「いい勉強法」をしている人はノートをどう使うか

「いい勉強法」をしている人はノートをどう使うか

「ノートを使う勉強法って、どうやればいいのかな?」
ノートをまとめるのに、もっといい方法はないかな?」

そんなあなたのため、ノート・ルーズリーフを使った勉強法をご紹介します。

ノートづくりは勉強の基礎。賢いノートテクニックを知っておくと、効率よく知識をインプットできますよ。

  • 資格試験に合格したい!
  • 独学でスキルアップしたい!
  • 読書で得た知識を身につけたい!

そんなあなたは、これからご紹介するノート術や勉強法を実践してみてください。

ノートを使った「いい勉強法」のポイント

まずは、ノートを使った「いい勉強法」のポイントを解説します。

未来の自分が読めるように

「自分が読めさえすればいいよね」という考えでノートをまとめていませんか? そのようなスタンスで書かれたノートは、自分でさえ読めない代物になってしまいます。

ノートを読み返すのは、勉強の記憶が薄れた「未来の自分」です。記憶が新鮮な「いまの自分」ではなく、数日~数週間後の「未来の自分」が理解できるかを考えてください

『東大家庭教師の結果が出るノート術』(あさ出版、2015年)を著した吉永賢一氏は、復習時に記憶が蘇りやすいノートのポイントをふたつ挙げています。

  1. 誰が読んでもわかる言葉で
  2. 丸写しせず、自分の言葉にかみ砕く

この2点を意識すれば、「未来の自分」に親切なノートができますよ。

書き方を統一

ノートを書くときは、一定のルールやフォーマットに従いましょう。

  • 文字の色分け
  • 文字の大きさ
  • 記号の使い分け
  • レイアウト

……などを統一すると、情報の位置づけ・重要性が明確になり、読みやすくなります

「テストに出る重要語句=赤」「補足情報=青」と決めておけば、どの箇所がどれくらい重要なのか、ひとめでわかりますね。「いまは赤で書きたいな」「デザイン的に、ここは青ペンにしよう」と気分で決めることは避けましょう

自分で決めたルールを忘れてしまいそうなら、最初のページや表紙の裏にメモしておくといいですよ。

「おもしろい!」と感じたことを書く

勉強中に「これ、おもしろいな!」と感じたら、ノートのすみや空きスペースにメモしておきましょう。

  • 関連する豆知識
  • 先生による脱線話
  • 講義中のハプニング

……など、「おもしろい!」と感じた話やエピソードの記憶は鮮明に残るもの。ノートに記録することで、そのとき学んでいた内容も一緒に覚えられます。

学習内容に関する豆知識は、そのテーマに興味をもつきっかけにもなるので、特に書き残しておく価値が高いですよ。筆者自身、世界史の先生に「シュメール人=宇宙人」という都市伝説を教えてもらったことで、古代メソポタミア史に興味をもった思い出があります。

情報の背景も書く

覚えたい情報だけでなく、その背景・理由もしっかりノートに書きましょう。単に事実を書くだけでは、なかなか記憶に定着しません

「SDGs=持続可能な開発目標」と暗記するだけでは、ふとした拍子に忘れてしまうかもしれませんよね。「SDGsはSustainable Development Goalsの略だから、訳すと “持続可能な開発目標” になる」とまで押さえておけば、忘れにくいでしょう。

「SDGsはなぜ必要なのか」「どんな経緯で提唱されたのか」といった背景も押さえておくと、知識が “自分が知っている物事” の文脈に位置づけられ、本質的な理解につながります。

それではいよいよ、ノートを使う勉強法を具体的に紹介していきますね。

ノートを使った「いい勉強法」のポイント

ノートを使った「いい勉強法」5選

ノートを用いた効率のいい勉強法として、5種類のテクニックをご紹介しましょう。

メモリーツリー

教育事業支援などを展開する株式会社カルぺ・ディエム代表で勉強法に詳しい西岡壱誠氏は、「メモリーツリー」というテクニックを推奨しています。共通・類似する情報を線で結びつけるやり方です。

ノートを使った勉強法「メモリーツリー」

上の例では、接頭辞ex-から始まる5つの英単語を線で結びました。こうすると、セットで覚えやすいですね。

これらの単語は、見た目が似ているだけでなく、意味も共通しています。接頭辞ex-には「外へ」という意味があるためです。知っていれば、ex-で始まる単語を覚えるのが楽になりますね。

  • expand:ex(外へ)+pand(広がる)
  • excite:ex(外へ)+cite(呼び出す)

