効率のいい勉強法14選!まずは基本を確認しよう

効率のいい勉強法14選! まずは基本を確認しよう

効率のいい勉強法を知っているかどうかで、学習の質とスピードは大きく変わります。

「覚えたはずなのに、すぐ忘れちゃう」
「なかなか進まない……」
「学んだことを実践できてないなぁ」

こんなふうに悩んでいるなら、脳の性質に適さない、間違ったやり方をしているのかも。各分野の専門家が推奨する「効率のいい勉強法」を、基本編・応用編に分けてお教えします。

効率のいい勉強法(基本編)

まずは「基本編」として、効率のいい勉強法のなかでも王道と言えるものを8つ紹介します。

勉強を好きになる

効率よく、そして楽しく勉強に取り組む第一歩は、勉強を好きになることです。脳医学者の瀧靖之氏によれば、勉強を「好き」と感じると、感情に関わる脳の「偏桃体」と記憶に関わる「海馬」のつながりが強化され、記憶が定着しやすいそう。

反対に「嫌い」と感じると、ストレスホルモンが分泌されて海馬の脳細胞が萎縮してしまうとのこと。「好きこそものの上手なれ」ということわざは脳科学的に正しいのですね。

どうしても勉強を楽しめなければ、自分の好きなものと関連づけるのも手です。プログラミングを学ぶ場合、「いつも遊んでるゲームは、どんな仕組みで動いているんだろう?」と疑問をもつことで、好奇心がそそられるかもしれません。

興味の入口になりそうな関連書籍を探すのもいいですね。Amazonで「会計学」と検索してみましょう。すると……

会計学に興味をもてそうなタイトルが多数ヒットしました。このように工夫し、学習中の分野を好きになる努力をしてみましょう。

全体像を把握する

新しい勉強を始めるとき、まずはその分野の全体像を把握しましょう。日本史を勉強するなら、このように全体から細部へと進めます

  1. 【全体】古代~現代の大まかな流れをつかむ
  2. 【細部】時代ごと・人物ごとに詳しく学ぶ

全体のうちどこを学んでいるのか把握できるので、理解が深まるのです。前出の瀧氏によれば、「いつ勉強が終わるんだろう……」というストレスがなくなるぶん、脳がパフォーマンスを発揮できるそうですよ。

全体の流れや構造を把握するには、

……などの手段をとりましょう。“クイズ王” としておなじみの元東大生・伊沢拓司氏も、同様の勉強法を「マクロ暗記/ミクロ暗記」として実践しているそうですよ。

効率のいい勉強法:全体像を把握する

思い出す練習をする

記憶を定着させるには、「覚える練習」より「思い出す練習」が大事です。

人物の名前を覚えたいなら、名前や顔写真を繰り返し見てもなかなか覚えられません。「この人の名前はなんだっけ? ……そうだ、ボリス・ジョンソンだ!」と、自力で思い出すトレーニングのほうがはるかに効率的です。

大脳生理学者の池谷裕二氏によると、何度も思い出された記憶は「使う機会が多い=重要な情報」と脳に認識され、定着しやすいそう。心理学者ジェフリー・カーピック氏らは、実験として学生たちにスワヒリ語の単語40個を記憶させました。そのうち、確認テストで問われた単語の数が多かったグループほど、1週間後の単語テストで正解率が高かったそうです。

◆思い出すトレーニング

  • 問題演習をする
  • 自作の小テストを解く
  • 赤シートで答えを隠す
  • 学んだことを人に教える
  • 人に教えるようなつもりでひとりごとを言う など

ファインマン・テクニック

物事を深く理解したいときにおすすめの学習法は、米国の物理学者リチャード・ファインマン氏が愛用していた「ファインマン・テクニック」です。

ファインマン氏は、量子電磁力学などの分野で偉業を残し、1965年にノーベル物理学賞を受賞した人物。自伝『ご冗談でしょう、ファインマンさん』では、「知識をただ丸暗記するのではなく、物事の本質的な仕組みを理解することこそが重要である」という信念がうかがえます。

◆ファインマン・テクニック

  1. 学びたい概念(言葉)をひとつ選ぶ
  2. それについて知っていることを、人に教えるようなつもりで書き出す
  3. テキストなどで調べ、新しく得た知識を書き足す
  4. 曖昧な箇所があれば、さらに学んで書き直す

