もしあなたが信じて続けている勉強法が、実はまったく意味のないものだったらどうしますか? どんなに「何事も続けることが大事」だと言っても、いくら続けても一向に結果に結びつかず、ただただ時間を浪費しているのであれば、今すぐにでもその勉強法を見直すべきです。

ここでは、科学的な視点正しい勉強法について解説していきましょう。

正しい勉強法を選べば結果に結びつく!

きちんと勉強している自信がある! と言い切れる人は果たしてどれくらいいるでしょうか。たしかにそれだけでも素晴らしいことですが、その勉強法が実は遠回りであったり、確実な成果が期待できないものであったりしたらどうしますか?

世の中に数多ある勉強法のうち、もっとも効率的で結果を出しやすい方法とは人によって異なります。成功者や身近な友人の真似をしたところで、その方法があなたに向いていなければ何の意味もなさないでしょう。

■王道を疑え!
たとえば一般的には「真面目にコツコツ勉強すること」が王道であり、正しい方法であると思い込んでいる人も多いのではないでしょうか?

しかし以前StudyHackerで紹介した『カンニング勉強法』(StudyHacker|効率重視の「カンニング勉強法」でラクして成果を。もう“できない・やらない”に悩まない!)のように、一見邪道とも思えるような勉強法が実は大きな成果を出すこともあるのです。

カンニング勉強法」とは、偏差値30から司法試験に一発で合格した弁護士・佐藤大和氏が編み出した勉強法です。「先に答えを見る→問題を見る→参考書を読む」という流れで勉強を進めていく方法に不安を覚える方もいるかもしれません。しかし、先に解答を見て答えがわかっているので、“わからない”ということがなくなり効率的に覚えられるメリットがあるのです。さらに勉強に対するハードルが下がり、続けるモチベーションにもつながるでしょう。

勉強でも仕事でも、「難しい」よりも「わからない」ことでつまずいて挫折する人も多いはず。その点この「カンニング勉強法」では、すでに知っている答えを導き出すための解説を読み、「なるほど。この方法で答えを出せばいいんだ」とスッキリとした気持ちのまま勉強を進めることができるのです。王道の勉強法ではないかもしれませんが、確実な結果につなげるために効率重視で勉強をしたい人にはおすすめです。

■自分のレベルを過大評価しない!
あなたは身の丈に合った勉強法を選んでいますか? 以前コラム(StudyHacker|勉強に“飛び級”なんて存在しない。勉強法を選ぶ前にするべきは「今の実力」を知ることである。)でもお伝えしましたが、身の丈を知ることは勉強の結果を出すために必要不可欠です。

人間の脳は、未来の自分をどこか他人事のように考える傾向があり、自分の実力以上に評価しています。たとえば、太って着られなくなった洋服を「また痩せたら着よう」とダイエットを始めてもいないのにいつまでも保管しておいたり、試験勉強に取り組む前から合格後のご褒美について考えたりと、明確な根拠もないのに未来の自分を過大評価しがちなのは科学的にも明らかにされています。

勉強の計画を立てるとき、なぜか「自分ならできる」と思い込んで高い目標を設定して、どう考えてもこなせそうにないスケジュールを立てていませんか? もちろん自信を持つことも大切ですが、確実に勉強の成果を出したいのであれば、まずは自分の「身の丈」を知ることから始めましょう。それこそが結果に結びつく唯一の方法なのです。

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誤った勉強法1:時間の使い方を間違っている!

みなさんは一日のうち、どの時間帯を自分の勉強時間に充てていますか?
平日の日中は学校や仕事に費やしている方も多いですよね。そうなると必然的に、帰宅して夕飯を食べ終えてから眠りにつくまでの時間を勉強時間として確保しているのではないでしょうか。

でも実際、夜は身体も頭も疲れてクタクタ。疲労から集中力も途切れてしまい、ダラダラと惰性でページをめくる……思い当たる人も多いはず。それならばいっそのこと、夜ではなく朝に勉強時間をシフトしてみませんか?