一方で、接尾辞-spectの意味は「見る」です。

  • respect:re(振り返って)+spect(見る)
  • expect:ex(外を)+spect(見る)

上の図では、ex-と-spectの両方を含む「expect」を架け橋とし、ふたつのメモリーツリーを接続しました。このように関連づければ、単語を個別に暗記するよりずっと効率的です。もちろん、専門用語や試験に出るキーワードを覚えたいときにも役立ちますよ。

「英語の接頭辞と接尾辞、もっと知りたいな……」と思ったら、こちらの書籍をご参照ください。

英単語の語源図鑑

英単語の語源図鑑

  • 作者:清水建二,すずきひろし
  • かんき出版
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反復練習ノート

覚えたいことをズラリと書き、間違えた回数を記録していく「反復練習ノート」。現役東大生にして医学部予備校の講師、片山湧斗氏が推奨する勉強法です。

ノートを使った勉強法「反復練習ノート」

このようにページを3分割。書き込む内容は以下のとおりです。

  1. 左側:覚えたい語句
  2. 真ん中:復習時に間違えたり、答えられなかったりした回数
  3. 右側:語句の意味・解説

左側と右側はオレンジのペンで書くと、赤シートで隠しながら復習できます。こうすれば、「これだけ妙に間違えまくってるな……」と一目瞭然ですね。単語カードとは違い、苦手な語句だけ復習できるので、勉強時間の節約にもつながりますよ。

ご紹介した「メモリーツリー」とあわせ、

  1. 「メモリーツリー」で知識を関連づける
  2. 「反復練習ノート」で知識を記憶する

……という流れで学習すれば、効率よくインプットできます。

間違いノート

問題演習の振り返りに役立つのが、資格講師の石川和男氏がすすめる「間違いノート」。間違えた/解けなかった問題だけを集めるノートです。

ノートを使った勉強法「間違いノート」

ノートには、次の項目を書きましょう。

  1. 出典(ページ数や番号)
  2. 問題文
  3. 正答
  4. 自分の誤答
  5. 間違えた原因
  6. 対策(正答を導くための考え方、注意点など)

「間違いノート」をベースに復習すれば、苦手な範囲を確実に潰せるため、実力がついていきます。

ただ初めて挑戦する問題集の場合、ほとんどを間違えてしまうことも。「あれもこれもノートに書かなきゃ!」とキリがなくなるため、「2回以上間違えた問題を記録」などのルールを設けましょう。

コーネル式ノート

ノートのまとめ方としては「コーネル式」が有名ですね。米コーネル大学の教育学部教授だった、故ウォルター・パーク氏によるテクニックです。ノートを3分割して使います。

  1. 見出し欄:単元の小見出し
  2. 内容欄:見出しに関する詳しい情報
  3. 要約欄:ページの要約

ノートを使った勉強法「コーネル式」

「見出し欄」のおかげで、どこに何を書いたかひとめで把握できるのがメリット。普段のノートにひと工夫加えるだけというシンプルさに加え、構造が明確な点も、「コーネル式」が支持されている理由です。

上の図では、見出し欄に「IoTとは?」「IoTで何が実現できる?」「IoTの4要素とは?」という3つの見出しがあり、その右側に、見出しに対応する解説が書かれていますね。「大見出し→小見出し→詳細」とページが階層化されているのです。

暗記ノート

知識の整理には「暗記ノート」も役立ちます。資格スクール講師・碓井孝介氏推奨の、3ステップで情報を整理するテクニックです。

ノートを使った勉強法「暗記ノート」

1. しぼる

まずは、メインとなるキーワードの概要を、1行ほどで簡潔に記入します。知識の「枝葉」を削ぎ落とし、「幹」だけ残すイメージです。些末な情報や冗長な言い回しを削り、本質だけスパッと表しましょう。

×冗長な文

IoTとはInternet of Things(インターネット・オブ・シングス)の略で「さまざまなモノがインターネットにつながること」「インターネットにつながるさまざまなモノ」を指す言葉である。

○本質を抜き出した文

IoTとは、モノをインターネットにつないで便利にする技術である。

2. まとめる

次に、キーワードに関する情報を、1本の線のように結びます。先述の「メモリーツリー」と同様、情報をセットにし、記憶の定着や想起を助けるのが狙いです。

以下のように、IoT→Internet of Things→モノのインターネット……と情報をつなげていくことで、あとから芋づる式に知識を引き出せます。

IoT
→なんの略?:Internet of Things
→意味は?:モノのインターネット
→具体的には?:家電、自動車、スピーカーなど
→これらがどう変わる?:遠隔操作、遠隔モニタリング、自動制御など
→どうやって?:モノ、センサー、通信手段、アプリケーション(IoTの4要素)

