その欲求はストレスが原因かも? 脳を元気にする「睡眠のコツ」10箇条

たくさん仕事を頑張った日は、「今日は忙しかったから、ご飯がおいしい」と躊躇なくおかわりしたり、食後のデザートをしっかり食べたりと食欲も旺盛になりますよね。たまになら問題ありませんが、これを毎日続けた場合のリスクは太ることだけではありません。認知機能を低下させたり、記憶を損なったり、挙句の果てには死亡リスクまで高めてしまうのです。

ストレスを感じ、炭水化物への欲求が高まっているなら要注意。深く眠ってストレスを軽減しましょう。

ストレスで活性化する神経細胞が炭水化物欲求に関係?

生理学研究所の箕越靖彦教授が率いる研究グループが、2018年1月17日付の科学誌セルリポーツで発表した内容によると、白いご飯や砂糖が多いお菓子といった、いわゆる「炭水化物」を食べたくなるのは、視床下部にある神経細胞「CRHニューロン」のひとつが影響しているそうです。

通常マウスは高脂肪の食べ物を好むのですが、CRHニューロンの活動を高めると脂肪食が減り、炭水化物の摂食量が9.5倍になったのだとか。そして、このCRHニューロンはストレスを受けると活性化するそう。

炭水化物は、「糖質」と「食物繊維」が合わさったものを指します。その糖質を摂取すると、すぐに消化され体内でブドウ糖に変わります。ブドウ糖は脳、赤血球、筋肉などを正常に動かすために必要な、カラダに欠かせないものです。しかし、それらを無性に欲する場合は、ストレスがたまっている可能性が高いのです。

そして、炭水化物の食べ過ぎには、思わぬリスクが潜んでいます。

炭水化物を摂取しすぎると脳にまで影響?

「太りすぎの原因は、血糖値を直接上げる糖質の摂取である」という江部康二医師は、「血糖値が上がるとインスリンが分泌して血糖値を下げるが、余剰の血糖はインスリンにより中性脂肪に変えられ体脂肪として蓄えられる」と説明しています。

すると、2012年以前に『神経科学誌』に掲載された研究では、お腹の脂肪増加にともないカラダ全体における脳の割合が減少し、炎症リスクが増加すると指摘しているそうです。炎症はカラダの負担になるため、脳への影響も起こり得ると研究者は考えているのだとか。

また、2017年8月29日付のLancet誌電子版に掲載された論文によれば、カナダMcMaster大学のMahshid Dehghan氏らが世界18の国と地域で13万5335人に対し行った研究で、炭水化物を摂取する割合が多い人は死亡リスクが高く、脂質摂取量が多い人は死亡リスクが低いという、意外なデータを得たとのこと。

なおかつ更年期後の女性は、肥満によって記憶を損なう可能性があると、米国老年医学会誌に掲載の研究で指摘されているのだとか。ちなみに「うつ病」は、過去の楽しい体験を正しく思い出せなくなるという特徴がありますが、2017年8月16日に国立精神・神経医療研究センター(NCNP)が明らかにした内容によれば、うつ病に肥満が重なると、認知機能が低下し、脳構造にも変化が起こるのだとか。つまり……、

ストレスがたまると→ 炭水化物を多量に摂取するようになり→ 体脂肪が増え→ 炎症リスクが増えて脳への影響が起こり→ 肥満によって記憶を損ない→ それに、うつ病が加われば、認知機能も低下してしまうということ。ストレスは、うつ病の原因のひとつとされているのですから、この負の連鎖は絡み合い影響し合っています。

ならば、ストレスを軽減し、肥満リスクを減らす「深い睡眠」をすぐに実践しましょう!

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ぐっすり寝て、ダイエットしながら脳を元気に

脳科学者の中野信子さんは、「睡眠不足だと食欲を抑えるレプチンというホルモンの分泌が減り、食欲を増進するグレリンというホルモンが増える」と説明しています。そのため、8時間睡眠に比べて、4時間睡眠は70%以上肥満リスクが上がるそうです。

しかし、眠りが浅いとストレスが減りにくいので、作業療法士の菅原洋平氏と、新宿溝口クリニック院長の溝口徹氏がすすめる内容を参考に、深く眠るためのコツをまとめました。

1.入浴後はちょうど体温が下がってくる1時間後に寝る。 2.生体リズムを整えるため起きたら朝日を浴びる3.腹式呼吸になりやすい「うつぶせ」で寝入る。(顔を横に向けた側の、胸の下にクッションを入れると寝やすい)※脱臼しやすい人、骨折しやすい人は避けましょう 4.筋肉量が少ない人は、低反発より寝返りしやすい高反発の寝具を選び、血流をよくする。 5.生体リズムを崩さないため、起床時間は毎日同じに。長く眠りたいときは夜早めに寝る。 6.「朝何時に起きる」と唱えて就寝し、自己覚醒能力でストレスなく希望の時間に起きる。 7.脳が「不眠と寝床」をセットで記憶しないよう、眠れないときは寝床から出て別のことをする8.寝る前に日記を書くと嫌な感情が再現されやすく記憶に残りやすいので、起きてから書く9.睡眠の質を下げる恐れのある食生活を避ける。 ・炭水化物(おにぎり・パン、具の少ないパスタなど)だけの食事 ・肉や魚などのタンパク質をほとんど食べない ・甘いものを1日に3回以上食べる ・夜にご飯を大量に食べる 10.にどうしてもお腹がすいたら牛乳を飲む。

*** ぐっすり寝てストレスを軽減し、脳を元気にすると同時に、スリムなカラダも手に入れてくださいね!

(参考) 朝日新聞デジタル|「炭水化物が食べたい」に関係する神経細胞を特定 東洋経済オンライン|「栄養」について知らない「栄養士」が多すぎる NIKKEI STYLE|「炭水化物が毎食7割超え」は注意 死亡リスク上昇 NEWSポストセブン|知らないと危険!肥満が脳に及ぼす恐ろしい悪影響5つ【後編】 理化学研究所|光遺伝学によってマウスのうつ状態を改善 糖尿病ネットワーク|「肥満」と「うつ病」のダブルパンチ 体重コントロールは脳にも良い NIKKEI STYLE|心がみるみる軽くなる ストレスが消える「眠り方」 世界睡眠会議|中野信子さんに「寝る寝るダイエット」成功のポイントを聞いてみた。 フミナーズ|うつぶせで寝る人必見!|うつぶせの健康効果と危険性 Wikipedia|炭水化物

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