脳科学者の茂木健一郎氏も、朝時間を活用すればもっと効率的に勉強が身につくと説きます。

朝の脳はフレッシュな状態なので「脳のゴールデンタイム」と呼ばれています。さらに朝は比較的誰にも邪魔されない時間なので、集中して英語を勉強したり、クリエイティブな活動に取り組むには最適な時間帯だと言えます

(引用元:朝時間.jp|脳科学者 茂木健一郎さんの朝習慣

毎日夜に勉強をしているもののあまり成果が出ない。そう感じている方は、朝勉強をおすすめします。

もしくは完全に朝勉強に切り替えなくても、「インプットは夜」「アウトプットは朝」と時間帯によって勉強法を変えてもいいでしょう。この方法は脳科学的戦略としても非常に理にかなっています。

記録は睡眠中に整理されるため、この点を考慮しても夜にはインプットが向いていることがわかります。ある程度インプットしたら、疲労感に任せてそのまま寝てしまえば、あとは勝手に脳が記憶を定着させてくれるので、夜寝る前のインプットはとても効率的です。
(中略)
アウトプットは朝に行うことで効率をあげられます。朝は体調が良く、身体に疲労がないため、エネルギーを脳に十分使って活動することができるのです。また、朝は時間的な制約があるために余計なことに目を向けず、本当にやるべきことを取り組むことができます。

(引用元:StudyHacker|インプットは夜、アウトプットは朝。東大生おすすめの「時間別勉強法」

このように、脳のはたらきを知れば時間帯によって適した勉強法があることが理解できるのではないでしょうか。

では次に、勉強中の時間の使い方は間違っていませんか?
StudyHackerのコラムでも度々紹介されている「ストップウォッチ勉強法」や「ツァイガルニク効果」は、効率的に勉強するためにもぜひ覚えておきましょう。

まず「ストップウォッチ勉強法」ですが、こちらはストップウォッチを使用して時間を計測しながら勉強する方法です。ポイントは、勉強時間と勉強内容をノートに記録し、一日の合計の勉強時間も計算すること。これにより、努力を可視化して勉強へのモチベーションを継続させる効果が期待できます。また、作業に制限時間を設ける「タイムプレッシャー」を与えることは、自分に負荷をかけて脳を鍛えることにもつながります。

次に「ツァイガルニク効果」とは、「達成された課題よりも、達成されなかった課題や中断している課題の方が記憶に残りやすい」という心理学的効果です。その効果を利用して、あえて切りの悪いところで中断して休憩すると、中断前の記憶が鮮明に残るというわけです。

効率的、かつ確実に勉強の成果を手に入れるためにも、時間配分や中断するタイミングにも気をつける必要があります。

誤った勉強法2:暗記方法が間違っている!

暗記といえばただひたすら読む、もしくは読んで書く、そんな方法を黙々とこなしていませんか? もちろんそれで効果を実感できる人もいるでしょう。しかし、脳の仕組みを利用してもっと効率的に暗記したいと思いませんか?

まず、ただ目で文字を追うだけの“黙読”は今すぐやめましょう。脳科学の専門家である林成之教授は「ものを覚えようとするとき、文字を追うだけでなく声に出して読んでみるなど、意識的に複数の情報を重ねることが有効です」と説きます。さらに、東北大学の川島隆太教授によると「音読をしているときの人間の脳は、思考力・判断力を司る前頭前野を中心に活性化しており、学習する上で有利になる」とのこと。

音読は脳の複数の部位を使うため、長期記憶に残りやすいと言われています。「目で見て」「声に出して」「耳で聞く」という行為を同時に行うことが記憶の定着につながるんですね。

また音読によって勉強のやる気を引き起こす効果も期待できます。「とりあえず音読」(StudyHacker|勉強嫌いも関係ない! 京大生おすすめの『とりあえず音読』勉強法のすごいメリット)という方法で以前ご紹介しましたが、簡単に取りかかることができる音読は、始めてから10分経つと脳の側坐核という部分が刺激されてだんだんと楽しくなってくるらしいのです。脳を刺激して勉強に取り組む意欲を高めるためにも、音読勉強法はぜひ取り入れましょう。

誤った勉強法3:勉強に使うツールが間違っている!

