「上司からあまり期待されていない気がする……」
「もっと評価される人になりたい……」
頑張って仕事をしているのに期待されていないと落ち込みますよね。もしかしたら、あなたは気づかぬうちに “期待されない行動” をしてしまっているのかもしれません。
この記事では、 仕事でどんな行動をする人が期待されないのかを分析し、「期待される人になるための方法」を3つご紹介します。
【ライタープロフィール】
橋本麻理香
大学では経営学を専攻。13年間の演劇経験から非言語コミュニケーションの知見があり、仕事での信頼関係の構築に役立てている。思考法や勉強法への関心が高く、最近はシステム思考を取り入れ、多角的な視点で仕事や勉強における課題を根本から解決している。
STUDY HAKER|“市場が評価した経営者ランキング1位”の社長が「手帳がタスクでびっしりな人には期待しない」と語る理由。
ダイヤモンド・オンライン|本当に仕事ができる優秀な人が大事にしている「特別な習慣」とは?【書籍オンライン編集部セレクション】
東洋経済オンライン|仕事のできない人は「報告の」コツがわかっていない。
東洋経済オンライン|「期待以上と思われる人」が人知れずしていること
【1】「手帳がタスクでびっしりな人」は期待されない
仕事のタスクを手帳やスマホ、メモ帳に書き込み、どんどんためこんでしまう……なんてことはありませんか? 上司から次々と指示があり、タスクは増え続け、常に仕事に追われている。そんな感覚に悩む人も少なくないのではないでしょうか。
東洋経済オンラインの「市場が評価した経営者ランキング2019」で1位を獲得した、株式会社北の達人コーポレーション代表取締役の木下勝寿氏は、「手帳やタスク管理アプリ」に、「20も30もタスクを書き込んでいる人にはあまり期待しない」と言います。びっしりとタスクを書き込むと、「やるべきことができたときに『あとでやろう』と思う」ため、行動に移せず業務量が上がらないのだそう。(カギカッコ内引用元:STUDY HAKER|“市場が評価した経営者ランキング1位”の社長が「手帳がタスクでびっしりな人には期待しない」と語る理由。)
つまり、自分では頑張っているつもりでたくさんのタスクを書き込んでいても、上司からは「行動力がないから頼んでも無駄だ」と見なされる可能性があるのです。
では、どうしたら行動量を増やし、期待される人になれるのでしょうか。
『「ゼロ秒思考」行動編』著書の赤羽雄二氏は、「意思決定をぐずぐず先延ばしにせず、その場で決めて、即座に行動に移す」、「即断即決、即実行」をすすめています。
これを実践するために大切なのは、「全体観」をもつこと。全体観をもつ人は「どういう状況にあるのか、全体像がどうなっているのか、どういう選択肢があるのか、選択肢のメリット、デメリットを比較するとどうなるのか。そういったことを全部把握したうえで最善手を選ぶ」ことができるといいます。
(カギカッコ内引用元:ダイヤモンド・オンライン|本当に仕事ができる優秀な人が大事にしている「特別な習慣」とは?【書籍オンライン編集部セレクション】)
たしかに、全体観をもって考えれば、いま自分が書き込んでいるタスクの重要度や優先順位がわかるはず。タスクを書き留めて後回しにするばかりでなく、いますぐやれるものに気づくことができますね。
営業の仕事を例に、この考え方を取り入れてみましょう。まず、日常業務のタスクを手帳などに書き込みます。が、ここで終わってしまっては、期待されない人のまま。
次のステップとして、それぞれのタスクが「自分が取り組んでいる仕事や課題のどの部分にあたるのか」を整理してみましょう。
ここで整理したら、あとはためらわずに「即断即決、即実行」し、タスクをこなしていきましょう。
ポイントは下記のとおりです。
- タスクを書き込んだとき、そのタスクは「自分が取り組んでいる仕事や課題のどの部分か」を整理する。
- 整理したタスクは「即断即決、即実行」し、終わったものから消していく。
このように行動力を高めていけば、上司やまわりから期待される人にきっと近づきますよ。
【2】「報告に問題がある人」は期待されない
「上司にうまく報告ができない……」
「結局、何が言いたいの? と言われてしまう……」
これに心当たりのある方は、「報告」の仕方を見直してみてはいかがでしょうか。ビジネスにおいて「報連相(報告・連絡・相談)」は必須のスキルですが、なかでも報告に問題のある人は特に期待されないようです。
