勉強しなきゃいけないのはわかっているけど、やる気が出ない。勉強しようと机の前に座ってみたけど、やる気が少しもわかない。テストまであと〇日あるし……と考えると、どうしてもやる気が起きない。

勉強していれば誰でも、「やる気が出ない」と悩むことがあるのではないでしょうか。自分にはやる気スイッチなんてものは無いのではないだろうか、と考えてしまいたくなりますよね。

勉強のやる気を起こすには、環境をうまく整えたり、勉強の取り組み方をひと工夫したりすることが大切。この記事では、効果的な勉強のやる気の出し方について、詳しく紹介していきます。

勉強のやる気を出す方法1. 環境づくり

勉強のやる気が出ない原因のひとつは、勉強するための環境が適切でないからかもしれません。まずは、自分の勉強場所を、やる気を引き出す環境に変えるところから始めてみましょう。

勉強場所は、自分がいちばん集中できる場所を選んでください。人によってそれぞれ違うと思いますが、例えば、自分の部屋、カフェ、図書館などが挙げられますね。場所を選んだら、やる気がわいてくる環境づくりをします。

ではここからは、勉強のやる気を引き出す環境づくりのコツを解説しましょう。

【1】自分の部屋

リラックスでき、安心して勉強に取り組めるいちばんの場所。思い立ったらすぐ勉強できますし、勉強に必要なものは一通りそろっています。ですが、自分の部屋だからこそダラダラしてしまってやる気が出ない、という人は多いはず。そこで、自分の部屋を「やる気アップ」仕様にカスタマイズしてみましょう。

■室温調整
エアコンを使い、暑すぎず寒すぎない快適な室温に保ってください。シンガポール国立大学が発表した研究結果によると、脳の回転を速めて効率よく勉強するには、室温は低めが良いとのこと。27℃以上の暑い部屋では計算に支障が出るのだそうです。StudyHackerが調査したところによれば、仕事や勉強の生産性を高めるのに最適な室温は22~24℃(参考:生産性を上げたければ「温度」と「湿度」に気を配れ!? 最適な作業環境を徹底的に考察してみた。)。勉強がはかどらない環境で、やる気が高まるはずはありません。やる気を出すために、室温調整は必須なのです。

■掃除・整理整頓
自分の視界に勉強を遮る邪魔なものが入らないよう、机の周りを整理しましょう。例えば、マンガ本やゲームなどはクローゼットにしまい込みます。スマートフォンも手元には置かないように。米テキサス大学の研究によれば、たとえ電源をオフにしていても、スマートフォンが近くにあるだけで注意力が低下してしまいます。勉強のやる気を出すためには、自分を誘惑するものは手の届かないところに片づけておくことが大切です。

■インテリア・グッズ選び
色彩心理学によれば、赤色には、やる気をもたらしたり活力を高めたりする作用があります。勉強のやる気が出ない時には、勉強部屋に赤色を使ったインテリアを取り入れたり、勉強道具に赤色のアイテムを使ったりしてみてください。例えば、赤色のマグカップでお茶を飲む、赤色の下敷きを使ってみる、などはいかがでしょう。やる気がわいてくるかもしれません。

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【2】リビングやカフェ

テレビ東京の番組が、東大生を対象に子どもの頃勉強していた場所を尋ねたところ、約半数(48%)もの東大生がリビングと回答したという調査結果があります。

リビングと言えば、料理の音や家族が雑談する声などいろいろな生活音が聞こえる環境。あまり静かな環境とは言えず、「やる気なんて出るの?」と思う人もいるかもしれませんね。しかし、米オックスフォード大学の研究によると、人は適度な雑音があると、その雑音をはねのけようとしてより集中力が高まることが分かっています。

また、リビングには家族の誰かがいることが多いもの。家族に見られているという緊張感があると、勉強をサボることなどできなくなります。「これから勉強するよ」と宣言し、「頑張ってね」と応援されれば、やる気が出ないはずがありません。

リビングに似た環境がカフェ。カフェにいると、店員がドリンクを作る音や客と店員のやり取りなど様々な雑音が聞こえますし、人の目がたくさんあります。勉強のやる気を出すために、カフェ勉を選択してみるのもおすすめですよ。

【3】図書館

勉強場所として最もイメージしやすいもののひとつですね。図書館は静かですし、勉強を遮る誘惑もありません。人々が訪れる目的は勉強(または読書や調べもの)に限られていますから、周りは勉強している人ばかりです。

「勉強するぞ!」という意気込みで図書館に向かいましょう。そこは勉強せざるを得ない環境ですから、自然とやる気がわいてくるはずです

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勉強のやる気を出す方法2. 音楽を聞く

勉強のお供として音楽を聞くのも、勉強のやる気アップに効果的です。やる気がわかず、なかなか勉強モードに入れない時は、好きな音楽を聞いて気分を盛り上げましょう

カナダ・マギル大学の研究チームによると、好きな音楽は脳の側坐核という部分を活性化し、やる気をもたらす神経伝達物質のドーパミンを分泌させるのだそう。ですから、良い気分になれて、前向きな気持ちになれるような、自分好みの音楽を聞いてみてください。