3. 図にする

最後に、情報を図に落とし込みましょう。碓井氏が特に推奨する方法をふたつ紹介します。

まずは「3点ピラミッド」。覚えたい項目・理由・覚え方の3つをピラミッド型に配置します。

ノートを使った勉強法「3点ピラミッド」

  1. ピラミッドの頂点に「覚えたい項目」を配置
  2. その下に、語句の背景にある「理由」と、自分なりの「覚え方」を記入

3つの情報をセットにすることで、重要点のみ端的に復習できます。

次は、論理関係や時系列を矢印で表現する「フローチャート」。作業マニュアルや工程表などで見たことがありませんか?

「Aが原因でBが起き、それによってCが起きた」ことをフローチャートで表現すると、「A→B→C」となります。より複雑な情報は、川の支流のように分岐させましょう。

ノートを使った勉強法「フローチャート」

「暗記ノート」は、「しぼる→まとめる→図にする」の3ステップでつくりましょう。複雑な知識がスッキリ整理され、頭に入りやすくなりますよ。

以上、ノートを使った5つの勉強法を紹介しました。「こんな使い方、したことないや」と違和感を覚えるかもしれません。ですが、試したことのない勉強法に挑戦することで、自分にピッタリ合ったノートの使い方がひらめくかもしれませんよ。

ノートをつくったあとは……

最後に、ノートをつくり終わってからの勉強法にも触れておきます。

ノートをつくることは勉強のゴールではなく、あくまでスタートです。ノートがすばらしくても、そこに書いた知識を自分のものにできなければ意味がありません。

「よし、ノートが完成した!」と満足せず、さっそく活用しましょう。前出の吉永氏によると、復習時のポイントは以下の3つ。

何度も口頭復元

ノートの内容を思い出しつつ、口頭でアウトプットしましょう。特に、体系的な知識を身につけたいとき役立ちます。

IoTについて復習するなら、ノートの該当ページを思い出しつつ、「IoTとは~である。IoTの4要素は~。注意すべきポイントは~」と要点を口頭で説明。どうしても思い出せないときを除き、ノートは開かないようにしましょう。

最初は難しいかもしれませんが、何度もトライするうち、スムーズに記憶を再現できるようになりますよ。

書き足していく

ノートを読み返していると、「ここ、説明が足りてないな」「あれ、ここってこういうことかな?」と気づきが生まれる場合も。空いている箇所にどんどん追記していきましょう。

「再読→発見→追記」を繰り返すうち、ノートの品質が高まっていきます。吉永氏によると、ノートにどんどん変化を加えていくことで、復習への “飽き” が防げるそうですよ。

間違いを消さない

「あ、ここ間違えてる!」と気づいても、消しゴムや修正液で消さず、線を引いて訂正したうえで正しく書き直しましょう。完全に消去してしまうと、「間違えた」という事実も忘れるためです。

過去の自分が間違えたということは、今後も同じミスをする可能性が高いということ。間違えた箇所はあえて残し、復習のたびに目に入れれば、ミスの再発を予防できますよ。

以上、ノートをつくってからの勉強法を解説しました。ノートをつくっただけで終わらせず、ご紹介した勉強法をぜひ実践してみてくださいね。

***
ノートを用いた勉強法を5つ紹介しました。「学んだことを整理しよう!」「学んだことを覚えなくちゃ」という方は、ぜひご活用ください。ノートづくりに関しては、以下の記事もおすすめです。

>>【社会人にも対応】勉強ノートのまとめ方
>>わかりやすいノートの取り方・6つのルール
>>自主勉強・読書に使えるノートの書き方3選

(参考)
吉永賢一(2015),『東大家庭教師の結果が出るノート術』, あさ出版.
片山湧斗(2021),『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』, 日本能率協会マネジメントセンター.
ログミーBiz|東大生は「記憶力がいい」のではなく「暗記の工夫」をしている『ドラゴン桜』でも実践された、“関連付け”の記憶術
臼井俊雄(2017),『由来とつながりがわかる 英単語語源マップ』, ベレ出版.
西川盛雄(2013),『英語接辞の魅力 ― 語彙力を高める単語のメカニズム ―』, 開拓社.
リクナビNEXTジャーナル|この「勉強法」は、やってはいけない
Learning Strategies Center|The Cornell Note Taking System
碓井孝介(2016),『頭のいい人は暗記ノートで覚える!』, 三笠書房.

【ライタープロフィール】
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。

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