「SDGs」を例に説明しましょう。まず、紙やノートに「SDGs」とタイトルを書き、知っていることをすべて書き出してみます。

ポイントは、難しい表現や専門用語を使わず、小学生でもわかるようにすること。たとえば、こんな感じです。

SDGsとは、人類がこの先ずっと地球上で生き残れるようにするため、達成すべき目標である。

このプロセスで、自分の知っていること&知らないことがはっきりします。次にテキストなどで調べ、知らなかった情報を見つけたら、ノートに書き足しましょう。

  • SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略
  • SDGsには「貧困をなくす」「飢餓をゼロにする」など17のゴールがある

このように詳細な情報を加え、ノートを完全にしていきます。最後に、不完全な点や気になる点はないか見直し。

  • 17のゴールには、具体的な目標値や期限はあるのかな?
  • 17のゴールを、具体的にどうやって達成するんだろう?

こんな疑問が湧いたら、さらに学んでノートを書き直しましょう。学習内容が難しく理解しづらいときにたいへん役立つので、ぜひファインマン・テクニックを試してみてください。

効率のいい勉強法:ファインマン・テクニック

覚えたらすぐ寝る

記憶の形成には、睡眠が深く関わっています。起きているあいだ脳にインプットされた情報を整理するためです。

日中に学んだ知識が身につくかどうかは、その夜の睡眠しだい。おろそかにすれば、せっかくの頑張りが水の泡になってしまうかもしれません。

量・質ともに十分な睡眠をとるだけでなく、記憶したあとはすぐに寝ましょう。前出の瀧氏によれば、勉強のあとほかのことをすると、脳内で記憶が混ざり、勉強の内容が抜けてしまうそう。「記憶の撹乱」です。

勉強したあとは、「SNSを見よう」「テレビでも見るか」と余計な情報を仕入れず、勉強の記憶がフレッシュなまま就寝しましょう。理想の流れは、「寝支度を完全に整えてから勉強し、終わったらすぐ寝る」です。

勉強の合間に昼寝する

短時間の昼寝でも、記憶を定着させられます。学術誌『Journal of Sleep Research』に掲載された2008年の論文によれば、被験者に単語を30個覚えさせ1時間後にテストしたところ、平均点は以下のようになりました。

  • 昼寝なし→約7点
  • テスト前に6分ほど昼寝→約8点
  • テスト前に36分ほど昼寝→約9点

学習直後に数分~数十分の昼寝をするだけで、記憶が定着するのです。休憩時間や移動時間を利用し、勉強の合間に昼寝を挟んでみましょう。

効率のいい勉強法:勉強の合間に昼寝

「脳のゴールデンタイム」を活かす

起床直後・夕方・就寝直前は、勉強に適した「脳のゴールデンタイム」。3つの時間帯を活かした勉強スケジュールを組むことで、勉強の効率が高まります。

前出の池谷氏によれば、起きてから10時くらいまで、そして16時くらいから夕食までは記憶力が高まる時間帯。空腹により、注意力・記憶力が自然と増進するのだとか。

ただし、起床直後は暗記学習に不向きだそう。問題演習や復習など、暗記以外の勉強をしましょう。

暗記に適しているのは、寝る1~2時間前。就寝直前にインプットした知識は、睡眠中に定着するからです。

論理的思考が必要な勉強を寝る前にやると、目がさえて眠れないこともあるそう。問題演習には手を出さず、インプット作業に注力しましょう。

◆勉強のゴールデンタイム

  • 起床~10時→問題演習・復習
  • 16時~夕食→問題演習・復習・暗記
  • 寝る1~2時間前→暗記

間隔を空けて復習する

記憶を定着させるには、繰り返しの復習が欠かせません。「この情報は重要だ」と脳に認識されるためです。

復習の効率は、タイミングによっても大きく左右されます。前出の池谷氏は、以下の復習スケジュールが「脳科学的に最も効率的」だと考えているそう。

  1. 学習の翌日
  2. その1週間後
  3. その2週間後
  4. その1ヵ月後

少なくとも2ヵ月間の復習が必要なのですね。「最初の1回で覚えるぞ!」というのは非常に難しいことがわかります。

効率的な復習スケジュール

試験日がずっと先の場合、5回、6回と定期的に復習し続けましょう。最後の復習から時間が空きすぎると、せっかく定着した記憶が薄れてしまうためです。

ここまで、「効率的な勉強法」の基本をご紹介しました。次は、効率のいい勉強法「応用編」です。

効率のいい勉強法(基本編)