注意したいのは、音楽(曲)の聞き方と選び方。勉強中に聞くなら、ジャズやインストゥルメンタルなどの歌詞のない音楽がおすすめです。逆に歌詞のある曲や大好きでたまらない音楽は、勉強前や休憩中に。歌詞に気を取られたり、曲にのめり込んでしまったりするといけませんので、勉強中には聞くのはやめましょう。こうした音楽は、これから勉強をするぞというときや一息つきたいときに、やる気を奮い立たせるために聞くとよいでしょう。

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やる気を引き出す、勉強の取り組み方

勉強のやる気は、環境を整えるほかに、勉強への取り組み方を工夫することでも引き出すことが可能です。そして、せっかくやる気を起こすのですから、維持しなければもったいないもの。勉強がはかどれば、自然とやる気をキープできますよ

【1】勉強前のルーティンでやる気スイッチオン!

「やる気がわかずなかなか勉強モードに入れない」と悩んでいる人は、「勉強を始める前には相当な意志が必要だ」と思い込んでいるかもしれません。「本当は勉強なんてやりたくない。でもやらなくちゃ……よしやるぞ!」と意を決するのには、エネルギーが必要。でもそのエネルギーが足りないから、やる気がわいてこないというわけです。

この問題を解消するために、勉強前のルーティンを作りましょう。ルーティンとは、決まったタイミングで行う同じ行動のこと。例えば、「コーヒーを淹れたら勉強する」のように、勉強する前に必ず行うことを決めてみてください。このルーティンがしっかり身につくと、わざわざ覚悟を決めることなく自動的に勉強が始められます。「勉強しなきゃ……」と考えたり迷ったりする余地がなくなり、即座にやる気スイッチをオンにすることができますよ。

【2】やる気がなくても「とりあえず」やる!

やる気が起きないからといって、いつまでも勉強に着手しないのは良くありません。とりあえずでいいので、何か勉強をはじめてみてください。最初は嫌かもしれませんが、ほんの10分くらい勉強を続けるだけで、自然と気分が乗ってきてやる気が高まりますよ。

この状態のことを「作業興奮」といいます。行動を起こしているうちに脳の側坐核という部分が活性化しドーパミンが分泌され、徐々にやる気が高まっていくのです。

作業興奮の状態を作り出すのに向いているのは、簡単すぎず難し過ぎない勉強。少し頑張ればできるような優しめの問題に取り組むとよいでしょう。また、手軽に取り組める音読もおすすめです(参考:StudyHacker|勉強嫌いも関係ない! 京大生おすすめの『とりあえず音読』勉強法のすごいメリット)。

「とりあえず10分だけやってみようかな」くらいの軽い気持ちで始めるのが、勉強のやる気を引き出すコツです。

【3】記録をつければ、どんどん勉強を続けたくなる!

自分がどれだけ勉強したかを記録するのも、やる気アップに効果的。そこでおすすめしたいのが「ぬりえ勉強法」です。

方眼紙とカラフルなペンを用意し、15分勉強したら1マス塗ります。科目ごとにペンの色を変えましょう。勉強をすればするほど、カラフルな勉強記録が出来上がりますよ。(塗り絵勉強法について、詳しくはこちら→勉強嫌いの私が1年で3000時間勉強して京大に合格した「ぬり絵勉強法」

自分が頑張った結果を可視化することで、「もっと塗りたい」「次はこの色を塗りたいからこの科目を勉強しよう」というように、前向きな気持ちで勉強することができるようになります。やる気を持ち続けるのにぴったりな勉強法と言えるでしょう。

スマートフォンアプリもありますので、ぜひ活用してみてください。
大ヒット記事「ぬり絵勉強法」がスマホアプリになりました! 春から勉強時間を記録しよう。

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やる気が途切れた時のリフレッシュ法

やる気満々で勉強していても、時には疲れたり、やる気が途切れたりしてしまうことがあるでしょう。そんな時は、どうぞ息抜きしてください。やる気が復活する、効果的なリフレッシュ法を紹介します。

【1】体を動かす

ずっと机に向かって勉強していると、体が凝り固まってきて疲れてきますよね。休憩中に軽く体を動かす人は多いと思いますが、実は、運動は脳の神経細胞(ニューロン)を育てる効果があることが明らかになっているのです。ハーバード大学医学部のジョン・J・レイティ博士は、このことについて次のように述べています。

「ニューロンの数を増やすために最も効果が期待できるのは、運動です。さらにものを覚えたり認知能力を高めるために必要な神経結合を増やしたり、ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンといった思考や感情にかかわる神経伝達物資の分泌を促す効果も、運動にはあります」

(引用元:PRESIDENT Online| 脳細胞が増える運動「3つの条件」

特に効果があるのは一定時間にわたって心拍数を上げるタイプの運動。例えば、散歩がてら早足でウォーキングしてはいかがでしょう。ほかには、ダンス、体操、ヨガ、ストレッチなど、自分が楽しいと思える運動を毎日行うのもおすすめですよ。リフレッシュしてやる気が復活するだけでなく頭まで良くなるなんて、運動しないわけにはいきませんね。

