、自己ブランディングに成功しています。また「『表彰』や『MVP(最優秀選手)への選出』といった指標を把握するのも」大切なのだそう。(*3)

このように、会社の評価軸に沿って、自分ができることをアピールし続けることで、確実に評価を得ることができるのです。

上司と話をする男性

転職する場合も同様。応募したい会社の評価軸に沿って、職務経歴書や面接で、自分にできることを明確に伝えられるように工夫することが、キャリアアップにつながる自己ブランディングの発信になるのです。

たとえば、応募したい会社が「○○のスキルがある人」を募集しているとします。それであれば、自分の強みが複数あったとしても、そのスキルにしぼってアピールするのが有効です。

スキルがあるといっても、そのレベルは人によって違いますよね。自分がどれだけそのスキルを使いこなせる人材なのかを最大限に伝えるため、そのスキルを使って取り組んだ案件と成果、心がけたことを事前に整理して、しっかり示しましょう

見せられるものであれば、ポートフォリオにまとめて見せながら説明すると説得力が増します。

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キャリアアップのための自己ブランディングでは、目的と、自分の強み・なりたい姿を明確にすることが重要なのですね。本記事が参考になれば幸いです。

【ライタープロフィール】
柴田香織

大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。

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