最後に、勉強をするときに使用するツールについて見直してみましょう。ここではノートとペンについて、科学的根拠に基づいたおすすめツールと使用方法をご紹介します。

■お気に入りを大事に使うのは無意味
勉強のモチベーションを上げるために、おしゃれなノートや書き心地の良い上質なノートを使ってはいませんか? たしかにやる気は出るかもしれませんが、結果的に勉強することよりも「美しいノートを作ること」が目標になり、本末転倒になってしまう場合もあります。完成度の高いノートを作るよりも、しっかりと記憶に残り、勉強の成果に結びつくノートでなければ意味がないですよね。

そこで「書き捨て勉強法」を試してみてはいかがでしょうか。用意するものは大量の紙。できれば罫線のないもので、コピー用紙のようなものがベストです。

参考書を読みながら、自分が重要だと思った部分をひたすら書き写します。字が汚くても、レイアウトが統一されていなくても大丈夫。内容を把握したと思ったら、その紙は捨ててしまいましょう。読んで書いて捨てる、ただそれだけです。

せっかく書いたのに……と抵抗を覚える方もいるかもしれません。しかし、重要なのは「書く」という行為にあります。

手書きが学習や記憶の定着に効果的であるということは数多くの研究結果で知られています。書く行為は、脳幹の網様体賦活系(RAS)にある多くの細胞を刺激します。RASには、脳が処理する情報の中で「その瞬間に積極的に注意を向けているもの」をフィルタリングする働きがあります。書くという動作により、対象に対する集中度が高まるのです。

(引用元:StudyHacker|まとめノートは時間の無駄! 京大生おすすめの「書き捨て勉強法」

また、書くときにはぜひ「青ペン」をおすすめします。青色は幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌を高める効果があり、ポジティブな思考になってストレスを軽減することで集中力を高めると言われています。また、鉛筆やシャーペンとは違い、“消せない”ボールペンであることも重要なポイントです。なぜなら「書き間違えた」という体験がエピソード記憶として脳に分類されるため、より記憶に残りやすいからです。

青ペン書きなぐり勉強法』として知られるこの方法、上で紹介した「書き捨て」ではなく、一冊のノートに書きなぐることによって記憶を定着させます。ただしこのノートは復習で用いることはしません。あくまでも、自分の努力を可視化して成果を目に見える形で残しておくことが目的です。

この「青ペン書きなぐり勉強法」を考案した早稲田塾創業者で日本アクティブラーニング協会理事長の相川秀希氏は「目で見て声に出し、それを自分の耳で聞きながら、手を動かして記憶するーー。五感をフルに活用して勉強すると、私たちの潜在能力が最大限に発揮されるようになる」と述べています。

ただ書きなぐるだけでも、書き捨ててしまっても、結果的には「手を動かして書いた」ことに意味があるのです。科学的に効果が高いとされるこれらの勉強法の中で、自分に合いそうだと思ったものはどんどん取り入れてみましょう。きっとこれまでとは違う結果に結びつくはずですよ。

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一度身についた勉強法を変えるのは難しいもの。しかし、いくら頑張っても成果が出ないと感じているのであれば、思い切って勉強へのアプローチ法を変えてみましょう。科学的根拠があるものならば、安心して取り組めるはずです。

(参考)
StudyHacker|東大生・京大生がおすすめする勉強法を10個まとめてみた【Study Hacker人気コラムまとめ】
StudyHacker|効率重視の「カンニング勉強法」でラクして成果を。もう“できない・やらない”に悩まない!
StudyHacker|勉強に“飛び級”なんて存在しない。勉強法を選ぶ前にするべきは「今の実力」を知ることである。
StudyHacker|社会人のための勉強ハック術!「時間がない」に逃げない、効率的な勉強の仕方
朝時間.jp|脳科学者 茂木健一郎さんの朝習慣
StudyHacker|インプットは夜、アウトプットは朝。東大生おすすめの「時間別勉強法」
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StudyHacker|勉強嫌いも関係ない! 京大生おすすめの『とりあえず音読』勉強法のすごいメリット
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