『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』著者のひとりである藤吉豊氏は、報告に必要な情報を正しく伝えるためには “3つの準備” が必要不可欠だと言います。
1 要点を絞り、結論をまとめておく
2 伝える順番を整理しておく
3 具体的に話す材料を用意しておく
藤吉氏いわく、「『自分が一番伝えたいこと』『相手が一番知りたいこと』(=結論)こそが、報告で求められている要点」。「報告をする前に、何を中心に伝えるのか(結論)を、事前に準備すること」の必要性を、藤吉氏は説いています。特に「2 伝える順番を整理する」ときには、「結論→説明の順番に伝え、場合によっては、最後に再び結論を繰り返す」といいそう。
(カギカッコ内を含む引用元:東洋経済オンライン|仕事のできない人は「報告の」コツがわかっていない。)
顧客に新商品説明をした営業職の人が上司へ報告する場合を例に、考えてみましょう。
【“3つの準備” を押さえていない例】
「先ほど例のお客様を訪問しました。内容はとてもいいと言ってくれましたが、契約は家族と相談してから決めたいそうです。また後日訪問してみますが、それでもよろしいでしょうか」
【“3つの準備” を押さえた例】
「お問い合わせのあったお客様宅へ訪問した件について報告いたします。
契約については、保留です。(結論)
問い合わせいただいた商品について説明したところ、内容はとてもいいと興味をもっておられ、ご本人は契約したいご意向があるそうです。ただ、一度ご家族と相談して最終決定をしたいとのことでした。(説明)
現段階での契約は保留のため、2日後に再訪問してご家族も含めて再度商品説明をいたします。その日に契約ができるよう資料の手直しをして準備したいと思いますが、よろしいでしょうか(結論と具体的なアクションの提案)」
このような流れで説明ができるよう、必要事項を先に整理し、きちんと準備できたタイミングで報告しましょう。そうすれば、上司からのあなたに対する評価はきっと上がるはずですよ。
【3】「言われたことしかできない人」は期待されない
上司からの指示さえちゃんとこなせば、とりあえず問題ないはず……。そんな態度でいると、「やる気が感じられない人だ」「この人には期待しないでおこう」と思われてしまう可能性大。このような「言われたことしかできない人」には「当事者意識」が足りていないのかもしれません。
『CRESTE WORK 自分だけのキャリアを作れる人が入社1年目から大切にしていること』著者のピョートル・フェリクス・グジバチ氏も、以下のように述べています。
「周りの人が忙しくて放っておかれる。だから自分は仕事ができない」という考え方では、あまりに当事者意識が足りないように思います。給料をもらっているなら、とりあえず、自分にできることを何か探す。ファイルの整理でもなんでも、今できることをやってみる。
(引用元:東洋経済オンライン|「期待以上と思われる人」が人知れずしていること」)
つまり、当事者意識さえもてれば、自分で考え、主体的な行動にもつながるというわけです。
また、言われたことを言われたとおりに実行するだけではなく、相手の立場に立って「何をして欲しいのか」「求められていることは何か」を自分の頭で考えることも大切です。
グジバチ氏は、かつて自身が在籍していたGoogleの元人事トップ、ラズロ・ボック氏がよくしていたという話を例に挙げます。「『ハンバーガーを買ってきて』と頼まれたときに、頼まれていないフレンチフライと飲み物も一緒に買っておく、そんなレベルの仕事」をすべきだと、ボック氏が語っていたというのです。(カギカッコ内引用元:同上)
頼まれていないことにまで気を回せる人は、評価が高いということがわかりますね。ではこのハンバーガーの例を、仕事に当てはめてみましょう。
- 【上司から新しい商品の企画提案を任された場合】
→指示通りの企画を出すのではなく、その商品が市場に出たときのマーケティング戦略や販売戦略も考える。 - 【上司から業績報告書の作成を頼まれた場合】
→数字をまとめて報告するだけではなく、「なぜそのような結果になったのか」、「どうすれば改善できるのか」についての分析や提案もあわせて報告する。
このようなことを継続すれば、しだいに自分に付加価値がつくはず。期待されないどころか、上司からの期待を超える仕事ぶりを見せることで、より高い評価を得られるようになりますよ。
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仕事で期待される人になるための方法を3つ紹介しました。まずはどれか1つでもいいので、ぜひ今日から取り入れてみてくださいね。