【2】ご褒美に好きなものを食べる

人間の行動を科学的に分析する行動科学に基づけば、人は「行動」に対するご褒美があるとき、その行動を繰り返しやすくなるのだそう。

ポイントは、結果ではなく行動に対してご褒美を用意する、ということ。「試験に合格したら、ご褒美に旅行に行こう」ではなく、「〇時まで勉強したら、ご褒美にケーキを食べよう」のほうが、勉強に対するハードルが下がるのです。

ご褒美が待っていると思えば、やる気もアップするはず。そして、見事ご褒美を手にできたら、リフレッシュした気持ちでまた勉強に臨みましょう。

【3】勉強は中途半端なところでやめてOK

やる気が途切れてきたのでちょっと休憩したい……という時は、キリの悪いところで勉強を中断してみてください。これは、「最後まで達成できた物事に比べ、達成できずに終わった物事のほうが記憶に残りやすい」という、心理学でツァイガルニク効果と呼ばれる現象を狙ったものです。

疲れてきたら、無理に勉強をし続けるのではなく、中途半端なところで休憩をとりましょう。中途半端なままで休憩に入ると、休憩前に勉強していた内容がちゃんと頭に残っているので、休憩後すんなり勉強を再開できます。また、中途半端な状態だと続きが気になってしまうので、途切れかけていたやる気も復活するでしょう。

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やる気を引き出す名言3選

ここまでお伝えしてきたように、勉強のやる気を出すには、勉強しやすい環境を作ったり、勉強の仕方を工夫したりするなどの取り組みが不可欠です。これらのことを行ったうえで、最後のダメ押し。名言・格言の力を借りて、やる気を起こしましょう。ここで紹介する言葉を机に貼っておいたり手帳に挟んでおいたりして、時折見返してみてください。きっとやる気がわいてくるはずです。

■プロテニスプレーヤー・松岡修造さんの言葉

「やってられないよ」と思ったとき、「でも俺、頑張ってるよな」とつぶやいてみてください。「頑張ってる私って、結構いいな」と、自分を好きになってください。その方が生きやすくなるとは思いませんか?

(引用元:名言DB|松岡修造の名言 太字は編集部にて施した)

心のこもった熱いメッセージで知られる松岡修造さんの言葉です。勉強のやる気が途切れてきたときは、この言葉を思い出してみてください。勉強に取り組む自分を好きになれれば、自然と前向きな気持ちになれることでしょう。

■精神科医・和田秀樹さんの言葉

どうしてもやる気が出ないときは、すぐにできることや得意で楽しい仕事を先にやってみるのもいいでしょう。日本人は、先に苦手な仕事を片付け、それから得意な仕事に手をつけなくてはいけないという禁欲的なところがありますが、これは順番が逆です。気分が乗らないままやったら8時間かかることも、ほかの気分的なラクな作業で弾みをつけたあとなら、4時間でできるかもしれません。

(引用元:名言DB|和田秀樹の名言 太字は編集部にて施した)

勉強法に関する知見も深い和田秀樹さんの言葉です。あなたがやる気が出なくて困っている時、それは目の前の難しい問題を解くことにこだわり過ぎて、行き詰まっているのかもしれません。悶々としていてもやる気はでてきません。簡単なものに取り組んでやる気を復活させましょう。

■脳科学者・茂木健一郎さんの言葉

日々の仕事、営みにおいては、「やる気」は必要ない
(中略)
「やる気」がでないという人は、それをやらないことの言い訳にしているにすぎない。「やる気」というのは、それがあるから行動できるのではなくて、行動しないことの言い訳として、「やる気」を持ち出しているだけの話なのである。

何かに取り組んだり、行動したりするのに「やる気」は必要ない。そう気づけば、ずいぶん気が楽になるだろう。

(引用元:茂木健一郎オフィシャルブログ|やる気は必要ない 太字は編集部にて施した)

ここまでさんざんやる気の話をしてきて「やる気は必要ない」と言われると、拍子抜けしてしまうかもしれませんね。しかし、茂木さんの真意を勉強に当てはめてみれば、「勉強しないことの言い訳として『やる気がない』と言ってはダメ」ということ。

「やる気を出さなきゃ。そうじゃないと勉強できない」などと大げさに考えずに、もっと気楽に勉強に取り組んだほうがいいのかもしれませんね。こんな時こそ、「とりあえずやる」が効きそうです。

***
これまでやる気が出ないことで悩んでいた人も、やる気が出てくるような気がしてきませんか?
やる気が出る方法は、人によって千差万別。自分に合ったやる気の出し方をみつけて、勉強に取り組んでみてください。

(参考)
StudyHacker|生産性を上げたければ「温度」と「湿度」に気を配れ!? 最適な作業環境を徹底的に考察してみた。
StudyHacker|おすすめ勉強場所を9個まとめてみた。社会人・学生のための「集中環境」の見つけ方。
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名言DB|松岡修造の名言
名言DB|和田秀樹の名言
茂木健一郎オフィシャルブログ|やる気は必要ない