なんとなく夢や志はあるものの、それを心に抱いているだけで、何もしない。あるいは、何か行動に移しても、結局は長続きしない。よく考えたら、いろんなことが続いていないかも……!?
そんなあなたには、“あの行動”が足りていません。成功と深い関係がある「1%」を掘り下げつつ、「続けられない人ができていないこと」について説明します。
成功と深い関係がある「1%」とは?
● 世界の資産をほぼ握る1%
貧困と不正の撲滅に取り組む国際 NGO 団体の「オックスファム」は2015年1月19日に、世界人口の最富裕層にあたる「1%」が、世界にある資産の48%を握っていると発表しました。この「1%」の人々は、いずれこの世界の富の半分以上を手にすることになりそうだ――とのこと。
● 毎日1%の改善で37倍に
楽天株式会社の創業者で、同社の代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏が、2009年に著した『成功のコンセプト』には、こう記されています。
たとえ毎日1%の改善でも、1年続ければ37倍になる。
(引用元:三木谷浩史著(2009),『成功のコンセプト』,幻冬舎.)
これは、楽天が成功した秘訣なのだそう。たとえば今ある力が1でも、「1%」改善・進歩できれば、1.01になれます。それを1年続ければ、37倍というわけです。
1+0.01=1.01 1.01の365乗は37.78
1回の「1%」は小さいけれど、毎日コツコツと続ける「1%」は、大きな力となるわけです。
● 継続できる人は1万人に1人!?
したい人、10000人。始める人、100人。続ける人1人。
(引用元:美達大和著,山村サヤカ、ヒロキ著(2013),『女子高生サヤカが学んだ「1万人に1人」の勉強法』,プレジデント社.)
これは、作家・中谷彰宏さんの言葉です。
『成功する人の考え方』の著者であり、株式会社YOLO JAPANの代表取締役・加地太祐氏も、何かしら希望を持つ人がたとえ1万人いても、挑戦する人はそのうちたった1%の100人。そして、その挑戦者のうち、継続できる人はたったの「1%」。つまり「1人」だという話を伝えています。
続けなければ得られない
先述した最富裕層のなかには、“多額の資産を相続しただけ”という人も含まれていますが、もちろん努力を重ねて財を成した人々もいます。
毎日「1%」だけでも進歩・改善し、1万人のなかの100人、100人のなかの継続できる「1%」になって、世界の最富裕層にならずとも、継続して成功を手に入れる「1%」になってみませんか?
そのために、まずは「できていないこと」を認識しましょう。
続けられない人ができていないこと1:解決への思考
加地太祐氏は、こういいます。
1万人にひとりの継続できる人間は、解決への思考から生まれるのだ。
(引用元:ダイヤモンド・オンライン|継続するだけで道はひらける | 成功する人の考え方)
同氏いわく、「継続できない人」は、「できない理由探し」をするとのこと。たとえば、資格をとりたいと考えたとき、「忙しくて時間がない」という状況は「資格試験の勉強を続けられない理由」になります。
しかし、時間がないなら、忙しいし疲れているなら、「短い時間で効率よく勉強できる方法を考えよう」というのが、「継続できる人」の思考。
つまり、続けられない人に足りないのは、「解決への思考」なのです。
続けられない人ができていないこと2:小さな歩みと過程を重んじる
「たとえ毎日1%の改善でも、1年続ければ37倍になる」と、三木谷浩史氏はいいました。1.01の累乗ではなくとも、たとえ1歩ずつ歩んだとしても、1年間続ければ365歩進めます。その小さな小さな歩みを、決してバカにしないことです。
それに、得られるのは、目に見える成果だけとは限りません。
たとえば「1万個のドミノ牌を、毎日1個ずつ並べるルールで、素晴らしいドミノ倒しを競うゲーム」があったとします。「続けられない人」は、「27年もかけて、こんなことやってられるか!」とすぐに投げ出すでしょう。
しかし、「続けられる人」は、毎日のとても小さな歩みを決して止めることはなく、途中失敗しては、試行錯誤を繰り返します。周囲の人も、「こんなに頑張っているんだから」と力を貸し、応援してくれるかもしれません。
万が一、完成前にそのドミノゲームが中断されてしまったとき、「続けられない人」は、「あー、止めておいて良かった」と思うでしょう。人によっては、「別に自分のペースでやれば簡単にできたけどね」なんて言うことも……。
ところが、「続けられる人」は、そのとき既に、
・どうしたら倒さずに並べられるか ・どうしたら、並べたい場所を確保できるか ・失敗したときは、どうやって立て直すか
など、多くのことを学んでいます。力を貸してくれる人も、応援してくれる人も、たくさんできています。それが、他のあらゆる目標達成にもつながっていくわけです。
つまり、続けられない人ができていないのは、「小さな歩みと、その過程を重んじること」です。
続けられない人ができていないこと3:昨日の自分と競う
本を読むのは苦手だが、読書で多くの知識を蓄えたいと考える、「継続できる人」と「継続できない人」がいたとします。
「継続できない人」は、「せめて1日に1時間は読書しないと意味がない。でも忙しいから」と、できない理由を探します。しかし、「継続できる人」が、確実に毎日少しずつ読書するのを見ていたら、何となく悔しくなって“よーし自分も”とマネるかもしれません。
ところが数日経ったとき、「継続できる人」は「継続できない人」よりも、どんどん本を読み進めていました。「きっとあまり読まないふりして、こっそりたくさん読んで、自分を出し抜いていたんだ」と「継続できない人」は思います。
そこで「継続できない人」は、チラチラ「継続できる人」を覗き見ながら、相手を追い越せるくらい、一気にたくさんのページを読みました。しかし、「継続できる人」は我関せず。追い越されても、全く気にしません。
やがて「継続できない人」は「どうせまだ追いつかれないから」と読書をサボりはじめます。その間、「継続できる人」は、昨日よりも今日、今日よりも明日と、少しずつ読むページ数を増やし、本の難易度を上げていくのでした。
「継続できない人」がハタと気がついたとき、「継続できる人」は、すっかり読書家に。その成長ぶりに驚き、「継続できない人」は争う気も、本を読む意欲さえもなくしてしまいます。
つまり、「継続できない人」が競っていたのは他人。「継続できる人」が競っていたのは昨日の自分でした。したがって、続けられない人ができていないのは、「昨日の自分と競う」ことです。
この競争にストレスはなく、慢心もありません。ただただその日を精一杯過ごすだけなのです。
*** 成功と深い関係がある「1%」について、また、「続けられない人ができていないこと」を3つ、それぞれ説明しました。「どうも続けられないなぁ」と感じ、思い当たることがあれば、ぜひ実践してみてくださいね。
1.解決への思考 2.小さな歩みを重んじる 3.昨日の自分と競う
よろしければ、『「成功をつかめない人」は、この “4つの基本” ができていない。』も、あわせてご覧ください。
(参考) ハフポスト|2016年、「1%」の最富裕層が世界の半分以上の資産を握る(調査結果) ダイヤモンド・オンライン|継続するだけで道はひらける | 成功する人の考え方 美達大和著,山村サヤカ、ヒロキ著(2013),『女子高生サヤカが学んだ「1万人に1人」の勉強法』,プレジデント社. 三木谷浩史著(2009),『成功のコンセプト』,幻冬舎.