効率のいい勉強法(応用編)

応用編として、少しユニークな「効率のいい勉強法」をご紹介します。

あえて間違える

認知科学者の苫米地英人氏によると、脳には「失敗駆動型」という性質があるそう。失敗を経験すると、同じミスを繰り返さないよう、脳は記憶に強く留めようとするのです。

「昔の失敗をいつまでも引きずっちゃう……」
「この単語、よく覚えているのにいつも言い間違えちゃうなぁ」

あなたのそんな経験にも、失敗駆動型が関わっているのでしょう。

この性質を逆手にとると、記憶を強く刻み込むには、あえて失敗すればいいことになります。 banquetという英単語を覚えたいなら、辞書を引く前に意味を予想してみましょう。これくらい適当でOKです。

「banqだけに、銀行に関係するのかな?」
「バゲットに似てるから、パンの一種かな?」

答えを見ると、正解は「宴会」。予想は外れていました。しかし、あえて間違えることにより、脳はbanquetが重要な情報だと認識するのです。

画像検索でイメージをつかむ

教育事業支援などを手がける株式会社カルぺ・ディエムの代表で、現役東大生として多数の書籍を執筆した西岡壱誠氏は、画像検索機能を使った勉強テクニックを紹介しています。

たとえば、accordという英単語の意味は「調和する」。抽象的で、ピンと来ませんよね。

そこで、「accord 英単語」と画像検索してみてください。5人の手が重なり、一致団結しているイラストがヒットするはず。

このような画像が見つかれば、単語の意味が具体的にイメージでき、印象に残ります。専門用語やビジネス用語、時事用語などでも可能です。

言葉の意味がピンと来ないときは、画像検索が助けになるかもしれませんよ。

効率のいい勉強法:画像検索でイメージをつかむ

チャンク化

次の数列を1度だけ読んでみてください。

1639562947368362

さて、どれくらい記憶に留まったでしょう? 「全然覚えてない!」という人がほとんどではないでしょうか。

記憶に残っていないのであれば、記憶の定着に必要な「思い出す」作業もできません。大量の情報を一気に覚えようとすると、情報を忘れては覚え直すという二度手間・三度手間になるのです。

このムダをなくすには、情報を「16395」「62947」「3683」「62」のように分け、1ブロックずつ確実に記憶しましょう。情報をかたまりとして分割することを「チャンク化(チャンキング)」と言います。

電話番号やクレジットカード番号が「XXXX-XXXX-XXXX」とハイフンで区切られているのもチャンク化です。chunkとは、英語で「かたまり」を意味します。

心理学者ネルソン・コーワン氏によると、人間が短期記憶できるチャンクは3~5つ。一度に覚えるのが難しい情報は、5つ以下のチャンクに分けてみましょう。

試しに、「SDGsの17のゴール」をチャンク化してみます。

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任、つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべてのひとに
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

以下のようにチャンク化してみました。

  1. QOL系
    1. 貧困をなくそう
    2. 飢餓をゼロに
    3. すべての人に健康と福祉を
    4. 質の高い教育をみんなに
    5. 働きがいも経済成長も
  2. 平等系
    1. ジェンダー平等を実現しよう
    2. 人や国の不平等をなくそう
    3. 平和と公正をすべてのひとに
    4. パートナーシップで目標を達成しよう
  3. まちづくり系
    1. 安全な水とトイレを世界中に
    2. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
    3. 住み続けられるまちづくりを
    4. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  4. 自然環境系
    1. つくる責任、つかう責任
    2. 気候変動に具体的な対策を
    3. 海の豊かさを守ろう
    4. 陸の豊かさも守ろう

記憶できそうな気がしてきませんか? 1ブロック当たりの情報が5つ以下に抑えられていますね。

チャンク化は、5×5=25個までの情報に対応できます。26個以上の情報を覚えるなら、5×5×5×……とチャンクをさらに階層化しましょう。

SDGsをチャンク化した例

耳学

精神科医の樺沢紫苑氏は、音声を聴いて学ぶ「耳学」を推奨しています。利用できるメディアは、たとえば以下のとおり。

移動中や家事・雑務の最中、ほかのことをしながら情報をインプットできるのが耳学のメリットです。貴重なスキマ時間を有効活用しましょう。

教育心理学者のアミナ・ユセフ=シャララ氏によれば、音声で情報をインプットすると耳の「感覚記憶」を刺激でき、記憶を強化できるそう。感覚記憶とは、「あの顔、見覚えがあるなぁ」「この歌、聞いたことがあるかも」「この味、昔食べた何かと似てる……」など、感覚器官ごとの記憶です。

