現代を生きる我々はいつも多くのタスクを抱えており、それらをどう処理していくかが重要な課題です。 タスクを確実に処理する、いわゆる「デキル人」たちはその処理能力もさることながら、タスクに優先順位をつけるのが本当に上手いですよね。。 以前紹介した「TO DOリストを活用して『時間力』を身につける2つの基本」でも、第1のステップとしてタスクの優先順位をつけることを必要としましたが、なかなか容易にできるものではありません。 そこで今回は、タスクの管理を決めるためのコツを紹介します。
タスクを評価する基準は「重要度」と「緊急度」
タスクの優先順位やかける時間を決める時、おそらく多くの人は「緊急度」を基準にしていることでしょう。 締め切りの近いレポート、来週に迫ったテスト勉強、プレゼン資料作りなどなど……。急を要するものは重要に思われるため優先しがちになります。 しかし、その中には緊急だけど重要ではない仕事も含まれてはいないでしょうか? タスクを上手に管理するためのコツその1は 「重要度と緊急度を別の観点としてタスクを評価する」
スティーブン・R・コヴィーの「時間管理のマトリックス」と称し、全ての活動を表のような4つの領域で分けられるとしました。
緊急である | 緊急でない | |
重要である | 第一領域 | 第二領域 |
重要でない | 第三領域 | 第四領域 |
先に挙げたような仕事がいずれも第一領域に含まれるのに対して、メールやLINEの返信などの軽い仕事や他の人に頼んでも大丈夫な仕事など緊急性があっても重要ではないものは第三領域に含まれます。
「デキル人じゃない人」の多くはこの第三領域の仕事をも重要な仕事と考えてしまって時間をとられているのです。
第二領域を優先してタスクの芽をつぶす
「第三領域を減らして第一領域だけでも余裕なんて生まれないよ」という声が聞こえてきそうですね。 タスクに追われがちな人に多くありがちなのは第一領域を終えたら第四領域の娯楽などで時間をつぶすというパターン。 このような自転車操業を繰り返していると緊急のタスクが入ってきたり、期限が迫ったりした時にまた第一領域に追われる状態になってしまいます。
そこで、タスク管理のコツその2は 「第二領域を活用して未来のタスクを処理しておく」
第二領域とはテストなどに向けてあらかじめ勉強することや人間関係づくり、新聞や本を読む、健康づくりなどその場では効果がなくても、いずれ役に立つ投資のようなものです。 予め勉強しておけばテスト前の勉強が減らせたり課題にかかる時間を減らせます。 人間関係が幅広い人はタスク処理を手伝ってもらえたり、助言をもらえたりします。 健康であれば風邪などで時間がつぶれることもなく、頭も冴えタスク処理の効率が上がります。 このように、事前の投資で未来の仕事を減らす、楽にするということが重要です。
人間力アップのための時間を確保する。
さて、タスクの優先順位のつけ方や上手く管理するコツを述べましたが、最後のコツはこれまでとは異なるものです。
その第3のコツは 「第四領域、娯楽の時間を持とう」 です。
「デキル人」になるためにやってしまいがちなのが、娯楽や趣味の時間をすべてタスク処理に当ててしまうこと。いわゆる「意識高い系」の自己啓発では、自分の成長に直接繋がらないことは全て無駄などというスタンスをとってしまうことが多いのですが、本当に価値あることはタスクを効率的にこなすことや、目に見えるスキルアップだけでなく、余白の時間に培った総合的な力によって生み出されるものです。
読書や遊び、家族や友人との語らいで生活を充実させ、中長期的な視点での実力を身につけること、それは「何かの合間にできたらやる」ことではなく、かならず必要なことです。効率だけを重視するのは、大局観を失わせ大きな成功を遠ざけてしまいます。
「緊急で重要ではないこと」をきちんと予定に組み込めるかどうかが、「デキル人」になれるかどうかの分かれ道になりそうです。
「コロンブスは遊んでいるときに、地球が丸いことを思いついた。ニュートンはぼんやりと心を遊ばせているときに、木から落ちるリンゴを見て万有引力の着想を得た。ワトソンとクリックはDNAの形を遊び半分で空想していたとき、二重らせんという形に行きついた。シェイクスピアは言葉遊びを生涯やりつづけた。モーツァルトは寝ている時以外はつねに遊んでいた。アインシュタインは実験という行為こそ、精神が遊びを求めている何よりの証拠だと考えた」 [引用元:エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする]
参考 「7つの習慣‐成功には原則があった」(キングベアー出版) 「「時間力」養成講座」(携書Discover) 「なぜかうまくいくバカがやっている驚きの成功法則」(かんき出版) 「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」(かんき出版)