たとえば……

  • 「マリトッツォ」という文字を見たことがある(
  • 「マリトッツォ」という音に聞き覚えがある(
  • 「マリトッツォ」と言ったことがある(
  • 「マリトッツォ」と書いたことがある(手・指
  • マリトッツォを食べたことがある(
  • マリトッツォのにおいをかいだことがある(
  • マリトッツォに触ったことがある(

……と、刺激された感覚器官が多いほど、記憶が多重に刻み込まれます。普通の勉強に耳学を合わせれば、目&耳というふたつの入口からインプットすることになり、記憶が強固になるのです。

効率のいい勉強法:複数の感覚器官から記憶する

取っ手記憶法

脳生理学者の大島清氏は「取っ手記憶法」を推奨しています。覚えたい情報に、「思い出すためのとっかかり」をつけるテクニックです。

おなじみの「鳴くよウグイス平安京」にも、取っ手記憶法が使われています。「鳴くよウグイス」の部分が “取っ手” です。この “取っ手” によって、「794年→鳴くよウグイス→平安京」と情報が結びつき、記憶をスムーズに引き出せます。

取っ手記憶法には、ストーリー法、場所法、身体部位法などのバリエーションがあります。日本三大港湾(東京湾・大阪湾・伊勢湾)を例に見ていきましょう。

ストーリー法

ストーリー法は、情報で物語をつくりつなげる方法。受験テクニックとしてもおなじみですね。日本三大港湾を覚えるなら、このようにします。

港の東京タワーで、伊勢海老入りのタコ焼きを食べた。

ストーリー法で日本三大港湾を覚える例

場所法

場所法では、自宅や通勤路、オフィスなど自分がよく知っている場所の風景に記憶を結びつけます

日本三大港湾を覚えるなら、あなたが知っている港の風景をイメージしてください。うまくイメージできない場合、インターネットなどで写真を探しましょう。

その風景に、覚えたい情報を配置していきます。

  1. 岬に東京タワーが立っている
  2. 船に巨大なタコ焼きが乗っている
  3. 海で伊勢海老が泳いでいる

こんな様子をイメージし、頭に焼きつけます。港の風景を思い浮かべさえすれば、東京・大阪・伊勢という3つの情報が引き出せるでしょう。

場所法で日本三大港湾を覚える例

身体部位法

身体部位法では、自分の身体の部位に記憶をひもづけます。土台にするのが身体に替わっただけで、基本的には場所法と同じです。

  1. 自分の頭の上に東京タワーが立っている
  2. 自分の右手のなかにタコ焼きがある
  3. 自分の足の上を伊勢海老が這っている

このようにイメージすることで、自分の身体という忘れようのない “取っ手” を使い、記憶を引き出せます。

身体部位法で日本三大港湾を覚える例

記憶テクニックについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

>>超定番記憶術「場所法」とは? 3ステップであなたもできる!
>>世界トップクラスの “記憶アスリート” たちも実践する「連想結合法」が万能すぎる。

家じゅうに貼り紙をする

テレビでよく見るタレントの名前やCMは、自然と覚えますよね。使う機会が多い情報は、脳が重要だと判断し、記憶に残りやすいためです。

この原理を利用し、覚えたい情報が頻繁に目に入る状況をつくりましょう。前出の大島氏は、家じゅうに貼り紙をすることをすすめています。

  • 食卓の上
  • パソコンの近く
  • 流し台の前
  • トイレのドア
  • 玄関のドア

……など家のいたるところに、覚えたいことを書いた紙を貼りましょう。テレビで見るタレントの名前が勝手に頭に入るように、記憶が少しずつ強化されます。

日常生活のすべてが勉強時間になるため、張り紙を利用するのはとても効率のいい勉強法です。

効率のいい勉強法(応用編)

「効率のいい勉強法」を学べる本3選

最後に、効率のいい勉強法をさらに学べる本を紹介します。

『図解 これが記憶法のすべてだ!』

入門書としては、前出の大島清氏による『図解 これが記憶法のすべてだ!』がおすすめ。4章構成で、医学的に正しい勉強法をイチから学べます。

  1. 脳と記憶のメカニズムを知る
  2. 脳の働きを利用した10の記憶法
  3. 日常生活の中で記憶力を高める5つの行動
  4. 記憶力トレーニング

内容は網羅的な一方、情報量はコンパクトです。1テーマ当たり1~2ページ程度で、図版が1枚ずつ挿入されているので、すらすらと読めます。

「効率的な勉強法を手っ取り早く知りたいな」
「サクッと読みたいな」

という方には、『図解 これが記憶法のすべてだ!』が特におすすめです。

図解これが記憶法のすべてだ!

図解これが記憶法のすべてだ!

  • 作者:大島清
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
Amazon

『学び効率が最大化するインプット大全』

『学び効率が最大化するインプット大全』は、効率のいい勉強法を網羅した1冊。著者は、ビジネス書作家としても活躍する精神科医・樺沢紫苑氏です。

勉強や読書、情報収集の質を高めるノウハウを、医学的な見地から教えてくれます。以下のように、具体的かつ実践しやすいテクニックを80も掲載。「大全」の名にふさわしい一冊です。

  • アウトプットを前提に読む
  • 「3点読み」で情報の偏りをなくす
  • 勉強前に音楽を聴く
  • 週に2時間以上運動し、記憶力を高める

『世界最強記憶術 場所法』

場所法とは、覚えたいものを「知っている風景」にひもづける記憶テクニック。場所法の基本的なやり方やコツ、トレーニング方法などを学べるのが『世界最強記憶術 場所法』です。

著者は、記憶力競技日本一の称号をもつ平田直也氏。もともとの記憶力は平凡だったものの、記憶術をマスターし、たった2年で記憶の達人になれたそうです。

『世界最強記憶術 場所法』では、場所法以外の記憶術、記憶力競技の問題例・攻略法なども紹介されています。効率のいい勉強法のヒントを得たい方はもちろん、“記憶術” の奥深い世界をのぞきたい方にとっても格好の案内書です。

世界最強記憶術 場所法

世界最強記憶術 場所法

  • 作者:平田直也
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
Amazon

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「効率のいい勉強法」の基本と応用をご紹介しました。まずは「基本編」を読み返し、自分ができているか確認することから始めましょう。

(参考)

NIKKEI STYLE|脳のパフォーマンス最大に 脳医学者お薦めの勉強法
プレジデントオンライン|"東大クイズ王"が机に座らないで勉強するワケ
いま女子からだナビ|記憶力は今からでも伸ばせる!? 楽しみながら鍛えよう!
Karpicke, Jeffrey D. and Henry L. Roediger III (2008), "The Critical Importance of Retrieval for Learning," Science, Vol. 319, No. 5865, pp.966-968.
THE21オンライン|高学歴芸人ロザンの必勝勉強法・「エアー授業」とは!?
R・P・ファインマン 著, 大貫昌子 訳(1986),『ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)』, 岩波書店.
藤嶋昭 監(2018),『世界の科学者まるわかり図鑑』, 学研プラス.
甲南大学|第1回 「睡眠と記憶について/基本的な睡眠とは」
東洋経済オンライン|「寝る直前10分の勉強」が効果絶大なワケ
Lahl, Olaf, Christiane Wispel, Bernadette Willigens, and Reinhard Pietrowsky (2008), "An ultra short episode of sleep is sufficient to promote declarative memory performance," Journal of Sleep Research, Vol. 17, No. 1, pp.3-10.
プレジデントオンライン|「寝る前1時間」は勉強のゴールデンアワー
プレジデントオンライン|「復習4回」で脳をダマすことができる
コトバンク|分散学習
苫米地英人(2010),『脳を鍛える「超」記憶法』, アスコム.
東洋経済オンライン|東大生が断言「スマホは勉強に役立つ」3大理由
Cowan, Nelson (2001), "The magical number 4 in short-term memory: A reconsideration of mental storage capacity," Behavioral and Brain Sciences, Vol. 24, No. 1, pp.87-114.
篠原菊紀 監(2015),『脳科学が教えてくれた 覚えられる 忘れない! 記憶術』, すばる舎.
STUDY HACKER|アウトプットのプロはなぜ午前中に文章を書くのか? 脳科学に基づく「仕事力アップ習慣」
The Conversation|Studying for exams? Here’s how to make your memory work for you
大島清(2006),『図解 これが記憶法のすべてだ!』, ディスカヴァー・トゥエンティワン.

【ライタープロフィール】
佐藤舜

大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。

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    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」や、英語の自習型コーチングサービス「STRAIL」を運営。
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